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第358話 [御館様。]
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俺は里長であるコタロウさんと契約を済ませ、自身の素性を明かすと何時もよりも酷い感じで平伏しているコタロウさんがそこにいた。
「やっぱりそうなりますよねぇ。コタロウさん立ってもらって良いですよ。」
「・・・。」
俺がそう言うもコタロウさんは震えながら反応してはくれなかった。
「コタロウさん?」
「・・・。」
「・・・えぇと・・・はぁ~・・・コタロウさん、命令です。立ちなさい。」
「!!!」
コタロウさんは身体をビクッと震わせるとまるで兵士の様に背筋を伸ばして急いで立ち上がった。
「・・・コタロウさん、普通にして貰えないですか?」
「・・・。」
「コタロウさん?・・・あぁ・・・話が進まないんで話す事を許可します。」
「ハッ!」
「それで普通にして貰えないですか?」
「いえ、その様な事は出来ません!」
「他の人が居る時もそのままで行くつもりですか?」
「・・・。」
「素性がバレる事は避けたいんですよね。」
「はぁ。」
「2人の時は、まぁ、コタロウさんがその方が良いのであれば、そのままで構わないですけど、自分の事を知らない人が居る時は普通にして下さいね。」
「・・・御意。」
コタロウさんは悩みながらも渋々という感じで答えてくれた。
「まぁ、急に上の者が来たらそうなるのは分かるんですけど、自分からしたらサスケは家族みたいなものなんで、サスケのお兄さんも家族だと思って接したいんで、普通にして頂ける方が好ましいんですよ。」
「サスケが家族・・・承知しました、拙者自体、庶民なので慣れるには時間が掛かってしまいま・・・掛かるでござるが努力してみ・・・するでござる。」
詰まりながらもそう話すコタロウさんに微笑みながら頷くとコタロウさんはホッとした様な表情をしていた。
「それで使徒さ・・・シュウト殿は何用でこの隠れ里に?」
コタロウさんにそう言われた俺はダンジョンの事を説明した。
「そのダンジョンを消滅させる使命を帯びて来られたでござるか。」
「そうですね。それで昔と比べてソウルイーターの出現率はどうですか?」
「ここ最近になって急激に・・・ハッ!拙い拙い拙い・・・。」
コタロウさんはそう言うと相当狼狽えた様子を見せてきた。
「ど、どうしたんですか?」
「御館様が山に地獄山に・・・。」
「急激に増えた地獄山に?観光では無いですよね?」
「観光に来られていた方が行方不明になったでござる。」
「それで態々、捜索に?」
「行方不明になった方というのが、帝の親族の方でござる故。」
「帝って事はヤマトの王様ですよね。」
「そうでござる。」
「それなら護衛の方も相当強いのでは?」
「その通りにござる。この里の修練者でも上位の者と互角に渡り合える程の強さでござった。」
「それなのに行方不明ですか・・・。」
「それ故、無駄に死なれると困る事から御館様は四天王を引き連れて入山したでござるが、その様な事になっているとは・・・。」
コタロウさんがそう言いながら頭を抱えていると外からコタロウさんを呼ぶ声がした。
「コタロウー!コタロウは居るか!」
コタロウさんはその声を聞くと顔を上げて急いで玄関の方へ走っていった。
コタロウさんが走っていって暫くすると談笑しながらコタロウさんと数人の人が戻ってきた。
「まこと危ない状況じゃったが突然現れた御仁に助けられての礼も言う暇も無いスピードで何処ぞへ行ってしまわれたわ。」
「よくご無事で。」
「装備もボロボロになる程、やられておったが回復魔法を掛けてくれるだけではなく、恐らくだが、その御仁が里までの儂らのルートにいる全ての魔物の排除まで行ってくれたおかげで帰って来れたわい。」
「そこまで危険な状況とは露知らず、里に残っていたとは申し訳ございませんでした。」
