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第4章
抑えられない好奇心
テトラ君達は予想通り翌日のお昼前に帰ってきた。
テトラ君のお父様であるハデス辺境伯様を連れて。
「なるほど。」
現状ノヴァの結界で歪みの穴を塞いでいることを報告するとハデス辺境伯様は静かに頷かれた。
相変わらず大きくて逞しい逆三角形の肉体で憧れるが、ちょっとデカすぎて僕は長時間辺境伯様を見ていられない。
「歪みの穴は昨夜から今朝にかけて少しずつ大きくなっていっています。結界を解いたら昨日よりも大型の魔獣が現れる可能性が高いとみています。」
しれっと辺境伯様に衝撃情報を告げるノヴァに僕だけじゃなくヨハネス達も驚いている。
結界を施しているノヴァしか穴の拡大は分からなかったのだが、僕達はその情報を聞いていなかった。
「うむ…」
ノヴァの言葉を踏まえてどう対策をするかと思案する辺境伯様。
組んだ腕の上腕二頭筋がすごい。
テトラ君も将来はあんな筋肉すごくなるのだろうか…。
それにしても僕は今朝起きた時からひとつ気になっていることがある。
これは声に出して言ってもいいことかどうか分からなくて今まで黙っていたけれど、やっぱり好奇心が抑えられない。
「大量の魔獣が歪みの穴から出てきたとして、この森を出てくるのでしょうか?」
昨日テトラ君は魔獣やキメラ達があの森から出てきたことはないと言っていたので、僕は結界みたいなものがこの森には展開されているのだろうと思っていた。
森の近くに来て、森の中に入っても結界も魔力も感じなかったけれど…魔獣達が今までこの森から外に出なかったのには何かしら理由があったはずだ。
ノヴァの結界を解いて魔獣達がどんどん湧いてきたとして、彼らははたして森の外まで僕達を追いかけてくるのだろうか?
それが朝起きた時からずっと考えていることで、できれば試してみたいと思っていることだ。
「確かに今まで奴等は森の外に出たことはないと記録されている。しかしその理由が分からん。今それを試して、万が一魔獣達が森の外に出てしまえば被害を被るのは我々北の者だけではない。」
辺境伯様の言葉にですよねーっと笑う。
「…辺境伯。国から許可を取り試してみませんか。私が森の外に結界を張りますので万が一魔獣達が森の外に出ても被害は最小限に抑えられると思います。私が死なない限りは。」
ノヴァの提案に僕と辺境伯様は驚く。
辺境伯様は国から許可を取って実験しようと告げるノヴァに驚いていて、僕は最後のノヴァの死を連想させるような言葉に驚いた。
「僕を置いて死なせるわけない。」
「あぁ。分かっている。もしもの話だったが悪かった。」
ちょっと怒りが沸々と湧いてきた僕がノヴァを睨みながら言うとノヴァは困ったように、でもどこか嬉しそうに笑い謝ったのでまだ怒りは完全には収まらないけれど、これ以上責めるような言葉は言わないように口を閉じた。
そんな僕のコメカミにちゅっとキスをおとすノヴァにきゅんっとしながらも、汗臭いかもしれないからやめて欲しいとも思う複雑な僕の心。
うん。でもやっぱり嬉しいが勝つな。
「私も知りたいところではあるが…お前達は今新婚旅行中では?」
「「……大丈夫です。」」
辺境伯様が心配のお顔で僕達に言った言葉に僕もノヴァも内心「あ…」と思ったけれど、問題ないと宣言した。
だって今の僕達は魔獣達が森を出てくるのかが気になりすぎている。
解明しないではいられない好奇心が元気に動き回っているのだ。
「お前達が良いならこちらとしてはありがたい申出だ。だが許可を得るのに最速でも一ヶ月はかかるぞ。」
「そこはアーバスノイヤー家に頼ります。」
「あぁ…あいつならばすぐに動き結果を出すだろうな。」
辺境伯様の心配にノヴァがきっぱりととーさま達を頼ると告げると、辺境伯様も納得して頷かれたが若干顔を引きつらせているような…。
ノヴァのことも息子のように思っているとーさまにこの事を教えたら喜びそうだからこっそり教えてあげよーっと企みながらノヴァがさっそくとーさまに魔法送書を送るのを見守った。
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