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第4章
ラプラス様とマモンは知り合いらしい
しおりを挟む食事は皆で食べて半分くらいしか減らなかった。
護衛達も普段と違う味付けの食事にいつもより食べれなかったみたい。
不味いわけではないのだけど、食べ慣れていない味って感じだ。
食事を終えてヤギのメイドさんに案内してもらって応接室へ。
ノックの後に自動で開いた扉。
中では幅の広い椅子にゆったりと腰掛ける白銀の長い髪をした褐色肌の麗しい御仁が居た。
「初めましてウォード男爵殿。挨拶が遅れて申し訳なかった。私が南の地の管理を任されているラプラスです。以後お見知りおきを。」
僕達の姿を見て机にカップを置き、立ち上がりこれまた優雅にお辞儀をしたラプラス様は気品溢れる中世的なお方で、アマゾナイトのような見惚れる程綺麗な瞳をしている。
身長もすごく高くて、僕は結構見上げないといけないから長時間立ったままの会話は難しそう。
「私はノヴァ・ウォードです。こちらこそよろしくお願いします。」
「私はルナイス・ウォードです。よろしくお願いします。」
同じように挨拶をして勧められた椅子に座る。
ラプラス様は僕とノヴァを交互に見て、そして満足そうに笑う。
「あのアーバスノイヤー公爵の息子で龍神の愛子とマモンと人との半魔に会えて嬉しいよ。」
「…マモンが父だとどこで?」
「10年程前にマモンが人との間に子がいたが、いつの間にか子を孕ませた者が死んでいて子は森に住んでいたっと言っていたので気になってな。アーバスノイヤー公爵がよく関わっているらしいという情報を聞いていたのだよ。」
ここにきて、まさかのノヴァの父親の名前が出てくるとは思ってなくて僕もノヴァも驚いた。
しかもノヴァの父であるマモンはノヴァの生みの親が亡くなったことを知っていて、ノヴァのことも知っていたっぽい事実にも驚きを隠せない。
「近々貴殿が此処にくることを教えたらあいつ、気が向いたら会いに来ると言っていたぞ。しかし今の貴殿は私の客人。嫌であれば追い返すが、どうする?」
「…わざわざ場所を設けるつもりはありませんが、別に会うのはどちらでも構いません。」
「なるほど…では、来たら放置しておくよ。して、貴殿等は此処で何を知りたいのだ?」
心底どうでもいいというように返事をしたノヴァにラプラス様はニコニコ楽しそうに笑っていて、恐らくマモンは此処に来ない方がいいのだろうなぁっと感じる。
人の視点からだと、今まで会いに来なかったくせに今更って感じだけど相手は悪魔。
人に産ませた子を気にかけているだけ珍しいと思う。
人を孕ませた悪魔ってその後は関与しないし放置ってことが多いみたいで、それは困るってことでアーナンダ国では国に住まう悪魔達には合意のない行為は禁止って法があるんだけど偶にノヴァみたいに外から来た悪魔がやるんだよね。
子を育てるのに困らないお金を渡していたって点からも、マモンという悪魔の行動は悪魔族からすると異例なことだと言える。
ちょっと会ってみたい気もするんだよね。
口にはしないけど。
500
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