最強のアラサー魔導師はかつての弟子達に迫られる~ただ冒険者を始めようとしただけなのに弟子達がそれを許してくれない~

おやっつ

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第3章:始まるは学院対抗戦

第48話:合宿2日目②│可能性は自分で創り、実力は自分で上げるもの

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「ゴホッ、ゴホッ!」

ハルの魔力量を量るために、ハルに魔力を魔石に込めてもらった………そこまでは良かったものの、その後轟音が鳴り響き辺りは砂埃に包まれていた。

───サアァァァ
砂埃が風に吹かれ過ぎていき、うっすら1人の人影が見えた。サラ達は今、他の場所で鍛錬しているはずだからこの影はハルのものだ。

「大丈夫か、ハル?一体何が起こって………っ!?」

ハルの元へ駆け寄り、ハルの姿を確認して怪我をしたか見ていた………頭はぶつけていない、心臓や内蔵も外傷を見る限りしていないようだった。安堵して他の場所を見た瞬間、俺は息を飲んだ。

ハルの手のひらには、さっき渡したものであろう魔石が割れてその破片が突き刺さっていた。魔石には少し時間が経つとその魔石に込めた魔力の持ち主の元へ戻ってしまうという性質がある。

そして、魔石が体内に入ってしまうと、魔石が全身の魔力を吸収し始めて常人は3分で全部の魔力がなくなり、その後魔石に体を乗っ取られ終いには魔獣化してしまう可能性がある。

もしかしたら魔人に………それは何百年も報告は聞いていないから大丈夫だとは思うが、どちらにしても早くこの魔石の破片を抜かなくてはいけない。

「反射(リフレクト)、反射(リフレクト)!」

そうして俺は何度も何度も反射でハルの体内に入った不純物………魔石を体外に出していた。反射を15回、20回と何度も使った………そしてようやく、魔石を全て取り除くことに成功した。

「回復(ヒール)。」

後はハルの体調が戻るのを待つだけだ………頼むから何事もなく、元のハルのまま戻ってきてくれ………

「シューファ先生………どうしたんですか?」
「ハル………無事なのか!?」
「無事もなにも、私に少し魔石が刺さっただけですよ?」

なぜだ………?無事なのは良かったが、俺がハルを助けるまで少なくとも1分はかかってしまった。常人であれば魔力枯渇で倒れてもおかしくないはずだが、なぜかハルはケロッとした様子で当たり前かのように立っている。

「ハル、少し肩借りるぞ。」
「………?分かりました。」

………っ!!これは………。1番正確に量れるのは魔石だったが、ハルに触れて魔力を感じ取り、ハルの魔力量を調べた………その結果、俺を超えることはなかったが、サラの魔力量をも超えているほどだった。

自分を除いた中でこれまで出会ったどんな魔導師よりもハルは魔力が多かった。それに俺はフェンやアクア達との契約によって増えているため、もしかすると元の俺の持っていた魔力量を超えているかもしれない。

「ハルは自分の魔力を量ったことはあるか?」
「何度かやっていますが、どれも平均ちょっと上くらいでしたよ。」

あれで平均ちょっと上だと?つまり………恐らくその測定器はハルの魔力の多さによって1周回って平均まで戻ってきたのだろう。“俺の時と同じように”。

その可能性もあるから俺はできる限り魔石で量りたかったんだが、少し魔石が小さかったか。とはいえ俺の持っている杖に使われているような進化してしまった魔石にならずに破壊されたということは、少し魔力操作が失敗したか、それとも魔力の量が若干足りなかったか。

「ハル………お前はもしかしたら、聖級魔導師にすらなれるかもしれない。」
「私が、ですか?」

「あぁ、現に魔力量だけでいえばサラすらも上回っている。だがサラは魔力操作、戦略、弱点を探す能力に関しても全魔導士トップレベルだ。そこまで到達するには地獄すら生ぬるいような努力が待っているが、それを超えることができればハルもサラと渡り合えるかもしれない。」

実際に、俺がサラに教え始めたのは小さな子供の時だったとはとはいえ、その魔力量をハルは超えている。ここからが大変なのだが、後はサラと同等の努力を重ね自分の弱点を自分で見つけて補うことができればいいのだが、そこまでは俺は教えられない。それは自分で気づいて初めて補うことができるからだ。

「ハル、3週間しか教えることが出来ないが、俺はその間に教えられることは教える。ハルも自信を持って、努力すればセシリアすらも倒せるぐらいに強くなることが出来る。」

始めは3週間すら長いと感じていたが、今になってはとても短く感じてしまう。

「私、シューファ先生に恥をかかせないように、学院対抗戦までも、そのあとも、全力で努力します!」

そのハルの力強い返事とともに、俺の決意は確固たるものとなっていた。そして、

“学院対抗戦でハルがどれだけ活躍するかは、今はまだ誰も知ることのできないことだ。”



・・・・・・・・・あとがき・・・・・・・・・
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