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第367話 [披瀝の術。]
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タケノミヤさんが炭になった人達を見ながら呆れた様に言った事が気になった俺はタケノミヤさんに声を掛ける事にした。
「間違っていたらすいません。この人達って、同じ陰陽師というか、同じ陰陽寮の仲間じゃないんですか?」
「同寮の者です。しかし、この者らは敵対派閥の者らなのです。」
タケノミヤさんはそう言いながら毛嫌いしている様子だった。
「タケノミヤさんがそんな風に話すとは、相当嫌がらせとかをやられていたんですか?」
「いえ、これでも皇位継承権を持つ者です。もし私に何かをしようとすれば、陰陽師であっても反逆罪で一族郎党が死罪となる為、手出しはされません。」
「では、仲間内の人が?」
「いえいえ、そうではなく、先程お話した法の抜け穴を利用して悪事を働き、民を虐殺し、無理矢理契約で魂を縛る事を平然と行ってきたのです。」
「はい?囚人か何かなんですか?」
俺がそう言うとタケノミヤさんは眉間に皺を寄せて悔しそうに唇を噛んでいた。
「その様子から見て、高い地位にいたと?」
「はい。星見という術で、その場所の過去を観たり、魂の残留思念から分かってはいるのですが、証拠となる物が全て抹消され、罪には問えなかったのです。」
「罪がハッキリしているならタケノミヤさんの権力でなんとかならなかったんですか?」
「はい。兄上の従兄弟に当たる為、私が粛清すれば内戦の切っ掛けになる可能性が御座いましたので。」
「そういう事ですか・・・ん?それなら今の状況って、タケノミヤさんにとっては、かなり拙いんじゃ・・・。」
「シュウト殿の言いたい事は分かりますが、問題ありません。」
「でも内戦を引き起こしたい輩がいた場合、捏造された証拠とか、色々やりそうじゃないですか?」
「その心配はございません。今回の事で私を犯人にする事は出来ませんし、陰陽師の事を理解していない者が捏造した場合、その者が罰を受ける事になるでしょう。」
「皇位継承者ということではなく、陰陽師としてですか?」
「確かに親王という地位は様々な特権が有り、罪を免れる事も出来ます。ただ今回話した内戦を引き起こしそうとしている者がいた場合はその事を上手く使われる可能性が高いでしょう。」
「あぁ、なるほど。それなら陰陽師の場合もそうじゃないんですか?」
「いえ、確かに仰る通りこうい陰陽師には陰陽師の特権というものは有りますが、それよりも確かな術が存在しているのです。」
「術・・・ですか?・・・もしかして、術で自白させるって事ですか?」
「いいえ、そういう術は確かに存在しますが、術師レベルや抵抗値によって効果は区々なので、証言としては多少有効ですが、その術で引き出した証言を元に証拠を集める程度なのです。」
「じゃあ・・・。」
俺がそう言いかけるとタケノミヤさんは黙ってしまったので俺も静かに話を聞く事にした。
「宜しいでしょうか?」
「あっ、はい。」
「自白させる術にはもう1つ欠点が御座います。」
「欠点?」
「はい。自白させる術には、かなり酷似した術が御座います。」
「酷似ですか・・・偽りの情報を話させる的な感じですか?」
「はい。左様に御座います。」
「ならタケノミヤさんが欠点として上げるって事は、その間違ってたら申し訳ないんですが、酷似というより、傍目には同じ術に見えるんじゃないですか?」
「はい。ですので、証拠自体にはならないのです。しかもその性質から証拠となる物を見付けたとして、その証拠品(仮)を精査する必要もありますので、時間との勝負の場合は使えぬのです。」
「それなら確かな術とは?」
「それは披瀝の術という呪術でございます。」
「披瀝?自分自身の心の中を全て曝け出すという事ですか?」
「全てではありませんよ。事件に関する事柄のみと術に刻み込むので、その他の事は聞かれたとしても答えません。」
「なるほど。でも秘匿すべき事柄がその事件に関わっているとしたらどうなんですか?」
「それが、事件の核心的な部分でない限りは問題ありません。」
「それなら良かった。それでその披瀝の術っていうのは、酷似した術はないんですか?」
「ございません。その披瀝の術は陰陽師自身が自分自身に掛ける術という事も有りますが、それ以上に披瀝の術を模倣し、改変しようとすれば陰陽師としては生きていけなくなるので。」
「発覚したら職を失うって事ですか?」
「そうではありません。陰陽師としての能力を全て失います。」
「え!!?陰陽師として!?そんな事が可能なんですか!?」
「はい。披瀝の術は簡単に言いますと泰山府君様と契約させて頂き、~に関して自身の知る事全てを話しますという術で、その性質上自分自身に呪いをかける術なので、証言自体が証拠となります。」
「契約に違反すると能力が封印される、もしくは消滅する呪いがかかるとかですか?」
「はい。」
「それならば信憑性は高いですけど、レベルの低い陰陽師の人だとどうなんですか?」
「確かにレベルが低い者であれば偽りの証言をしたとしても失うのは少しで済むかもしれませんが、そうなった場合は信用も失いますので、表の世界では生きていけませんし、裏の世界でも信用など必要の無い底辺の仕事しか出来ないでしょう。」
「まぁそうですね。例え罪に問われるとしても積み上げてきた力を失うくらいなら拒否した方がマシでしょうね。」
「はい。死刑になるならと愚かな考えを実行する者も稀にはおりますが、基本的には陰陽師を捨てるくらいなら自害を選ぶでしょう。」
「凄い世界ですね。」
「それだけの職ですので。」
「はぁ・・・。」
俺がそう言うとタケノミヤさんはパン!パン!と顔を叩いてから炭になった人達の方を見た。
「それではシュウト殿、霊魂達を送る前にこの場を浄めて送り出してあげたいのですが、少々お待ち頂いても宜しいでしょうか?」
「あっ、はい。大丈夫ですよ。」
俺がそう言うとタケノミヤさんは深くお辞儀をしてから幾つかの印を組んだ。
「かしこみかしこみ・・・これより使徒様の御業を行使して頂く為、祓えたまえ~清めたまえ~かむながらまもりたまえ~さきわえたまえ~・・・・・」
タケノミヤさんがそう祝詞を唱えながら柏手をし、両手を平行に広げる事を繰り返すとその度に炭になった人達は崩れ、掻き消されていき、同時に儀式場全体が浄められていった。
暫くして炭になった人達を全て掻き消し、倒れた祭壇を直すとその中心に陰陽玉を備えるとタケノミヤさんは俺の方を見て話し掛けてきた。
「シュウト殿、失礼ながら真に魂の解放だけで宜しいのでしょうか?」
「はい。その都度転生してもらいますので。」
「承知致しました。では参ります。」
タケノミヤさんがそう言うと同時に陰陽玉が仄かに光り、魂が次々と出て来たので、俺はスキル転生を使い転生し続けていった。
何十何百の魂を見送り陰陽玉から魂が出なくなると陰陽玉は元の状態へと戻った。
終了の確認をする為にタケノミヤさんの方を見ると十数体の魂がタケノミヤさんの周りに転生する事なく漂い留まっていた。
「えっと終わりで良かったですかね?」
「はい。陰陽玉の中に居た方々は転生されました。」
「・・・という事はその後ろに居る方達は・・・。」
「はい。私と契約し、式神となってくれる者達です。」
「なってくれるという事は直ぐに成るわけじゃないって事ですか?」
「はい。それぞれの魂に合った器を用意する必要がありますので。」
「器ですか?」
「はい。分かりやすいところで言いますと木製の人形であったり、大型の鉄人形であったり、その者の適正に合う者を用意致します。」
「なるほど、その器がそのまま動くんですね。」
「それも様々です。掌に乗るぐらいの小さな泥人形が3m程のゴーレムに匹敵する程の大きさになったり、先程話した鉄人形が人と同じくらいのサイズになったり、話によると普段はアクセサリーに、戦闘時や移動時には巨大な翼竜になったと言う話も御座いました。」
「へぇ~面白いですねぇ。タケノミヤさんもそれを目指したりしてるんですか?」
「まぁ、確かに泰山府君様がまだ神として神界に行かれてなかった時の移動手段として四聖獣を模した式神を使役し、青龍様に模した龍の式神に乗って、各地の民を助けていたとされていましたので、私だけではなく全ての陰陽師の憧れで御座います。」
「あぁ、確かに前世でもそういうイメージの話も有りましたね。」
「そうなんですか!」
俺の話にタケノミヤさんが異常な食い付き具合いで詰め寄ってきたので俺は手で制止しながら距離を取った。
「マンガ・・・いや、絵本とかの話で実際に見たわけじゃないですよ。」
俺がそう言うとハッとした顔で徐々に顔を赤らめながら後ろへ下がっていった。
「申し訳御座いません。」
「いえいえ大丈夫ですよ。タケノミヤさんの陰陽師として陰陽師の事が好きな熱量は伝わってきたんで。」
「!!!・・・。」
俺がそう言うとタケノミヤさんは更に顔を赤くして下を向いた。
「えぇと・・・これで今回の事は解決済みという事で宜しいですか?」
俺がそう言うとタケノミヤさんは真剣な表情に変わり、俺に対して正座をすると後ろに控えていたノブテルさんもタケノミヤさんに倣うように正座をし、2人同時にお辞儀をしてきた。
「この度は御尽力頂き、転生した全ての魂、この街に住む全ての者、陰陽師として、親王として、この国に生きる者全てを代表して感謝致します。」
「自分に出来る事をしたまでですが、感謝は受け取りました。」
俺はそう言うと2人の手を取って立ち上がって貰った。
「それでなんですが、前回お話した様にこの地域には転生不可ポイントが空を翔る雲の様に点在してる感じなのですが、この陰陽寮は移転する事は可能ですか?」
俺がそう言うとタケノミヤさんは眉間に皺を寄せて答えてくれた。
「・・・難しいかと・・・。」
「それは何故ですか?」
「他の場所でも可能は可能なのですが、それはそれでかなりの実力が必要になってきますので、実質は不可能に近い可能です。」
「此処だと違うんですか?」
「陰陽術を行使する上での風水など様々な条件が揃う唯一の土地なのです。それに魂を護る上でも此処以上の場所はございません。」
「なるほど・・・では、泰山府君様が遺して頂けた陰陽玉はありますか?」
俺がそう言うとタケノミヤさんは一瞬固まってしまった。
「間違っていたらすいません。この人達って、同じ陰陽師というか、同じ陰陽寮の仲間じゃないんですか?」
「同寮の者です。しかし、この者らは敵対派閥の者らなのです。」
タケノミヤさんはそう言いながら毛嫌いしている様子だった。
「タケノミヤさんがそんな風に話すとは、相当嫌がらせとかをやられていたんですか?」
「いえ、これでも皇位継承権を持つ者です。もし私に何かをしようとすれば、陰陽師であっても反逆罪で一族郎党が死罪となる為、手出しはされません。」
「では、仲間内の人が?」
「いえいえ、そうではなく、先程お話した法の抜け穴を利用して悪事を働き、民を虐殺し、無理矢理契約で魂を縛る事を平然と行ってきたのです。」
「はい?囚人か何かなんですか?」
俺がそう言うとタケノミヤさんは眉間に皺を寄せて悔しそうに唇を噛んでいた。
「その様子から見て、高い地位にいたと?」
「はい。星見という術で、その場所の過去を観たり、魂の残留思念から分かってはいるのですが、証拠となる物が全て抹消され、罪には問えなかったのです。」
「罪がハッキリしているならタケノミヤさんの権力でなんとかならなかったんですか?」
「はい。兄上の従兄弟に当たる為、私が粛清すれば内戦の切っ掛けになる可能性が御座いましたので。」
「そういう事ですか・・・ん?それなら今の状況って、タケノミヤさんにとっては、かなり拙いんじゃ・・・。」
「シュウト殿の言いたい事は分かりますが、問題ありません。」
「でも内戦を引き起こしたい輩がいた場合、捏造された証拠とか、色々やりそうじゃないですか?」
「その心配はございません。今回の事で私を犯人にする事は出来ませんし、陰陽師の事を理解していない者が捏造した場合、その者が罰を受ける事になるでしょう。」
「皇位継承者ということではなく、陰陽師としてですか?」
「確かに親王という地位は様々な特権が有り、罪を免れる事も出来ます。ただ今回話した内戦を引き起こしそうとしている者がいた場合はその事を上手く使われる可能性が高いでしょう。」
「あぁ、なるほど。それなら陰陽師の場合もそうじゃないんですか?」
「いえ、確かに仰る通りこうい陰陽師には陰陽師の特権というものは有りますが、それよりも確かな術が存在しているのです。」
「術・・・ですか?・・・もしかして、術で自白させるって事ですか?」
「いいえ、そういう術は確かに存在しますが、術師レベルや抵抗値によって効果は区々なので、証言としては多少有効ですが、その術で引き出した証言を元に証拠を集める程度なのです。」
「じゃあ・・・。」
俺がそう言いかけるとタケノミヤさんは黙ってしまったので俺も静かに話を聞く事にした。
「宜しいでしょうか?」
「あっ、はい。」
「自白させる術にはもう1つ欠点が御座います。」
「欠点?」
「はい。自白させる術には、かなり酷似した術が御座います。」
「酷似ですか・・・偽りの情報を話させる的な感じですか?」
「はい。左様に御座います。」
「ならタケノミヤさんが欠点として上げるって事は、その間違ってたら申し訳ないんですが、酷似というより、傍目には同じ術に見えるんじゃないですか?」
「はい。ですので、証拠自体にはならないのです。しかもその性質から証拠となる物を見付けたとして、その証拠品(仮)を精査する必要もありますので、時間との勝負の場合は使えぬのです。」
「それなら確かな術とは?」
「それは披瀝の術という呪術でございます。」
「披瀝?自分自身の心の中を全て曝け出すという事ですか?」
「全てではありませんよ。事件に関する事柄のみと術に刻み込むので、その他の事は聞かれたとしても答えません。」
「なるほど。でも秘匿すべき事柄がその事件に関わっているとしたらどうなんですか?」
「それが、事件の核心的な部分でない限りは問題ありません。」
「それなら良かった。それでその披瀝の術っていうのは、酷似した術はないんですか?」
「ございません。その披瀝の術は陰陽師自身が自分自身に掛ける術という事も有りますが、それ以上に披瀝の術を模倣し、改変しようとすれば陰陽師としては生きていけなくなるので。」
「発覚したら職を失うって事ですか?」
「そうではありません。陰陽師としての能力を全て失います。」
「え!!?陰陽師として!?そんな事が可能なんですか!?」
「はい。披瀝の術は簡単に言いますと泰山府君様と契約させて頂き、~に関して自身の知る事全てを話しますという術で、その性質上自分自身に呪いをかける術なので、証言自体が証拠となります。」
「契約に違反すると能力が封印される、もしくは消滅する呪いがかかるとかですか?」
「はい。」
「それならば信憑性は高いですけど、レベルの低い陰陽師の人だとどうなんですか?」
「確かにレベルが低い者であれば偽りの証言をしたとしても失うのは少しで済むかもしれませんが、そうなった場合は信用も失いますので、表の世界では生きていけませんし、裏の世界でも信用など必要の無い底辺の仕事しか出来ないでしょう。」
「まぁそうですね。例え罪に問われるとしても積み上げてきた力を失うくらいなら拒否した方がマシでしょうね。」
「はい。死刑になるならと愚かな考えを実行する者も稀にはおりますが、基本的には陰陽師を捨てるくらいなら自害を選ぶでしょう。」
「凄い世界ですね。」
「それだけの職ですので。」
「はぁ・・・。」
俺がそう言うとタケノミヤさんはパン!パン!と顔を叩いてから炭になった人達の方を見た。
「それではシュウト殿、霊魂達を送る前にこの場を浄めて送り出してあげたいのですが、少々お待ち頂いても宜しいでしょうか?」
「あっ、はい。大丈夫ですよ。」
俺がそう言うとタケノミヤさんは深くお辞儀をしてから幾つかの印を組んだ。
「かしこみかしこみ・・・これより使徒様の御業を行使して頂く為、祓えたまえ~清めたまえ~かむながらまもりたまえ~さきわえたまえ~・・・・・」
タケノミヤさんがそう祝詞を唱えながら柏手をし、両手を平行に広げる事を繰り返すとその度に炭になった人達は崩れ、掻き消されていき、同時に儀式場全体が浄められていった。
暫くして炭になった人達を全て掻き消し、倒れた祭壇を直すとその中心に陰陽玉を備えるとタケノミヤさんは俺の方を見て話し掛けてきた。
「シュウト殿、失礼ながら真に魂の解放だけで宜しいのでしょうか?」
「はい。その都度転生してもらいますので。」
「承知致しました。では参ります。」
タケノミヤさんがそう言うと同時に陰陽玉が仄かに光り、魂が次々と出て来たので、俺はスキル転生を使い転生し続けていった。
何十何百の魂を見送り陰陽玉から魂が出なくなると陰陽玉は元の状態へと戻った。
終了の確認をする為にタケノミヤさんの方を見ると十数体の魂がタケノミヤさんの周りに転生する事なく漂い留まっていた。
「えっと終わりで良かったですかね?」
「はい。陰陽玉の中に居た方々は転生されました。」
「・・・という事はその後ろに居る方達は・・・。」
「はい。私と契約し、式神となってくれる者達です。」
「なってくれるという事は直ぐに成るわけじゃないって事ですか?」
「はい。それぞれの魂に合った器を用意する必要がありますので。」
「器ですか?」
「はい。分かりやすいところで言いますと木製の人形であったり、大型の鉄人形であったり、その者の適正に合う者を用意致します。」
「なるほど、その器がそのまま動くんですね。」
「それも様々です。掌に乗るぐらいの小さな泥人形が3m程のゴーレムに匹敵する程の大きさになったり、先程話した鉄人形が人と同じくらいのサイズになったり、話によると普段はアクセサリーに、戦闘時や移動時には巨大な翼竜になったと言う話も御座いました。」
「へぇ~面白いですねぇ。タケノミヤさんもそれを目指したりしてるんですか?」
「まぁ、確かに泰山府君様がまだ神として神界に行かれてなかった時の移動手段として四聖獣を模した式神を使役し、青龍様に模した龍の式神に乗って、各地の民を助けていたとされていましたので、私だけではなく全ての陰陽師の憧れで御座います。」
「あぁ、確かに前世でもそういうイメージの話も有りましたね。」
「そうなんですか!」
俺の話にタケノミヤさんが異常な食い付き具合いで詰め寄ってきたので俺は手で制止しながら距離を取った。
「マンガ・・・いや、絵本とかの話で実際に見たわけじゃないですよ。」
俺がそう言うとハッとした顔で徐々に顔を赤らめながら後ろへ下がっていった。
「申し訳御座いません。」
「いえいえ大丈夫ですよ。タケノミヤさんの陰陽師として陰陽師の事が好きな熱量は伝わってきたんで。」
「!!!・・・。」
俺がそう言うとタケノミヤさんは更に顔を赤くして下を向いた。
「えぇと・・・これで今回の事は解決済みという事で宜しいですか?」
俺がそう言うとタケノミヤさんは真剣な表情に変わり、俺に対して正座をすると後ろに控えていたノブテルさんもタケノミヤさんに倣うように正座をし、2人同時にお辞儀をしてきた。
「この度は御尽力頂き、転生した全ての魂、この街に住む全ての者、陰陽師として、親王として、この国に生きる者全てを代表して感謝致します。」
「自分に出来る事をしたまでですが、感謝は受け取りました。」
俺はそう言うと2人の手を取って立ち上がって貰った。
「それでなんですが、前回お話した様にこの地域には転生不可ポイントが空を翔る雲の様に点在してる感じなのですが、この陰陽寮は移転する事は可能ですか?」
俺がそう言うとタケノミヤさんは眉間に皺を寄せて答えてくれた。
「・・・難しいかと・・・。」
「それは何故ですか?」
「他の場所でも可能は可能なのですが、それはそれでかなりの実力が必要になってきますので、実質は不可能に近い可能です。」
「此処だと違うんですか?」
「陰陽術を行使する上での風水など様々な条件が揃う唯一の土地なのです。それに魂を護る上でも此処以上の場所はございません。」
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