ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

湧き上がってくる問題

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~ヴァリエンテ領・兵舎区画~


「え、えぇ?えーっとつまり貴女はケット・シーという種族で、あの山の頂上付近に住んでいる…という事で…?(ルルイエ)」

〈そうなのだわさ。〉

「いやー…長らく商人をやってきたが、妖精族以外の妖精を見る事になるとは…(ジョー)」

「…大氾濫が定期的に起こる事から、山頂若しくは山には何かしら強大なモンスターが生息しているとは思っていましたが…(ミミルナ)」

「こんな可愛らしい方でしたとは…(ミミカ)」

「…リョウシュ…(カルル)」

「どしたのカルルさん?」


ヴァリエンテ領の街と新設される街(前哨基地)との中間地点である兵舎区画にはカルルによって呼ばれたルルイエ伯爵、商人のジョーの他、ルルイエの妻ミミルナとカルルの妹ミミカも同席していた。

どうやらたまたま家族で集まって会議していたらしく、そのままの流れでやって来たらしい。

ちなみにその会議で、新しい街(前哨基地)の領主にカルルが任命されたらしく、当の本人は頭が着いていって無い様子。


〈定期的に騒がしくなるのは知ってたのだけど、今回は毛色が違う、ってリューさんが言ってたから、私の方で確認しに来たのだわさ。〉

「リューさん?(ルルイエ)」

〈そう、こんなの!〉ガバッ!(2本足で立って両手を大きく広げる。)

((か、可愛い…(ミミルナとミミカ)))


子猫サイズのケット・シーであるステラにとって他の存在は大体サイズ的に大きい為、形態模写してくれるのは可愛…嬉しいが全く参考にならなかった。


「まぁまだ街としての形を成していないが、貴女が満足するまで見ていくと良い。(ルルイエ)」

〈ありがとうなのだわさ。〉


と、ケット・シーのステラが街(前哨基地)の滞在を許された丁度その頃、ヴァリエンテ領の正門では





スタスタスタスタ…

「失礼、街に入りたいのだが宜しいか?(??)」

「む?この街に何用か?(兵士)」

「この街に【鬼神】が居るハズじゃ。
その鬼神に渡したいモノがあるでな、街に入るのが無理ならここに呼んでくれんか?(??)」

「な、何故それを…?
し、暫し待たれよ。(兵士)」

「おぅ、頼んだぞ。(??)」


【鬼神】がヴァリエンテ領に居る事を知っている謎の老人が門の前に到着。
確認の為兵士がノアの下に向かうのだった。

まぁ前話を見ていればこの老人が誰かは察せられるだろう。





~街(前哨基地)建設予定地・技術職拠点~


「ふむふむ、街を覆う防壁の高さは15メルか…
土属性魔法で集めて固める方針でいくか?」

「いや、それだと半分程の防壁しか建てられん。土台と地盤も強固にせにゃならん。」

「大量に″石灰″が欲しい所だ。
その上で魔力で補強すれば予定通りのモノが建てられるだろう。」

「だが″石灰″なんて何処にある…?
どう見ても鉱山は無さそうだし、言ったらなんだが僻地だから集めるのにも時間が掛かるぞ…」

「一先ず新領主に相談してみるぜ。」

「「「だな。」」」





~街(前哨基地)・住居区画建設予定地~


「それじゃお母さんとお父さんは皆の手伝いに行ってくるから、良い子にして待ってるのよ?」

「ぅん…」

「ミーミ、この子の事見ておいてね?」

「はぁい。」


街(前哨基地)建設予定地では現在何をするにも人員が足りない状況である。
この地に住人としてやって来た元奴隷の家族達も、暇を見付けては作業の手伝いに駆り出されている。


「子供と一緒に居れるのは嬉しい限りだけど、置いていくのは気が気じゃないわ…」

「かといって私達と同じ仕事をさせる訳にも行かないし、誰かに見て貰う訳にも…ねぇ?」

「後で新領主様に相談してみるわ。」

「そうね。」





~ママン・モス、マン・モス、その他解体現場~


「おいおい見てみろよこの翅の骨格…」
「あぁ、芸術作品みたいに美しさだぜ…
変に手を加えたら貴重な素材が損なわれちまう。」

「一先ず翅の根元から外すだけに留めよう。」

「こっちのヘラクレスグーパンオオカブトに至っては頭部の刺し傷と腹部の凹み以外損傷が無いから一式装備と武器が2つ作れるぜ…」

「これ、俺達でも品質保ったままは作れねぇぞ…?」

「で、その後どうする?」

「「「うーん…」」」

「と、取り敢えず新領主様に相談しよう…」

「「「だな。」」」





~比較的安全圏から少し奥まった場所~


ドカッ!

「ふぅ。大氾濫の影響か、確かに虫タイプのモンスターがそこかしこに居るが…」
「喰えるのか?コイツら…」

「600人分の食糧を確保せにゃならんのに食えるかどうか分からんからな。一先ず狩りを続けよう。」

「一応俺の方から食糧問題について新領主様に掛け合ってみよう。」

「「「頼むわ。」」」





~処理場・ヴァンディット(常駐)~


「各種状態異常の鱗粉、回収完了しました。」

「僅かな風でも舞ってしまうものなので、皆さんここを離れる際は十分に『クリーン』を掛けて下さい。
それでは皆さん、材料が揃い次第各鱗粉から毒素成分の抽出を行いましょう。(ヴァンディット)」

「「「はい!」」」


ヴァンディットは【錬金術】からの派生で毒劇物の取扱いにも長けている為、モンスターから取り出された毒袋や毒草等の処理を行っている所であった。


「あ、あの…申し訳ありません…」

「はい?(ヴァンディット)」

「ウチの子かなりヤンチャで、目を離すと直ぐにどっか行っちゃいそうなので少しの間見てて頂けませんか…?」

「え?いや…うーん…
あ、ちょっとお待ちを…ブラッツ出て来てくれます?(ヴァンディット)」

『『ズズズ…』』ウォンッ!


子供のお守りをお願いされたヴァンディットだが、流石に毒劇物の近くでそんな事する訳にもいかず、眷属のブラッツを喚ぶ事にした。


「あ!ワンワン!」

ウ、ウォ…(あ、いや、一応狼でして…) 

「ワンワン!」

ウ、ウーン…

「ブラッツ、今日は1日ワンワンですよー?(ヴァンディット)」

ウ、ワォン。


主人の指示に折れたブラッツは、その後背中に子供を乗せて辺りを駆け回る事になった。


「すいません、ありがとうございました…」

「いえいえ…子供から目を離すのは確かに不安でしょう…
後でノア様に相談してみましょう。(ヴァンディット)」


人が多く集まる場所では色々と問題が噴出するもの。ましてや街を1から建て、住環境すらままなっていない状態なのだから仕方の無い事である。

なので次話ではその問題を如何にして解決するかが書かれる訳だが、新領主となったカルルはてんてこ舞いになってしまうのだった。
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