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第359話 [捜索。]
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「コタロウさん、1つ良いですか?」
「はい。如何さないましたか?」
コタロウさんのあまりにも丁寧な話し方に少し残念な気持ちになりながらもノブツナさんが居るから仕方がないのかと思いながらも質問する事にした。
「地獄山には今、何名入山してるのか把握していますか?」
「シュウト殿、急にどうしたのじゃ?」
「地獄山を見てみたんですけど、20名の人達がいるので、その差を聞いてみようかと思いまして。」
「ん?見る?シュウト殿は此処に来るまでに地獄山を一通り探索したとでもいうのかのぅ?」
「あっ、違いますよ。スキルで今、見てるだけです。」
「スキルとな!?はぁ~やはり使徒様は規格外過ぎて儂らには測れぬのぅ。してコタロウ、答えはどうなのじゃ?」
「里の修練者は25名、里の外から来た者は16名です。」
コタロウが暗い顔でそう言うとノブツナさんが俺の方を見た。
「本当に20しか居らぬのか!?」
「そうですね、地獄山全体をスキルで見た感じでは20名の反応しか無いですね。」
「ではその20名は離れておるのか?それともある程度固まっておるのかのぅ?」
「1人で居る方は数名、後は2~3人のパーティーを組んでる方々ですね。」
「そうかぁ・・・1人・・・いや、パーティーを組んでる者は今も戦闘中かは分かるのかのぅ?」
「今の状況だとHPがどの程度減ったとかしか分からないですけど、1人ずつ見ていけば可能ですね。」
「左様か・・・そうだコタロウ!緊急招集せよ。地獄山から修練者を戻すのじゃ!」
「御意!」
コタロウさんはそう言うと急いで部屋から出て行った。
「緊急招集ですか?」
「そうじゃ、この里には外敵から里の存続が脅かされそうになった時に対処出来るようになっておるのじゃ。」
「なるほど・・・もしかして、招集命令されても里に戻らない人達を見れば良いと?」
「そうじゃ、これでシュウト殿の負担も減るであろう?そのぅ・・・スキルで見てはくれんか?」
「1つ良いですか?」
「何じゃ?無理そうかのぅ?」
「そうじゃないんですけど、招集って実際どうやってするんですか?何方かのスキルですか?」
ゴーン!・・・ゴーン!・・・ゴーン!・・・・・・
俺の質問し終わると同時に外から大きな鐘の音が響いてきた。
「これじゃよ。」
「こんな大きな音なら地獄山全体に響き渡るとは思いますけど、こんな大音量だと魔物が里に向かってきますよねぇ?」
「その心配は無い。」
「それは・・・?」
「この音は魔物には聞こえんし、感じる事も出来んそうじゃ。」
「そうなんですね。それは魔道具か何かですか?」
「魔道具は魔道具でもアーティファクトじゃよ。」
「アーティファクト?」
「そうじゃ、此処が里、いやもっと少ない、集落とも呼ぶには少な過ぎる人数じゃった頃に地獄山から2つのアーティファクトを手に入れたそうじゃが、その1つがこの鐘の音、“セキュアの鐘”じゃ。」
「セキュア?」
「昔、修練者の中に居ったメモリーホルダーが付けた名じゃよ。効果はさっき言った通りじゃ。」
「(暗号通信だからセキュアか。名前が適当だな。)」
「ん?何じゃ?」
俺がブツブツと言うとノブツナさんが声を掛けてきた。
「あぁ、すいません独り言です。もう1つのアーティファクトってどんな物なんですか?」
「おぉそうか。もう1つは“リジェクト”コレも常時発動という訳ではないのじゃが。地獄山から魔物が溢れても戦で敵国が標的にしようとも1週間は強固な結界で何もかもを弾くのじゃよ。まぁその所為で中からも出れんくなるのじゃがな。」
「(今度は拒絶か・・・)ってアーティファクトなら発動を止めれば出れるんじゃ・・・。」
「それが出来んのじゃよ。」
「魔力切れになるまでって感じですか?」
「そうじゃな。取り付けた魔石は発動させたら外れんし、アーティファクトじゃて止め方も分からん、それに仲間も外に居たら入れんから最終手段じゃな。」
「それだけ強力って事ですね。」
「そうじゃ。それで外に居る者は動いたかのぅ?」
「一寸待って下さい・・・。」
俺はそう言うと神の瞳で地獄山を観察した。
「数組は戦闘中みたいで動いてないですが、残りの方は全員里に向かって移動中です。」
「シュウト殿!その中にタケノミヤ様は!?タケノミヤ様は居られるか!?」
「タケノミヤ様と仰られるのですね。」
「そうじゃ。それでタケノミヤ様は!?」
「えぇとそのタケノミヤ様は修練者並の強さというか、スピードは有りますか?」
「そこまで速くはないが・・・そうか、移動中の者は皆、同程度のスピードという事か。」
「はい。では装備に特徴等は有りますか?」
「装備か・・・儂の弟子でもあるタケノミヤ様は近衛の者が何か言うてない限りは大太刀を所持しておるはずじゃ。」
「大太刀?あぁ、ヤクマル家って事はやっぱり薬丸自顕流ですか。」
「なんじゃシュウト殿は儂の流派をご存知なのか!?何故!?知る術など無いはず・・・。」
「ん?何故そんなに驚いているんですか?」
「儂のいや、七皇家の1つタケノミヤの剣術指南役として代々務めておるから門外不出、一部の者しか知らぬはずなのじゃからのぅ。」
「あっ、それなら心配ないですよ。」
「何故じゃ?」
「それは・・・後で説明します。一寸行ってきます。」
俺はそう言うとノブツナさんの返事を聞く前に危険な状況になってる人達の所へ転送し、助けてから戻ってきた。
「お、おぉ・・・シュウト殿、今のは・・・?」
「戦闘中の方々の1組が危険な状況だったんで。」
「今行ってきたと。儂の時と同じじゃな、それで助けた者は大丈夫なのかのぅ?」
「里に戻って来るぐらいには大丈夫だと思いますよ。」
「愚問じゃったな。それで・・・。」
「あっ、近衛の方でもタケ・・・ノミヤ様?でもなかったですよ。」
「タケノミヤ様で合っとるよ。そうか・・・ならば、他のグループはどうじゃ?」
「それが・・・。」
俺がそう言い淀むとノブツナさんは俺のその雰囲気に目を閉じて下を向いた。
「あっ、でも帰り際に違和感がある3人組のパーティーが居たんで確認したら近衛の方でしたよ。」
「何!?近衛を見付けたとな!?」
ノブツナさんは俺の言葉に眼を見開き、俺に迫る勢いで聞いてきたので、俺はノブツナさんを手で制しながら状況を話す事にした。
「ダンジョンの近くで、ウロウロとしていた人達が居たので確認すると全員が小太刀と弓しか武器を持っていない3人だったので、パーティー編成としては変だと思い、鑑定したら近衛の方だったんですよ。」
「何故、弓隊だけが・・・逃げるとは考え難いが・・・。」
「探してる雰囲気だったので、もしかしたらタケノミヤ様御一行はダンジョンの罠に引っかかったのかもしれないというか、可能性は高いかもしれませんね。」
「ダンジョンの罠!?」
「はい。ダンジョンによってはその周囲に別の入り口を設置し、人が踏み込んだ瞬間に発動する様になってるダンジョンも在るんですよ。」
「パッと見では分からないという事じゃな。」
「そうですね。ただ実際にそうだったかは現場で捜索するか、近衛の方に聞くかしないと確実な事は言えませんけどね。」
「シュウト殿!お願いしたきことが!」
「そこまで連れて行けば良いんですね。」
「そう簡単には・・・良いのか!?」
驚いた表情のノブツナさんに頷きつつ、話を掛けた。
「あっ、でも最初にお願いした事はお願いしますね。」
「入山禁止の話じゃな。」
「はい。」
「使徒様が地獄山の現状を打破する為に使命として来られたという話はして良いのかのぅ?」
「う~ん、眷属って事なら・・・対外的には眷属って事になってるんで良いですけど。」
「眷属様でも問題ないじゃろぅ、それならコタロウに伝言しておけば良いな。カゲツグ、その様にな。」
「御意。」
「それではシュウト殿お願い出来ますかな。」
ノブツナさんがそう言うとカゲツグと呼ばれた人が前に出て来た。
「御館様、お待ち下さい!」
