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第4章
ペットができました
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ある程度歪みから出現する魔獣達を捌いたところで、ノヴァの結界で歪みの穴を塞ぐことに成功し、少し離れた所で野営の準備をする使用人達を地面に置かれたシートの上に座りながら眺めている。
公爵家の生まれでも僕は次男だし、お家を継がないので暮らしはちょっと裕福な平民くらいになるんだろうとは思っていたが…予想以上にサバイバルな日常を送っている気がする。
否、まだ使用人や護衛がいるのだからそんなことを言っては多方面から炎を投げ付けられそうだ。
「ルナイス。まさかあれらを連れ帰るつもりか。」
「…。」
「ルナイス。」
お隣に座っているノヴァはじっと僕を見てくるけど、僕は目を合わせないように真っ直ぐ前を向いて決してノヴァと視線が絡まないように気を付ける。
けれど、ノヴァに強めに名前を呼ばれてはこれ以上無視をするのはできなくて渋々焦点をノヴァに合わせた。
「…駄目?」
「…1匹までだ。」
精一杯可愛い子ぶってノヴァに首を傾げて見せれば、ノヴァは1匹までと言ってそれ以上は何も言わなくなった。
自分や他の人からしたらドン引きな行動だけど何故かノヴァとにぃ様には効果覿面なのだ。
ちなみにとーさまにはもう少し子供っぽくすると効く。
そんなあざとい僕のおねだりに負けたノヴァにどの子を飼おうかと話を投げかける。
飼いたいのは僕だけど、きちんと相方の意見も取り入れないと。
「オスクロマオ。」
「分かった。」
オスクロマオは猫のような魔獣だ。
黒い煙になって移動する猫のような見た目をした魔獣で、冒険者や裏手のお仕事をしている人達に人気。
つまり僕との相性が良い魔獣だから絶対ノヴァはオスクロマオって言われるって思っていたので、さっそく影の中にドボンとして、オスクロマオを見つけ出し影から外に出る。
何体かは影の中に閉じ込めていて、後はどうなったのかは分からない。
僕は闇に溶けたって思っている。
数体閉じ込めておけるようになっただけでもすごい進歩なんだ。
僕頑張った。
「君の名前は坊ね。」
外に出た瞬間煙になろうとするので急いで名前を与えると、坊の体がうっすら光って暴れていた体からすっと力が抜けた。
手に持った時に男の子であることは確認した。
ちょっと無理矢理契約されて不満気な表情をしているが、ふんっと息を吐き出すと諦めたように僕の手の中で丸まって寝だしてしまった。
「変わった名前だ。」
「うん。お坊ちゃまの坊。」
「…そうか。」
名前の由来を聞いてノヴァが何故か遠い目をしているけど、坊って可愛い名前だと思うんだよね。
閉じ込めておいた数体の魔獣のうち二体を取り出して、それを捌いて焼いて食べた。
日も落ちてきたし、早くてもテトラ君達が戻ってくるのは明日。
見張りは護衛が代わる代わるしてくれるので、僕とノヴァは同じテントに入って眠るため毛布に包まる。
ノヴァが毛布にも魔法を付与してくれたので、全然寒くない。
しばらくしてぱちりと目を開いた僕は、隣のノヴァがぐっすりと眠りの世界に堕ちていることを確認してからそっとノヴァに背を向ける。
そして暗闇の中に手を突っ込んで眠っている坊を掴み出して体を撫でまわしながら坊をじっと凝視。
「やっぱり。」
ノヴァ達には言わなかったけど、ずっと気になっていた背中とお口。
ぽんっと強めに背中を叩くとばっと動いたそれ…黒い羽。
そしてぐいっとめくった皮膚の下に見える鋭い牙。
「キメラだ。」
観察して確信した結果によしっと頷く。
捕獲していた魔獣の中にはこの子以外のオスクロマオも居たのだけど、その中でこの子に決めたのは実は捉えた時に違和感を感じたから。
闇で一気に飲み込んだけど、取り込んだものはぼんやりと分かるのだけれどこの坊の情報だけがとても引っかかったのだ。
何と掛け合わされたものなのかは分からないけれど、まだ小さい個体だから自然とバレるまでは誰にも坊がキメラであることは言わないつもりだ。
____________
亀更新にも関わらずご愛読ありがとうございます。
しおり等の数が減っりする中、新たな読者様の通知もあり、そしていいねをしてくださったりエールをくださる読者様の中には何度か押してくださっている方もいらっしゃるのではないかと思います。
心より感謝申し上げます。
只今お気に入り登録者数が2.920となりました!
3.000が近づいており正直驚いています^^
修正についてご丁寧な指摘をしてくださる方もいらっしゃって、なるべく修正していっているのですが…最近更新があまりできてないことからもお話を進めることを優先させていただきたいと思います。
余裕ができましたら修正作業を行うつもりですのでどうぞよろしくお願いいたします!
公爵家の生まれでも僕は次男だし、お家を継がないので暮らしはちょっと裕福な平民くらいになるんだろうとは思っていたが…予想以上にサバイバルな日常を送っている気がする。
否、まだ使用人や護衛がいるのだからそんなことを言っては多方面から炎を投げ付けられそうだ。
「ルナイス。まさかあれらを連れ帰るつもりか。」
「…。」
「ルナイス。」
お隣に座っているノヴァはじっと僕を見てくるけど、僕は目を合わせないように真っ直ぐ前を向いて決してノヴァと視線が絡まないように気を付ける。
けれど、ノヴァに強めに名前を呼ばれてはこれ以上無視をするのはできなくて渋々焦点をノヴァに合わせた。
「…駄目?」
「…1匹までだ。」
精一杯可愛い子ぶってノヴァに首を傾げて見せれば、ノヴァは1匹までと言ってそれ以上は何も言わなくなった。
自分や他の人からしたらドン引きな行動だけど何故かノヴァとにぃ様には効果覿面なのだ。
ちなみにとーさまにはもう少し子供っぽくすると効く。
そんなあざとい僕のおねだりに負けたノヴァにどの子を飼おうかと話を投げかける。
飼いたいのは僕だけど、きちんと相方の意見も取り入れないと。
「オスクロマオ。」
「分かった。」
オスクロマオは猫のような魔獣だ。
黒い煙になって移動する猫のような見た目をした魔獣で、冒険者や裏手のお仕事をしている人達に人気。
つまり僕との相性が良い魔獣だから絶対ノヴァはオスクロマオって言われるって思っていたので、さっそく影の中にドボンとして、オスクロマオを見つけ出し影から外に出る。
何体かは影の中に閉じ込めていて、後はどうなったのかは分からない。
僕は闇に溶けたって思っている。
数体閉じ込めておけるようになっただけでもすごい進歩なんだ。
僕頑張った。
「君の名前は坊ね。」
外に出た瞬間煙になろうとするので急いで名前を与えると、坊の体がうっすら光って暴れていた体からすっと力が抜けた。
手に持った時に男の子であることは確認した。
ちょっと無理矢理契約されて不満気な表情をしているが、ふんっと息を吐き出すと諦めたように僕の手の中で丸まって寝だしてしまった。
「変わった名前だ。」
「うん。お坊ちゃまの坊。」
「…そうか。」
名前の由来を聞いてノヴァが何故か遠い目をしているけど、坊って可愛い名前だと思うんだよね。
閉じ込めておいた数体の魔獣のうち二体を取り出して、それを捌いて焼いて食べた。
日も落ちてきたし、早くてもテトラ君達が戻ってくるのは明日。
見張りは護衛が代わる代わるしてくれるので、僕とノヴァは同じテントに入って眠るため毛布に包まる。
ノヴァが毛布にも魔法を付与してくれたので、全然寒くない。
しばらくしてぱちりと目を開いた僕は、隣のノヴァがぐっすりと眠りの世界に堕ちていることを確認してからそっとノヴァに背を向ける。
そして暗闇の中に手を突っ込んで眠っている坊を掴み出して体を撫でまわしながら坊をじっと凝視。
「やっぱり。」
ノヴァ達には言わなかったけど、ずっと気になっていた背中とお口。
ぽんっと強めに背中を叩くとばっと動いたそれ…黒い羽。
そしてぐいっとめくった皮膚の下に見える鋭い牙。
「キメラだ。」
観察して確信した結果によしっと頷く。
捕獲していた魔獣の中にはこの子以外のオスクロマオも居たのだけど、その中でこの子に決めたのは実は捉えた時に違和感を感じたから。
闇で一気に飲み込んだけど、取り込んだものはぼんやりと分かるのだけれどこの坊の情報だけがとても引っかかったのだ。
何と掛け合わされたものなのかは分からないけれど、まだ小さい個体だから自然とバレるまでは誰にも坊がキメラであることは言わないつもりだ。
____________
亀更新にも関わらずご愛読ありがとうございます。
しおり等の数が減っりする中、新たな読者様の通知もあり、そしていいねをしてくださったりエールをくださる読者様の中には何度か押してくださっている方もいらっしゃるのではないかと思います。
心より感謝申し上げます。
只今お気に入り登録者数が2.920となりました!
3.000が近づいており正直驚いています^^
修正についてご丁寧な指摘をしてくださる方もいらっしゃって、なるべく修正していっているのですが…最近更新があまりできてないことからもお話を進めることを優先させていただきたいと思います。
余裕ができましたら修正作業を行うつもりですのでどうぞよろしくお願いいたします!
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