転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第411話 [生命の揺り篭。Part14]

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33階層に降りた俺達は出来るだけ魔物が密集し易い環境が在る場所まで移動して、早速スキア達に精霊魔法を使用してもらう事にした。

「先程もお話致しましたが、数秒間は私共に魔物を近付けさせない様にお願い致します。」

「あぁ、幻精霊になって初めてだからって言ってたな。任せろ。」

「シュウト様、有難う御座います。皆さんもお願いします。」

スキアがそう言うと全員が頷き、幻精霊達を囲む様に布陣し、魔物との戦闘を開始した。

予定通り、布陣を展開して数秒後、スキア達の精霊魔法が発動したのか、スキア達を中心に直径10mの結界の様なモノが広がり結界の中に居た弱い魔物は消滅し、ある程度強い魔物は全て外へと弾かれていた。

「結界?」

俺がそう疑問の言葉を発した瞬間、結界だと思っていた部分の外側から数百を超える触手が一気に伸びていき、1本1本が100m程の長さに到達すると触手の成長はストップし、近くに居た魔物を鞭で攻撃する様に倒したり、巻き付いて絞め殺したり、槍の様に突き刺したりしていた。

「結構エグいな。なぁシュウト。」

「エグいというより、イソギンチャクみたいな魔物と似てないか?」

「確かに。見てる限り破壊力は段違いだがな。」

「まぁそうだな。強そうな魔物も倒せないまでも近付く事は許してないからな。」

「いえ、まだまだこれからですよ。」

ルークの言葉にスキアがそう言うとそこまで強くなさそうな魔物を倒し、対応する必要の無い触手部分が集まり出し、ドリルの様に絡まったと思った瞬間、テリトリーから弾き出すに留まっていた魔物に向かって勢い良く射出されるとその魔物に突き刺さり、魔物の体内から消滅させてしまった。

「うわっ!更にエグいな。」

「なるほど触手一つ一つを自由に操れるのか。」

「シュウト様の仰る通りにございます。ただどうしても攻撃は大雑把になってしまいますので、動きが恐ろしく速い魔物に対しては当てるのは困難と言わざるを得ません。」

「まぁ、これだけ攻防を兼ね備えてるんだし、そこまで気にする事じゃないさ。」

「ありがとうございます。」

「それで、この魔法は地下の魔物にも対処してる様だが、空中・・・いや、水中か、地中とどの程度違うんだ?」

「それは攻撃力や攻撃スピードという事でしょうか?」

「そうだな。今のところ地中の魔物が少なくてハッキリとした事が分からないからな。」

「でしたら問題ございません。本日行っている魔法は各属性が合わさった魔法でございますので、抵抗出来るのは極一部、ダンジョンの大地であろうと抵抗される事は殆どなく、魔物を攻撃する事が可能なのです。」

「確かに岩場に潜んでいようと直接攻撃してるな。」

「はい。属性を多少変更する事で透過可能なのです。」

「って事は移動は出来ない感じか?」

「それは皆さんと共に移動という事でしょうか?それとも周囲と一体になっての移動でしょうか?」

「一体って、さっきの移動手段と同じ事が出来るのか?」

「先程の様な高速移動は出来ませんが、一部分を性質変化させる事で移動は可能です。」

「面白ぇなぁ、やってみてくれよ。」

「シュウト様、ルークがこう言っておりますが如何なさいますか?」

「やってくれ。」

「御意。」

そう言ってスキアが幻精霊の皆んなの方を見ると全員が頷いて魔力を更に込めていった。

そうして暫くすると地面が揺れ始め、発動中の精霊魔法の外縁部の地面に罅が入り、そこを境界に地面がせり上がっていき、一定の高さまで上がるとズシンズシンと大きな音をリズミカルに鳴らしながら移動し始めた。

「どうなってるんだ?」

俺がそう言いながら神の瞳で全体像を確認すると球体の結界の様なモノの内側の地面が結界ごと持ち上げられ結界から生えている触手が移動方向へと回転する事で硬化した下側の触手がスパイクの要領で地面に突き刺さりながら進んでいた。

「ジャイロ効果も利用した移動法か。」

「シュウト、何か分かったのか?」

ルークにそう聞かれた俺は今の状態を説明した。

「なるほどなぁ、アヒノステラってぇ魔物見てぇな動きなんだな。」

「へぇ~そんなに似てるのか?」

「おうよ。前世でアキトの好物だった食い物が居たろ?」

「雲丹か。確かに形は近いものが有るな。」

「そんでアヒノステラは攻撃も防御も移動も全て棘に依存してるんだが、その移動方法が回転なんだよ。」

「強いのか?」

「いや、ガタイも20から30cmってとこだし、中身もあんまねぇから軽いしな。棘は硬ぇが、毒もねぇから大繁殖してもDランクってとこだな。まぁもしコレと同じくらいのデカさがありゃ脅威度は増すだろうが、それでも回転するだけだからなぁ。」

「へぇ~。味も似てるのか?」

「いや、中身が詰まったヤツには出会った事はねぇし、有ったとしても誰も食べようとしねぇだろ。」

「まぁ確かに魔物の出生の秘密を知らないで前世の記憶が有るなら探すかも知れないが、知ってるとそもそも雲丹の可食部である生殖巣すら有るか分からないしな。」

「あぁ、ダンジョンで全て産まれてるかもしれねぇって事か。」

「そう。アキトには悪いが可能性としては高くないか?」

「そうだな。まぁただ前世と違って海中は大陸よりも未開部分が多いからなぁ。今回のダンジョンだって神託が降りなかったら知らないままだっただろうしな。」

「そうか、此処にはソナーや人工衛星なんて物は無いもんな。」

「強いて言うならシュウトの神の瞳や千里眼とかいうスキルが前世のソナーや人工衛星の役割りを担えるだろうが、そんなスキルを持ってりゃあ、国に囲われねぇ限り、命が幾つ有っても心もとねぇし、国に囲われてんなら他の国にバレねぇ様にそのスキルを使わせるだろうから世界中を探索するなんて事は無いだろうな。」

