ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

寝。

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~冒険者ギルド~


カリカリ…(書面にペンを走らせる音。)

《いす…くりー…ど…
えっと、出来たよ、これでいーのか?》

「はーい、よく出来ました。
あとはこちらで手続きしますのですこーし待っててね?(ギルマス)」

《うむ。》

(かわいい…)
((可愛い…))
(カワイイ…)


クランメンバーに紹介を終えた後、使い魔の登録をしに冒険者ギルドへとやって来たノアとミダレ。

普通は主人が必要事項を書類に記入するのだが、夢魔のイスクリードが自分で書くと言い出したので、カウンターに上って3本のツメでペンを器用に挟んで記入していた。

逐一動作が可愛らしいので、いつの間にかカウンターの周りにはギルド職員や街に滞在していた冒険者も見物していた。

ちなみに一部の冒険者は、ノアとミダレが直前にダンジョン『幽閉霊』に行っていた為、イスクリードがそこに居るモノだと勘違いしていた。

「いや居ないよ?」と言うノアの忠告も聞かず、一部の冒険者は嬉々としてダンジョンへと向かって行った。
無駄骨だとも知らず…





「ほぅ…あれが工房にやって来た火の精霊に混じってやって来た闇の精霊とはのぅ…(バド)」

「なる程、嬢ちゃんの魔力を受けて妖魔に変化したか。(ロイ)」

「…まぁそんな所。
それでギルドに登録に来たんだ、一応『従魔』の部類に入るらしいしね。
それよりも皆はどうしてここに?」


冒険者ギルドにミダレの従魔となったイスクリードの登録に付き添いとしてやって来たノア。
カウンター横の席に目をやると、ドワーフ3人組が寛いでいた。


「儂らがさっき教会の連中に聖具(武器)を造ったじゃろ?
他にも聖霊銀(ミスリル)製の聖具の補修なんかをやってやったら、幾ばくか報酬を出す言ってきたんじゃ。(ルド)」

「なる程ね。」

「ほいで坊よ、″残り″どうする?(ロイ)」

「″残り″?」

「聖霊銀(ミスリル)インゴットの残りじゃよ。
聖具製作用と補修用を教会に預けたとしても残り2インゴット半残っちょる。
元々霊銀は坊が持っとったもんじゃし、好きにすると良えぞ。ホレ。(バド)」ポイ。

パッ!パシシッ!

「おわっと。」


徐にバドはノアに向かって聖霊銀(ミスリル)インゴットを2個半放る。
元々の所有者であるノアへ返還した形である。


「ただ売る時はちゃんとした店と商人相手に売れな?
それ1個で″ウン十億″すっから市場が大変な事になっぞ。(ルド)」

「…へ?」





~教会~


スラッ…『『フィィイン…』』(ドワーフが拵えたグラディウス『鎮魂歌(レクイエム)』を抜く。)

「…何と素晴らしい剣だ…
あのドワーフ御三方に感謝しなくてはな…(シンプソン)」

「あの3人もそうですけど、ダンジョン化を阻止し大量の霊銀を確保してくれた事に感謝ですね…(ソシエール)」

「…と言うよりも、ノア殿がこの街に訪れてくれた事に感謝せねば…だな…
何から何まで助けられてばかりだ…(ヒューガ)」


教会ではドワーフ3人組が拵えた聖霊銀(ミスリル)装飾の武器を手に、何やら各々準備を行っていた。

各々ノアのお陰で霊が視える様になった事で、街に留まっていた霊達を天へと送る為に成仏の儀を執り行う為であった。

今までは唯一霊が視えていたエミと言うシスター付き添いの下行われていたのだが、戦火によって亡き者になって以降執り行われていなかったのである。


「ふぅ…
それにしても成仏の儀は明日だと言うのにもう既に緊張してきたな…(シンプソン)」

「え?もしかして手順忘れちゃってたり…?(ソシエール)」

「いや、流石に覚えてはいる。
覚えてはいるのだが、今までエミの付き添いあっての事だったから上手くいくか心配でな…(シンプソン)」

「いやいや、この街の神父なのですからもっと自信持って下さいよ…(ヒューガ)」


〈そーよシンプソン。
あなたなら上手く行くから心配無いわよ。〉

〈だーぁ。〉


「ほら、言われてますよ。(ヒューガ)」





「「「…え?」」」



 

~宿『ポルターガイスト』~ 


ガチャ…

「ふ~~~~…ただいまぁ…」

「あ、お帰りなさ…何か更にお疲れの様で…(ヴァンディット)」

「あーうん、色々とあってね…
一先ず今はお金の事を考えたくないのと、そろそろ睡魔が限界だから暫く寝ようと思って…」

「あ、そうでしたか。
では、″いつもの物″を用意致しますか…?(ヴァンディット)」

「…あぁお願い。
それといつも通り2~3時間経ったら起こしてくれるかな?」

「はい、畏まりました。(ヴァンディット)」


深いため息を吐きながら宿へと戻ってきたノアは、大部屋に居た皆に挨拶しつつベッドの方へと向かう。

ドワーフの言っていたトンデモ額がトドメとなったかは定かでは無いが、ここ最近碌に寝ていないノアの睡魔が限界に達していた。

ヴァンディットから″いつもの物″=″睡眠導入剤″を貰ったノアは、一気に口の中へと放り込む。


「…あの、ヴァンディットさん?
もう2錠追加して貰っても良いかな…?」

「これ以上追加したら耐性が出来て効き目が薄くなりますよ…?(ヴァンディット)」

「うん…まぁそうなったら我慢するよ…」

ドフッ。


渋々といった様子のヴァンディットから追加の睡眠導入剤を貰ったノアは口に放り込んでそのままベッドへ。

20秒もしない内に寝息を立てて熟睡するのであった。


「あの、ヴァンディットさん?
ノアさん睡魔があるのに睡眠導入剤使ってるんですか?(ミリア)」

「うん、一気に深い眠りに入ってなるべく夢を見たくないのだとか…(ヴァンディット)」

「そうなのですか?(ミリア)」

「ノア様は昔とてもお辛い事があったのですが、その時の事を今でも夢で見るそうなのですよ。
だから戦闘後に深く長く眠る時以外は、細かく短く眠っているんですよ。(ヴァンディット)」


作中で何度かノアが眠りについている事はあるが、自発的に睡眠をとっている時は基本的に2~3時間程しか寝ていない。


「それにしても睡眠導入剤の服用量、明らかに増えてるよね、大丈夫?(ラインハード)」

「一応日頃のチェックで血中から薬効を抜いて効果を薄めさせない様に努めてますが、そろそろ限界だと思われます。
ノア様は只でさえ人十倍働くので出来る限り休んで欲しいのですが、何とも難しいですね…(ヴァンディット)」


ノアの現状を心配する3人をよそに、ベッドの上で寝息を立てるノアはそのまま2時間眠り続けるのだった。


「…ぅ…ぅぅ…」
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