ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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旅立ち~オードゥス出立まで

大所帯

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「おお!大所帯で来たな!ガーラ!パーティの方を任せっぞ!俺はノアの方をやる!」

「分かった!」


工房に到着した一行はデオとガーラ、職員数人に出迎えられた。

「おうノアよ!実は弓や他の武器ももう出来てんだ、後は弓の仕上げをノア自身でやって貰わなければならない!」

「仕上げ…ですか。」

「そんなに難しい事じゃない、とりあえず弓を先に渡すぞ。」


ノアはデオから弓を受け取る。


『竹魔弓(タケマキュウ)』…『魔竹』を使った弓。驚きの軽さと耐久性を誇る。
最初期に使用者の力量に合わせて弓力を設定出来るので慎重に。


「"力量に合わせて"?」

「そうだ!とりあえずその弓をへし折るギリギリまで引いてみ?」

「え!?そんな事や「いーからやってみろって!」」

デオに言われてノアは渋々弦を引く、4割程引いた所で竹魔弓からミキミキと音が立ち始める。

「よし、一旦戻せ!」

竹魔弓の弦から手を離し、作業台に置こうとすると竹魔弓が光だす。

「え!?え!?え!?」

「大丈夫だ、安心しろ。」

少しして光が収まるとデオは再度弦を引く様にノアに指示する。
訳も分からず先程音を立てた4割位まで一気に引くが音は立たなかった。

「何かさっきより丈夫になった気がするんですが…」

「魔竹の特性でな、採取してから暫くは素材に魔力が蓄えられてんだ。
自身が破壊されそうになるとその魔力を使って組織をより強靭にする、その特性を利用してお前さんの力量に合った弓に仕上げていくんだ。
ほら、分かったら今と同じ事を続けていきな!」

意味を理解したノアは早速仕上げ作業を続ける。



ノアが仕上げをしている奥ではジェイルパーティへの装備の受け渡しが行われていた。

「さて、ジェイルにはまず防具からな、バトルベアの革で作った革鎧と、左腕用の筋力補助装備だ、とりあえず着用してみな。」

ガーラから革鎧とグローブ付きの手甲の様な補助装備を受け取り装着するジェイル、具合を確かめるが違和感は無い様だ。

「ほい、じゃあお次はお前さん用のカイトシールドだ、持ってみてくれ。」

カイトシールド裏上部にある取っ手を左手で掴んで構える。

「おおー、重さを感じない!立ち回りは練習が必要だがこれで盾役も出来るな!」

「気に入った様だな、最後に武器はショートソードとロングソードの2本だったな、腰への位置調整や固定は職員に任せるから何かあったらその都度言ってくれ。」

「はい。」



「さて、ロゼ嬢も防具からな。バトルベアの革鎧だがお前さんの【双剣士】としての動きを阻害しない様にジェイルに比べれば装甲は薄いからあまり前に出過ぎるなよ。」

「りょーかい。」

革鎧を装着したロゼはその場でぴょんぴょん跳ねたり、普段自分が行っている様な動きをして具合を確認している。

「うん。これいーよおっちゃん。」

「そうかそうか。
それじゃお次は武器だが特製のククリブレード4本な、希望通り背中と腰に1組ずつだったな。
装着位置はどうだい?」

「うん。取りやすい位置にあってばっちぐー。」

「それじゃ、どちらでも良いからククリブレードの柄を握ってみな。
柄に魔石が嵌め込まれているだろう?
『持久力消費軽減』と『魔力蓄積』が付与されているから、自分の魔力に余裕がある時や、寝る前等に柄を握って魔力を流しとくと蓄魔出来るから試してみると良い。」




「さてポーラ嬢、お前さんにはローブだ『シルクスパイダー』製の特殊布で拵えた一品だ。
特殊布はこれ自体に『魔力蓄積』の効果があるから魔力は今までの2割増し位になるぞ。」

