7 / 17
スベマナの結界消滅
しおりを挟む「ほんとうれすか!?(本当ですか!?)」
「はい!あとは毎日2、3回祈りを捧げれば、数年はもちます!ですが……」
「どうしたのですか?」
「実は追放されてからも、スベマナの結界を張り続けていたんです。モニカ……新しい王妃様は聖女ではなかったので、弱い結界ですがないよりはマシかと……。でももう、スベマナの結界は消滅しました。」
この地の結界の為に、スベマナの結界を消滅させてしまった。
「セリシア様は、スベマナを恨んではいないのですか?」
「恨んではいません。私が生まれ育った国ですから。ですが、これでスベマナとの縁は完全に絶たれました。」
少し悲しげな表情を見せたセリシアに、キリトは何も言うことができなかった。
セリシアの結界がスベマナから消滅した翌日、スベマナは魔物の大群に襲われた。
「キャーーーッ!!」
「どうして魔物が!?」
「モニカ王妃様が、結界を張ってくださってるんじゃなかったのか!?」
国境付近の町や村は壊滅状態になり、国民は他国へと逃げ出し始めていた!
「どういう事だ!?モニカ!結界はどうしたのだ!?」
「結界なんて知りません!ジオン様が、『お前は傍にいるだけでいい』っておっしゃったんじゃないですか!」
「お前は何を言ってるんだ!?私に聖女だと言ったよな!?」
「それは……聖女じゃないと、王妃にはなれなかったので……」
「貴様ーっ!!」
「お取り込み中の所申し訳ありません!国境に送った兵が、全滅したとの報告が届きました!」
「このままでは……国が……!兵を王都に集中させろ!絶対にこの城に魔物を通すな!!」
ジオン王は自分を守る為に、王都以外の町や村の国民を捨てた。
「急いで聖女を探せ!そうだ、セリシアを連れ戻せ!」
王都と城を守る兵士を十分に残し、残りの兵士はセリシアと聖女を探しに各地に散らばった。
「モニカ、今すぐ出て行け!セリシアと同じ、国外追放とする!」
「そんな……私を愛してると言ってくれたじゃないですか!」
「見た目だけで中身空っぽのお前を、本気で愛するとでも思っていたのか!?無事にこの国から出られはしないが、自業自得だろう。こいつをつまみ出せ!」
ジオン王に命令された兵士は、モニカを城の外へと連れて行く。
「離しなさいよ!私は王妃よ!!この国の王妃なのよー!」
城の外に放り出されたモニカは、地面にヘタレ込んだまましばらく動くことができなかった。
「お父様……お父様に会いに行かなくちゃ。」
モニカの両親は、モニカが王妃となった事で、ジオン王から国境近くの土地をもらい住んでいた……皮肉にもモニカのせいで最初の犠牲となっていた。
163
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された地味伯爵令嬢は、隠れ錬金術師でした~追放された辺境でスローライフを始めたら、隣国の冷徹魔導公爵に溺愛されて最強です~
ふわふわ
恋愛
地味で目立たない伯爵令嬢・エルカミーノは、王太子カイロンとの政略婚約を強いられていた。
しかし、転生聖女ソルスティスに心を奪われたカイロンは、公開の舞踏会で婚約破棄を宣言。「地味でお前は不要!」と嘲笑う。
周囲から「悪役令嬢」の烙印を押され、辺境追放を言い渡されたエルカミーノ。
だが内心では「やったー! これで自由!」と大喜び。
実は彼女は前世の記憶を持つ天才錬金術師で、希少素材ゼロで最強ポーションを作れるチート級の才能を隠していたのだ。
追放先の辺境で、忠実なメイド・セシルと共に薬草園を開き、のんびりスローライフを始めるエルカミーノ。
作ったポーションが村人を救い、次第に評判が広がっていく。
そんな中、隣国から視察に来た冷徹で美麗な魔導公爵・ラクティスが、エルカミーノの才能に一目惚れ(?)。
「君の錬金術は国宝級だ。僕の国へ来ないか?」とスカウトし、腹黒ながらエルカミーノにだけ甘々溺愛モード全開に!
一方、王都ではソルスティスの聖魔法が効かず魔瘴病が流行。
エルカミーノのポーションなしでは国が危機に陥り、カイロンとソルスティスは後悔の渦へ……。
公開土下座、聖女の暴走と転生者バレ、国際的な陰謀……
さまざまな試練をラクティスの守護と溺愛で乗り越え、エルカミーノは大陸の救済者となり、幸せな結婚へ!
**婚約破棄ざまぁ×隠れチート錬金術×辺境スローライフ×冷徹公爵の甘々溺愛**
胸キュン&スカッと満載の異世界ファンタジー、全32話完結!
婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました
天宮有
恋愛
「貴様のような醜い者とは婚約を破棄する!」
婚約者バハムスにそんなことを言われて、侯爵令嬢の私ルーミエは唖然としていた。
婚約が決まった際に、バハムスは「お前の見た目は弱々しい。なんとかしろ」と私に言っていた。
私は独自に作成した魔法により太ることで解決したのに、その後バハムスは婚約破棄を言い渡してくる。
もう太る魔法を使い続ける必要はないと考えた私は――魔法を解くことにしていた。
孤島送りになった聖女は、新生活を楽しみます
天宮有
恋愛
聖女の私ミレッサは、アールド国を聖女の力で平和にしていた。
それなのに国王は、平和なのは私が人々を生贄に力をつけているからと罪を捏造する。
公爵令嬢リノスを新しい聖女にしたいようで、私は孤島送りとなってしまう。
島から出られない呪いを受けてから、転移魔法で私は孤島に飛ばさていた。
その後――孤島で新しい生活を楽しんでいると、アールド国の惨状を知る。
私の罪が捏造だと判明して国王は苦しんでいるようだけど、戻る気はなかった。
【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢
美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」
かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。
誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。
そこで彼女はある1人の人物と出会う。
彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。
ーー蜂蜜みたい。
これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。
『壁の花』の地味令嬢、『耳が良すぎる』王子殿下に求婚されています〜《本業》に差し支えるのでご遠慮願えますか?〜
水都 ミナト
恋愛
マリリン・モントワール伯爵令嬢。
実家が運営するモントワール商会は王国随一の大商会で、優秀な兄が二人に、姉が一人いる末っ子令嬢。
地味な外観でパーティには来るものの、いつも壁側で1人静かに佇んでいる。そのため他の令嬢たちからは『地味な壁の花』と小馬鹿にされているのだが、そんな嘲笑をものととせず彼女が壁の花に甘んじているのには理由があった。
「商売において重要なのは『信頼』と『情報』ですから」
※設定はゆるめ。そこまで腹立たしいキャラも出てきませんのでお気軽にお楽しみください。2万字程の作品です。
※カクヨム様、なろう様でも公開しています。
魅了魔法が効かない私は処刑されて、時間が戻ったようです
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私リーゼは、ダーロス王子に婚約破棄を言い渡されてしまう。
婚約破棄の際に一切知らない様々な悪行が発覚して、私は処刑されることとなっていた。
その後、檻に閉じ込められていた私の前に、侯爵令嬢のベネサが現れて真相を話す。
ベネサは魅了魔法を使えるようになり、魅了魔法が効かない私を脅威だと思ったようだ。
貴族達を操り私を処刑まで追い詰めたようで、処刑の時がやってくる。
私は処刑されてしまったけど――時間が、1年前に戻っていた。
聖女姉妹の姉は、妹に婚約者を奪われました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私ミレッサと妹シアノは数週間前に聖女の力を得て、聖女姉妹と呼ばれていた。
一週間前に私はルグド王子、シアノは侯爵令息カインとの婚約が決まる。
そして――シアノの方が優秀だから、婚約者を変えたいとルグド王子が言い出した。
これはシアノの提案のようで、私は婚約者を奪われてしまう。
ルグド王子よりカインは遙かにいい人で、私は婚約者が変わったことを喜んでいた。
そして数ヶ月後――私の方が、妹より優れていることが判明した。
婚約破棄が決まっているようなので、私は国を出ることにしました
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私エルノアは、婚約破棄が決まっているようだ。
他国の王子ラーサーから聞いた話で、最初は信じられなかった。
婚約者のドスラ王子を追及すると、本当に婚約を破棄するつもりのようだ。
その後――私はラーサーの提案に賛同して、国を出ることにしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる