295 / 1,124
王都編
どうやって助けるつもりだい?
しおりを挟む
「ヒュマノの連中1人1人は弱いとは言え、相手は大国だ、どうやって助けるつもりだい?
どう戦うつもりで、どうやって逃がす?
同胞は皆君達同様痩せ細っているだろう。
その者達を連れてあの首輪を付け、洗脳された同胞から逃げ切れるのか?」
「そ、それは…」
言い淀むヴァモス。
ベレーザも心配そうに2人のやり取りを見ていると
「今まで"頼む"事すら出来ない環境だっただろうから仕方無いか…
ヴァモス、ベレーザ、逸る気持ちは分かるけど何の準備も無しで敵陣に向かうのは非常に宜しくない。
僕は今日から4日間素材採取依頼に向かうからその間僕に同行し、特訓しよう。」
「「い、良いのですか?」」
「うん、昨日助けた段階である程度腹は決まってたからね。
その代わり僕の特訓は厳しいから覚悟しててね?」
こう言うと、2人は顔をパアッと明るくして頭を下げてきた。
「…と、勝手に話を進めちゃいましたけど、他国の奴隷を勝手に助けて良いもんなんですかね?」
今まで黙ってやり取りを眺めていたにゃんこさんはハッとなって返答をする。
「勿論駄目だ。
…が、彼等に着けられていた首輪から察するに、他にも違法行為が行われ、不当な扱いを受けているハズだ。
その確固たる証拠が手に入れば介入は可能だ。」
「要は"バレなければ良い"って事ですね?」
「さて、私からは何「まぁ、そう言う事だね。」
「え?…き、局長!?」
にゃんこさんの背後から音も無く、別の黒いフードを被った人物が姿を現す。
にゃんこさんは驚いているが、ノアは気付いていた様だ。
「介入と言うのはどの程度ですか?」
「相変わらず君は私が来ても驚きませんねぇ、諜報部の局長として自信無くしますよ…
…さてそんな事より、介入の件ですが、十分な量の証拠品があれば"事前通告一切無しの現場介入が可能"だよ。
ちなみに証言の方は既に先程の2人が山の様に喋っているからね、後は"物的証拠"があれば可能だよ。」
「物的証拠…2人に着けられていた首輪だけじゃ足りませんか?」
「首輪だけでも証拠にはなるが、奴等は必ずシラを切るだろう?
自国・他国製造問わず、その生産拠点での物証…書類、現物等だな。
繋がりを決定付け、確実に言い逃れ出来ない物証を押収出来れば他国も黙っちゃいないからね。」
「その流れで奴隷を助けるのは構わないですか?」
「まぁ、奴隷側からの証言も聞きたいし、一定数は良いと思うよ。
あの国にいる奴隷の総数を鑑みて100人位なら良いんじゃないかな。」
「なる程…
局長さん、王様に聞いて貰いたい事が幾つかあるのですが、良いですか?」
「ん?ああ良いとも、言ってみると良い。」
そこからノアは、諜報部局長経由で王にあるお願い事を伝える事になった。
「なる程ね、確かにそれは王に聞かなければならない事だし、君が素材採取依頼に行ってる期間中には答えが出るだろうね。
でもノア君はそれで良いのかい?」
「ええ、他に使い道も思い付かないので…」
「了解した、直ぐに王にこの事を伝えて来よう。では行こうか。」
「は!」
諜報部の局長は、にゃんこさんを伴って王城の方へ向かおうとすると、ノアの足元の影からヴァンディットが姿を現す。
「…あ、あの…少々お時間を頂いても良いでしょうか…?」
「「「え?」」」
突然呼ばれた事に3人共に困惑するも、局長が率先してヴァンディットの元へ向かう。
「どうしましたかなお嬢さん?」
「申し訳ありません、用が御座いますのはそちらのにゃんこさんの方で…」
「え?私…ですか?」
「"にゃんこさん"…?
ふっ、中々可愛らしい名前で呼ばれているのですねぇ…?」
「き、局長…これはですね…」
局長にあだ名を知られ、あたふたしていると
「ふ…構いませんよ、報告は私から伝えておきましょう。
あまりレディを待たせる訳にもいきませんからね。
ゆっくりで良いですよ、"にゃんこさん"。」
「う、うぬぬ…」
そう言うと局長は音も無く姿を消した。
「も、申し訳ありません、つい…」
「いや、お気になさらず…してヴァンディット嬢、用とは何ですかな…?」
「あ、それはですね…」
そこで話を区切ったヴァンディットはチラリとノアの方を見る。
「分かった、僕達はちょっとここを離れてこの子達の服を買ってくるよ。
あと、<聞き耳>も切っておくから心配しないで。」
「ご配慮感謝します。」
「じゃあにゃんこさん、ヴァンディットさんの事お願いしますね。」
「あ、ああ。」
その場をにゃんこさんに任せたノアは、ヴァモスとベレーザの2人を連れて、近くの店へと向かう。
何だかんだ時間が進み、周囲の店がちらほら開き始めていた。
丁度良く洋裁店も開いていたので、ヴァモス、ベレーザ用の服を買う事にした。
2人共王都に来た時は服とも呼べないボロボロの布切れを着用していたが、体が健常になった為、少し体格も変わり、それも意味を成さない様になったので急ぐ事に。
「朝早くすいませーん。」
「おや、いらっしゃ…
あら、【鬼神】君と毛並みの綺麗な獣人さんだねぇ。」
「はい、2人の服を見繕って欲しいのですが。」
「うーん…この2人のだとウチより防具屋に行った方が良いわね、サイズ的な問題で。」
「あー、なる程。」
ヴァモスとベレーザは2人共、獣寄りの獣人の為、全身体毛で覆われているので普通の人間サイズの服では収まりきらないだろう。
「ノ、ノア様、私達に服等は不「ダメダメ、特にベレーザは女の子なんだから気にしなさい!」
一先ず2人の肌着を購入、店の厚意でマントを借りて防具屋へ向かう事に。
「失礼しまーす。」
「いらっしゃー…あれ?
ノア君…と、後ろの獣人達は…?」
「少しの間預かる事になりました。
それで、この子達の動きを阻害しない程度に防具を見繕って下さい。」
「え?…あ、はい。」
突然の注文に驚きつつも【防具】の職員はヴァモスとベレーザに防具を着けていく。
結果的に狼獣人のヴァモスは上半身には何も着けず、下に半ズボンタイプの革鎧を装着。
ベレーザも同様の革鎧を装着して上半身にはハーフトップの革鎧を着ける事になった。
「うん、一先ずこんな物かな。」
「「この様な立派な物を、ありがとうございます。」」
「動きに支障は無いかな?」
「「はい、全く御座いません。」」
「それならさっきの城門の所に戻ろう。
どうやらヴァンディットさんの方の用事も済んだみたいだし。」
そう言うとノアの足元の影が揺らめき、中からヴァンディットが現れる。
「御時間を御掛けして申し訳ありません。」
「いや、こちらの用事も丁度終わった所だよ。
ちなみに、にゃんこさんとはどんな用事だったの?」
と、ノアが質問してみるも
「ふふ、内緒で御座います。
私とにゃんこさん2人だけの秘密です。」
と、キッパリ言われてしまった。
「…まぁ2人の事だから良からぬ企みは無いと思うから心配してないけど…」
ヴァンディットの表情からしても、内緒事をしている事に後ろめたさみたいな物は感じられないので、一先ず頭の隅に追いやる事にする。
もし何かあればにゃんこさんを尋問して問い質す事にしよう、そう思うノアだった。
どう戦うつもりで、どうやって逃がす?
同胞は皆君達同様痩せ細っているだろう。
その者達を連れてあの首輪を付け、洗脳された同胞から逃げ切れるのか?」
「そ、それは…」
言い淀むヴァモス。
ベレーザも心配そうに2人のやり取りを見ていると
「今まで"頼む"事すら出来ない環境だっただろうから仕方無いか…
ヴァモス、ベレーザ、逸る気持ちは分かるけど何の準備も無しで敵陣に向かうのは非常に宜しくない。
僕は今日から4日間素材採取依頼に向かうからその間僕に同行し、特訓しよう。」
「「い、良いのですか?」」
「うん、昨日助けた段階である程度腹は決まってたからね。
その代わり僕の特訓は厳しいから覚悟しててね?」
こう言うと、2人は顔をパアッと明るくして頭を下げてきた。
「…と、勝手に話を進めちゃいましたけど、他国の奴隷を勝手に助けて良いもんなんですかね?」
今まで黙ってやり取りを眺めていたにゃんこさんはハッとなって返答をする。
「勿論駄目だ。
…が、彼等に着けられていた首輪から察するに、他にも違法行為が行われ、不当な扱いを受けているハズだ。
その確固たる証拠が手に入れば介入は可能だ。」
「要は"バレなければ良い"って事ですね?」
「さて、私からは何「まぁ、そう言う事だね。」
「え?…き、局長!?」
にゃんこさんの背後から音も無く、別の黒いフードを被った人物が姿を現す。
にゃんこさんは驚いているが、ノアは気付いていた様だ。
「介入と言うのはどの程度ですか?」
「相変わらず君は私が来ても驚きませんねぇ、諜報部の局長として自信無くしますよ…
…さてそんな事より、介入の件ですが、十分な量の証拠品があれば"事前通告一切無しの現場介入が可能"だよ。
ちなみに証言の方は既に先程の2人が山の様に喋っているからね、後は"物的証拠"があれば可能だよ。」
「物的証拠…2人に着けられていた首輪だけじゃ足りませんか?」
「首輪だけでも証拠にはなるが、奴等は必ずシラを切るだろう?
自国・他国製造問わず、その生産拠点での物証…書類、現物等だな。
繋がりを決定付け、確実に言い逃れ出来ない物証を押収出来れば他国も黙っちゃいないからね。」
「その流れで奴隷を助けるのは構わないですか?」
「まぁ、奴隷側からの証言も聞きたいし、一定数は良いと思うよ。
あの国にいる奴隷の総数を鑑みて100人位なら良いんじゃないかな。」
「なる程…
局長さん、王様に聞いて貰いたい事が幾つかあるのですが、良いですか?」
「ん?ああ良いとも、言ってみると良い。」
そこからノアは、諜報部局長経由で王にあるお願い事を伝える事になった。
「なる程ね、確かにそれは王に聞かなければならない事だし、君が素材採取依頼に行ってる期間中には答えが出るだろうね。
でもノア君はそれで良いのかい?」
「ええ、他に使い道も思い付かないので…」
「了解した、直ぐに王にこの事を伝えて来よう。では行こうか。」
「は!」
諜報部の局長は、にゃんこさんを伴って王城の方へ向かおうとすると、ノアの足元の影からヴァンディットが姿を現す。
「…あ、あの…少々お時間を頂いても良いでしょうか…?」
「「「え?」」」
突然呼ばれた事に3人共に困惑するも、局長が率先してヴァンディットの元へ向かう。
「どうしましたかなお嬢さん?」
「申し訳ありません、用が御座いますのはそちらのにゃんこさんの方で…」
「え?私…ですか?」
「"にゃんこさん"…?
ふっ、中々可愛らしい名前で呼ばれているのですねぇ…?」
「き、局長…これはですね…」
局長にあだ名を知られ、あたふたしていると
「ふ…構いませんよ、報告は私から伝えておきましょう。
あまりレディを待たせる訳にもいきませんからね。
ゆっくりで良いですよ、"にゃんこさん"。」
「う、うぬぬ…」
そう言うと局長は音も無く姿を消した。
「も、申し訳ありません、つい…」
「いや、お気になさらず…してヴァンディット嬢、用とは何ですかな…?」
「あ、それはですね…」
そこで話を区切ったヴァンディットはチラリとノアの方を見る。
「分かった、僕達はちょっとここを離れてこの子達の服を買ってくるよ。
あと、<聞き耳>も切っておくから心配しないで。」
「ご配慮感謝します。」
「じゃあにゃんこさん、ヴァンディットさんの事お願いしますね。」
「あ、ああ。」
その場をにゃんこさんに任せたノアは、ヴァモスとベレーザの2人を連れて、近くの店へと向かう。
何だかんだ時間が進み、周囲の店がちらほら開き始めていた。
丁度良く洋裁店も開いていたので、ヴァモス、ベレーザ用の服を買う事にした。
2人共王都に来た時は服とも呼べないボロボロの布切れを着用していたが、体が健常になった為、少し体格も変わり、それも意味を成さない様になったので急ぐ事に。
「朝早くすいませーん。」
「おや、いらっしゃ…
あら、【鬼神】君と毛並みの綺麗な獣人さんだねぇ。」
「はい、2人の服を見繕って欲しいのですが。」
「うーん…この2人のだとウチより防具屋に行った方が良いわね、サイズ的な問題で。」
「あー、なる程。」
ヴァモスとベレーザは2人共、獣寄りの獣人の為、全身体毛で覆われているので普通の人間サイズの服では収まりきらないだろう。
「ノ、ノア様、私達に服等は不「ダメダメ、特にベレーザは女の子なんだから気にしなさい!」
一先ず2人の肌着を購入、店の厚意でマントを借りて防具屋へ向かう事に。
「失礼しまーす。」
「いらっしゃー…あれ?
ノア君…と、後ろの獣人達は…?」
「少しの間預かる事になりました。
それで、この子達の動きを阻害しない程度に防具を見繕って下さい。」
「え?…あ、はい。」
突然の注文に驚きつつも【防具】の職員はヴァモスとベレーザに防具を着けていく。
結果的に狼獣人のヴァモスは上半身には何も着けず、下に半ズボンタイプの革鎧を装着。
ベレーザも同様の革鎧を装着して上半身にはハーフトップの革鎧を着ける事になった。
「うん、一先ずこんな物かな。」
「「この様な立派な物を、ありがとうございます。」」
「動きに支障は無いかな?」
「「はい、全く御座いません。」」
「それならさっきの城門の所に戻ろう。
どうやらヴァンディットさんの方の用事も済んだみたいだし。」
そう言うとノアの足元の影が揺らめき、中からヴァンディットが現れる。
「御時間を御掛けして申し訳ありません。」
「いや、こちらの用事も丁度終わった所だよ。
ちなみに、にゃんこさんとはどんな用事だったの?」
と、ノアが質問してみるも
「ふふ、内緒で御座います。
私とにゃんこさん2人だけの秘密です。」
と、キッパリ言われてしまった。
「…まぁ2人の事だから良からぬ企みは無いと思うから心配してないけど…」
ヴァンディットの表情からしても、内緒事をしている事に後ろめたさみたいな物は感じられないので、一先ず頭の隅に追いやる事にする。
もし何かあればにゃんこさんを尋問して問い質す事にしよう、そう思うノアだった。
121
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる