1,072 / 1,124
ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~万死一生~
反撃の狼煙?
しおりを挟む
~塹壕内~
シュルシュル、ギュギギ!(特製の包帯を右腕に巻く)
「一先ず応急的ですがここまでとしましょう。
足の方は軽傷ですので軟膏を塗る程度に留めましたが、それでもこの後は安静に努めて下さいまし。(ヴァンディット)」
「う、うん…
そういえばクリストフ、さっき包帯巻く前に一体何を振り掛けたの?」
「あれは『ミナギリクスダケ』という色々と活性化させる効果のあるキノコを薬研で粉末状にした物ですぞ。
ノア殿の右腕の肌は殆んど焼け爛れてしまっており、新しい皮膚で覆うとなれば幾ばくかの時間を擁す。
それを少しでも短縮させる為に振り掛けさせて頂きましたぞ。(クリストフ)」
「そうか。ありがとうな。」
塹壕内で治療中のノアに、特製薬効成分含有の包帯を重症な右腕と右太腿に巻かれ、漸く立ち上がる事が出来た。
そして一時的に目が開かなくなっていたノアの目であるが、先程愛猫のニャーゴがペロペロと焼けた箇所を舐めて程よく溶かしてくれたお陰で開く事が出来た。
ちなみに視力の方に全く問題無かったのは何とも嬉しい限りである。
「それにしても、それ程酷い火傷を受けるとは一体何に遭遇したんだ?(レドリック)」
「例の召喚獣では無いのですよな?(クリストフ)」
「うん、それは勿論だよ。
僕を焼いたのは繭の中に1匹だけ居た中型の『蝶』だった。
光輝いててそれ以外の特徴らしい特徴は分からなかったけど…」
「『蝶』、『蝶』ねぇ…(アミスティア)」
「『デザートバタフライ』、『火口蝶』なんかを思い付くが、耐性を貫通する程の熱を発する個体では無いしなぁ…(レドリック)」
ノアが巨大な繭内部で出会した『蝶』について話すも、レドリックやアミスティアには思い当たるモンスターは居ない様子であった。
「しかし流石にノア殿の召喚獣が放たれた、あの熱波には焼かれたのではないでしょうか?
巨大な繭のみならず、周囲に居たモンスター群を纏めて灰塵と化したのですぞ?(クリストフ)」
「そうだと良いな。
正直な話、こんな怪我を負わしやがったあのモンスターとは戦いたくないからね。」
『ゾクッ…』(悪寒)
バッ!(ノア)
ババッ!(レドリックとアミスティア)
「ヒャッ!?(ミダレ)」
「何ですかなっ!今の嫌な気配は!(クリストフ)」
突如最前線の方に向かってノアとレドリック、アミスティア、クリストフが一斉に視線を向ける。
感知スキルなのか何なのかは知らないが、表情から鑑みるにただ事で無い事は確かである。
「…この感じ…奴だ!」
ダンッ!
ノアは自前のスキル<虫の知らせ>により嫌な予感を感じ取り、その正体が″奴″であると察しその場から駆け出す。
が
「ブラッツ、『血縫い』。(ヴァンディット)」
ウォンッ。『『バシンッ!』』(足を地面に固定)
「「待てぃ。(レドリックとアミスティア)」」
『『ガシッ。』』(襟首を掴む。)
「だと思いましたぞ。(クリストフ)」
むんず。(腰のベルトを掴む)
「ダメーっ!(ミダレ)」
ぎゅ。(後ろから羽交い締め)
「あ、しまった!」
この場に居た全員がノアの行動を読んでおり、全員が全員思い思いの方法でノアを拘束。
ノア自身はほぼ無意識に体が反応してしまった様で、全員に掴まれて我に返っていた。
チャキ…
「クリストフ君?
ちょっとノアちぁんを″絶対安静″にしてから向かうから先に行っててくれない?(アミスティア)」
「え、ちょ…」
「イエス!マム!(クリストフ)」
ダッ!
「あ!待ってクリストフ、助」
″絶対安静″を言い付けられていたのに無意識に飛び出して行こうとしたノアに、両親は″絶対安静″を施す為に抜刀。
気圧されたクリストフは助けを乞う主君を置いて脱兎の如く最前線へと駆けていくのだった。
~そして今に至る~
「『避雷陣』っ!(クリストフ)」
『『ボコボコボコッ!』』『『モコモコッ!』』『『『ボコッ!』』』『『『ズモモモモモッ!』』』(地面から大木の様なキノコ群)
『『『『ズババババババババババババババ…』』』』(キノコ群を伝って雷を地面へ)
「「「おおっ!雷を吸収したぞ!」」」
全方位に向けられた稲妻の絨毯爆雷撃に対し、駆け付けたクリストフが高さ3~4メル程のキノコ群による『避雷陣』を形成し冒険者や戦闘職、有志の者達を雷撃から守る。
しかもそれだけでなく
『『『グボッ!』』』
『『ズボッ!』』
『『『グボボッ!』』』(手足の生えたキノコが地面から続々出現)
「う、うわーっ!(冒険者11)」
「な、何だコイツら!?(有志8)」
「落ち着き下され!
雷を浴びて活性化したキノコ達です!
そりゃ手足を生やして飛び出してくるでしょう!(クリストフ)」
「あ、そっか…いや無い無い!(冒険者12)」
『避雷陣』を避雷針代わりにした直後、キノコ群が手足を生やして一斉に地面から抜け出し謎の蝶へと侵攻。
その数は100体にも及んでいた。
『『『『『ドドドドドドドドッ!』』』』』
「皆様お退き下され!
キノコ達よ、その蝶が諸悪の根源の様です!
体は比較的小さいですが用心して叩きのめすのです!(クリストフ)」
『『『『『バッ!』』』』』(声出ないので手を上げて返答)
手足が生えたキノコ群は冒険者や戦闘職、有志の間をすり抜け謎の蝶を目指す。
『『『ゴロゴロゴロ…』』』(雷鳴)
『『『バシィイイッ!』』』(雷撃)
『『『ズバァアアアアンッ!』』』(直撃)
「ああ!キノコ達に…!(戦闘職9)」
謎の蝶直上の雲に稲妻が走り、迫るキノコ群に雷撃が降り注ぐ。
『『ボコボコボコッ!』』(活性化&体躯2割増)
複数体直撃を食らうも逆に活性化してより強靭になるのだった。
それに対する謎の蝶の対応は非常に早かった。
『『『シュボォオオオオオオオッ!』』』(波状に延焼する地面)
『『『『ジュボォオオオオッ!』』』』(強烈な熱波&炎上)
「なっ!?(クリストフ)」
謎の蝶から波状に熱波が走ったかと思えば、侵攻していた100体のキノコ群の体が即炎上。
一瞬の内に体組織の半分が炭化する個体も居た程であった。
「…あれがノア殿を焼いた炎であるな…?(クリストフ)」
『『ギュバッ!』』(手に槍を出現させる)
その光景を見たクリストフは徐に手の中に槍状の物体を出現させ、大きく振り被る。
「虫である以上″コレ″を食らってタダで済むハズは無い!
食らうがいい!『倒虫火葬(トウチュウカソウ)』っ!(クリストフ)」
ゴォッ!(投擲)
対虫モンスターにとっては致命的とも言える一手を放つクリストフ。
主君を焼いた相手である為、彼なりに頭に来ていたのだろう。
『倒虫火葬(トウチュウカソウ)』…虫に対して恐ろしいまでの寄生性を持つキノコ。
一度寄生すれば対象の脳を支配するまで侵食し、抵抗すれば侵食と破壊行動を同時に行い、弱った所を一気に侵食する残虐さを見せる。
脳まで侵食されたらどうしようもないので、新たに寄生・侵食行動が行われる前に焼却処分(火葬)するのが最善策と言える。
『『『シュボォオオオオオオオッ!』』』(強烈な熱波)
ジュァアアッ!ジリジリジリ…(発火・炎上する槍)
「ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!(クリストフ)」
ボボッ!ボッ!ボッ!(連投)
ジュ『ジュアッ!』ジュゥウッ!
クリストフが連投する『倒虫火葬』は、謎の蝶から発せられる熱波により炎上こそすれ、灰にはならず、速力が落ちて謎の蝶には届かなかった。
(くっ、何という熱量…莫大な魔力を消費しているハズなのに一向に出力が弱まる気配が無い…
一体あの蝶は何なのだ…(クリストフ))ジリジリ…
断続的な熱波に対して『倒虫火葬』を連投するクリストフだが、謎の蝶の無尽蔵と思える攻撃を前に徐々にジリ貧となってきていた。
と、そこに
「スロット:『永久氷柱』。(レドリック)」
『『『『『『『ジャラ…』』』』』』』(蝶の全方位に配置される『永久氷柱』)
『『『『『『『ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!』』』』』』』(全方位から撃ち込まれる『永久氷柱』)
『『『『ジュァアアアアアアアッ!』』』』(消失する熱波&立ち込める水蒸気)
「む!今の攻撃は…!(クリストフ)」
突如謎の蝶の全方位に図太い氷柱が大量出現。
その氷柱は強烈な熱波であっても瞬時に溶ける事は無く、その後に全方位から叩き込まれる。
大量の氷柱によって冷却、物量によって隙を、水蒸気によって視界を封じ込めた事で僅かに熱波が消失するのであった。
その作られた隙を見逃しはしなかった。
『『ズ…』』(水蒸気の中から出現)
「イィイヤァアッ!(アミスティア)」
ゴッ!ギィイイイイイインッ!(金属質の音)
(え!?何この硬さ…虫のモノとは違…
え?何、あの身体…あれはまるで…(アミスティア))
『『『ゴォッ!』』』(アミスティアへ向けた熱波)
『『『『ジュァアアアアアアアッ!』』』』(空振り、地面を焼く熱波)
謎の蝶を真っ二つに斬り裂く勢いで放ったアミスティアの一閃は、少しの傷も付ける事無く終わり、代わりに反撃を受ける事となった。
だがその時にはアミスティアの姿は無く、既に退散していた。
これでは振り出しに戻ってしまう所ではあるが
「チャージ:『槍』、スロット:『槍』。
【貫(ツラヌキ)】発動、どんだけ硬かろうが防御無視じゃどうしようも無いだろ?(レドリック)」
『『『『ズドドドドドドッ!』』』』(幾本も撃ち込まれる槍(『倒虫火葬』))
アミスティアによって作られた隙を見逃さなかったレドリックは、反対側に回りつつクリストフが連投した『倒虫火葬』を回収、即連続発射。
ただそれだけだとアミスティアの一撃を防いだ硬質な体表に阻まれてしまう為、【神出弓士】の固有スキル【貫(ツラヌキ)】による防御力無視の連撃を放ち、突き立てるのであった。
キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!(謎の蝶の悲鳴)
「おおっ!お見事ですぞレドリック殿!(クリストフ)」
スタッ!
「…何とか上手く行ったわね。
それにしてもあの蝶一体何だったのかしら…(アミスティア)」
スタッ!
「ん?何かあったのか?
水蒸気が凄かったので蝶の反応を頼りに撃ち込んだのだが?(レドリック)」
アミスティアとレドリックの連携によりクリストフの攻撃は見事謎の蝶に突き刺さる事となった。
アアアアアアアアアッ!(謎の蝶の悲鳴)
『『『ボコボコボコッ!』』』(謎の蝶の身体が隆起)
謎の蝶の悲鳴が木霊す中、徐々に立ち込めていた水蒸気が晴れ、謎の蝶の姿が露となっていく。
淡く光輝いていた身体から光が失われ、地肌である鈍色の体色が現れる。
「さっき接近してみて気付いたんだけど、あの蝶ただの蝶じゃないわよ?(アミスティア)」
「そりゃあ幾つもの属性魔法を操る蝶なんて見た事無いからな。(レドリック)」
「そういう意味じゃないわよ。
あの蝶、体表に″鱗″を持っていたわ、それも″竜″の物。
アイツ、もしかしたら″竜種″に属するモンスターかも知れないわ。(アミスティア)」
「何ですと?(クリストフ)」
先程至近距離で斬り掛かったアミスティアは謎の蝶の異常性に気付いていた。
この世界には何万種類のモンスターが存在するが、その殆んどは他種との交配によって生み出されている。
とはいえ、有り得ない様な組み合わせ(竜×虫、虫×人等)の場合、交配以外の方法で他種の要素を取り入れる事となる為、その種は大抵″異常性″を秘めている事がある。
なので見た目が″蝶″であっても、″中身″までもが蝶であるかは調べてみないと分からないのである。
アアアアア″ア″ア″ア″ア″ッ″!
『『『ボコボコボコッ!』』』(身体が隆起)
『『メキメキメキッ!』』(虫の様な脚→竜種の足に)
『『『ズヂュルッ!』』』(虫の胴体→竜鱗の生えた長い胴体に)
『『バギンッ!』』(顎→鋭い牙の生えた顎に)
『『ズロンッ!』』『『ビョルルンッ!』』(腹部の産卵管→産卵管はそのままに長大化&鉤爪出現)
「むっ!?あり得ない!まさかそんな…!(クリストフ)」
「どうしたんだクリストフ殿?(レドリック)」
「奴の形状が変わる度に体内から『倒虫火葬』の存在が消え失せている!
奴は、『倒虫火葬』を″吸収″し自身の糧としている!(クリストフ)」
虫系モンスターに対して絶大な効果を与える『倒虫火葬』だが、効果が然程無い所か″吸収″して取り込み始めたという。
「なら急いで奴にトドメを刺さないとね。
行くわよレド!クリスト
『『『ドッ!』』』(謎の蝶の直下から閃光)
『『『『『バジュゥウウウウウッ!』』』』』(高出力プラズマレーザー)
謎の蝶に起こった変化を止める為トドメを刺そうとする一行の前にプラズマレーザーの柱が聳え立った。
勿論これはグリードによるものだが、この攻撃によって取り返しの付かない事態に発展するのであった。
シュルシュル、ギュギギ!(特製の包帯を右腕に巻く)
「一先ず応急的ですがここまでとしましょう。
足の方は軽傷ですので軟膏を塗る程度に留めましたが、それでもこの後は安静に努めて下さいまし。(ヴァンディット)」
「う、うん…
そういえばクリストフ、さっき包帯巻く前に一体何を振り掛けたの?」
「あれは『ミナギリクスダケ』という色々と活性化させる効果のあるキノコを薬研で粉末状にした物ですぞ。
ノア殿の右腕の肌は殆んど焼け爛れてしまっており、新しい皮膚で覆うとなれば幾ばくかの時間を擁す。
それを少しでも短縮させる為に振り掛けさせて頂きましたぞ。(クリストフ)」
「そうか。ありがとうな。」
塹壕内で治療中のノアに、特製薬効成分含有の包帯を重症な右腕と右太腿に巻かれ、漸く立ち上がる事が出来た。
そして一時的に目が開かなくなっていたノアの目であるが、先程愛猫のニャーゴがペロペロと焼けた箇所を舐めて程よく溶かしてくれたお陰で開く事が出来た。
ちなみに視力の方に全く問題無かったのは何とも嬉しい限りである。
「それにしても、それ程酷い火傷を受けるとは一体何に遭遇したんだ?(レドリック)」
「例の召喚獣では無いのですよな?(クリストフ)」
「うん、それは勿論だよ。
僕を焼いたのは繭の中に1匹だけ居た中型の『蝶』だった。
光輝いててそれ以外の特徴らしい特徴は分からなかったけど…」
「『蝶』、『蝶』ねぇ…(アミスティア)」
「『デザートバタフライ』、『火口蝶』なんかを思い付くが、耐性を貫通する程の熱を発する個体では無いしなぁ…(レドリック)」
ノアが巨大な繭内部で出会した『蝶』について話すも、レドリックやアミスティアには思い当たるモンスターは居ない様子であった。
「しかし流石にノア殿の召喚獣が放たれた、あの熱波には焼かれたのではないでしょうか?
巨大な繭のみならず、周囲に居たモンスター群を纏めて灰塵と化したのですぞ?(クリストフ)」
「そうだと良いな。
正直な話、こんな怪我を負わしやがったあのモンスターとは戦いたくないからね。」
『ゾクッ…』(悪寒)
バッ!(ノア)
ババッ!(レドリックとアミスティア)
「ヒャッ!?(ミダレ)」
「何ですかなっ!今の嫌な気配は!(クリストフ)」
突如最前線の方に向かってノアとレドリック、アミスティア、クリストフが一斉に視線を向ける。
感知スキルなのか何なのかは知らないが、表情から鑑みるにただ事で無い事は確かである。
「…この感じ…奴だ!」
ダンッ!
ノアは自前のスキル<虫の知らせ>により嫌な予感を感じ取り、その正体が″奴″であると察しその場から駆け出す。
が
「ブラッツ、『血縫い』。(ヴァンディット)」
ウォンッ。『『バシンッ!』』(足を地面に固定)
「「待てぃ。(レドリックとアミスティア)」」
『『ガシッ。』』(襟首を掴む。)
「だと思いましたぞ。(クリストフ)」
むんず。(腰のベルトを掴む)
「ダメーっ!(ミダレ)」
ぎゅ。(後ろから羽交い締め)
「あ、しまった!」
この場に居た全員がノアの行動を読んでおり、全員が全員思い思いの方法でノアを拘束。
ノア自身はほぼ無意識に体が反応してしまった様で、全員に掴まれて我に返っていた。
チャキ…
「クリストフ君?
ちょっとノアちぁんを″絶対安静″にしてから向かうから先に行っててくれない?(アミスティア)」
「え、ちょ…」
「イエス!マム!(クリストフ)」
ダッ!
「あ!待ってクリストフ、助」
″絶対安静″を言い付けられていたのに無意識に飛び出して行こうとしたノアに、両親は″絶対安静″を施す為に抜刀。
気圧されたクリストフは助けを乞う主君を置いて脱兎の如く最前線へと駆けていくのだった。
~そして今に至る~
「『避雷陣』っ!(クリストフ)」
『『ボコボコボコッ!』』『『モコモコッ!』』『『『ボコッ!』』』『『『ズモモモモモッ!』』』(地面から大木の様なキノコ群)
『『『『ズババババババババババババババ…』』』』(キノコ群を伝って雷を地面へ)
「「「おおっ!雷を吸収したぞ!」」」
全方位に向けられた稲妻の絨毯爆雷撃に対し、駆け付けたクリストフが高さ3~4メル程のキノコ群による『避雷陣』を形成し冒険者や戦闘職、有志の者達を雷撃から守る。
しかもそれだけでなく
『『『グボッ!』』』
『『ズボッ!』』
『『『グボボッ!』』』(手足の生えたキノコが地面から続々出現)
「う、うわーっ!(冒険者11)」
「な、何だコイツら!?(有志8)」
「落ち着き下され!
雷を浴びて活性化したキノコ達です!
そりゃ手足を生やして飛び出してくるでしょう!(クリストフ)」
「あ、そっか…いや無い無い!(冒険者12)」
『避雷陣』を避雷針代わりにした直後、キノコ群が手足を生やして一斉に地面から抜け出し謎の蝶へと侵攻。
その数は100体にも及んでいた。
『『『『『ドドドドドドドドッ!』』』』』
「皆様お退き下され!
キノコ達よ、その蝶が諸悪の根源の様です!
体は比較的小さいですが用心して叩きのめすのです!(クリストフ)」
『『『『『バッ!』』』』』(声出ないので手を上げて返答)
手足が生えたキノコ群は冒険者や戦闘職、有志の間をすり抜け謎の蝶を目指す。
『『『ゴロゴロゴロ…』』』(雷鳴)
『『『バシィイイッ!』』』(雷撃)
『『『ズバァアアアアンッ!』』』(直撃)
「ああ!キノコ達に…!(戦闘職9)」
謎の蝶直上の雲に稲妻が走り、迫るキノコ群に雷撃が降り注ぐ。
『『ボコボコボコッ!』』(活性化&体躯2割増)
複数体直撃を食らうも逆に活性化してより強靭になるのだった。
それに対する謎の蝶の対応は非常に早かった。
『『『シュボォオオオオオオオッ!』』』(波状に延焼する地面)
『『『『ジュボォオオオオッ!』』』』(強烈な熱波&炎上)
「なっ!?(クリストフ)」
謎の蝶から波状に熱波が走ったかと思えば、侵攻していた100体のキノコ群の体が即炎上。
一瞬の内に体組織の半分が炭化する個体も居た程であった。
「…あれがノア殿を焼いた炎であるな…?(クリストフ)」
『『ギュバッ!』』(手に槍を出現させる)
その光景を見たクリストフは徐に手の中に槍状の物体を出現させ、大きく振り被る。
「虫である以上″コレ″を食らってタダで済むハズは無い!
食らうがいい!『倒虫火葬(トウチュウカソウ)』っ!(クリストフ)」
ゴォッ!(投擲)
対虫モンスターにとっては致命的とも言える一手を放つクリストフ。
主君を焼いた相手である為、彼なりに頭に来ていたのだろう。
『倒虫火葬(トウチュウカソウ)』…虫に対して恐ろしいまでの寄生性を持つキノコ。
一度寄生すれば対象の脳を支配するまで侵食し、抵抗すれば侵食と破壊行動を同時に行い、弱った所を一気に侵食する残虐さを見せる。
脳まで侵食されたらどうしようもないので、新たに寄生・侵食行動が行われる前に焼却処分(火葬)するのが最善策と言える。
『『『シュボォオオオオオオオッ!』』』(強烈な熱波)
ジュァアアッ!ジリジリジリ…(発火・炎上する槍)
「ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!(クリストフ)」
ボボッ!ボッ!ボッ!(連投)
ジュ『ジュアッ!』ジュゥウッ!
クリストフが連投する『倒虫火葬』は、謎の蝶から発せられる熱波により炎上こそすれ、灰にはならず、速力が落ちて謎の蝶には届かなかった。
(くっ、何という熱量…莫大な魔力を消費しているハズなのに一向に出力が弱まる気配が無い…
一体あの蝶は何なのだ…(クリストフ))ジリジリ…
断続的な熱波に対して『倒虫火葬』を連投するクリストフだが、謎の蝶の無尽蔵と思える攻撃を前に徐々にジリ貧となってきていた。
と、そこに
「スロット:『永久氷柱』。(レドリック)」
『『『『『『『ジャラ…』』』』』』』(蝶の全方位に配置される『永久氷柱』)
『『『『『『『ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!』』』』』』』(全方位から撃ち込まれる『永久氷柱』)
『『『『ジュァアアアアアアアッ!』』』』(消失する熱波&立ち込める水蒸気)
「む!今の攻撃は…!(クリストフ)」
突如謎の蝶の全方位に図太い氷柱が大量出現。
その氷柱は強烈な熱波であっても瞬時に溶ける事は無く、その後に全方位から叩き込まれる。
大量の氷柱によって冷却、物量によって隙を、水蒸気によって視界を封じ込めた事で僅かに熱波が消失するのであった。
その作られた隙を見逃しはしなかった。
『『ズ…』』(水蒸気の中から出現)
「イィイヤァアッ!(アミスティア)」
ゴッ!ギィイイイイイインッ!(金属質の音)
(え!?何この硬さ…虫のモノとは違…
え?何、あの身体…あれはまるで…(アミスティア))
『『『ゴォッ!』』』(アミスティアへ向けた熱波)
『『『『ジュァアアアアアアアッ!』』』』(空振り、地面を焼く熱波)
謎の蝶を真っ二つに斬り裂く勢いで放ったアミスティアの一閃は、少しの傷も付ける事無く終わり、代わりに反撃を受ける事となった。
だがその時にはアミスティアの姿は無く、既に退散していた。
これでは振り出しに戻ってしまう所ではあるが
「チャージ:『槍』、スロット:『槍』。
【貫(ツラヌキ)】発動、どんだけ硬かろうが防御無視じゃどうしようも無いだろ?(レドリック)」
『『『『ズドドドドドドッ!』』』』(幾本も撃ち込まれる槍(『倒虫火葬』))
アミスティアによって作られた隙を見逃さなかったレドリックは、反対側に回りつつクリストフが連投した『倒虫火葬』を回収、即連続発射。
ただそれだけだとアミスティアの一撃を防いだ硬質な体表に阻まれてしまう為、【神出弓士】の固有スキル【貫(ツラヌキ)】による防御力無視の連撃を放ち、突き立てるのであった。
キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!(謎の蝶の悲鳴)
「おおっ!お見事ですぞレドリック殿!(クリストフ)」
スタッ!
「…何とか上手く行ったわね。
それにしてもあの蝶一体何だったのかしら…(アミスティア)」
スタッ!
「ん?何かあったのか?
水蒸気が凄かったので蝶の反応を頼りに撃ち込んだのだが?(レドリック)」
アミスティアとレドリックの連携によりクリストフの攻撃は見事謎の蝶に突き刺さる事となった。
アアアアアアアアアッ!(謎の蝶の悲鳴)
『『『ボコボコボコッ!』』』(謎の蝶の身体が隆起)
謎の蝶の悲鳴が木霊す中、徐々に立ち込めていた水蒸気が晴れ、謎の蝶の姿が露となっていく。
淡く光輝いていた身体から光が失われ、地肌である鈍色の体色が現れる。
「さっき接近してみて気付いたんだけど、あの蝶ただの蝶じゃないわよ?(アミスティア)」
「そりゃあ幾つもの属性魔法を操る蝶なんて見た事無いからな。(レドリック)」
「そういう意味じゃないわよ。
あの蝶、体表に″鱗″を持っていたわ、それも″竜″の物。
アイツ、もしかしたら″竜種″に属するモンスターかも知れないわ。(アミスティア)」
「何ですと?(クリストフ)」
先程至近距離で斬り掛かったアミスティアは謎の蝶の異常性に気付いていた。
この世界には何万種類のモンスターが存在するが、その殆んどは他種との交配によって生み出されている。
とはいえ、有り得ない様な組み合わせ(竜×虫、虫×人等)の場合、交配以外の方法で他種の要素を取り入れる事となる為、その種は大抵″異常性″を秘めている事がある。
なので見た目が″蝶″であっても、″中身″までもが蝶であるかは調べてみないと分からないのである。
アアアアア″ア″ア″ア″ア″ッ″!
『『『ボコボコボコッ!』』』(身体が隆起)
『『メキメキメキッ!』』(虫の様な脚→竜種の足に)
『『『ズヂュルッ!』』』(虫の胴体→竜鱗の生えた長い胴体に)
『『バギンッ!』』(顎→鋭い牙の生えた顎に)
『『ズロンッ!』』『『ビョルルンッ!』』(腹部の産卵管→産卵管はそのままに長大化&鉤爪出現)
「むっ!?あり得ない!まさかそんな…!(クリストフ)」
「どうしたんだクリストフ殿?(レドリック)」
「奴の形状が変わる度に体内から『倒虫火葬』の存在が消え失せている!
奴は、『倒虫火葬』を″吸収″し自身の糧としている!(クリストフ)」
虫系モンスターに対して絶大な効果を与える『倒虫火葬』だが、効果が然程無い所か″吸収″して取り込み始めたという。
「なら急いで奴にトドメを刺さないとね。
行くわよレド!クリスト
『『『ドッ!』』』(謎の蝶の直下から閃光)
『『『『『バジュゥウウウウウッ!』』』』』(高出力プラズマレーザー)
謎の蝶に起こった変化を止める為トドメを刺そうとする一行の前にプラズマレーザーの柱が聳え立った。
勿論これはグリードによるものだが、この攻撃によって取り返しの付かない事態に発展するのであった。
92
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
無能と追放された俺、死にかけて覚醒した古代秘術を極めて最強になる
仲山悠仁
ファンタジー
魔力がすべての世界で、“無能”と烙印を押された少年アレックスは、
成人儀式の日に家族と村から追放されてしまう。
守る者も帰る場所もなく、魔物が徘徊する森へ一人放り出された彼は、
そこで――同じように孤独を抱えた少女と出会う。
フレア。
彼女もまた、居場所を失い、ひとりで生きてきた者だった。
二人の出会いは偶然か、それとも運命か。
無能と呼ばれた少年が秘めていた“本当の力”、
そして世界を蝕む“黒い霧”の謎が、静かに動き始める。
孤独だった二人が、共に歩き出す始まりの物語。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
暁刀魚
ファンタジー
社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。
食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。
そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」
コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。
かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。
もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。
なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。
カクヨム様にも投稿しています。
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる