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第360話 [救出?]
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近衛兵の人達を黙らせたノブツナさんは俺の事をフォスエスペランサ王国の特級使者という事にして近衛兵の人達を落ち着かせた。
「シュウト殿、すまぬのぅ。」
「お気になさらずに。それよりも何故、此処で捜索?されてたんですか?」
「・・・。」
「シュウト殿が聞かれておるんだ、答えぬか!」
「それは、そこに在る岩にタケノミヤ殿下が腰を降ろされた際にタケノミヤ殿下を中心に魔法陣が形成され、我等を残し全員が消えてしまったからです。」
近衛兵の1人がそう言って平らな岩を指さしたので、俺は神の瞳を使い調べてみた。
「確かに転移魔法陣が発動した形跡が有りますが、恐らく1度発動すると消滅、もしくは、設置場所が変わる様になってるみたいですね。」
「という事はタケノミヤ様は・・・。」
「はい。ダンジョン内に居られる可能性がかなり高いですね。」
「何と!?で、では急がねば!」
「・・・。」
俺がノブツナさんの言葉に悩んでいるとその雰囲気を気付いたノブツナさんが声を掛けてきた。
「ど、どうされたのじゃ?」
「・・・どうしようかと。」
「まさか、もうタケノミヤ様は・・・。」
「あっ、そうじゃないです。ダンジョン内の事はまだ捜索してないんで状況は分からないですけど、人が中に居るなら一気に踏破出来ないかなって考えてただけです。」
「ダンジョンの外からでは、いくらシュウト殿でも様子が伺えぬのか?」
「このダンジョンが特殊っていうのもありますけど、発生したばかりなんで、外からだと全体像しか視えないですね。」
「全体像は見えておるという事じゃな。それで、発生したばかりだと言うたが、今も尚、ダンジョン内が激しく変動しておるのか?」
「激しいかどうかはダンジョンに潜ってみないと分からないですけど、全体像を視る限りは成長をする為に蠢いてる感じなんで。」
「そうであるか・・・。」
ノブツナさんはそう言うとより一層、焦りを隠せない表情をしていた。
「ノブツナさんは成長中のダンジョン入られた事が?」
「儂は無いが部隊がバラバラにされただの、突然出来た部屋に取り残されて救援が来るまで部屋から脱出出来なかったのじゃ・・・。」
「急に魔物が湧き出るという事は無いですよねぇ?」
「ダンジョンが自らを成長させる事を優先しておるのか、その様な報告は受けておらんし、逆に成長途中は魔物の減少が確認されておる。」
「だから近衛の方がダンジョンの成長と聞いた時に少し安心された様な感じだったのですね。」
「そうじゃのぅ、タケノミヤ様自身もお強いが儂の末の息子ノブテルも付いておるし、孤立される事は無いじゃろうて。」
「ノブツナさんがそこまで言うなら相当お強いのですね。」
「親バカだと思われるのは承知しとるが実際ノブテルは息子達の中でも群を抜いて強く単独でSランクの魔物も倒せる程じゃし、クローズ・プロテクション・オフィサーというユニークスキル持ちでのぅ、自らが主君の様な護りたい存在がいた場合、その護衛対象から離れたくても離れられないという相手からしたら四六時中隣りに居られるという迷惑なスキルがのぅ。」
「身辺警護ですか・・・それはダンジョン内で罠に掛かり、ダンジョン内を転移してもという事ですか?」
「そうじゃ、認識出来る距離から離れると認識出来る距離までスキルの力で強制的に移動させられるんじゃよ。」
「なるほど、ON/OFFは出来るんですか?」
「出来ねば問題になるからのぅ、それは出来る様になったわい。」
「出来る様にって事は前は出来なかったのですか?」
「そうじゃ、あの頃はタケノミヤ様には誠に申し訳ない事をしたと・・・。」
「そんなに若い頃から警護していたんですか?」
「いや、そうでは無い。儂の弟子として幼少期を過ごしておったのだが、共に過ごす事で、ノブテルにとっては誰よりも大切な人となった様で、大変じゃった。」
「なるほど、身分は違えど竹馬の友という事ですか。」
「チクバの友というのは分からぬが、タケノミヤ様は困った顔をせず、逆に嬉しそうにして頂いておったのもあってノブテルの行動に対し、お咎めもなく過ごせたのじゃが、それも有るのであろうノブテルは誰よりも死に物狂いで修行し、その姿を見ておられたタケノミヤ様も武技だけでなく、生まれ持っておった呪術の才能を更に磨いていらしたのぅ。」
「呪術?・・・魔法ですか?」
「魔法かぁ・・・魔法とは違うが、魔法に近い現象は出来るのじゃよ。」
「・・・その呪術もメモリーホルダーが残したモノですか?」
「知っておるのか?」
「前世でも陰陽師という職業の方が行使していたと話では聞いた事があるんで。」
「陰陽師とな。それならばシュウト殿の仰る通りなのかもしれんのぅ。」
「そうなんですか?」
「実際、呪術とは言うたが、正確には陰陽術と言ってな。魔法士ではなくシュウト殿の言うた陰陽師という職業なのじゃよ。」
「じゃあ。」
「シュウト殿が知っておるなら話すが、タケノミヤ様は陰陽師としてSランク以上の実力者でのぅ。特に吉凶を占ったり、未来を占うのが得意でのぅ、儂もそうじゃが皆が必要以上に慌てぬのはタケノミヤ様の陰陽師としての実力があるからであるのぅ。と言ってもそれでは済まされぬ事態なのも確か。それでシュウト殿は何方へ向かっておるのじゃ?」
俺が皆んなを先導する様に歩いているとノブツナさんにそう言われたので、答えようとすると目の前に洞窟が出現した。
「コレです。成長中だからってポンポン入り口が変わってたんで。」
「此処が?」
「はい。それでこの入り口は固定されたみたいなんで入ろうと思うんですが、ダンジョンに潜るのはノブツナさんと自分だけとはいかないでしょうか?」
「シュウト殿と儂だけか?」
「はい。」
「その理由を聞いても良いかのぅ?」
「理由は、捜索するのに本来なら1人の方が早いんですけど、ノブツナさんも同行したいって事ですよね。」
「そうじゃのう。それで儂1人というのは見付けた際に行動を速くする為という事かの?」
「はい。他の方には、申し訳ないですけど・・・。」
「その方がタケノミヤ様を早く見付けられるのじゃな?」
「見付けるというより救援しに行きやすいんです。」
「その言い方じゃと見付けるのは容易いという事かのぅ?」
「そうですね。中に入れば結構ハッキリ分かるはずです。」
「承知した。お前達、タケノミヤ様を救出するのに必要な事じゃ。」
「それでは私が代わりに!」
「カゲツグ!お前達が行ってタケノミヤ様に説明出来るのか?」
「そ、それは・・・。」
「それとも何か?シュウト殿が信じられぬのか?」
「い、いえ、それは・・・。」
「分かったな。では、シュウト殿、参ろうか。」
「言った手前、自分が言うのもなんですけど、良いんですか?」
「良いのじゃ。それよりも早く。」
「では行きましょう。」
「そうじゃ、カゲツグ。お前達はタケノミヤ様が出られた際に安全が確保出来る様に周囲の魔物を駆逐しておくのじゃ。」
「御意!」
カゲツグさんがそう言いながら頭を下げると他の人達もカゲツグさんに倣って頭を下げた。
俺とノブツナさんはその様子を確認するとダンジョンに入っていった。
「う~ん・・・あっ、居た。」
「居ったのか!?タケノミヤ様が居ったのか!?」
「居るのは居るんですが、これは一寸急いだ方が良さそうです。」
「ならば!」
ノブツナさんの慌てた様子に俺は手で制止するとノブツナさんにお願いする事にした。
「今現在、タケノミヤ様とノブテルさんは2人で行動し、その他の方の反応はありません。」
「何!?それでタケノミヤ様は!?」
「今は38階層の一室で隠れている様ですがそこに魔物が殺到しだしているみたいなんですが、自分が戦うと眷属?ってなりそうなんで、先に2人の所に送り届けますんで何とか・・・。」
「その程度、儂に任せておけばよい。それよりも38階層というたが、間に合いそうなのかのぅ?」
「あっ、それは大丈夫です。」
俺はそう言うとノブツナさんを結界包み込み龍化するとノブツナさんを包む結界を念動力で持ち上げた。
「な、何じゃ!シュウト殿!何をするつもりなんじゃ!それにその姿は?」
「あぁ龍化っていうスキルです。この方が飛べるんで速いんですよ。後、移動する際に自分の攻撃の余波なんかがノブツナさんに行かない様にと思って。」
「よ、余波・・・。」
「じゃあ近くまで一気に行きますね。」
「い、嫌な予感しかせんのだが・・・。」
俺はそう言うノブツナさんを無視して破滅之咆哮を放つ準備をした。
「シュ、シュウト殿、そ、それは・・・。」
「ぶち抜こうと思って。」
「ぶ、ぶち抜く?魔物はそんなに居らんし、魔力の無駄遣いな気がするんじゃが・・・。」
「魔物?いや、壁も壊せるんだし、それなら38階層まで行くのが1番速いかなって。」
「壁?ダンジョンの壁は壊せぬはず・・・。」
「あっ、一定以上の威力を放てば壊れますよ。まぁ、とりあえずやりますね。」
俺はそう言うとダンジョンの天井ギリギリまでノブツナさんを連れて飛び上がりタケノミヤさんが居る場所を確認して構えた。
「はぁ~・・・・・ハァーーーー!!!」
ブーン・・・パッ!コーーーー・・・
ド!ドドドドドォォォォ・・・・・・・
「・・・。」
俺の放った破滅之咆哮はダンジョンの床を次々と崩壊させていったので、眼下には真っ暗な大穴が出来上がり、ノブツナさんはその光景を見て顎が外れるんじゃないかと思えるくらい大きな口を開けて驚いていた。
「あっ・・・ヤバ・・・。」
「・・・ん?シュウト殿、今ヤバいと言わんだか?」
「・・・えぇと・・・とりあえず急ぎましょう。」
「シュ、シュウト殿ーーー!」
俺は気まずい雰囲気になる前に当初の目的を果たす為に有無を言わさず穴へと飛び込んでいった。
「シュウト殿、すまぬのぅ。」
「お気になさらずに。それよりも何故、此処で捜索?されてたんですか?」
「・・・。」
「シュウト殿が聞かれておるんだ、答えぬか!」
「それは、そこに在る岩にタケノミヤ殿下が腰を降ろされた際にタケノミヤ殿下を中心に魔法陣が形成され、我等を残し全員が消えてしまったからです。」
近衛兵の1人がそう言って平らな岩を指さしたので、俺は神の瞳を使い調べてみた。
「確かに転移魔法陣が発動した形跡が有りますが、恐らく1度発動すると消滅、もしくは、設置場所が変わる様になってるみたいですね。」
「という事はタケノミヤ様は・・・。」
「はい。ダンジョン内に居られる可能性がかなり高いですね。」
「何と!?で、では急がねば!」
「・・・。」
俺がノブツナさんの言葉に悩んでいるとその雰囲気を気付いたノブツナさんが声を掛けてきた。
「ど、どうされたのじゃ?」
「・・・どうしようかと。」
「まさか、もうタケノミヤ様は・・・。」
「あっ、そうじゃないです。ダンジョン内の事はまだ捜索してないんで状況は分からないですけど、人が中に居るなら一気に踏破出来ないかなって考えてただけです。」
「ダンジョンの外からでは、いくらシュウト殿でも様子が伺えぬのか?」
「このダンジョンが特殊っていうのもありますけど、発生したばかりなんで、外からだと全体像しか視えないですね。」
「全体像は見えておるという事じゃな。それで、発生したばかりだと言うたが、今も尚、ダンジョン内が激しく変動しておるのか?」
「激しいかどうかはダンジョンに潜ってみないと分からないですけど、全体像を視る限りは成長をする為に蠢いてる感じなんで。」
「そうであるか・・・。」
ノブツナさんはそう言うとより一層、焦りを隠せない表情をしていた。
「ノブツナさんは成長中のダンジョン入られた事が?」
「儂は無いが部隊がバラバラにされただの、突然出来た部屋に取り残されて救援が来るまで部屋から脱出出来なかったのじゃ・・・。」
「急に魔物が湧き出るという事は無いですよねぇ?」
「ダンジョンが自らを成長させる事を優先しておるのか、その様な報告は受けておらんし、逆に成長途中は魔物の減少が確認されておる。」
「だから近衛の方がダンジョンの成長と聞いた時に少し安心された様な感じだったのですね。」
「そうじゃのぅ、タケノミヤ様自身もお強いが儂の末の息子ノブテルも付いておるし、孤立される事は無いじゃろうて。」
「ノブツナさんがそこまで言うなら相当お強いのですね。」
「親バカだと思われるのは承知しとるが実際ノブテルは息子達の中でも群を抜いて強く単独でSランクの魔物も倒せる程じゃし、クローズ・プロテクション・オフィサーというユニークスキル持ちでのぅ、自らが主君の様な護りたい存在がいた場合、その護衛対象から離れたくても離れられないという相手からしたら四六時中隣りに居られるという迷惑なスキルがのぅ。」
「身辺警護ですか・・・それはダンジョン内で罠に掛かり、ダンジョン内を転移してもという事ですか?」
「そうじゃ、認識出来る距離から離れると認識出来る距離までスキルの力で強制的に移動させられるんじゃよ。」
「なるほど、ON/OFFは出来るんですか?」
「出来ねば問題になるからのぅ、それは出来る様になったわい。」
「出来る様にって事は前は出来なかったのですか?」
「そうじゃ、あの頃はタケノミヤ様には誠に申し訳ない事をしたと・・・。」
「そんなに若い頃から警護していたんですか?」
「いや、そうでは無い。儂の弟子として幼少期を過ごしておったのだが、共に過ごす事で、ノブテルにとっては誰よりも大切な人となった様で、大変じゃった。」
「なるほど、身分は違えど竹馬の友という事ですか。」
「チクバの友というのは分からぬが、タケノミヤ様は困った顔をせず、逆に嬉しそうにして頂いておったのもあってノブテルの行動に対し、お咎めもなく過ごせたのじゃが、それも有るのであろうノブテルは誰よりも死に物狂いで修行し、その姿を見ておられたタケノミヤ様も武技だけでなく、生まれ持っておった呪術の才能を更に磨いていらしたのぅ。」
「呪術?・・・魔法ですか?」
「魔法かぁ・・・魔法とは違うが、魔法に近い現象は出来るのじゃよ。」
「・・・その呪術もメモリーホルダーが残したモノですか?」
「知っておるのか?」
「前世でも陰陽師という職業の方が行使していたと話では聞いた事があるんで。」
「陰陽師とな。それならばシュウト殿の仰る通りなのかもしれんのぅ。」
「そうなんですか?」
「実際、呪術とは言うたが、正確には陰陽術と言ってな。魔法士ではなくシュウト殿の言うた陰陽師という職業なのじゃよ。」
「じゃあ。」
「シュウト殿が知っておるなら話すが、タケノミヤ様は陰陽師としてSランク以上の実力者でのぅ。特に吉凶を占ったり、未来を占うのが得意でのぅ、儂もそうじゃが皆が必要以上に慌てぬのはタケノミヤ様の陰陽師としての実力があるからであるのぅ。と言ってもそれでは済まされぬ事態なのも確か。それでシュウト殿は何方へ向かっておるのじゃ?」
俺が皆んなを先導する様に歩いているとノブツナさんにそう言われたので、答えようとすると目の前に洞窟が出現した。
「コレです。成長中だからってポンポン入り口が変わってたんで。」
「此処が?」
「はい。それでこの入り口は固定されたみたいなんで入ろうと思うんですが、ダンジョンに潜るのはノブツナさんと自分だけとはいかないでしょうか?」
「シュウト殿と儂だけか?」
「はい。」
「その理由を聞いても良いかのぅ?」
「理由は、捜索するのに本来なら1人の方が早いんですけど、ノブツナさんも同行したいって事ですよね。」
「そうじゃのう。それで儂1人というのは見付けた際に行動を速くする為という事かの?」
「はい。他の方には、申し訳ないですけど・・・。」
「その方がタケノミヤ様を早く見付けられるのじゃな?」
「見付けるというより救援しに行きやすいんです。」
「その言い方じゃと見付けるのは容易いという事かのぅ?」
「そうですね。中に入れば結構ハッキリ分かるはずです。」
「承知した。お前達、タケノミヤ様を救出するのに必要な事じゃ。」
「それでは私が代わりに!」
「カゲツグ!お前達が行ってタケノミヤ様に説明出来るのか?」
「そ、それは・・・。」
「それとも何か?シュウト殿が信じられぬのか?」
「い、いえ、それは・・・。」
「分かったな。では、シュウト殿、参ろうか。」
「言った手前、自分が言うのもなんですけど、良いんですか?」
「良いのじゃ。それよりも早く。」
「では行きましょう。」
「そうじゃ、カゲツグ。お前達はタケノミヤ様が出られた際に安全が確保出来る様に周囲の魔物を駆逐しておくのじゃ。」
「御意!」
カゲツグさんがそう言いながら頭を下げると他の人達もカゲツグさんに倣って頭を下げた。
俺とノブツナさんはその様子を確認するとダンジョンに入っていった。
「う~ん・・・あっ、居た。」
「居ったのか!?タケノミヤ様が居ったのか!?」
「居るのは居るんですが、これは一寸急いだ方が良さそうです。」
「ならば!」
ノブツナさんの慌てた様子に俺は手で制止するとノブツナさんにお願いする事にした。
「今現在、タケノミヤ様とノブテルさんは2人で行動し、その他の方の反応はありません。」
「何!?それでタケノミヤ様は!?」
「今は38階層の一室で隠れている様ですがそこに魔物が殺到しだしているみたいなんですが、自分が戦うと眷属?ってなりそうなんで、先に2人の所に送り届けますんで何とか・・・。」
「その程度、儂に任せておけばよい。それよりも38階層というたが、間に合いそうなのかのぅ?」
「あっ、それは大丈夫です。」
俺はそう言うとノブツナさんを結界包み込み龍化するとノブツナさんを包む結界を念動力で持ち上げた。
「な、何じゃ!シュウト殿!何をするつもりなんじゃ!それにその姿は?」
「あぁ龍化っていうスキルです。この方が飛べるんで速いんですよ。後、移動する際に自分の攻撃の余波なんかがノブツナさんに行かない様にと思って。」
「よ、余波・・・。」
「じゃあ近くまで一気に行きますね。」
「い、嫌な予感しかせんのだが・・・。」
俺はそう言うノブツナさんを無視して破滅之咆哮を放つ準備をした。
「シュ、シュウト殿、そ、それは・・・。」
「ぶち抜こうと思って。」
「ぶ、ぶち抜く?魔物はそんなに居らんし、魔力の無駄遣いな気がするんじゃが・・・。」
「魔物?いや、壁も壊せるんだし、それなら38階層まで行くのが1番速いかなって。」
「壁?ダンジョンの壁は壊せぬはず・・・。」
「あっ、一定以上の威力を放てば壊れますよ。まぁ、とりあえずやりますね。」
俺はそう言うとダンジョンの天井ギリギリまでノブツナさんを連れて飛び上がりタケノミヤさんが居る場所を確認して構えた。
「はぁ~・・・・・ハァーーーー!!!」
ブーン・・・パッ!コーーーー・・・
ド!ドドドドドォォォォ・・・・・・・
「・・・。」
俺の放った破滅之咆哮はダンジョンの床を次々と崩壊させていったので、眼下には真っ暗な大穴が出来上がり、ノブツナさんはその光景を見て顎が外れるんじゃないかと思えるくらい大きな口を開けて驚いていた。
「あっ・・・ヤバ・・・。」
「・・・ん?シュウト殿、今ヤバいと言わんだか?」
「・・・えぇと・・・とりあえず急ぎましょう。」
「シュ、シュウト殿ーーー!」
俺は気まずい雰囲気になる前に当初の目的を果たす為に有無を言わさず穴へと飛び込んでいった。
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