「コタロウは気にせんで良い。結果的に皆、無事だったからの。それにじゃ、コタロウに里に残れと命じたのは儂じゃ。儂の油断が招いた事、コタロウが気に病む事はない。」
「・・・。」
「しかしあれじゃな。」
「どうされましたか?」
「あの者、里の者では無いと思うのじゃ。」
「里の者ではないとは?」
「強過ぎるのじゃ。儂ら全員でも太刀打ち出来んソウルイーターを一撃じゃ。幾ら儂らが体力を削ったとはいえ、一撃で倒すなど、里長のお主でも不可能だったはずじゃ。」
「・・・もしや、あの方が・・・。」
「ん?コタロウ、心当たりでも有るのか?」
「・・・。」
「ん?どうしたのじゃ?儂にも話せぬ相手なのか?」
御館様の質問にコタロウが悩んでいると御館様の後ろに控えていた四天王の思われる者達がコタロウの事を睨んでいた。
「これ!コタロウを睨むのではない!コタロウにも事情というものがあろう!」
「し、しかし・・・。」
睨んでいた四天王と思われる者達は御館様の言葉にコタロウから目を逸らした。
「それでコタロウよ。話せぬのだな?」
「・・・契約をして頂ければ・・・。」
「コタロウ!御館様に向かってその態度は無礼だぞ!」
「やめんか!」
「ハッ!」
コタロウの言葉に直ぐに処罰しようと動いた者に対して御館様が一喝すると手を出すギリギリで止まり、再び後ろに下がった。
「それで、契約とは些か仰々しいと思うのじゃが、必ずせねばならんのか?」
「左様にございます。」
「儂らが助けられたのはコタロウがそこまで言う御仁か・・・分かった、契約しようではないか。」
「お、御館様!契約はいけません!」
「何を言う契約するだけで良いのであれば問題なかろう?」
「し、しかし・・・。」
「なんじゃ?忠臣であるコタロウの事が信じられぬのか?」
「い、いえ・・・。」
「そうであろう?普段なら儂には何でも報告するコタロウが契約とまで、言ったのじゃ。お主らはそれで分からぬのか?」
「・・・。」
「まだまだじゃのぅ。」
御館様がそう言うと四天王であろう人達は恥ずかしそうに下を向いた。
「それでコタロウ、全員が必要かの?」
「して頂いた方が・・・確認させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「居らっしゃるのか?」
「あっ、はい。」
「コタロウもまだまだじゃのぅ。自身が居る事を知らせたくない御仁もおるのじゃぞ。」
「・・・申し訳ございません。」
「儂に謝ってどうするのじゃ。早うその御仁に謝罪と説明をしてくるのじゃ。」
「ハッ!」
コタロウさんはそう言うと俺の方に走ってきて謝ってきたので、一部始終聞こえてたのと契約の許可も与えた。するとコタロウさんは直ぐに御館様の方へと戻って行った。
少しの間、別室にて恐らく契約を済ませたのであろう5人が部屋に入ってきた。
「おぉ、やはりあの時の。その節は儂らを助けて頂き、誠に忝ない。」
御館様と言われるにはまだ若そうな壮年の男性はそう言うと深々と頭を下げた。
「いえいえ、自分が出来る事をしたまでなんで。」
「命を救って貰った故、感謝するのは当然ですじゃ。そうじゃ、某、ヤクマル家藩主、ノブツナ・ヤクマル申す。」
「あっ、自分はアストライアー様の
使徒をしていますシュウト・オオヤマジです。」
俺が自己紹介をするとノブツナさんと他の4人が一斉に跪き頭を垂れた。
「えっ!?コタロウさん?自分が使徒って事は話さなかったんですか?」
「はい。拙者が話すべきではないと。」
「あ、あぁそうですか・・・皆さん、立ち上がって下さい。」
「「「「「御意!」」」」」
5人はそう言うと身なりを正してノブツナさんを先頭に整列した。
「えぇと、普段通りにしてもらえると嬉しいんですけど・・・。」
「そ、その様な事は・・・。」
俺の言葉にノブツナさんが困っている様子だったので、これまで知り合った人達の接し方を説明した。
「左様ですか・・・ならばシュウト殿の言う通りにしよう。それでシュウト殿は何用で来られたのだ?」
「コタロウさんにも説明したんですけど・・・・・」
俺が地獄山の現状とダンジョンの事を説明し直した。
「左様か・・・儂らが何度もソウルイーターに遭遇したのはその所為か。」
