ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~全ての始まり~

10年前、全ての始まり。~謎の人物~

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~滅びの森近郊の野営地~


「森の番人レント・レアナ討伐お疲れさま~!
かんぱ~い!(アミスティア)」

「「「「「かんぱ~い!」」」」」  


酒瓶片手にアミスティアが乾杯の音頭を取ると、討伐依頼に参加した2クランのメンバー達も酒瓶片手に一気に煽り出した。

現在『死屍累々』と『極大射程』両クランでは森の番人レント・レアナ討伐後の祝賀会が行われている所であった。

この2クランは、仕事終わりに祝賀会を行うのが定例行事になっていた。


「いやぁ、やっぱ最後は姐さん(アミスティア)と旦那さん(レドリック)の2人が決めてくれましたね。」

「姐さんの″微塵斬り″でで足止めして、旦那さんが巨大な″火柱″を射出してトドメを刺すなんてな…」

「あれ一体何を撃ち込んだんです?」

「あれは巨人族が住む地域にあった火山から噴出してきた″火山弾″だよ。
引き延ばされて棒状になったから″ストック″してたんだ。(レドリック)」

「「「「えぇ…」」」」


両クランの奮戦もあったが、最終的にはアミスティアの超高速斬撃術の″微塵斬り″によって再生する傍から身体を斬り落とす事でその場に留まらせ、レドリックが″ストック″していた数千度にも達する赤熱した大木サイズの火山弾5発を撃ち込んで完全に焼失させた。

正直な所、もうこの2人だけで良かったんじゃないか?と思って仲間が聞いてみると


「バカ言っちゃいけないわよ!
週末に息子のノアちゃんとピクニックに行く予定なのよ!長引いたりしたらどうするの!?(アミスティア)」

「つまり、ちゃっちゃと終わらせる為にお前達を呼んだんだ。(レドリック)」

「「「「えぇ…」」」」


その代わり、両クランメンバー達の報酬は割増で設定されているので、文句等は無かったのである。


「ねぇアミさん、レドリックさん、またクランに『最上級冒険者への推薦状』が届いてましたけど…」

「子育てで忙しいからパス。(アミスティア)」

「子供との時間が減るからパース。(レドリック)」

「ですよね…」

((((″あの″戦闘狂の2人がこんな子煩悩になるとはねぇ…))))チビチビ…


等とワイワイ騒ぎながら他愛の無い話で盛り上がっていると


チリ…

「ん?
何かが高速で接近してくるぞ…?(レドリック)」

「え?モンスターとか?(アミスティア)」

「いや、モンスターじゃなくて一応人の様だ。
だが気配がおかしい…殆ど感じ取れないし、尋常じゃない速さで突っ込んで…(レドリック)」


″『『『ズアッ!』』』″


「「うぉっ!?」」
「わっ!?」
「……っ!?」
「!(アミスティア)」

「っ!?何だこの反応!今度は隠す事無くヤバイ気配を出してやがるぞ!(レドリック)」

ダンッ!

「あ、ちょっとレド!(アミスティア)」ダガッ!

「「あ、ちょっ!」」
「取り敢えず私達も行きましょ。」

「「「「「おぅ!」」」」」ズザッ!


当時既に感知系スキルを殆どカンストさせていたレドリックが、高速で接近してくる謎の反応を感知。

当初気配等は殆ど無く、レドリックのみが気付く程度の反応だったのだが、直後その場に居た全員が感知出来る程の強烈な反応が放出された事で、レドリックを筆頭に他のクランメンバーもその場から飛び出していった。





(おいおい何だこの殺気は…放出してんのは本当に人か…?
さっき討伐した森の番人よりヤベェ奴だぞこれ…(レドリック))

ダダダッ!ゴ『パァンッ!』


謎の人物が放出している殺気は最低でも森の番人以上であると推定された為、足に力を籠めたレドリックは、衝撃波が発生する程の速度で疾走し始めた。





パパンッ!パンッ!パンッ!ガガガッ!

「よぉ、アンタ。
誰かは知らん『ズルッ…』…チッ!無視かよ…(レドリック)」


衝撃波を発生させながら、黒装束を纏った謎の人物に高速接近してきたレドリックが声を掛けるも、まるで【忍】の『土遁の術』でも使ったかの様に地中に潜んでしまった。

その対応にレドリックは思わず舌打ちをする。

その直後


ドバァ『ガシッ!』

「ぅおぉ『ガボボボッ!』っ!?(レドリック)」

ガチンッ!

「な、なぁ…えぇっ!?(レドリック)」


突然地中から腕が飛び出してきてレドリックの両足を掴むと、凄まじい力で引っ張られ、首から下が地面に埋まってしまったのだった。

突然の事だったがレドリックが出ようとするも、周りの土が固められ、身動き1つ取れなくなってしまった。


ボガアァッ!ズダダダダダダッ!


レドリックが拘束された直後、物凄い勢いで地面が捲り上がり、殺気剥き出しの謎の人物が勢い良く出現。

レドリックの方を見る事も無く、再び高速で駆けていった。


ギッ!ギリリッ!

「チッ!俺の事は『ゾリンッ!』眼中に『ゾッ!』無ぇってか!『ゾリンッ!』(レドリック)」

バガッ!

「ちょ、大丈夫!?レド?(アミスティア)」

「助かったアミ!
…ヤベェなアイツにまんまとやられちまった。
相当腕が立つ野郎だぜ?(レドリック)」

「取り敢えず皆に足止めさせに向かわせてるわ。
これで少しは…」

ガガッ!ドッ!ゴガッ!ズガガッ!ドボッ!ゴガガッ!カッ!コッ!ゴカッ!

「いや…(レドリック)」

『『『『『ズシャッ!』』』』』

「アイツらじゃ足止めにもならん。(レドリック)」


地面に拘束されたレドリックの下にアミスティアが到着。
地面を3度斬りつけて脱出の手助けをしたのであった。

その間、20人近く居る『死屍累々』『極大射程』のクランメンバー達が黒装束を纏った謎の人物を取り囲んだものの、武器を手にする事無く、近接格闘のみで周囲に居るクランメンバーを次々に撃破していった。





ザ『ブォン』『ドゴォッ!』

「待て!お前は一体何者なんだ!(レドリック)」


クランメンバー達を各個撃破していった後、再び駆け出そうとした謎の人物の目の前にストックしていた巨木を突き立てて足止めするレドリック。


チキ…   ズッ…


謎の人物の動きが僅かに止まった事を確認したアミスティアとレドリックが攻勢を仕掛けようとした正にその時であった。


『キィィイイイイ…』

「ん『ズムッ!』…?(アミスティア)」
「は『ドゥッ!』…?(レドリック)」


謎の起動音の様な物が鳴り響いたかと思うと、直後に2人の腹部に衝撃が走る。


「…かはっ…(アミスティア)」ガクッ!
「ぐ…ぇ…(レドリック)」ズシャッ! 

ズザッ!ズダダダダダダッ!


いつの間にか謎の人物が拳を固めて2人の前に立ち、拳を撃ち込んでいた。
全く反応出来なかった2人は共に崩れ落ち、意識を手放し掛けていた。

やはりと言うべきか、謎の人物は2人に見向きもせずに駆け出し、その場を後にした。
進行方向はスパルティア。

2人は未だ回復せず、スパルティアへと高速で駆けていく謎の人物の後ろ姿を眺める事しか出来なかった。

それから約5分後、2人はスパルティア方面から膨大な魔力の奔流を感知したのであった。
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