「何じゃ?」
「使徒様、いや、シュウト様、我等全員とは言いません、1人だけでも御館様に着いて行く事は叶いませんでしょうか?」
「カゲツグ!シュウト殿の負担になるとは思わぬか!!!」
「し、しかし!」
「しかしでも案山子でも無いわ!」
「まぁまぁまぁノブツナさん、カゲツグさん達もノブツナさんの事が心配なんですよ。ね?」
俺がそう言いながらカゲツグさんの方を見るとカゲツグさんは深々と頭を下げた。
「それに2人連れて行くのも5人連れて行くのも変わらないですしね。」
「5人という事は御館様を含め、我等3人も護衛として連れて行って貰えるのでしょうか?」
「大丈夫ですよ。じゃあ行きますか?」
「う、うむ。シュウト殿がそう言うのであれば、お願い致す。」
ノブツナさんの返事を聞いた俺は直ぐにスキル転送を使い、近衛の人達より少し離れた場所に出た。
「す、凄いのぅ、一瞬で地獄山の裏側ではないか・・・。」
「まぁそうですね。ダンジョンは此方側にあるんで。」
「そうなのか。・・・それにしても近衛の者は何処に居るのじゃ?」
「緊張してる状況下で急に現れたら間違いが起こるかもしれないんで少し離れた場所に転送しました。」
「左様じゃったか。それで近衛達は何処に居るのじゃ?」
「案内しますね。」
俺はそう言うとノブツナさん達の前を歩いていった。
暫くすると近衛兵がこちらに気付いたのか弓を構えてきた。
「何者だ!姿を現せ!」
そう言われたので俺が前に進もうとするとノブツナさんが俺の肩を掴んで首を横に振ると自らが前に出た。
「儂じゃ、ノブツナじゃ。」
そう言いながらノブツナさんが近衛兵に見える様に姿を現すと近衛兵達は跪き頭を垂れた。
「こ、これは金獅子様!」
「もう隠居した身じゃ、その名で呼ぶでない。」
「これは失礼致しましたノブツナ様。」
「よいよい。それでお主達はタケノミヤ様と離れて何をしておる?」
「そ、それが・・・。」
「地面が光って他の方と共に消えてしまったのではないですか?」
「何故それを!まかさ貴様が!」
「無礼者!」
ノブツナさんがそう言うと近衛兵達は震えながら平伏した。
「はい。如何さないましたか?」
コタロウさんのあまりにも丁寧な話し方に少し残念な気持ちになりながらもノブツナさんが居るから仕方がないのかと思いながらも質問する事にした。
「地獄山には今、何名入山してるのか把握していますか?」
「シュウト殿、急にどうしたのじゃ?」
「地獄山を見てみたんですけど、20名の人達がいるので、その差を聞いてみようかと思いまして。」
「ん?見る?シュウト殿は此処に来るまでに地獄山を一通り探索したとでもいうのかのぅ?」
「あっ、違いますよ。スキルで今、見てるだけです。」
「スキルとな!?はぁ~やはり使徒様は規格外過ぎて儂らには測れぬのぅ。してコタロウ、答えはどうなのじゃ?」
「里の修練者は25名、里の外から来た者は16名です。」
コタロウが暗い顔でそう言うとノブツナさんが俺の方を見た。
「本当に20しか居らぬのか!?」
「そうですね、地獄山全体をスキルで見た感じでは20名の反応しか無いですね。」
「ではその20名は離れておるのか?それともある程度固まっておるのかのぅ?」
「1人で居る方は数名、後は2~3人のパーティーを組んでる方々ですね。」
「そうかぁ・・・1人・・・いや、パーティーを組んでる者は今も戦闘中かは分かるのかのぅ?」
「今の状況だとHPがどの程度減ったとかしか分からないですけど、1人ずつ見ていけば可能ですね。」
「左様か・・・そうだコタロウ!緊急招集せよ。地獄山から修練者を戻すのじゃ!」
「御意!」
コタロウさんはそう言うと急いで部屋から出て行った。
「緊急招集ですか?」
「そうじゃ、この里には外敵から里の存続が脅かされそうになった時に対処出来るようになっておるのじゃ。」
「なるほど・・・もしかして、招集命令されても里に戻らない人達を見れば良いと?」
「そうじゃ、これでシュウト殿の負担も減るであろう?そのぅ・・・スキルで見てはくれんか?」
「1つ良いですか?」
「何じゃ?無理そうかのぅ?」
「そうじゃないんですけど、招集って実際どうやってするんですか?何方かのスキルですか?」
ゴーン!・・・ゴーン!・・・ゴーン!・・・・・・
俺の質問し終わると同時に外から大きな鐘の音が響いてきた。
「これじゃよ。」
「こんな大きな音なら地獄山全体に響き渡るとは思いますけど、こんな大音量だと魔物が里に向かってきますよねぇ?」
「その心配は無い。」
「それは・・・?」
「この音は魔物には聞こえんし、感じる事も出来んそうじゃ。」
「そうなんですね。それは魔道具か何かですか?」
「魔道具は魔道具でもアーティファクトじゃよ。」
「アーティファクト?」
「そうじゃ、此処が里、いやもっと少ない、集落とも呼ぶには少な過ぎる人数じゃった頃に地獄山から2つのアーティファクトを手に入れたそうじゃが、その1つがこの鐘の音、“セキュアの鐘”じゃ。」
「セキュア?」
「昔、修練者の中に居ったメモリーホルダーが付けた名じゃよ。効果はさっき言った通りじゃ。」
「(暗号通信だからセキュアか。名前が適当だな。)」
「ん?何じゃ?」
俺がブツブツと言うとノブツナさんが声を掛けてきた。
「あぁ、すいません独り言です。もう1つのアーティファクトってどんな物なんですか?」
「おぉそうか。もう1つは“リジェクト”コレも常時発動という訳ではないのじゃが。地獄山から魔物が溢れても戦で敵国が標的にしようとも1週間は強固な結界で何もかもを弾くのじゃよ。まぁその所為で中からも出れんくなるのじゃがな。」
「(今度は拒絶か・・・)ってアーティファクトなら発動を止めれば出れるんじゃ・・・。」
「それが出来んのじゃよ。」
「魔力切れになるまでって感じですか?」
「そうじゃな。取り付けた魔石は発動させたら外れんし、アーティファクトじゃて止め方も分からん、それに仲間も外に居たら入れんから最終手段じゃな。」
「それだけ強力って事ですね。」
「そうじゃ。それで外に居る者は動いたかのぅ?」
「一寸待って下さい・・・。」
俺はそう言うと神の瞳で地獄山を観察した。
「数組は戦闘中みたいで動いてないですが、残りの方は全員里に向かって移動中です。」
「シュウト殿!その中にタケノミヤ様は!?タケノミヤ様は居られるか!?」
「タケノミヤ様と仰られるのですね。」
「そうじゃ。それでタケノミヤ様は!?」
「えぇとそのタケノミヤ様は修練者並の強さというか、スピードは有りますか?」
「そこまで速くはないが・・・そうか、移動中の者は皆、同程度のスピードという事か。」
「はい。では装備に特徴等は有りますか?」
「装備か・・・儂の弟子でもあるタケノミヤ様は近衛の者が何か言うてない限りは大太刀を所持しておるはずじゃ。」
「大太刀?あぁ、ヤクマル家って事はやっぱり薬丸自顕流ですか。」
「なんじゃシュウト殿は儂の流派をご存知なのか!?何故!?知る術など無いはず・・・。」
「ん?何故そんなに驚いているんですか?」
「儂のいや、七皇家の1つタケノミヤの剣術指南役として代々務めておるから門外不出、一部の者しか知らぬはずなのじゃからのぅ。」
「あっ、それなら心配ないですよ。」
「何故じゃ?」
「それは・・・後で説明します。一寸行ってきます。」
俺はそう言うとノブツナさんの返事を聞く前に危険な状況になってる人達の所へ転送し、助けてから戻ってきた。
「お、おぉ・・・シュウト殿、今のは・・・?」
「戦闘中の方々の1組が危険な状況だったんで。」
「今行ってきたと。儂の時と同じじゃな、それで助けた者は大丈夫なのかのぅ?」
「里に戻って来るぐらいには大丈夫だと思いますよ。」
「愚問じゃったな。それで・・・。」
「あっ、近衛の方でもタケ・・・ノミヤ様?でもなかったですよ。」
「タケノミヤ様で合っとるよ。そうか・・・ならば、他のグループはどうじゃ?」
「それが・・・。」
俺がそう言い淀むとノブツナさんは俺のその雰囲気に目を閉じて下を向いた。
「あっ、でも帰り際に違和感がある3人組のパーティーが居たんで確認したら近衛の方でしたよ。」
