665 / 1,124
獣人国編~御前試合の代表決め~
ポセイドン
しおりを挟む
~″海溝″エリア300メル手前~
ゴポポ…
〔…来たか…〕
ヴォンッ!パシッ!
暗く、静かな砂地の上に立つ銀鎧の兜からゴポリと泡が漏れる。
直後何も無かった空間から突如穂が真っ直ぐな一本槍が姿を現す。
鎧姿の人型がそれを掴み取る中、視線の先には1人の少年の姿があった。
「すいませーん、この度このダンジョンの取材と視察で参りました中級冒険者のノアと言いまーす。」
〔…つまり貴様がリヴァイア殿が言っていた少年か。会いたかったぞ。〕
「お、意思疏通が取れる。
もしかしてリヴァイアさんから話を聞いてたりしますか?」
〔あぁ、″客人″が来ると。
だが我は″深海″と″海溝″とを隔てる門番としての任を受けている故、例えリヴァイア殿の客人であろうと容易く通す訳にはいかん。
己が力を示して道を切り開くが良い。〕ガンッ!
銀鎧の人型はそう言い放つと、″ここは通さん″とでも言いたげに槍の石突きを鳴らした。
「ここまで来といてアレですけど、出来れば穏便に済ませたい所なのですが…
それに僕としてはあなたと戦う理由が無い。」
〔なら丁度良い理由があるぞ?
貴様はこの″深海″エリアに来てから1体もモンスターを倒しておらんな?
それではどのみち″海溝″エリアには行けん。〕
「何故?」
〔それは″海溝″エリア内には凄まじい″水圧″が掛かっているからだ。
″海中″~″深海″は魔導具をそこまで強化せずとも進行出来るが、″海溝″は全ての魔導具を最大強化しなければ直ぐにあの世行きだ。
我を倒せば魔導具を最大強化出来る程の″深海生物の残滓″を獲得出来るぞ。〕
″海溝″エリアは″深海″エリアとは比較にならない程の水圧が掛かる。
ヤンやラビッツはセレイアの支援魔法のお陰でそのまま侵入が可能だが、【ソロ】の影響下にあるノアは自力で″深海生物の残滓″を獲得するしかないのだ。
〔それに、今の所このエリアには我と貴様以外モンスターは居らん。
そうなる様にリヴァイア殿に仕向けて貰ったからな。〕
「え?じゃあもしかして、さっきからセレイアさんが下手くそな演技で何か隠してたのって、リヴァイアさんの命令じゃなくてあなたの進言が元だったんですか?」
「下手って何ですか下手って!(遠くからセレイア)」
ちなみにセレイアやヤン、ラビッツはそれなりに遠くの岩場に待機して貰っている。
〔左様。
それに元々街は″深海″ではなく″海中″に設置する予定であった。それを″深海″に移動して貰い、サハギン共を貴様の下にけしかけたのだ。
貴様の力量を見るつもりでな。〕
「通りで″街の位置″がおかしいと思ったよ。
″光に弱いサハギンの侵攻を食い止めるなら″深海″エリアに街を置くよりも、″海中″エリアと″深海″エリアの境界″に置いた方が効率が良いしな。」
サハギンは元々″深海″エリアのモンスターである。だが『オセアノ』は″深海″エリアのど真ん中にあり、煌々と光輝いている。
光に弱いハズのサハギンなら、その光を嫌って比較的被害の少ない″海中″エリアに向かう事などリヴァイアやセレイアがダンジョンの設計段階で気付かないハズが無い。
つまりこの配置は意図して行われた訳なのだ。
「…にしても、それだけの為に何つー大掛かりな事を…街を移動させるのにどれだけの労力が掛かると思って…」
〔案ずるな。
あの街は巨大な貝の上に成り立っている故、街ごと移動は可能だ。〕
「嘘ぉっ!?」
(『もうスケールが違うな。』)
実はセーフティエリア兼街の『オセアノ』は、超巨大なヤドカリ(クニカリ)の上に建っており、エリア間の移動であれば、1日で行えるとの事。
クニカリ…簡単に言えば超巨大なヤドカリ。
1つの国を背負って生活出来る程の巨体を誇る。
性格は常に温厚。1歩300メル。
「分かりましたよ!やりますよ!
