〖完結〗お飾り王妃は追放されて国を創る~最強聖女を追放したバカ王~

藍川みいな

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スベマナの結界消滅

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 「ほんとうれすか!?(本当ですか!?)」

 「はい!あとは毎日2、3回祈りを捧げれば、数年はもちます!ですが……」

 「どうしたのですか?」

 「実は追放されてからも、スベマナの結界を張り続けていたんです。モニカ……新しい王妃様は聖女ではなかったので、弱い結界ですがないよりはマシかと……。でももう、スベマナの結界は消滅しました。」

 この地の結界の為に、スベマナの結界を消滅させてしまった。

 「セリシア様は、スベマナを恨んではいないのですか?」

 「恨んではいません。私が生まれ育った国ですから。ですが、これでスベマナとの縁は完全に絶たれました。」

 少し悲しげな表情を見せたセリシアに、キリトは何も言うことができなかった。



 セリシアの結界がスベマナから消滅した翌日、スベマナは魔物の大群に襲われた。

 「キャーーーッ!!」
 「どうして魔物が!?」
 「モニカ王妃様が、結界を張ってくださってるんじゃなかったのか!?」

 国境付近の町や村は壊滅状態になり、国民は他国へと逃げ出し始めていた!


 「どういう事だ!?モニカ!結界はどうしたのだ!?」

 「結界なんて知りません!ジオン様が、『お前は傍にいるだけでいい』っておっしゃったんじゃないですか!」

 「お前は何を言ってるんだ!?私に聖女だと言ったよな!?」

 「それは……聖女じゃないと、王妃にはなれなかったので……」

 「貴様ーっ!!」

 「お取り込み中の所申し訳ありません!国境に送った兵が、全滅したとの報告が届きました!」

 「このままでは……国が……!兵を王都に集中させろ!絶対にこの城に魔物を通すな!!」

 ジオン王は自分を守る為に、王都以外の町や村の国民を捨てた。

 「急いで聖女を探せ!そうだ、セリシアを連れ戻せ!」

 王都と城を守る兵士を十分に残し、残りの兵士はセリシアと聖女を探しに各地に散らばった。

 「モニカ、今すぐ出て行け!セリシアと同じ、国外追放とする!」

 「そんな……私を愛してると言ってくれたじゃないですか!」

 「見た目だけで中身空っぽのお前を、本気で愛するとでも思っていたのか!?無事にこの国から出られはしないが、自業自得だろう。こいつをつまみ出せ!」

 ジオン王に命令された兵士は、モニカを城の外へと連れて行く。

 「離しなさいよ!私は王妃よ!!この国の王妃なのよー!」

 城の外に放り出されたモニカは、地面にヘタレ込んだまましばらく動くことができなかった。


 「お父様……お父様に会いに行かなくちゃ。」
 
 モニカの両親は、モニカが王妃となった事で、ジオン王から国境近くの土地をもらい住んでいた……皮肉にもモニカのせいで最初の犠牲となっていた。


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