362 / 414
第361話 [やりすぎ?]
しおりを挟む
ダンジョンに造った大穴を急速に降りて行った俺は38階層まで到達すると2人が居る場所までに居た魔物を全て殲滅してから部屋の扉の前で結界ごと運んでいたノブツナさんを下ろした。
「到着しましたよ。この扉の向こうに御2人が居るんでお願いします。」
「・・・。」
「ノブツナさん?」
俺が再び声を掛けるとノブツナさんはハッと我に返ったのか、俺の方を見て何か言いたげな表情をしていた。
「ノブツナさん聞いてました?」
「いやぁ・・・真にダンジョン自体を破壊出来るのじゃなぁ・・・。」
「ま、まぁ・・・それよりさっきの話って・・・。」
「何じゃったかな?」
「この扉の向こうに・・・。」
「おぉそうであったか、2人の事は儂に任せよ。それでシュウト殿はどうされるのじゃ?」
「とりあえず、これ以上の不測の事態にならない様に、この階層の魔物を一掃してから一寸下を見てきます。」
「これ以上?」
「・・・では、行ってきます!」
ドゴーン!
俺はノブツナさんへの返答を誤魔化す為に壁をブチ破って魔物を討伐していき、ダンジョンコアがどうなってるかを確認する為に最下層へと降りてきた。
「あぁ、やっぱり・・・。」
そう言う俺の目の前には破滅之咆哮で半分削られたコアらしき物があったので鑑定するとダンジョンコア崩壊までのカウントダウンが表示されていた。
「ヤバいなぁ・・・スキア、皆んなも聞こえるか?」
『はい。念話が届くという事はコアを破壊されたのですか?』
「そうみたいだ・・・な。」
『みたいという事は・・・救援の為に最短で潜ろうと幾つもの階層をぶち抜く様な攻撃をしたは良いけど、有り余る力で加減を間違えて最下層まで到達した上に破壊したと。』
「なっ!・・・まぁ、言い合う時間も無いし、まぁいいや。」
『それで念話されるという事はダンジョンの崩壊から周囲の人々を護る結界を張るのですね。』
「あぁ、ダンジョン付近で出て来るのを待ってる人達も護れるか?」
『皆様、1箇所に固まられていますので問題無く行えます。』
「それなら直ぐにでも実行してくれ。」
『ダンジョン内に居られる方々は如何なさいますか?』
「3人だけだし、崩壊する前に連れ出すから問題無い。」
『承知致しました。では。』
「その前に俺達は結界内に居た方が良いのか?」
『いえ、シュウト様とシュウト様の張られた結界内に居る方々は素通り出来る様にします。』
「そんな事して結界は大丈夫なのか?」
『問題ありません。結界自体をシュウト様の性質に寄せた結界を張りますし、そうする事によってシュウト様やシュウト様の結界が通り過ぎた際、結界をより強固なモノに変質する様にします。』
「強固にか、そんな事も出来るんだな。」
『普通は膨大な計算式が必要になってきますので出来ませんが、私共とシュウト様には強いパスが繋がっていますので、容易に形成する事が可能なのです。』
「あぁ、俺の眷属だからか。」
『はい。』
「まぁとりあえず時間が無いから急いで結界を張ってくれ。」
『承知致しました。』
俺は一先ず完全にコアを破壊すると急いでノブツナさんの所へと戻った。
「シュウト殿!早く結界を!」
「ど、どうして・・・。」
俺はそう言いながら陰陽師の格好をしているタケノミヤ様と呼ばれる人を見ると笑みを浮かべながら深々とお辞儀をしていた。
あぁ、陰陽師の力で分かってたのか・・・。
俺はそう思いながら全員に結界を張ると急いでダンジョンを後にした。
俺達が出て待っていた人達と合流した直後、ダンジョンは周囲の木々や地面を巻き込む様に吸い込まれ、跡形もなくなってしまい、結界を解除する頃には山が半分になるほどのクレーターが出来上がっていた。
その光景を全員が唖然とした表情で見ていると突然天女の羽衣の様な物が弓隊の人達を除いて俺達を包み込んだ。
「こ、これは・・・タケノミヤ様!何をされるのじゃ!」
ノブツナさんはそう言ったが言われた方のタケノミヤ様は素知らぬ顔で、ゆっくりと両膝を着き、腰を折って頭を下げた。