「恐らくダンジョンも関わっているのではないかと思います。」
「ダンジョンも?」
「あっ・・・えぇと・・・。」
転生不能範囲の事を話すか悩んでいるとノブツナさんが笑顔で首を横に振った。
「シュウト殿にも言える事と言えん事もあるであろうから気にせんでも良いぞ。」
「・・・ありがとうございます。流石にアストライアー様にお伺いを立てないと話せるかわからないので。ただ自分の使命に関わってくるっていう事だけお伝えします。」
「それだけ分かれば儂らから言う事は何も無いが、その使命は儂らも協力する事は出来るのかのぅ?」
「そうですねぇ・・・それなら自分がダンジョンを消滅させた場合の事を考えて、自分がダンジョンに行っている間だけでも地獄山には立ち入り禁止には出来ませんか?」
「そのくらいは大丈夫じゃが、シュウト殿は、どの程度の日程を想定しておるのじゃ?」
「そうですねぇ・・・1日程度あればいけるかと。」
「い、1日じゃと!!?Sランクダンジョンという話ではなかったか!!?」
「そうですね。まぁどのくらいの広さかは分かりませんが、出来たばかりみたいですし、そこまで広くは無いと思いますよ。」
「いやいやいやいや、そういう事では無いのじゃが・・・これも使徒様御一行の力の一端というものかのぅ。儂らの尺度では測れんいう事かのぅ。」
「あっ、いや、ダンジョンに潜るのは自分1人ですよ。」
「使徒様1人ですと!!?」
「そうですね。眷属の半数は特殊な呼吸法の修練中ですし、残りはダンジョン消滅の余波があった場合に備えて被害が出ない様に特殊結界を張ってもらう予定です。」
俺がそう言うとその場に居た全員が唖然とした表情で俺の方を見ていた。
「って事なので、今からダンジョンの方へ行ってきますね。」
「・・・ハッ!そうじゃシュウト殿、少し待ってはくれんかのぅ?」
「待つ?・・・あぁ、まだ見付かってないんですね。」
「そうじゃ。って何故・・・あぁ、コタロウかのぅ。」
「そうですね。ノブツナさんの事を心配していた時に仰っていたので。」
「なるほどのぅ・・・。」
ノブツナさんはそう言うとコタロウさんの方を見て微笑んでいた。
「やっぱりそうなりますよねぇ。コタロウさん立ってもらって良いですよ。」
「・・・。」
俺がそう言うもコタロウさんは震えながら反応してはくれなかった。
「コタロウさん?」
「・・・。」
「・・・えぇと・・・はぁ~・・・コタロウさん、命令です。立ちなさい。」
「!!!」
コタロウさんは身体をビクッと震わせるとまるで兵士の様に背筋を伸ばして急いで立ち上がった。
「・・・コタロウさん、普通にして貰えないですか?」
「・・・。」
「コタロウさん?・・・あぁ・・・話が進まないんで話す事を許可します。」
「ハッ!」
「それで普通にして貰えないですか?」
「いえ、その様な事は出来ません!」
「他の人が居る時もそのままで行くつもりですか?」
「・・・。」
「素性がバレる事は避けたいんですよね。」
「はぁ。」
「2人の時は、まぁ、コタロウさんがその方が良いのであれば、そのままで構わないですけど、自分の事を知らない人が居る時は普通にして下さいね。」
「・・・御意。」
コタロウさんは悩みながらも渋々という感じで答えてくれた。
「まぁ、急に上の者が来たらそうなるのは分かるんですけど、自分からしたらサスケは家族みたいなものなんで、サスケのお兄さんも家族だと思って接したいんで、普通にして頂ける方が好ましいんですよ。」
「サスケが家族・・・承知しました、拙者自体、庶民なので慣れるには時間が掛かってしまいま・・・掛かるでござるが努力してみ・・・するでござる。」
詰まりながらもそう話すコタロウさんに微笑みながら頷くとコタロウさんはホッとした様な表情をしていた。
「それで使徒さ・・・シュウト殿は何用でこの隠れ里に?」
コタロウさんにそう言われた俺はダンジョンの事を説明した。
「そのダンジョンを消滅させる使命を帯びて来られたでござるか。」
「そうですね。それで昔と比べてソウルイーターの出現率はどうですか?」
「ここ最近になって急激に・・・ハッ!拙い拙い拙い・・・。」
コタロウさんはそう言うと相当狼狽えた様子を見せてきた。
「ど、どうしたんですか?」
「御館様が山に地獄山に・・・。」
「急激に増えた地獄山に?観光では無いですよね?」
「観光に来られていた方が行方不明になったでござる。」
「それで態々、捜索に?」
「行方不明になった方というのが、帝の親族の方でござる故。」
「帝って事はヤマトの王様ですよね。」
「そうでござる。」
「それなら護衛の方も相当強いのでは?」
「その通りにござる。この里の修練者でも上位の者と互角に渡り合える程の強さでござった。」
「それなのに行方不明ですか・・・。」
「それ故、無駄に死なれると困る事から御館様は四天王を引き連れて入山したでござるが、その様な事になっているとは・・・。」
コタロウさんがそう言いながら頭を抱えていると外からコタロウさんを呼ぶ声がした。
「コタロウー!コタロウは居るか!」
コタロウさんはその声を聞くと顔を上げて急いで玄関の方へ走っていった。
コタロウさんが走っていって暫くすると談笑しながらコタロウさんと数人の人が戻ってきた。
「まこと危ない状況じゃったが突然現れた御仁に助けられての礼も言う暇も無いスピードで何処ぞへ行ってしまわれたわ。」
「よくご無事で。」
「装備もボロボロになる程、やられておったが回復魔法を掛けてくれるだけではなく、恐らくだが、その御仁が里までの儂らのルートにいる全ての魔物の排除まで行ってくれたおかげで帰って来れたわい。」
「そこまで危険な状況とは露知らず、里に残っていたとは申し訳ございませんでした。」
「コタロウは気にせんで良い。結果的に皆、無事だったからの。それにじゃ、コタロウに里に残れと命じたのは儂じゃ。儂の油断が招いた事、コタロウが気に病む事はない。」
「・・・。」
「しかしあれじゃな。」
「どうされましたか?」
「あの者、里の者では無いと思うのじゃ。」
「里の者ではないとは?」
「強過ぎるのじゃ。儂ら全員でも太刀打ち出来んソウルイーターを一撃じゃ。幾ら儂らが体力を削ったとはいえ、一撃で倒すなど、里長のお主でも不可能だったはずじゃ。」
「・・・もしや、あの方が・・・。」
「ん?コタロウ、心当たりでも有るのか?」
「・・・。」
「ん?どうしたのじゃ?儂にも話せぬ相手なのか?」
御館様の質問にコタロウが悩んでいると御館様の後ろに控えていた四天王の思われる者達がコタロウの事を睨んでいた。
「これ!コタロウを睨むのではない!コタロウにも事情というものがあろう!」
「し、しかし・・・。」
睨んでいた四天王と思われる者達は御館様の言葉にコタロウから目を逸らした。
「それでコタロウよ。話せぬのだな?」
「・・・契約をして頂ければ・・・。」
「コタロウ!御館様に向かってその態度は無礼だぞ!」
「やめんか!」
「ハッ!」
コタロウの言葉に直ぐに処罰しようと動いた者に対して御館様が一喝すると手を出すギリギリで止まり、再び後ろに下がった。
「それで、契約とは些か仰々しいと思うのじゃが、必ずせねばならんのか?」
「左様にございます。」
「儂らが助けられたのはコタロウがそこまで言う御仁か・・・分かった、契約しようではないか。」
「お、御館様!契約はいけません!」
「何を言う契約するだけで良いのであれば問題なかろう?」
「し、しかし・・・。」
「なんじゃ?忠臣であるコタロウの事が信じられぬのか?」
「い、いえ・・・。」
「そうであろう?普段なら儂には何でも報告するコタロウが契約とまで、言ったのじゃ。お主らはそれで分からぬのか?」
「・・・。」
「まだまだじゃのぅ。」
御館様がそう言うと四天王であろう人達は恥ずかしそうに下を向いた。
「それでコタロウ、全員が必要かの?」
「して頂いた方が・・・確認させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「居らっしゃるのか?」
「あっ、はい。」
「コタロウもまだまだじゃのぅ。自身が居る事を知らせたくない御仁もおるのじゃぞ。」
「・・・申し訳ございません。」
「儂に謝ってどうするのじゃ。早うその御仁に謝罪と説明をしてくるのじゃ。」
「ハッ!」
コタロウさんはそう言うと俺の方に走ってきて謝ってきたので、一部始終聞こえてたのと契約の許可も与えた。するとコタロウさんは直ぐに御館様の方へと戻って行った。
少しの間、別室にて恐らく契約を済ませたのであろう5人が部屋に入ってきた。
「おぉ、やはりあの時の。その節は儂らを助けて頂き、誠に忝ない。」
御館様と言われるにはまだ若そうな壮年の男性はそう言うと深々と頭を下げた。
「いえいえ、自分が出来る事をしたまでなんで。」
「命を救って貰った故、感謝するのは当然ですじゃ。そうじゃ、某、ヤクマル家藩主、ノブツナ・ヤクマル申す。」
「あっ、自分はアストライアー様の
使徒をしていますシュウト・オオヤマジです。」
俺が自己紹介をするとノブツナさんと他の4人が一斉に跪き頭を垂れた。
「えっ!?コタロウさん?自分が使徒って事は話さなかったんですか?」
「はい。拙者が話すべきではないと。」
「あ、あぁそうですか・・・皆さん、立ち上がって下さい。」
「「「「「御意!」」」」」
5人はそう言うと身なりを正してノブツナさんを先頭に整列した。
「えぇと、普段通りにしてもらえると嬉しいんですけど・・・。」
「そ、その様な事は・・・。」
俺の言葉にノブツナさんが困っている様子だったので、これまで知り合った人達の接し方を説明した。
「左様ですか・・・ならばシュウト殿の言う通りにしよう。それでシュウト殿は何用で来られたのだ?」
「コタロウさんにも説明したんですけど・・・・・」
俺が地獄山の現状とダンジョンの事を説明し直した。
「左様か・・・儂らが何度もソウルイーターに遭遇したのはその所為か。」
「恐らくダンジョンも関わっているのではないかと思います。」
「ダンジョンも?」
「あっ・・・えぇと・・・。」
転生不能範囲の事を話すか悩んでいるとノブツナさんが笑顔で首を横に振った。
「シュウト殿にも言える事と言えん事もあるであろうから気にせんでも良いぞ。」
「・・・ありがとうございます。流石にアストライアー様にお伺いを立てないと話せるかわからないので。ただ自分の使命に関わってくるっていう事だけお伝えします。」
「それだけ分かれば儂らから言う事は何も無いが、その使命は儂らも協力する事は出来るのかのぅ?」
「そうですねぇ・・・それなら自分がダンジョンを消滅させた場合の事を考えて、自分がダンジョンに行っている間だけでも地獄山には立ち入り禁止には出来ませんか?」
「そのくらいは大丈夫じゃが、シュウト殿は、どの程度の日程を想定しておるのじゃ?」
「そうですねぇ・・・1日程度あればいけるかと。」
「い、1日じゃと!!?Sランクダンジョンという話ではなかったか!!?」
「そうですね。まぁどのくらいの広さかは分かりませんが、出来たばかりみたいですし、そこまで広くは無いと思いますよ。」
「いやいやいやいや、そういう事では無いのじゃが・・・これも使徒様御一行の力の一端というものかのぅ。儂らの尺度では測れんいう事かのぅ。」
「あっ、いや、ダンジョンに潜るのは自分1人ですよ。」
「使徒様1人ですと!!?」
「そうですね。眷属の半数は特殊な呼吸法の修練中ですし、残りはダンジョン消滅の余波があった場合に備えて被害が出ない様に特殊結界を張ってもらう予定です。」
俺がそう言うとその場に居た全員が唖然とした表情で俺の方を見ていた。
「って事なので、今からダンジョンの方へ行ってきますね。」
「・・・ハッ!そうじゃシュウト殿、少し待ってはくれんかのぅ?」
「待つ?・・・あぁ、まだ見付かってないんですね。」
「そうじゃ。って何故・・・あぁ、コタロウかのぅ。」
「そうですね。ノブツナさんの事を心配していた時に仰っていたので。」
「なるほどのぅ・・・。」
ノブツナさんはそう言うとコタロウさんの方を見て微笑んでいた。
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