「まぁそれはそうだろうな。なら俺がある程度やった方が良いのか?」

「いやいや、友好国に頼まれてっつうならまだ分かるが、戦争に使われる可能性が有るんだ。俺らだけで把握する程度で良いだろ?」

「俺達は良いのか?」

「人々を助けたいんだろ?」

「まぁ、困ってる人が居たらな。」

「それなら出来る時に世界地図や海図が複合した様なやつを作っときゃ、シュウトだけじゃなくて国として支援も出来るだろうしな。」

「そうだな。一人で出来る事なんてたかが知れてるしな。」

「まぁそうだなって言いてぇところだが、シュウトは何とかしちまいそうだけどな。」

ルークはそう言うと俺を見ながらニヤニヤしていた。

「俺はやれる事をやるだけで、神様じゃないんだ。人手は多い方が良いと思っても可笑しくないだろ?」

「それは分かるが国民は神扱いしてっぞ。」

「・・・そんな事よりスキア、そろそろ3時の方向へ向かってくれ。」

俺がそう言うとスキアは首を傾げながら俺の方を見てきた。

「・・・ん?あれ?こっちでも時間の感覚はあるよな?」

俺がそう言うとルークが肩を叩いてきた。

「何だ?」

「確かに有るが、それだと伝わんねぇぞ。」

「そうなのか?」

「あぁ、こっちじゃ時計の塔ってぇのが在って、その塔から各地へ各地の時間を報せるアーティファクトが点々と在るんだ。各国はそれを確認して都市や村に設置してある魔道具で人々に報せっから前世みたいなのは知る人ぞ知る様なもんだな。」

「じゃあ皆んなはどうやって人に・・・例えば大人数に報せるんだ?」

「そりゃ周辺に居るヤツらには身振り手振り、軍なんかは魔道具だな。」

「軍はそれでも街なんかだとどうするんだ?」

「街?・・・あぁ、スタンピードみたいな災害の時か?」

「あぁ。」

「それなら魔法で報せるから問題ねぇよ。」

「なるほどなぁ。」

俺達がそう話しているとスキアが困った様な表情をしながら話し掛けてきた。

「私共に知識が無い所為で困らせてしまい、申し訳ありません。」

「いやいや、知らなかった俺が悪いんだスキアが恐縮する事はないぞ。」

「ありがとうございます。それで何方へ向かった方が宜しいのでしょうか?」

「それなら向こうの方へ向かってくれ。」

「御意。」

俺がそう言うとスキア達は魔法の回転方向を変えて俺が伝えた方角へと進んだ。

「後、これも言っとくわ。」

「何だルーク?」

「ダンジョンだと方角とかは無い事も有るからな。」

「ん?」

「此処はどうか分かんねぇけど、常にゆっくりと動いてるダンジョンも在るんだよ。」

「そうなのか?」

「あぁ、だから北に向かおうとか言っても魔道具が示さないというか、方角を示す魔道具がクルクル回って機能しないんだよ。」

「ならその場合も行動で示す感じなのか。」

「そうだな。まぁでも行動を示す決まったジェスチャーは国民全員とまでは言わねぇが作っとく方が良いかもな。」

「ん?無いのか?」

「俺が軍に居た時は簡単なもんしか無かったなぁ・・・バトはどうだ?」

「私が暗部に在籍していた頃は各パーティーによって違いました。」

「そうだよな。」

「え?じゃあ違うパーティーと合同とかもあるんじゃないのか?」

「その際は事前にある程度決めておくのでございます。」

「へっ?それって困らないのか?」

「パーティー数が増えれば増える程、細かい部分では支障は出ますが、その際は各自の判断で行います。但し軍行動に関しては、伝達を担うスキルを持つ者が小隊毎に配置されますので行軍に問題が発生するという事は殆どございません。」

「ならルーク、冒険者だとどうなんだ?」

「冒険者は個人主義が基本だからな。合同でやる場合は最低限の決め事はして後はパーティー毎にって感じだな。」

「最低限って?」

「撤退の合図だったり、応援要請だな。どうせ細かい決め事しても意味ねぇからな。」

「個人主義がって事だな。」

「まぁな。それに冒険者は軍の様な行動には慣れてねぇし、パフォーマンスが落ちるから軍と協力するとしても軍からは最低限の指示だけして後は任せる的な感じだ。」

「なるほどなぁ。」

「まぁ最近はシュウトのおかげで我儘を言うやつも少なくなったって聞いてっけどな。」

「俺?何で?」

「強いのに偉そうにしねぇし、皆んなの為に動いてるだろ?」

「ん?普通だろ?」

「いや、シュウトが、いや、使徒様が現れるまでは強ければ正義みたいな風潮があったし、それがカッコイイと思ってるヤツが多かったんだが、弱きを助け強きを挫くみてぇなのが、憧れみてぇになって今じゃ偉そうに振る舞うヤツなんて殆どいねぇらしいぞ。」

「へぇ~。」

「へぇ~って、それだけでも凄ぇ事なんだぞ。」

「そうか、それは良かった。それで皆んな周りを見てるだけで何もしないのか?」

「何も?・・・あぁ、この状態でも攻撃可能か試すんだったな。」

俺は恥ずかしい話を続けさせない為にも全員に行動を促すと全員、攻撃する体制になった。
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