「この度は助けて頂き、誠に有難う御座いました。」
「いえいえ、というか立ってもらって。」
「いえ、私、タケノミヤ・ナオツグ親王は使徒様の御尊顔を拝見する事が出来ただけでも恐悦至極。さらには私だけではなく、友のノブテルをも救って頂き、誠に有難う御座いました。」
「えぇと、ノブツナさん?」
俺がそう言うとノブツナさんは頭を搔きながら話し掛けてきた。
「儂が話した訳ではないのじゃが、タケノミヤ様はもう御存知じゃったのじゃよ。」
「えっ?・・・そうなんですか?」
「使徒様の懸念は承知しております。私は陰陽師の中でも未来を知る術に長けており、神託を授かる事も御座いまして、使徒様の事は事前に知る事が出来、ノブテルと共に契約も済ませております。」
「って事は自分の事は神様から聞いたという事ですか?」
「はい。泰山府君様から神託にてお聞き致しました。」
「こっちでも泰山府君様って居らっしゃるんですね。」
「元々は使徒様と同じ世界から来られたメモリーホルダーの1人だったそうです。ですが此方の世界にて魔力や魔法に触れ、人々を救う為に陰陽の術を再構築し、人から仙人へ神仙へと上がり、アストライアー様の許可を得て、泰山府君と名乗り、陰陽師の力を確定して行ったそうです。」
「あぁなるほど、自身の信念を貫き、人々をより豊かな生活が出来る様にしたんですね。」
「はい。その通りです。」
「なるほど・・・それはさておき、とりあえず話しづらいんで立って貰えませんか?」
「失礼しました。」
タケノミヤ様はそう言うと身なりを整えながらスっと立ち上がり、タケノミヤ様と一緒に平伏していたノブテルさんも立ち上がった。
「それで他の陰陽師の方々も自分の事を?」
「いえ、それは無いです。私のみと神託で。その上で信用出来る者には自身を含めて契約せよと。」
「なるほど。それなら安心です。後、今後も使徒と呼ばれるのは一寸・・・。」
「分かっております。ノブツナ殿との掛け合いから察するに格式張った振る舞いは苦手な御様子ですので、私からはノブツナ殿と同様シュウト殿と。使徒様からは呼び捨てで。」
「いやいや、殿はまぁいいですけど、流石に呼び捨ては出来ないんでタケノミヤさんとお呼びしますね。」
「承知しました。」
「後、その話し方は普段からですか?」
「シュウト殿の言う通り、普段からこの様な話し方をしておりますが、不快でしたら改めます。」
「普段からなら別に気にしないで下さい。」
「シュウト殿、タケノミヤ様は仕方がないのじゃよ。幼少期より礼儀作法を叩き込まれておる故。」
「そういう事ですか。ノブテルさんも・・・あっ、さん付け良かったですか?」
「ハッ!シュウト様の呼びたい様にして頂ければ!」
「そんなに固くならなくても良いですよ。」
俺がそう言うとノブツナさんが肩を叩いた。
「何ですか?」
「ノブテルも同じじゃよ。タケノミヤ様のお傍から離れられぬ故、常にあの様な感じじゃ。それに口下手じゃしの。」
「そうなんですね。しかしあれですねぇ、タケノミヤさんが陰陽師でノブテルさんが付き従ってるのを見るとなんか、ノブテルさんが龍笛を吹いてそうですよね。」
「龍笛を御存知とはシュウト殿は博識じゃのぅ。」
「前世の話で知ってるだけですけどまさか・・・。」
「そうじゃノブテルは龍笛や大篳篥の名手とまで言われとる程なんじゃよ。」
「へぇ~大篳篥まで。本当に物語りに出て来る2人みたいですね。」
「ほう、その様な話がシュウト殿の前世には有ったとは面白い偶然じゃのぅ。」
「音を奏でる事で、向こうの世界では鬼や霊魂を鎮める陰陽師の補佐の役割りも有ったようですね。」
「ほう、向こうの世界にも魔物が居ったのか。」
「実際居たかどうかは定かではないですが、話には聞きましたね。」
「ではシュウト殿は見た事がないと?」
「はい。」
「左様か。しかしあれじゃのぅ、まさかシュウト殿の前世でも鎮魂の術を2人でやっとたとは思わなんだわ。」
「えっ?じゃあ・・・。」
「シュウト殿の想像通り・・・タケノミヤ様、宜しいか?」
「シュウト殿であれば、私の全てを話されても何一つ問題はありませんよ。」
「えっ?」
タケノミヤさんの言葉に驚いてタケノミヤさんの方を見るとタケノミヤさんは俺の目をしっかりと見ながら微笑んでいた。
「えぇと・・・じゃあ。」
「シュウト殿が驚かれるのも分かるが、他の陰陽師もそうじゃが、陰陽師は陰陽術レベルが上がると神聖なモノに対して解放的になるというか、何でも話したくなるそうじゃ。」
「それはどうして・・・。」
「それは分からんが聖獣様に会う事が出来た陰陽師は聖獣様に聞かれたら何でも話してしまったそうじゃ。」
「・・・そうなんですね。」
俺がそう言うとタケノミヤさんが手を上げた。
「ん?どうしました?」
「全ての陰陽師がそうなる訳ではありません。術師レベルがある一定のレベルを超えると聖獣様相手だとしても抑える事は可能です。ただシュウト殿は聖獣様よりも神様に近い感じがしますので、私は陰陽師としてはかなりレベルが高いですが、耐える事が出来る気がしないというか、したくない感じがします。」
「・・・もしかしたらアストライアー様の神気で修行をしてるからかもしれませんね。」
「ア、アストライアー様の・・・それは凄い・・・貴重な体験をありがとう御座いました。」
「しかしこう言ってはなんですがタケノミヤさんはどうして地獄山に?それも神託ですか?」
「いえ、対外的には観光と言っておりますが、実の所は陰陽術、先程お話した鎮魂の術の修行を行う為に参ったのです。」
「修行ですか?」
「はい。鎮魂の術は魂を鎮める術である為、悪霊になってしまい、魔物化したゴーストに対して行うのが通例ですが、一定のレベルを超えてしまうとゴースト相手ではレベルが上がらなくなってしまい、危険を伴いますが、ソウルイーター相手での修行が余儀なく、対峙する他なくなってしまうのです。」
「そうなんですね。」
「到着しましたよ。この扉の向こうに御2人が居るんでお願いします。」
「・・・。」
「ノブツナさん?」
俺が再び声を掛けるとノブツナさんはハッと我に返ったのか、俺の方を見て何か言いたげな表情をしていた。
「ノブツナさん聞いてました?」
「いやぁ・・・真にダンジョン自体を破壊出来るのじゃなぁ・・・。」
「ま、まぁ・・・それよりさっきの話って・・・。」
「何じゃったかな?」
「この扉の向こうに・・・。」
「おぉそうであったか、2人の事は儂に任せよ。それでシュウト殿はどうされるのじゃ?」
「とりあえず、これ以上の不測の事態にならない様に、この階層の魔物を一掃してから一寸下を見てきます。」
「これ以上?」
「・・・では、行ってきます!」
ドゴーン!
俺はノブツナさんへの返答を誤魔化す為に壁をブチ破って魔物を討伐していき、ダンジョンコアがどうなってるかを確認する為に最下層へと降りてきた。
「あぁ、やっぱり・・・。」
そう言う俺の目の前には破滅之咆哮で半分削られたコアらしき物があったので鑑定するとダンジョンコア崩壊までのカウントダウンが表示されていた。
「ヤバいなぁ・・・スキア、皆んなも聞こえるか?」
『はい。念話が届くという事はコアを破壊されたのですか?』
「そうみたいだ・・・な。」
『みたいという事は・・・救援の為に最短で潜ろうと幾つもの階層をぶち抜く様な攻撃をしたは良いけど、有り余る力で加減を間違えて最下層まで到達した上に破壊したと。』
「なっ!・・・まぁ、言い合う時間も無いし、まぁいいや。」
『それで念話されるという事はダンジョンの崩壊から周囲の人々を護る結界を張るのですね。』
「あぁ、ダンジョン付近で出て来るのを待ってる人達も護れるか?」
『皆様、1箇所に固まられていますので問題無く行えます。』
「それなら直ぐにでも実行してくれ。」
『ダンジョン内に居られる方々は如何なさいますか?』
「3人だけだし、崩壊する前に連れ出すから問題無い。」
『承知致しました。では。』
「その前に俺達は結界内に居た方が良いのか?」
『いえ、シュウト様とシュウト様の張られた結界内に居る方々は素通り出来る様にします。』
「そんな事して結界は大丈夫なのか?」
『問題ありません。結界自体をシュウト様の性質に寄せた結界を張りますし、そうする事によってシュウト様やシュウト様の結界が通り過ぎた際、結界をより強固なモノに変質する様にします。』
「強固にか、そんな事も出来るんだな。」
『普通は膨大な計算式が必要になってきますので出来ませんが、私共とシュウト様には強いパスが繋がっていますので、容易に形成する事が可能なのです。』
「あぁ、俺の眷属だからか。」
『はい。』
「まぁとりあえず時間が無いから急いで結界を張ってくれ。」
『承知致しました。』
俺は一先ず完全にコアを破壊すると急いでノブツナさんの所へと戻った。
「シュウト殿!早く結界を!」
「ど、どうして・・・。」
俺はそう言いながら陰陽師の格好をしているタケノミヤ様と呼ばれる人を見ると笑みを浮かべながら深々とお辞儀をしていた。
あぁ、陰陽師の力で分かってたのか・・・。
俺はそう思いながら全員に結界を張ると急いでダンジョンを後にした。
俺達が出て待っていた人達と合流した直後、ダンジョンは周囲の木々や地面を巻き込む様に吸い込まれ、跡形もなくなってしまい、結界を解除する頃には山が半分になるほどのクレーターが出来上がっていた。
その光景を全員が唖然とした表情で見ていると突然天女の羽衣の様な物が弓隊の人達を除いて俺達を包み込んだ。
「こ、これは・・・タケノミヤ様!何をされるのじゃ!」
ノブツナさんはそう言ったが言われた方のタケノミヤ様は素知らぬ顔で、ゆっくりと両膝を着き、腰を折って頭を下げた。
「この度は助けて頂き、誠に有難う御座いました。」
「いえいえ、というか立ってもらって。」
「いえ、私、タケノミヤ・ナオツグ親王は使徒様の御尊顔を拝見する事が出来ただけでも恐悦至極。さらには私だけではなく、友のノブテルをも救って頂き、誠に有難う御座いました。」
「えぇと、ノブツナさん?」
俺がそう言うとノブツナさんは頭を搔きながら話し掛けてきた。
「儂が話した訳ではないのじゃが、タケノミヤ様はもう御存知じゃったのじゃよ。」
「えっ?・・・そうなんですか?」
「使徒様の懸念は承知しております。私は陰陽師の中でも未来を知る術に長けており、神託を授かる事も御座いまして、使徒様の事は事前に知る事が出来、ノブテルと共に契約も済ませております。」
「って事は自分の事は神様から聞いたという事ですか?」
「はい。泰山府君様から神託にてお聞き致しました。」
「こっちでも泰山府君様って居らっしゃるんですね。」
「元々は使徒様と同じ世界から来られたメモリーホルダーの1人だったそうです。ですが此方の世界にて魔力や魔法に触れ、人々を救う為に陰陽の術を再構築し、人から仙人へ神仙へと上がり、アストライアー様の許可を得て、泰山府君と名乗り、陰陽師の力を確定して行ったそうです。」
「あぁなるほど、自身の信念を貫き、人々をより豊かな生活が出来る様にしたんですね。」
「はい。その通りです。」
「なるほど・・・それはさておき、とりあえず話しづらいんで立って貰えませんか?」
「失礼しました。」
タケノミヤ様はそう言うと身なりを整えながらスっと立ち上がり、タケノミヤ様と一緒に平伏していたノブテルさんも立ち上がった。
「それで他の陰陽師の方々も自分の事を?」
「いえ、それは無いです。私のみと神託で。その上で信用出来る者には自身を含めて契約せよと。」
「なるほど。それなら安心です。後、今後も使徒と呼ばれるのは一寸・・・。」
「分かっております。ノブツナ殿との掛け合いから察するに格式張った振る舞いは苦手な御様子ですので、私からはノブツナ殿と同様シュウト殿と。使徒様からは呼び捨てで。」
「いやいや、殿はまぁいいですけど、流石に呼び捨ては出来ないんでタケノミヤさんとお呼びしますね。」
「承知しました。」
「後、その話し方は普段からですか?」
「シュウト殿の言う通り、普段からこの様な話し方をしておりますが、不快でしたら改めます。」
「普段からなら別に気にしないで下さい。」
「シュウト殿、タケノミヤ様は仕方がないのじゃよ。幼少期より礼儀作法を叩き込まれておる故。」
「そういう事ですか。ノブテルさんも・・・あっ、さん付け良かったですか?」
「ハッ!シュウト様の呼びたい様にして頂ければ!」
「そんなに固くならなくても良いですよ。」
俺がそう言うとノブツナさんが肩を叩いた。
「何ですか?」
「ノブテルも同じじゃよ。タケノミヤ様のお傍から離れられぬ故、常にあの様な感じじゃ。それに口下手じゃしの。」
「そうなんですね。しかしあれですねぇ、タケノミヤさんが陰陽師でノブテルさんが付き従ってるのを見るとなんか、ノブテルさんが龍笛を吹いてそうですよね。」
「龍笛を御存知とはシュウト殿は博識じゃのぅ。」
「前世の話で知ってるだけですけどまさか・・・。」
「そうじゃノブテルは龍笛や大篳篥の名手とまで言われとる程なんじゃよ。」
「へぇ~大篳篥まで。本当に物語りに出て来る2人みたいですね。」
「ほう、その様な話がシュウト殿の前世には有ったとは面白い偶然じゃのぅ。」
「音を奏でる事で、向こうの世界では鬼や霊魂を鎮める陰陽師の補佐の役割りも有ったようですね。」
「ほう、向こうの世界にも魔物が居ったのか。」
「実際居たかどうかは定かではないですが、話には聞きましたね。」
「ではシュウト殿は見た事がないと?」
「はい。」
「左様か。しかしあれじゃのぅ、まさかシュウト殿の前世でも鎮魂の術を2人でやっとたとは思わなんだわ。」
「えっ?じゃあ・・・。」
「シュウト殿の想像通り・・・タケノミヤ様、宜しいか?」
「シュウト殿であれば、私の全てを話されても何一つ問題はありませんよ。」
「えっ?」
タケノミヤさんの言葉に驚いてタケノミヤさんの方を見るとタケノミヤさんは俺の目をしっかりと見ながら微笑んでいた。
「えぇと・・・じゃあ。」
「シュウト殿が驚かれるのも分かるが、他の陰陽師もそうじゃが、陰陽師は陰陽術レベルが上がると神聖なモノに対して解放的になるというか、何でも話したくなるそうじゃ。」
「それはどうして・・・。」
「それは分からんが聖獣様に会う事が出来た陰陽師は聖獣様に聞かれたら何でも話してしまったそうじゃ。」
「・・・そうなんですね。」
俺がそう言うとタケノミヤさんが手を上げた。
「ん?どうしました?」
「全ての陰陽師がそうなる訳ではありません。術師レベルがある一定のレベルを超えると聖獣様相手だとしても抑える事は可能です。ただシュウト殿は聖獣様よりも神様に近い感じがしますので、私は陰陽師としてはかなりレベルが高いですが、耐える事が出来る気がしないというか、したくない感じがします。」
「・・・もしかしたらアストライアー様の神気で修行をしてるからかもしれませんね。」
「ア、アストライアー様の・・・それは凄い・・・貴重な体験をありがとう御座いました。」
「しかしこう言ってはなんですがタケノミヤさんはどうして地獄山に?それも神託ですか?」
「いえ、対外的には観光と言っておりますが、実の所は陰陽術、先程お話した鎮魂の術の修行を行う為に参ったのです。」
「修行ですか?」
「はい。鎮魂の術は魂を鎮める術である為、悪霊になってしまい、魔物化したゴーストに対して行うのが通例ですが、一定のレベルを超えてしまうとゴースト相手ではレベルが上がらなくなってしまい、危険を伴いますが、ソウルイーター相手での修行が余儀なく、対峙する他なくなってしまうのです。」
「そうなんですね。」
25
あなたにおすすめの小説
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ソードオブマジック 異世界無双の高校生
@UnderDog
ファンタジー
高校生が始める異世界転生。
人生をつまらなく生きる少年黄金黒(こがねくろ)が異世界へ転生してしまいます。
親友のともはると彼女の雪とともにする異世界生活。
大事な人を守る為に強くなるストーリーです!
是非読んでみてください!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる