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22 婚姻石
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「…クースリューから、何か聞かされたんですか?…1000回の話?それとも私を殺せば…の話ですか?」
スーリの声は、低く、怒っていた。
シャルリンテは、ハッと冷静になった。
クースリューに釘を刺されていたのに…。
サシュナに売り飛ばす魂胆だと見抜いている事を、悟られるな…と。
嫌な緊張感が、シャルリンテの心を一瞬にして支配する。
緩かった涙腺は、きゅっと閉まった…。
こんな風にずっと喧嘩腰で話をしていたら、すぐに気づかれてしまうかもしれない…。
「あなたに教えなかったのは、魔力を取り戻そうと、躍起になって私に1000回抱かれようとするかも…と危惧したから…」
スーリはそう言うとシャルリンテに背を向けたまま腕を組み、ため息をついて路地の壁に寄りかかった。
「もし、あなたに好きな方ができたら、地獄絵図と化すでしょう…。知らない方が幸せな事もある…。もう一つの方法は…」
「聞いた。あなた、私を愛していないから、殺しても魔力は戻らないんでしょう?」
「──そうです」
シャルリンテはスーリに謝る事にした…。
「スーリ…。あの、朝から、あなたに当たってしまって…。ごめんなさい。お腹が空いてイライラしてたの…。何か食べ物を買ってきてくれないかしら?私、疲れてしまったし、そこのベンチで待っているから…」
そう言うと、広場にあるベンチを指し示した。
スーリは寄りかかっていた壁から体を離すと、シャルリンテの方に向き直り、指の先のベンチを見た。
「……ベンチから動かないと、約束できますか?」
「ええ…約束する」
スーリはくすっと笑った。
「…すみません。信用できないな。あなたは、何か見つけると、すぐにチョロチョロといなくなるから…。こんな所で王女だとバレたら大変です…」
そう言うと、魔術で虹色に光る小さな玉を、二つ出した。
それは今朝、クースリューと揉めていた時に見た、婚姻石と呼ばれていたものだった。
そして一つの玉を、シャルリンテの額に押し当てた。
「──?」
疑問の表情を浮かべるシャルリンテの額に、スーリは有無を言わさずグイッと押し込んだ…。
「あっ…?!あああっ…!!」
玉が額の中に入ると同時に、激痛がシャルリンテの体を貫き、おもわず悲鳴に近い叫び声を上げた。
路地裏とはいえ、大通りでは人が行き交っている。
スーリは、シャルリンテの口を手で塞ぎ、声をかき消した。
そして、スーリは自分の額にも、もう一つの玉を強く押し込み、中に入れる…。
シャルリンテは激痛に支配されていたが、しばらくすると、額の激痛がスッと消えたのが分かった。
違和感も痛みもなく、先ほどの激痛がまるで嘘だったかのように、平安が訪れる。
ほっとした、次の瞬間、シャルリンテの頭の中に、スーリの言葉が響いてきた。
《手荒なまねをして…すみません。これはシーセントの王族の風習で…婚約期間中だけ、お互いの額に婚姻石を入れ、連絡を取り合い絆を深めるものなんです…》
スーリはシャルリンテをじっと見ながら、頭の中で言葉を続けた。
《何かあれば頭の中で私に話しかけて…。私があなたに話しかけた時も必ず応えてくださいね。では、返事をしてみてください》
鋭い瞳で見つめられ、シャルリンテは思わず言われた通りに返事をしてみる。
《…スーリ?》
そう頭の中でスーリに返すと、スーリは笑って頷いた。
「では、あなたのお好きなもの…何か見繕って参ります…」
スーリはそう言うと大通りの人混みの中へ消えて行った。
スーリの声は、低く、怒っていた。
シャルリンテは、ハッと冷静になった。
クースリューに釘を刺されていたのに…。
サシュナに売り飛ばす魂胆だと見抜いている事を、悟られるな…と。
嫌な緊張感が、シャルリンテの心を一瞬にして支配する。
緩かった涙腺は、きゅっと閉まった…。
こんな風にずっと喧嘩腰で話をしていたら、すぐに気づかれてしまうかもしれない…。
「あなたに教えなかったのは、魔力を取り戻そうと、躍起になって私に1000回抱かれようとするかも…と危惧したから…」
スーリはそう言うとシャルリンテに背を向けたまま腕を組み、ため息をついて路地の壁に寄りかかった。
「もし、あなたに好きな方ができたら、地獄絵図と化すでしょう…。知らない方が幸せな事もある…。もう一つの方法は…」
「聞いた。あなた、私を愛していないから、殺しても魔力は戻らないんでしょう?」
「──そうです」
シャルリンテはスーリに謝る事にした…。
「スーリ…。あの、朝から、あなたに当たってしまって…。ごめんなさい。お腹が空いてイライラしてたの…。何か食べ物を買ってきてくれないかしら?私、疲れてしまったし、そこのベンチで待っているから…」
そう言うと、広場にあるベンチを指し示した。
スーリは寄りかかっていた壁から体を離すと、シャルリンテの方に向き直り、指の先のベンチを見た。
「……ベンチから動かないと、約束できますか?」
「ええ…約束する」
スーリはくすっと笑った。
「…すみません。信用できないな。あなたは、何か見つけると、すぐにチョロチョロといなくなるから…。こんな所で王女だとバレたら大変です…」
そう言うと、魔術で虹色に光る小さな玉を、二つ出した。
それは今朝、クースリューと揉めていた時に見た、婚姻石と呼ばれていたものだった。
そして一つの玉を、シャルリンテの額に押し当てた。
「──?」
疑問の表情を浮かべるシャルリンテの額に、スーリは有無を言わさずグイッと押し込んだ…。
「あっ…?!あああっ…!!」
玉が額の中に入ると同時に、激痛がシャルリンテの体を貫き、おもわず悲鳴に近い叫び声を上げた。
路地裏とはいえ、大通りでは人が行き交っている。
スーリは、シャルリンテの口を手で塞ぎ、声をかき消した。
そして、スーリは自分の額にも、もう一つの玉を強く押し込み、中に入れる…。
シャルリンテは激痛に支配されていたが、しばらくすると、額の激痛がスッと消えたのが分かった。
違和感も痛みもなく、先ほどの激痛がまるで嘘だったかのように、平安が訪れる。
ほっとした、次の瞬間、シャルリンテの頭の中に、スーリの言葉が響いてきた。
《手荒なまねをして…すみません。これはシーセントの王族の風習で…婚約期間中だけ、お互いの額に婚姻石を入れ、連絡を取り合い絆を深めるものなんです…》
スーリはシャルリンテをじっと見ながら、頭の中で言葉を続けた。
《何かあれば頭の中で私に話しかけて…。私があなたに話しかけた時も必ず応えてくださいね。では、返事をしてみてください》
鋭い瞳で見つめられ、シャルリンテは思わず言われた通りに返事をしてみる。
《…スーリ?》
そう頭の中でスーリに返すと、スーリは笑って頷いた。
「では、あなたのお好きなもの…何か見繕って参ります…」
スーリはそう言うと大通りの人混みの中へ消えて行った。
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