「おおー!」

「ただこの特殊布は斬撃には強いが打撃には弱いからそこは注意な。」

「らじゃ。」

「早速羽織ってみな。」

ポーラは今着てるローブの上から新しいローブを羽織り、器用に中でローブを外す。

「おおー、魔力が漲って来るようだわ。」

「気に入った様だな?」

「ただ私に白は派手じゃないかしら…」

「「そんな事無いよー、可愛いよー。」」

ロゼとクロラから可愛い可愛いと言われ慣れていない事だったのか、珍しく照れるポーラ。

するとガーラは天井にいる『シルクスパイダー』のレリーに向かって

「ほらな、だから言ったろ?」

「ん?どう言う事?」

「いやな、レリの初期案だと膝上フリルスカートの予定だったんだよ。」

「スカ!?フ、フリ!?」

「そこに女性職員が『素材が良いから』とか『もっと攻めた装備に』とか言い始めたから流石に止めたんだ。
大反対食らったけどそれに落ち着いたんだぞ?」

「そ、そうなのね…ありがとうございます。」

「ああ、でもな、フード被ってみ?」


ガーラにそう言われフードを被るポーラ。


「女性職員の最後の抵抗でフードには猫耳が着いている。」


「きゃああああ!?」     バサァッ!

勢いよくフードを外すポーラ。

「えー、何でフード外すのポーラにゃん?」
「ポーラにゃん、もうちょっと、もうちょっとだけ被ってて。」

「ええい!その愛称で呼ぶなぁ!」

「ほらほら、ポーラが嫌がってるだろう?そこまでにしとこうな。」

「…べ、別に嫌って訳じゃ…無い…」



(((おやぁ?)))

これを境にポーラに可愛い系の服を薦める流れが生まれる事になった。


「さて、お楽しみな所良いかな?まだ武器を渡してないんだが…」

「あ!ご、ごめん、なさい。」

「まぁ良いさ、ほい、お前さん用の杖だ。
中層でも比較的魔力の通りが良い木材で作った物だ。
中にはロゼの武器同様、魔石が入っている。
嬢ちゃんの場合、魔力回復速度が早いだろうから大きめの魔石にしてあるぞ。
使い方はロゼの武器と同じだ、自身の魔力が枯渇しても杖の魔力を使って魔法を行使出来るからそこは自分で確かめてみてくれ。」

「合点!」




「さーて、最後はクロラ嬢だな。装備はロゼの物とあまり変わらない、胸当てがあるかどうかの違い位だ。
とりあえず先に革鎧を着けて問題無いか確認してみてくれ。」

早速革鎧を装着し軽く腕を回したり、各部位を見て回る。

「んー、少し胸当てがキツいかなって位です。」

「分かった、直させる。」

ガーラの指示で女性職員が微調整に入る。
その間ポーラが仕上げ途中のノアに近付き


「クロラ、胸当てがキツいんだって。」

「それを何で僕に言うんですかポーラさん?」

「いやぁ、彼氏としてはその手の情報は必要かと。」


ポーラとノアがやいやい言い合っているがその間にクロラの武器の説明が行われていた。

「ほい、お前さんの身長に合わせて調整したロングボウと特製の矢筒だ。各矢筒には10本ずつしか入らないから使う場面を見誤らない様にな。」

ガーラから特製の矢筒を受け取る。


『毒大蛇の矢筒』…文字通り毒大蛇の素材を使用した矢筒。底に毒、麻痺袋の素材を使用しており入れておくだけで専用の毒矢の完成。
使用本数に制限あり。


「装着位置の背中と腰に違和感無いか?」

「大丈夫です。」


再びノアとポーラサイド


「少年、大丈夫だってさ。」

「だから何でそれを僕に言うんですかポーラにゃん。」

「くっ…その名は忘れろ、少年!」

数少ないポーラの弱点を発見した、そう感じるノアであった。


「よし、他に何かあったらまたここに来な。
とりあえず訓練所で体を慣らしてから潜るようにな。」


「「「「ありがとうございました。」」」」

「ダンジョン探索頑張ってね。」

「うん。またね、ノア君。」



ジェイルパーティが出ていってから少しして、ノアの方も仕上げが完了した様だ。

「お、ようやっと終わった様だな。」

「すいません、時間掛かってしまって…」

「良いって事よ!じゃあ残りの微調整はこちらで済ませとくから、ガーラ!刺突武器と例のナイフ渡しといてくれよ!」

「あいよ!」
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