もうこうなったら何でもありだ!」
スケールのデカい話に自棄になったノア。
最初から意図して舞台が整えられてた以上、もう避けられないと判断した様だ。
〔…ちなみにこれは個人的な願いなのだが、我はこの先に居る″大いなる者″と戦った事がある…いや、正確には″遊んで貰った″だがな。
幼体とは言え″大いなる者″の頂点に君臨するクラーケンを圧倒したと言う貴様の実力を我に知らしめて欲しいのだ。〕
「…圧倒て…
相棒(グリード)と一緒だったから出来た〔リヴァイア殿はこうも言っておられた、″「彼は君を必ず破る。」″とな。
リヴァイア殿がそう言い切る程の存在、非常に興味があるのだ。〕
「…買い被り過ぎだよ全く…」ザッザッザッ…
過大評価に過ぎると愚痴を溢しつつ、ノアは銀鎧の人型と距離を取るのであった。
ビュォオンッ!
〔そういえば我の名を伝えていなかったな。
我が名はポセイドン。
貴様同様人型ではあるが、″深海″エリアのダンジョンボスである。〕
「正直な話、こうやって意思疏通が取れる手合いとは生死を賭けた殺し合いはしたくないんですよね。」
〔それは何故だ?〕
「両親から訓練の一環として″人殺し″は禁止されてるんですよ。
あくまで″人″と限定してますけど、僕としてはあなたみたいにモンスターであっても意思疏通が取れる相手も含めてるんですよね。」
〔情けのつもりか?
単純に殺しという一線を踏み越えられないだ「勘違いするなよ?」ズズズ…
ビクッ。
ノアの発言に嘲笑を込めたポセイドンであったが、殺気混じりの低い声が割って入ってきた。
「殺しは″容易く″不殺は″難い″、ただそれだけの事だ。
あなたの身で実践してやりますからさっさと始めましょう。」
〔…子供の身で何て殺気を放つか…
ふふふ、クラーケンを圧倒したと言うのは本当の様だな…〕ブブンブンッ!
殺気に当てられたポセイドンの表情は兜によって窺い知れる事は無いが、声音の調子と槍の振り回しからして気分を高揚させている様子であった。
ブォンッ!ヒュォオオオオッ…
ズズズ…「…!」
徐にポセイドンは頭上に槍を掲げ、大きく回し始めた。それに合わせ穂先の周囲に水流が発生。
それに合わせ、ノアはポセイドンの方に徐々に引き寄せられていく。
ブォンブォンブォンブォンッ!ゴォオオオオオオオオッ!
ズォオオオオッ!「うおっ!?」
発生した水流は激流へと変化し、遂にノアの体を浮かび上がらせ、ポセイドンと目と鼻の先までに接近する。
ブォ…ギリリ…ヒュボォアッ!
と、ポセイドンは槍の回転を止め、腰だめの体勢となって力を溜め、超速の突きを引寄せられたノアへと繰り出した。
と
スラッ!チャキ!
(【剣乱豪華】モドキ!)
ゴガガガッ!ゾッゾリッ!ビギギギギギギッ!
両手に剣を装備している状態で行う【剣士】の固有スキルの1つ【剣乱豪華】(モドキ)を繰り出す。
簡単に言えば両手で行う連撃なのだが、ノアの場合、発生した激流の加速を利用して回転も入れている。
ポセイドンの放った槍に超速の5連撃、掴みの要である両手の親指を斬り落とす為に2連撃、そして本体である銀鎧ごと破壊する為に直剣タイプの荒鬼神ノ化身による18連撃を叩き込んだ。
指を斬り落とされた為、槍の威力は皆無となり、無防備状態のポセイドンは一瞬の内に木っ端微塵となった。
〔お、おぉ…見事なり…〕
ガランガランッ!
(え?これで終わり…?
…って、あれ?中身は…?)
海底に木っ端微塵となった鎧の残骸が転がる。
呆気ないと思ったノアだが、鎧の中身が何処にも無い。
と
ズドンッ!
〔ふはははは、見事だな「あ、出た。」まさかこんなに早く″第一形態″が突破されるとは思わなかったぞ。〕
どうやら銀鎧ごと叩っ斬られる前に鎧から逃げ出していた様子のポセイドン。
だが海底に着地したその姿は流線形なフォルムと短い尻尾を持った、まるで竜人の様な見た目であった。
ゴポポ…
〔…来たか…〕
ヴォンッ!パシッ!
