富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

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双子と皇紀の修学旅行 X

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 修学旅行の3日目は、普通に観光地巡りだった。
 旧い教会や遺跡などを巡って行く。

 妹たちは「人生研究会」の幹部たちの写真を撮りまくっていた。
 だから分かった。
 二人は「人生研究会」の幹部たちの思い出を作ってやりたかったのだ。
 
 まあ、この修学旅行自体が、そういうものだったに違いない。
 自分たちが楽しむものではなく、これからの「業」との戦いに巻き込んでしまった仲間たちへの思いだったのだ。

 「馬込! 一緒に撮ってやろうか!」
 「え、いいよ!」
 「遠慮すんな!」

 ルーとハーが笑って馬込君の手を引き、僕にカメラを預けた。
 馬込君は最初は怒った顔をしていたが、すぐに嬉しそうな顔になる。
 
 「皇紀さんとも是非!」
 
 僕も笑って一緒に撮る。
 「人生研究会」の幹部たちのみんなも楽しそうに観光をしていった。

 昼食は「Mireio at Raffles Makati」で豪華なフレンチだった。
 明るい店内で、普段は中学生であるみんなはほとんど入ったことがないだろう。
 もちろん事前に注文はしてあって、ボリュームもスゴイ。
 魚介類の料理が多かったが、ムール貝が一杯入ったバケツのような鍋は最高に美味かった。
 最初は格式に緊張していたみんなも、料理の美味しさにどんどん食べるようになっていった。
 妹たちも、今日ばかりはみんなのテーブルを回って話し掛け、好きなものを注文するように言っていた。

 「ムール貝、美味しかったでしょ? もっと食べる?」
 「ありがとうございます!」

 みんな嬉しそうだった。

 午後は国立博物館に行き、妹たちが説明しながら回った。
 二人はタカさんの影響で美術品に詳しい。
 フィリピンはキリスト教が根付いていて、キリスト教芸術が多かった。
 流石に国立だけあって、見事な収蔵品だ。
 美術館は、知識の無い人間が行ってもつまらないことも多い。
 説明して案内してくれる人間がいると、非常に面白くなる。
 妹たちの説明に、みんな感動していた。

 国立博物館を出て、みんなでお茶にした。
 カフェで大きなドリンクを飲みながら、何種類かのスイーツをみんなで楽しんだ。
 夕方までみんなで遊び、港で夕陽を眺めてからホテルへ戻った。

 みんなが妹たちにお礼を言っていた。

 夕飯は着席ビュッフェで、「人生研究会」の幹部たちによる寸劇や、妹たちのマイクロビキニ・ショーなどがあり、盛り上がった。
 僕も促されて歌を歌った。
 僕も楽しんで観ていると、先生方が僕のテーブルに来た。

 「石神君、妹さんたちのお陰で、本当に楽しかったよ」
 「そうですね。先生方はどちらの方へ?」

 みんな観光地やゴルフやショッピングを楽しんだようだ。

 「観光ガイドさんたちに、本当にお世話になったよ。何組かトラブルがあったようだけど、ガイドさんが撃退してくれてね」
 「アハハハハハ!」
 
 デュールゲリエだ。
 観光ガイドに扮して、みんなを護ってくれていた。
 普通の人間には、アンドロイドだとは分からないだろう。

 「みんな、思い出になってくれましたかね?」
 「そりゃもう! 本当に楽しい旅行だった」
 「修学旅行ですよ」
 「ああ、そうだったな!」

 みんな楽しそうにショーを見て笑い、食事を堪能していた。





 夕飯が終わり、午後8時。

 「皇紀ちゃん! 飲みに行くよ!」
 「え! また?」
 「そうだよ。今日で最後なんだからね!」
 「夕べは行けなかったじゃん!」
 
 僕は笑って一緒に外に出た。
 また僕が女装で、妹たちはポンパドールだ。
 まあ、みんなのために働いた妹たちだ。
 僕が楽しませてやろう。

 最初はショットバーに行って軽く飲んだ。
 ダーツが置いてあって、妹たちが見つけて遊んだ。
 ルールは知らないが、二人は面白がって投げていく。
 全部中心の円に集中する。

 飲んでいた人間たちが気付いて、みんなが騒ぎ出した。

 「おい、見ろ! 全部ダブルプルだぞ!」

 中心の円をダブルプルと言うらしい。
 何度投げても、全部ダブルプル。
 みんなが大騒ぎする。
 みんなに褒められた妹たちが喜んで後ろ向きに投げたり、空中で一回転して投げたりした。
 全部ダブルプル。

 大きな歓声が沸いた。

 「おい、やり過ぎだぞ」
 「「ワハハハハハハ!」」

 みんなが寄って来てお酒を奢ってくれたり、料理を持って来る。
 二人は喜んで飲み食いしていた。
 テキーラが運ばれ、目の前で男の人が飲み干して「ダン!」とグラスを置いた。
 妹たちが「カッコイイ」と言うと、みんなが喜んでテキーラを持って来て置いて行く。

 ダンッ!

 どんどん飲んだ。

 ハーが指の間に3本を挟み、一辺に投擲した。
 ダブルプル。

 大歓声が沸いた。
 僕が手を引いて店を出た。

 「楽しかったね!」
 「みんな喜んでたね!」

 二人は御機嫌だ。
 結構飲んだはずだ。
 少し落ち着いて飲める店に行こう。
 深夜までやっている中華料理屋へ行った。

 「すいません、今ちょっと混んでまして。カウンターでお待ちいただけますか?」
 「「いいよー!」」

 カウンターに案内された。
 僕がちょっとお腹が空いたと言い、消化の良さそうな料理とウーロン茶を頼んだ。
 妹たちにもウーロン茶を飲ませる。
 二人とも、目がちょっと虚ろだ。
 酔いを醒まさないと。

 「すいません、お隣失礼しますね」

 後から来た女性客に声を掛けられた。

 「ええ、どうぞ」

 「!」
 「「「!」」」

 フローレスさんだった。

 「あなたたち!」
 「「「フローレスさん!」」」
 「どうしてここに!」
 「いや、フローレスさんこそ」

 どうにも困った。
 まさかまたフローレスさんに会うとは。
 フローレスさんも、結構酔っていた。
 この人、毎晩一人で飲み歩いているのだろうか。

 僕は店を出ようと思ったが、妹たちの酔いが回っている。
 しばらくここで酔いを醒まさないと動けそうもない。
 
 「じゃあ、再会を祝してぇー!」
 
 フローレスさんは頼んだ老酒で僕たちに乾杯を迫った。
 ノリのいい石神家の人間としては、断れない。

 「「「「かんぱーい!」」」」

 頼んだ料理が来て、妹たちに食べさせた。
 なるべくウーロン茶も飲ませる。

 「あれ? お酒じゃないの?」
 「ええ、さっきちょっと飲みすぎまして」
 「なによぉー! 一緒に飲みましょうよぉー!」
 
 フローレスさんが盃を頼み、僕たちに老酒を注いで渡して来た。

 「「わーい!」」
 「おい!」

 妹たちが喜んで飲んだ。

 「あー、でもあなたたちって、ほんとうに皇紀さんに似てるのよねー」
 「そ、そうなんですか」
 「やさしいひとだったのぉー」
 「そうなんですね」

 延々とフローレスさんの愚痴が始まった。

 「なんですてられちゃったかなぁー」
 「縁が無かったんですよ」
 「なんでよぉ! あんなにさんざんヤったのにぃ!」
 「!」

 妹たちが僕を睨んでいる。

 「やるだけやってさ。さっさとにほんにかえっちゃったぁ」
 「い、いや、そうなんですね」
 「あのね、ものすごくソフトでうまいの。わたしのね、あそこをやさしーくトントンしてね」
 「あの、そういうお話は!」

 妹たちがスゴイ顔で睨んでいる。

 「アレもやさしかったなぁー。ほんとに。あんなセックスはほかにしらないよー」
 「そ、そうなんですか」

 「いつもね、ゴムをつけるの。だからわたしがいっかいだけなまでやりましょうっていったのね?」
 
 妹たちが僕の脇をつねった。

 「こうきさんがねー、いっぱいなかに……」

 「おい、出るぞ」
 「覚悟しろ」
 「!」

 



 店から出て、妹たちにボコボコにされた。
 酔っているので、加減が無かった。
 暴れたせいで二人が吐いた。
 ベトベトになった。
 
 今日は平和に終わると思ったのに……
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