「何!?近衛を見付けたとな!?」
ノブツナさんは俺の言葉に眼を見開き、俺に迫る勢いで聞いてきたので、俺はノブツナさんを手で制しながら状況を話す事にした。
「ダンジョンの近くで、ウロウロとしていた人達が居たので確認すると全員が小太刀と弓しか武器を持っていない3人だったので、パーティー編成としては変だと思い、鑑定したら近衛の方だったんですよ。」
「何故、弓隊だけが・・・逃げるとは考え難いが・・・。」
「探してる雰囲気だったので、もしかしたらタケノミヤ様御一行はダンジョンの罠に引っかかったのかもしれないというか、可能性は高いかもしれませんね。」
「ダンジョンの罠!?」
「はい。ダンジョンによってはその周囲に別の入り口を設置し、人が踏み込んだ瞬間に発動する様になってるダンジョンも在るんですよ。」
「パッと見では分からないという事じゃな。」
「そうですね。ただ実際にそうだったかは現場で捜索するか、近衛の方に聞くかしないと確実な事は言えませんけどね。」
「シュウト殿!お願いしたきことが!」
「そこまで連れて行けば良いんですね。」
「そう簡単には・・・良いのか!?」
驚いた表情のノブツナさんに頷きつつ、話を掛けた。
「あっ、でも最初にお願いした事はお願いしますね。」
「入山禁止の話じゃな。」
「はい。」
「使徒様が地獄山の現状を打破する為に使命として来られたという話はして良いのかのぅ?」
「う~ん、眷属って事なら・・・対外的には眷属って事になってるんで良いですけど。」
「眷属様でも問題ないじゃろぅ、それならコタロウに伝言しておけば良いな。カゲツグ、その様にな。」
「御意。」
「それではシュウト殿お願い出来ますかな。」
ノブツナさんがそう言うとカゲツグと呼ばれた人が前に出て来た。
「御館様、お待ち下さい!」
「何じゃ?」
「使徒様、いや、シュウト様、我等全員とは言いません、1人だけでも御館様に着いて行く事は叶いませんでしょうか?」
「カゲツグ!シュウト殿の負担になるとは思わぬか!!!」
「し、しかし!」
「しかしでも案山子でも無いわ!」
「まぁまぁまぁノブツナさん、カゲツグさん達もノブツナさんの事が心配なんですよ。ね?」
俺がそう言いながらカゲツグさんの方を見るとカゲツグさんは深々と頭を下げた。
「それに2人連れて行くのも5人連れて行くのも変わらないですしね。」
「5人という事は御館様を含め、我等3人も護衛として連れて行って貰えるのでしょうか?」
「大丈夫ですよ。じゃあ行きますか?」
「う、うむ。シュウト殿がそう言うのであれば、お願い致す。」
ノブツナさんの返事を聞いた俺は直ぐにスキル転送を使い、近衛の人達より少し離れた場所に出た。
「す、凄いのぅ、一瞬で地獄山の裏側ではないか・・・。」
「まぁそうですね。ダンジョンは此方側にあるんで。」
「そうなのか。・・・それにしても近衛の者は何処に居るのじゃ?」
「緊張してる状況下で急に現れたら間違いが起こるかもしれないんで少し離れた場所に転送しました。」
「左様じゃったか。それで近衛達は何処に居るのじゃ?」
「案内しますね。」
俺はそう言うとノブツナさん達の前を歩いていった。
暫くすると近衛兵がこちらに気付いたのか弓を構えてきた。
「何者だ!姿を現せ!」
そう言われたので俺が前に進もうとするとノブツナさんが俺の肩を掴んで首を横に振ると自らが前に出た。
「儂じゃ、ノブツナじゃ。」
そう言いながらノブツナさんが近衛兵に見える様に姿を現すと近衛兵達は跪き頭を垂れた。
「こ、これは金獅子様!」
「もう隠居した身じゃ、その名で呼ぶでない。」
「これは失礼致しましたノブツナ様。」
「よいよい。それでお主達はタケノミヤ様と離れて何をしておる?」
「そ、それが・・・。」
「地面が光って他の方と共に消えてしまったのではないですか?」
「何故それを!まかさ貴様が!」
「無礼者!」
ノブツナさんがそう言うと近衛兵達は震えながら平伏した。
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