王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

文字の大きさ
291 / 427
第4章

朝食に注意




ヨハネスが僕達の部屋の前に立つことへの許可を得たと言って僕達の部屋に訪れたのは、僕達が寝る準備を終えた頃。

ヨハネス達護衛組もこの屋敷の者を信用することはできないという判断らしい。



そうやって護衛をしてくれているけれど、相手は悪魔なので僕とノヴァも交代で睡眠をとろうねってことにした。







やがて明かりをつけても仄暗かった部屋が少し明るくなった頃、ヤギのメイドさんが僕達の部屋に訪れ朝食の準備が整っていると知らせに来たことで南の地に朝がきたことが分かった。


此処にずっといると時間の感覚が狂う。
予定よりも新婚旅行の期間を延ばしてもらっていることもあるし早めにきりあげよ。


それに、今までの経験から長居すると何かしら問題に巻き込まれそうで怖い。






身なりを整えて、昨夜通された食堂へ向かうと机の上には豪華な料理がずらっと並べられていた。


「ウォード男爵様、ラプラス様はもう少しだけお時間をいただきたいようでして…」


「今日中にご挨拶できるのなら問題ありません、とお伝え下さい。あぁ、あとこれだけの量、半分を私達だけでは食すことができないので護衛達も座らせていいでしょうか?」



「え?…あ、はい。問題ありません。」




話の途中でくいっとノヴァの袖を引っ張って料理に目を向けた後、護衛達に目を移しただけで僕の言いたいことを理解してくれたノヴァが確認を取ってくれた。


どうみてもここに並ぶ料理のほとんどを減らせる自信がない。



ヨハネス達は体も大きいし、筋肉をつけないといけないから沢山食べる者が多いし、ガンナー何てめちゃくちゃ食べる。
彼等がいればここに並ぶ料理の7割は減らせるはずだ。




好みの分からぬ相手に沢山料理を出して、残る前提であるにしても残しすぎるのは良くない。

あ、でも食欲の悪魔がいるのなら残った物は全てその者達のお腹に納まるのかも。







コンコン


「お食事中失礼いたします。一つ確認をするのを忘れておりまして…その、食事に使っている肉なのですが魔獣の肉を使ってまして…問題なかったでしょうか?」



のんびり皆で食事をとっていると、冷や汗を流しながら執事さんが顔を覗かせた。

人間の貴族は魔獣の肉を嫌う者が多くいる。


軍に属する者か獣人か平民であれば魔獣の肉は比較的よく食されるのだけれど…確かに初めに確認しておかねばならない項目であるから執事が冷や汗だらだらなのも仕方ない。



客が来るのは久しぶりだって言ってたから、失念していたのだろう。





「私達は問題ありません。美味しくいただいております。」


ノヴァがカトラリーを置いてそう答えると執事はほっと息を吐いた。



「今後はこのようなことがないように。主人は今お客様の前に出せるよう磨いております。食事が終わりましたら隣の応接室へご案内いたします。」


それではっと食堂を去る執事を見送って、僕達は再び食事を開始する。



食事に毒がないかだとか、不審なものがないかは事前に調べているので肉が魔獣のものであることも分かっていた。

これは信用ないこともあるが、それ以前に悪魔の食事と人の食事は違うからだ。





悪魔の中には毒を美味とする種類がいるし、昆虫を好むものもいる。

そういうのがもしかしたらあるかもってことで念の為に調べてから食べている。



毒の耐性は皆あるけど、毒を好む悪魔が食すのは猛毒だし、昆虫は単純に食べたくない。










感想 59

あなたにおすすめの小説

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~

魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。 ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!  そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!? 「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」 初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。 でもなんだか様子がおかしくて……? 不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。 ※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます ※他サイトでも公開しています。 【無断転載・AI利用禁止 / No Unauthorized Use or AI Training】 本作品の無断転載・複製・AI学習利用を禁じます。 Unauthorized reproduction or use for AI training is strictly prohibited. © 魯恒凛 / RoKourin

転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】 10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした―― ※他サイトでも投稿中

聖女の兄で、すみません!

たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。 三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。 そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。 BL。ラブコメ異世界ファンタジー。

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

【完結。一気読みできます!】悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!

はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。 本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる…… そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。 いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか? そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。 ……いや、違う! そうじゃない!! 悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!! 

推しの運命を変えるため、モブの俺は嫌われ役を演じた

月冬
BL
乙女ゲームの世界に転生した俺は、ただのモブキャラ。 推しキャラのレオンは、本来なら主人公と結ばれる攻略対象だった。 だから距離を置くつもりだったのに―― 気づけば、孤独だった彼の隣にいた。 「モブは選ばれない」 そう思っていたのに、 なぜかシナリオがどんどん壊れていく。 これは、 推しの未来を知るモブが、運命を変えてしまう物語。

事なかれ主義の回廊

由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・