暗く、静かな砂地の上に立つ銀鎧の兜からゴポリと泡が漏れる。
直後何も無かった空間から突如穂が真っ直ぐな一本槍が姿を現す。
鎧姿の人型がそれを掴み取る中、視線の先には1人の少年の姿があった。
「すいませーん、この度このダンジョンの取材と視察で参りました中級冒険者のノアと言いまーす。」
〔…つまり貴様がリヴァイア殿が言っていた少年か。会いたかったぞ。〕
「お、意思疏通が取れる。
もしかしてリヴァイアさんから話を聞いてたりしますか?」
〔あぁ、″客人″が来ると。
だが我は″深海″と″海溝″とを隔てる門番としての任を受けている故、例えリヴァイア殿の客人であろうと容易く通す訳にはいかん。
己が力を示して道を切り開くが良い。〕ガンッ!
銀鎧の人型はそう言い放つと、″ここは通さん″とでも言いたげに槍の石突きを鳴らした。
「ここまで来といてアレですけど、出来れば穏便に済ませたい所なのですが…
それに僕としてはあなたと戦う理由が無い。」
〔なら丁度良い理由があるぞ?
貴様はこの″深海″エリアに来てから1体もモンスターを倒しておらんな?
それではどのみち″海溝″エリアには行けん。〕
「何故?」
〔それは″海溝″エリア内には凄まじい″水圧″が掛かっているからだ。
″海中″~″深海″は魔導具をそこまで強化せずとも進行出来るが、″海溝″は全ての魔導具を最大強化しなければ直ぐにあの世行きだ。
我を倒せば魔導具を最大強化出来る程の″深海生物の残滓″を獲得出来るぞ。〕
″海溝″エリアは″深海″エリアとは比較にならない程の水圧が掛かる。
ヤンやラビッツはセレイアの支援魔法のお陰でそのまま侵入が可能だが、【ソロ】の影響下にあるノアは自力で″深海生物の残滓″を獲得するしかないのだ。
〔それに、今の所このエリアには我と貴様以外モンスターは居らん。
そうなる様にリヴァイア殿に仕向けて貰ったからな。〕
「え?じゃあもしかして、さっきからセレイアさんが下手くそな演技で何か隠してたのって、リヴァイアさんの命令じゃなくてあなたの進言が元だったんですか?」
「下手って何ですか下手って!(遠くからセレイア)」
ちなみにセレイアやヤン、ラビッツはそれなりに遠くの岩場に待機して貰っている。
〔左様。
それに元々街は″深海″ではなく″海中″に設置する予定であった。それを″深海″に移動して貰い、サハギン共を貴様の下にけしかけたのだ。
貴様の力量を見るつもりでな。〕
「通りで″街の位置″がおかしいと思ったよ。
″光に弱いサハギンの侵攻を食い止めるなら″深海″エリアに街を置くよりも、″海中″エリアと″深海″エリアの境界″に置いた方が効率が良いしな。」
サハギンは元々″深海″エリアのモンスターである。だが『オセアノ』は″深海″エリアのど真ん中にあり、煌々と光輝いている。
光に弱いハズのサハギンなら、その光を嫌って比較的被害の少ない″海中″エリアに向かう事などリヴァイアやセレイアがダンジョンの設計段階で気付かないハズが無い。
つまりこの配置は意図して行われた訳なのだ。
「…にしても、それだけの為に何つー大掛かりな事を…街を移動させるのにどれだけの労力が掛かると思って…」
〔案ずるな。
あの街は巨大な貝の上に成り立っている故、街ごと移動は可能だ。〕
「嘘ぉっ!?」
(『もうスケールが違うな。』)
実はセーフティエリア兼街の『オセアノ』は、超巨大なヤドカリ(クニカリ)の上に建っており、エリア間の移動であれば、1日で行えるとの事。
クニカリ…簡単に言えば超巨大なヤドカリ。
1つの国を背負って生活出来る程の巨体を誇る。
性格は常に温厚。1歩300メル。
「分かりましたよ!やりますよ!
もうこうなったら何でもありだ!」
スケールのデカい話に自棄になったノア。
最初から意図して舞台が整えられてた以上、もう避けられないと判断した様だ。
〔…ちなみにこれは個人的な願いなのだが、我はこの先に居る″大いなる者″と戦った事がある…いや、正確には″遊んで貰った″だがな。
幼体とは言え″大いなる者″の頂点に君臨するクラーケンを圧倒したと言う貴様の実力を我に知らしめて欲しいのだ。〕
「…圧倒て…
相棒(グリード)と一緒だったから出来た〔リヴァイア殿はこうも言っておられた、″「彼は君を必ず破る。」″とな。
リヴァイア殿がそう言い切る程の存在、非常に興味があるのだ。〕
「…買い被り過ぎだよ全く…」ザッザッザッ…
過大評価に過ぎると愚痴を溢しつつ、ノアは銀鎧の人型と距離を取るのであった。
ビュォオンッ!
〔そういえば我の名を伝えていなかったな。
我が名はポセイドン。
貴様同様人型ではあるが、″深海″エリアのダンジョンボスである。〕
「正直な話、こうやって意思疏通が取れる手合いとは生死を賭けた殺し合いはしたくないんですよね。」
〔それは何故だ?〕
「両親から訓練の一環として″人殺し″は禁止されてるんですよ。
あくまで″人″と限定してますけど、僕としてはあなたみたいにモンスターであっても意思疏通が取れる相手も含めてるんですよね。」
〔情けのつもりか?
単純に殺しという一線を踏み越えられないだ「勘違いするなよ?」ズズズ…
ビクッ。
ノアの発言に嘲笑を込めたポセイドンであったが、殺気混じりの低い声が割って入ってきた。
「殺しは″容易く″不殺は″難い″、ただそれだけの事だ。
あなたの身で実践してやりますからさっさと始めましょう。」
〔…子供の身で何て殺気を放つか…
ふふふ、クラーケンを圧倒したと言うのは本当の様だな…〕ブブンブンッ!
殺気に当てられたポセイドンの表情は兜によって窺い知れる事は無いが、声音の調子と槍の振り回しからして気分を高揚させている様子であった。
ブォンッ!ヒュォオオオオッ…
ズズズ…「…!」
徐にポセイドンは頭上に槍を掲げ、大きく回し始めた。それに合わせ穂先の周囲に水流が発生。
それに合わせ、ノアはポセイドンの方に徐々に引き寄せられていく。
ブォンブォンブォンブォンッ!ゴォオオオオオオオオッ!
ズォオオオオッ!「うおっ!?」
発生した水流は激流へと変化し、遂にノアの体を浮かび上がらせ、ポセイドンと目と鼻の先までに接近する。
ブォ…ギリリ…ヒュボォアッ!
と、ポセイドンは槍の回転を止め、腰だめの体勢となって力を溜め、超速の突きを引寄せられたノアへと繰り出した。
と
スラッ!チャキ!
(【剣乱豪華】モドキ!)
ゴガガガッ!ゾッゾリッ!ビギギギギギギッ!
両手に剣を装備している状態で行う【剣士】の固有スキルの1つ【剣乱豪華】(モドキ)を繰り出す。
簡単に言えば両手で行う連撃なのだが、ノアの場合、発生した激流の加速を利用して回転も入れている。
ポセイドンの放った槍に超速の5連撃、掴みの要である両手の親指を斬り落とす為に2連撃、そして本体である銀鎧ごと破壊する為に直剣タイプの荒鬼神ノ化身による18連撃を叩き込んだ。
指を斬り落とされた為、槍の威力は皆無となり、無防備状態のポセイドンは一瞬の内に木っ端微塵となった。
〔お、おぉ…見事なり…〕
ガランガランッ!
(え?これで終わり…?
…って、あれ?中身は…?)
海底に木っ端微塵となった鎧の残骸が転がる。
呆気ないと思ったノアだが、鎧の中身が何処にも無い。
と
ズドンッ!
〔ふはははは、見事だな「あ、出た。」まさかこんなに早く″第一形態″が突破されるとは思わなかったぞ。〕
どうやら銀鎧ごと叩っ斬られる前に鎧から逃げ出していた様子のポセイドン。
だが海底に着地したその姿は流線形なフォルムと短い尻尾を持った、まるで竜人の様な見た目であった。
53
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
暁刀魚
ファンタジー
社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。
食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。
そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」
コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。
かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。
もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。
なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。
カクヨム様にも投稿しています。
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
無能と追放された俺、死にかけて覚醒した古代秘術を極めて最強になる
仲山悠仁
ファンタジー
魔力がすべての世界で、“無能”と烙印を押された少年アレックスは、
成人儀式の日に家族と村から追放されてしまう。
守る者も帰る場所もなく、魔物が徘徊する森へ一人放り出された彼は、
そこで――同じように孤独を抱えた少女と出会う。
フレア。
彼女もまた、居場所を失い、ひとりで生きてきた者だった。
二人の出会いは偶然か、それとも運命か。
無能と呼ばれた少年が秘めていた“本当の力”、
そして世界を蝕む“黒い霧”の謎が、静かに動き始める。
孤独だった二人が、共に歩き出す始まりの物語。
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる