ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

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「おおっ!建造場所が決まったか!(ルルイエ)」

「えぇ、これ以上先は魔素の濃度が濃くなり、より強力なモンスターが跋扈しやすい環境であるとレドリック殿が申しておりました。(兵士1)」

「それにここは地盤が固く、川や森に近い。
街の建造に掛かる時間が大幅に短縮出来るモノと思われます。(兵士2)」

タッタッタ…

「ルルイエ様、アルフレッド・レイド伯爵様の奴隷商館からジョー殿が戻られました。
『元冒険者』の『軽犯罪奴隷』200人・『各種生産・技術職奴隷』各50人・″直近で『軽犯罪奴隷』となった者達″352人の商談は無事終えられたとの事です。(兵士3)」

「おお、何とも都合が良い。
街の規模を決める上で人数を把握したかった所だ。
誰ぞ目録をくれるか!(ルルイエ)」


街の建造場所が決まったのと同時に、奴隷を購入しに向かっていたジョー達が戻ってきた。
ちなみに奴隷達は、現在【魔王】占領下にある旧イグレージャ・オシデンタルを迂回する為、ヴァリエンテ領に到着するには約2日程掛かるとの事。

    



「一瞬家族会議ー。
ノアちゃん″木材確保20~30″、レド″簡易防壁建設″、私″食糧調達″ね。(アミスティア)」

「おぅ。(レドリック)」
「はーい。」

「「「「「え?(兵士達)」」」」」


街の建造場所が決まり、奴隷の確保も決まった所でアミスティアから声が上がり、一瞬家族会議が開催された。

奴隷到着までに数日あると言うのに、早速行動を開始するつもりのノア一家に驚く兵士達。

するとその中から代表して一般兵に混じって訓練中のカルルが問い掛ける。


「あ、あの皆さん?
本日は一先ずこの土地の調査と街(前哨基地)建造場所の決定、奴隷の確保が済んだので1度街に戻って今後の動きをどうするか…(カルル)」

「え?まさか2日後にここにやって来る人達を迎えてから色々と行動を起こすつもり?
″アンタ達大氾濫を前に悠長にしてられると思ってんの?″(アミスティア)」

「1から全部任せるより、ある程度の下地が出来上がってる方が効率良いだろ?
それとお前達、今日からここに来る者に″奴隷″って言うなよ?
元はと言えば志願兵を集められなかったヴァリエンテ領の尻拭いの為に″この策″を立てたんだからな?
そこは履き違えるなよ?(レドリック)」

「寧ろ色々と情報が出揃った今だからこそ行動を開始する時でしょ?″大氾濫舐めてんの?″」


何処と無く″本日はここまで!″と言った雰囲気を醸し出していた兵士達に檄を飛ばすかの様に言葉強目に言う3人。


「な…は…?(カルル)」

「昼と夜とでは状況に変化が出るかも知れない。魔素の量、モンスターの強さ、出現個体の変化…様々ある。それを確認しないまま街へ戻る?
そんなんで大氾濫を迎えるのか?
ここにやって来る者達に街(前哨基地)を作らせ、暮らせと言えるか?」

「街に戻りたい奴は戻ると良い、″大氾濫をその程度″としか考えてないとの事だろうからな。(レドリック)」

「悪いけどルルイエさん、貴方の領には貴方の領のやり方があるでしょうけど、息子が身銭を切ってまで貴方が構想していた計画を推し進めたのだから私達も″ある程度″口を出させて貰うわよ?(アミスティア)」

「あぁ勿論だ。
だからこそ前回の大氾濫でも、勝つ事が出来たのだからな。(ルルイエ)」


ノアが身銭を切ってまでルルイエ伯爵が構想していた街(前哨基地)の建造を推し進めた事で、一家の意見を通し易くなった事が嬉しい誤算であった。

これを領の公金で進めた場合、通る意見は限定的なモノとなり、ヴァリエンテ領のやり方で大氾濫当日を迎える事となっていただろう。


「今回は俺達が居るから良いが、次の氾濫ではここに建設されるであろう街の者と兵士達でどうにかしないとならん。
そんな場所に″温い考えの奴″は要らん、さっさと戻ってくれて構わん。(レドリック)」






~夕方~


ガシュッ!『『ズズンッ!』』(大木が斬り倒される。)

『『ガギッ!』』『『ミシミシミシッ!』』ブンッ!(断ち斬った大木を掴んで放り投げる。)

「ねぇ!これ父さんがやった方が早くない!?」

ズズズ…(放り投げられた大木を″チャージ″。)

「知ってるだろノア。
俺は″斬る″のは苦手で″射つ″方が得意だと。
それに俺は今″山の方を見てる″。
そっちの事は頼むぞ。(レドリック)」

「あいあーい!『ザシュゥッ!』」


ノアは現在荒鬼神ノ化身を振るい、先程アミスティアから任された″木材確保″を行っていた。

その木材は近くの森林エリアからになるが、片っ端から斬っていくのでは無く疎らに斬る事を心掛けている。

そうしないと悠が『テイム』したのっそりタヌキ等のモンスターの住処が追われてしまうからだ。


その後斬り倒された大木はレドリックによって″チャージ″されるのだが、その間レドリックは何をしているかというと


「む、もう1体追加だ。
『コキュートス・アンブレラ』が数体山の麓に居る。
氷の鎧を纏った″テントウムシ″だ。
直接的に攻撃してくる事は無いが、周辺一帯を氷漬けにしてくる厄介な奴だ、特徴を言うからちゃんと書き留めておけ?(レドリック)」

「はっ!(兵士)」
「はい!(カルル)」



『『『ガサガサガサ…』』』(ガサガサと動く『カジュ・トレント』)

「「「おおお…(兵士達)」」」

「『カジュ・トレント』は樹木系モンスターの中では比較的安全で、″実を付けた状態は体に負担が掛かってる状態、謂わば身重″と言えるわ。
だから生っている実を採ってあげる事で『カジュ・トレント』は助けられたと感じて友好関係を築く事が出来るからね?(アミスティア)」

「「「は、はい!(兵士達)」」」


先程の檄が効いたのか、嫌々なのかは定かでは無いが、兵士達やカルル等はこの地に残り調査を続けていた。

レドリックからは魔素の濃い奥のエリアに棲息するモンスターの存在を。

アミスティアからは比較的安全圏に存在するモンスターの特性を聞き、ただ単に討伐するか共生するかの判断を仰いでいた。


「うんうん…(ルルイエ)」

『ザシュッ!』(大木を切断。)

「ルルイエさん、これを見越してたんじゃないですか?」

「…分かるか?
前回から10年も経てば人が変わるし思想も変わる。10年も経てば人は老いるし熱量も下がる。
こういった現場を知っている者に任せた方が良い場合もある。
…が、少し強引すぎたかな?(ルルイエ)」

「両親は気付いて乗っかってくれてると思いますよ。」
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