6 / 17
キリトの過去
しおりを挟む「これから結界を張ります。集中したいので、明日の昼までは話しかけないでください。」
食事を終えたセリシアは、二人にそう告げると、部屋に戻って行った。
キリトの事が少し気になるけど、結界を張るのは早い方がいい。
セリシアは集中して結界を張り始めた。
「明日の昼までとは……セリシア様は大丈夫かのう?」
今から明日の昼までは、半日以上あった。
「……セリシア様は、スベマナでずっとそんな生活をしていたんだよ。」
キリトが騎士をしていたのは、スベマナ王国だった。キリトは父親みたいになりたくて、スベマナ王国で兵として働いていた。
キリトの強さは敵を寄せ付けず、ある戦場で手柄を立てた事で、前国王に認められ騎士となった。
そして国王が変わり、王妃セリシアを迎えた。
キリトはセリシアを尊敬していた。誰からも感謝されることもなく、誰からも認められない王妃は、スベマナの為に結界を張り、守り続けていた。
ジオン国王はそんな王妃に目もくれず、毎日モニカを寝室に呼び続けていたのだ。
そんなセリシアを見続けて一年が過ぎた頃、キリトは我慢が出来なくなり、国王ジオンに意見した。
『陛下!王妃様を敬ってください!』
ジオン王が騎士の意見などに聞く耳を持つはずはなく……キリトは国を追放された。
そんな事があった事さえ、セリシアには知らされてなかった。
「セリシア様はそんな扱いを……。そんな事は一言も言わず、こうしてこの村を守ろうとしてくれてる。健気な子じゃのう。」
「俺はセリシア様を守ってさしあげる事ができなかった。だから今度こそ、守りたい!」
二人がそんな話をしているとは、夢にも思わないセリシアは結界を張ることに集中していた。
翌日の昼過ぎ、キリトはセリシアの部屋のドアを叩いた。
コンコン……
「セリシア様、お疲れでしょう……食事にしませんか?」
バンッ!!
ガンッ!!
勢いよくドアが開き……キリトの顔にぶつかった!
「あ……えっと……キリト、大丈夫ですか?」
キリトは顔を手でおさえながら、
「だひじょうふれす……(大丈夫です……)」
キリトが手を離すと、唇が真っ赤になっていた。
「ごめんなさい……キリト。」
「ぜんぜんへいひれす!それひょり、なにかはったのれすか?(全然平気です!それより、何かあったのですか?)」
「結界が……完成したんです!」
141
あなたにおすすめの小説
婚約者から妾になれと言われた私は、婚約を破棄することにしました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私エミリーは、婚約者のアシェル王子に「妾になれ」と言われてしまう。
アシェルは子爵令嬢のキアラを好きになったようで、妾になる原因を私のせいにしたいようだ。
もうアシェルと関わりたくない私は、妾にならず婚約破棄しようと決意していた。
治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました
山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。
生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
これまでは悉く妹に幸せを邪魔されていました。今後は違いますよ?
satomi
恋愛
ディラーノ侯爵家の義姉妹の姉・サマンサとユアノ。二人は同じ侯爵家のアーロン=ジェンキンスとの縁談に臨む。もともとはサマンサに来た縁談話だったのだが、姉のモノを悉く奪う義妹ユアノがお父様に「見合いの席に同席したい」と懇願し、何故かディラーノ家からは二人の娘が見合いの席に。
結果、ユアノがアーロンと婚約することになるのだが…
家族から見放されましたが、王家が救ってくれました!
マルローネ
恋愛
「お前は私に相応しくない。婚約を破棄する」
花嫁修業中の伯爵令嬢のユリアは突然、相応しくないとして婚約者の侯爵令息であるレイモンドに捨てられた。それを聞いた彼女の父親も家族もユリアを必要なしとして捨て去る。
途方に暮れたユリアだったが彼女にはとても大きな味方がおり……。
妹に婚約者を奪われた私ですが、王子の婚約者になりました
天宮有
恋愛
「お前よりも優秀なメリタと婚約することにした」
侯爵令嬢の私ルーミエは、伯爵令息バハムスから婚約破棄を言い渡されてしまう。
その後バハムスを奪いたかったと、妹メリタが私に話していた。
婚約破棄を言い渡されてすぐに、第四王子のジトアが屋敷にやって来る。
本来はジトアが受けるはずだった呪いの身代わりになっていたから、私は今まで弱体化していたようだ。
呪いは来月には解けるようで、これから傍にいたいとジトアは言ってくれる。
ジトア王子の婚約者になれた私は、呪いが解けようとしていた。
妹の嘘を信じて婚約破棄するのなら、私は家から出ていきます
天宮有
恋愛
平民のシャイナは妹ザロアのために働き、ザロアは家族から溺愛されていた。
ザロアの学費をシャイナが稼ぎ、その時に伯爵令息のランドから告白される。
それから数ヶ月が経ち、ザロアの嘘を信じたランドからシャイナは婚約破棄を言い渡されてしまう。
ランドはザロアと結婚するようで、そのショックによりシャイナは前世の記憶を思い出す。
今まで家族に利用されていたシャイナは、家から出ていくことを決意した。
君を愛す気はない?どうぞご自由に!あなたがいない場所へ行きます。
みみぢあん
恋愛
貧乏なタムワース男爵家令嬢のマリエルは、初恋の騎士セイン・ガルフェルト侯爵の部下、ギリス・モリダールと結婚し初夜を迎えようとするが… 夫ギリスの暴言に耐えられず、マリエルは神殿へ逃げこんだ。
マリエルは身分違いで告白をできなくても、セインを愛する自分が、他の男性と結婚するのは間違いだと、自立への道をあゆもうとする。
そんなマリエルをセインは心配し… マリエルは愛するセインの優しさに苦悩する。
※ざまぁ系メインのお話ではありません、ご注意を😓
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる