王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第4章

面倒臭いのまた発見


所々で休憩を挟みながら辿り着いた名のない森。


人の手がまったく入っていない森は鬱蒼としていて、ぱっとみ足を踏み入れられそうにない。




先に護衛の者数名が森の中の状況を把握してくるというので、僕達は馬車の中で待機中。

ぺちゃくちゃお喋りしたり、空から降って来る雪を眺めたりして待つこと30分程。


やっと森から出てきた護衛の服は血まみれであった。







「どうやら森の中で魔獣等が異常繁殖しているようです。ある程度捌いてきたので入るには入れますが…私としてはこのままハデス領に向かっていただきたいのが本音です。」


「うん。じゃあちょっとだけ。」



護衛達から報告を受けたヨハネスが完結に僕達へ報告と共に森に入るのを止めるよう言ったけど、僕達はもう目の前の森に興味津々なので。

ヨハネスは言ってみただけで、僕達が大人しくハデス領に向かうとは、はなから思っていないので重たいため息をついた後大人しく馬車の出入り口から離れ手を差し出し僕が馬車から降りる補助をしてくれる。



これノヴァとテトラ君はやってもらってない。
僕も自分の足だけで馬車から降りたいのだけど、ちょっと僕の身長的に馬車が高いので危なくてできない。




一度ヨハネスの手を断って降りようとしたら思った以上に地面が下にあって、ガクンって体が落ちた経験があるのでもう無理をしないことにしているが…いつかは自分で降りて見せる!








馬車を降りてから護衛に前後を守られながら森へ入る。


見慣れない女性騎士っぽい人はたぶんコルダ。
さすがにこの状況は近くで護衛をしてくれるらしい。



「おいルナイス。あんな美人な人いたか?」


「んー?いたよー。」


テトラ君が目敏く見つけて聞いてきたけど、僕は最初からいましたよーっと白を切る。





首を傾げ、納得していない様子だけどテトラ君の疑う気持ちが強くなる前にコルダがさっとテトラ君の視界から外れる。

コルダは地獄耳。










しばらく護衛が作ってくれる道を歩いて進んだ先に深そうな洞窟を発見した。

洞窟の中は真っ暗で、ノヴァが光魔法で視界を確保してくれたけど奥の方は光を吸収してしまうほど暗い。


いや…


これ本当に吸収してるわ。





「ノヴァ。」


「あぁ。これだろう。」


だよねっと二人で頷き合う。


明かりが入らなくて真っ暗なんじゃなくて、奥に大きな時空の歪みが発生している可能性が高い。

というか、99%そう。



時空の歪み何て滅多に起きるものじゃないし、ここまで大規模な歪みは報告されたこともない。

つまり国を揺るがす大問題発見。







面倒臭いことになる予感に僕はつい重たいため息を吐き出してしまうが、それはノヴァも一緒だったようでぽんぽんと励ますように背中が叩かれた。




「…ねぇ。これどうにかして、見なかったことにすれば報告しなくていいんじゃない?」


「否。どうにかできたとしても報告はしなければならない。」


良い案を思いついたと提案すればすぐにテトラ君にぶった切られた。




「…まぁ、これってハデス領の問題だし僕達関係ないよね?テトラ君頑張って。」


「では辺境伯に報告をしに領地に戻る。その間頼んだぞルナイス。」



ぶった切られた腹いせにぜーんぶテトラ君とハデス辺境伯に投げてやろうと思えば、何故か見張りと万が一の対処を任されてしまった。

テトラ君は僕達の返答なんて待たずにさっさと馬に跨って、護衛すら置いてけぼりで走り去って行った。





慌ててテトラ君の護衛達が後を追っていったけど…







「…今の所新婚旅行味が一切ないんだけど。」


獣人領くらいしか楽しめてないんだけど。
獣人領で密かに集めた肉球スタンプだってまだ双子とキャロットさんの3人からしかもらえてなかった。

子供みたいだって分かっているけど、問題解決作業ばかりで全然面白みのない旅に不満が隠せないでいる僕の頭をノヴァがぐっと胸元に抱き寄せて慰めてくれるけど、体の内側で黒いのがぐるぐるとしていて気持ち悪い。





「もういい。」


歪みから続々と出現し始めた魔獣達を見て、ノヴァから離れる。





そして内側に溜まった不満をぶつけるように広範囲の闇魔法を展開し、一気に魔獣達をドプンと飲み込む。


今捕まえた魔獣は後で選別してお家に帰ったら飼ってやる!







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