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フリアダビア前哨基地編
『俺』から『ノア』へ
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時間は少し戻り、『俺』から『ノア』へと戻った事で大量出血した場面まで遡る。
ドワーフに支えられているノアを前にしてヴァンディットが両手に魔力を込めたかと思うと、徐に左手をノアへと突き出す。
すると、噴き出す血液の勢いが徐々に弱まっていきピタリと静止する。
続けてヴァンディットは左手をクルッと回すと、噴き出した血が別の傷口に入って循環しだす。
「…取り敢えずこれで失血死の心配は無くなりました…ぶっつけ本番でしたが<血液操作>が上手くいって良かったです…
このまま次の処置に移ります。
ドワーフさんはそのままもう少しお待ち下さい…」
「ああ、大丈夫じゃ。」
続けて右手をノアへ突き出すと、ノアの体を囲う様に無色透明の結界が張られる。
右手の指を微妙に動かし、徐々に結界の範囲を狭めていく。
その間も血液を操作して傷口へと流し込んでいるヴァンディット。
遂に結界がノアの体表面に位置する。
ヴァンディットは更にその範囲を狭め、丁度傷口を塞ぐ様に調整。
左手で行っていた<血液操作>を解除するとまた別の処置の為、魔力を込める。
「<空間固定>…<座標固定>…くっ…傷口が多過ぎて魔力が…」
魔力消費が大きいのか、少しヴァンディットがふらつく。
するとエルフのユグと一緒にいたサンドラとクリストロがヴァンディットの頭上をひらりひらりと飛び回る。
それに合わせキラキラと光る粒子の様なものが降り注ぐ。
「妖精族は大体魔力の保有量が多いの。余ってるからあげる。」
「空間魔法に関しては素人だけど、かなり無茶してるってのは分かるわ。
ボク達の魔力を使ってよ。」
「ありがとうございます。
よぉし…固定完了しました、後は定期的に魔力を流せばこの効果は継続します。
座標位置を狭めれば、縫合糸要らずな上に、私の魔力を使って作った回復薬の効果も底上げしてくれます。」
ヴァンディットは上手くいったとばかりに、額にかいた汗を拭きつつ晴れやかな顔をする。
ぶっつけ本番で成功させたヴァンディットだが、ただでさえ空間魔法は操作が難しく、同時に他の魔法を発動させながら、と言うのは熟練者でもそうそう出来ない事らしい。
「ご苦労さんじゃ、嬢ちゃん。
それじゃ早い所門を出ちまおう、バド、ルド、剣持っちょくれ。」
ドワーフのロイはノアを背中に背負い、他の冒険者と共に前哨基地へと戻って行った。
門を出るとエルグランドが難しい顔をして立っていた。
恐らくエルグランドも防壁の上から戦闘を見ていたのだろう。
一先ずノアは他の怪我人同様、横になれる日陰がある場所へと移された。
即座にヴァンディットは影から出て来てノアの治療を始める。
「…彼女は…?」
「ああ、坊の従者だ、種族は吸血鬼だとさ。
あの嬢ちゃんのお陰で坊は生きてられる様なものじゃ、あのままにしてやっちょくれ。」
「分かった、そうしよう。
…さてと、お前さんには聞きたい事があるのでね、暫くそのままでいて貰おうか。」
ノアから目線を外したエルグランドは、数人の冒険者に囲まれた白銀鎧の取り巻きへと体を向ける。
白銀鎧の取り巻き2人は治療を受けた後、意識が無い内に手足をギッチギチに縛っておいた。
下手に暴れられても困るからだ。
「おい貴様等、これはどういった所業だ?」
「住人救出を手伝ってやったというのに何だこの仕打ちは!」
「お前ら何言ってんだ?
途中参加な癖に碌に手伝いもしないで奇声発して爆裂魔法放って、モンスター引き寄せただけじゃねぇか!
お前のせいで仲間5人が戦闘不能だ!どうしてくれるんだ!?」
「ふん!そんな事私達の知った事か!」
「たかだか多少腕が立つ程度の冒険者風情が!
ヒュマノ聖王国の貴族である我々にその物言い、只では置かんぞ!!」
「はぁ!?何言ってんだ、コイツら…」
取り巻き2人の返答に呆れ返っていると、ミユキが話に入ってきた。
「ちょっ、ちょっとあなた達、今回の事は全面的にこちら側の問題よ?
ただでさえウチの国は評判悪いって言うのに、これ以上悪くしてどうするの!?」
「何を仰いますミユキ殿!冒険者等所詮替えの利く存在、奴隷と何ら変わりありません。」
「寧ろ私達の役に立って散るのを誇りに思って欲しい位ですな。」
「「「「「はあっ?」」」」」
エルグランドを始め、周囲にいる冒険者やこの話を耳に入れた者全てが怒りを露にする。
ミユキに至っては手で顔を覆い、何も言えなくなってしまった。
と、エルグランドは取り巻き2人から見えない様に周囲に手で合図を送る。
すると薄ら光が灯ったかと思うと、取り巻き2人からスッと力が抜け、そのまま眠ってしまった。
「このままじゃ皆の士気に関わるのでね、申し訳無いが2人には眠って貰った。」
「はい…2人が申し訳ありませんでした。」
「話に聞いとったがこりゃあなかなか凄まじいのぉ…」
「ヒュマノの冒険者ギルド、金払い悪いって噂だが本当らしいな…
コイツらわざと全方位に敵作ってるんじゃねぇか?」
「王都への報告書にも今の発言報告しといて下さい。」
「無論だ、この発言は全ての冒険者の命や立場を軽んじている。
自分の発言によって自国が今後どの様になるか分からしてやる良い機会になるだろう。」
一連の流れを遠目で見ていたヴァンディットは頭に疑問符を浮かべていた。
「貴女は今まで奴隷商にいたからピンと来てない様だね?」
アルバラストから一緒に同行しているフードの男がヴァンディットの背後から話し掛ける。
「あ、いえ、私の記憶が確かなら、ヒュマノと言う国もヴァーリアスフェアレスと言う国も存在してなかった気がするのですが…」
「そうですね、ヒュマノは最近名前を変えた国ですし、ヴァーリアスフェアレスは最近出来た国ですから知らないのも無理は無い。」
「ヒュマノの前は…確かスパルティアとか言う国名でしたよね?
噂では大陸で最も強い国だったとか…」
「ええ。国民1人1人に最低でも10人の奴隷が仕えていた為、反逆を恐れて1人1人が洒落にならない程強くなった国で、スパルタ教育の語源になった国です。」
ドワーフに支えられているノアを前にしてヴァンディットが両手に魔力を込めたかと思うと、徐に左手をノアへと突き出す。
すると、噴き出す血液の勢いが徐々に弱まっていきピタリと静止する。
続けてヴァンディットは左手をクルッと回すと、噴き出した血が別の傷口に入って循環しだす。
「…取り敢えずこれで失血死の心配は無くなりました…ぶっつけ本番でしたが<血液操作>が上手くいって良かったです…
このまま次の処置に移ります。
ドワーフさんはそのままもう少しお待ち下さい…」
「ああ、大丈夫じゃ。」
続けて右手をノアへ突き出すと、ノアの体を囲う様に無色透明の結界が張られる。
右手の指を微妙に動かし、徐々に結界の範囲を狭めていく。
その間も血液を操作して傷口へと流し込んでいるヴァンディット。
遂に結界がノアの体表面に位置する。
ヴァンディットは更にその範囲を狭め、丁度傷口を塞ぐ様に調整。
左手で行っていた<血液操作>を解除するとまた別の処置の為、魔力を込める。
「<空間固定>…<座標固定>…くっ…傷口が多過ぎて魔力が…」
魔力消費が大きいのか、少しヴァンディットがふらつく。
するとエルフのユグと一緒にいたサンドラとクリストロがヴァンディットの頭上をひらりひらりと飛び回る。
それに合わせキラキラと光る粒子の様なものが降り注ぐ。
「妖精族は大体魔力の保有量が多いの。余ってるからあげる。」
「空間魔法に関しては素人だけど、かなり無茶してるってのは分かるわ。
ボク達の魔力を使ってよ。」
「ありがとうございます。
よぉし…固定完了しました、後は定期的に魔力を流せばこの効果は継続します。
座標位置を狭めれば、縫合糸要らずな上に、私の魔力を使って作った回復薬の効果も底上げしてくれます。」
ヴァンディットは上手くいったとばかりに、額にかいた汗を拭きつつ晴れやかな顔をする。
ぶっつけ本番で成功させたヴァンディットだが、ただでさえ空間魔法は操作が難しく、同時に他の魔法を発動させながら、と言うのは熟練者でもそうそう出来ない事らしい。
「ご苦労さんじゃ、嬢ちゃん。
それじゃ早い所門を出ちまおう、バド、ルド、剣持っちょくれ。」
ドワーフのロイはノアを背中に背負い、他の冒険者と共に前哨基地へと戻って行った。
門を出るとエルグランドが難しい顔をして立っていた。
恐らくエルグランドも防壁の上から戦闘を見ていたのだろう。
一先ずノアは他の怪我人同様、横になれる日陰がある場所へと移された。
即座にヴァンディットは影から出て来てノアの治療を始める。
「…彼女は…?」
「ああ、坊の従者だ、種族は吸血鬼だとさ。
あの嬢ちゃんのお陰で坊は生きてられる様なものじゃ、あのままにしてやっちょくれ。」
「分かった、そうしよう。
…さてと、お前さんには聞きたい事があるのでね、暫くそのままでいて貰おうか。」
ノアから目線を外したエルグランドは、数人の冒険者に囲まれた白銀鎧の取り巻きへと体を向ける。
白銀鎧の取り巻き2人は治療を受けた後、意識が無い内に手足をギッチギチに縛っておいた。
下手に暴れられても困るからだ。
「おい貴様等、これはどういった所業だ?」
「住人救出を手伝ってやったというのに何だこの仕打ちは!」
「お前ら何言ってんだ?
途中参加な癖に碌に手伝いもしないで奇声発して爆裂魔法放って、モンスター引き寄せただけじゃねぇか!
お前のせいで仲間5人が戦闘不能だ!どうしてくれるんだ!?」
「ふん!そんな事私達の知った事か!」
「たかだか多少腕が立つ程度の冒険者風情が!
ヒュマノ聖王国の貴族である我々にその物言い、只では置かんぞ!!」
「はぁ!?何言ってんだ、コイツら…」
取り巻き2人の返答に呆れ返っていると、ミユキが話に入ってきた。
「ちょっ、ちょっとあなた達、今回の事は全面的にこちら側の問題よ?
ただでさえウチの国は評判悪いって言うのに、これ以上悪くしてどうするの!?」
「何を仰いますミユキ殿!冒険者等所詮替えの利く存在、奴隷と何ら変わりありません。」
「寧ろ私達の役に立って散るのを誇りに思って欲しい位ですな。」
「「「「「はあっ?」」」」」
エルグランドを始め、周囲にいる冒険者やこの話を耳に入れた者全てが怒りを露にする。
ミユキに至っては手で顔を覆い、何も言えなくなってしまった。
と、エルグランドは取り巻き2人から見えない様に周囲に手で合図を送る。
すると薄ら光が灯ったかと思うと、取り巻き2人からスッと力が抜け、そのまま眠ってしまった。
「このままじゃ皆の士気に関わるのでね、申し訳無いが2人には眠って貰った。」
「はい…2人が申し訳ありませんでした。」
「話に聞いとったがこりゃあなかなか凄まじいのぉ…」
「ヒュマノの冒険者ギルド、金払い悪いって噂だが本当らしいな…
コイツらわざと全方位に敵作ってるんじゃねぇか?」
「王都への報告書にも今の発言報告しといて下さい。」
「無論だ、この発言は全ての冒険者の命や立場を軽んじている。
自分の発言によって自国が今後どの様になるか分からしてやる良い機会になるだろう。」
一連の流れを遠目で見ていたヴァンディットは頭に疑問符を浮かべていた。
「貴女は今まで奴隷商にいたからピンと来てない様だね?」
アルバラストから一緒に同行しているフードの男がヴァンディットの背後から話し掛ける。
「あ、いえ、私の記憶が確かなら、ヒュマノと言う国もヴァーリアスフェアレスと言う国も存在してなかった気がするのですが…」
「そうですね、ヒュマノは最近名前を変えた国ですし、ヴァーリアスフェアレスは最近出来た国ですから知らないのも無理は無い。」
「ヒュマノの前は…確かスパルティアとか言う国名でしたよね?
噂では大陸で最も強い国だったとか…」
「ええ。国民1人1人に最低でも10人の奴隷が仕えていた為、反逆を恐れて1人1人が洒落にならない程強くなった国で、スパルタ教育の語源になった国です。」
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