2,250 / 3,215
久し振りの御堂家 Ⅵ
しおりを挟む
大学四年生の初夏。
僕は、花岡さん、紺野さんの3人で居酒屋にいた。
石神は英文学の高橋教授の飲み会に顔を出してから来ることになっていた。
「高橋教授って、高虎のことが大好きだよねー」
紺野さんが言った。
ちょっと怒っている。
「そうだね。教養学部が終わる頃から、相当しつこく誘われたそうだよ」
「うん、聞いてる。医学部なんかやめて、こっちに来なさいってね」
「試験もいらないって言われたそうだ。学長とかに、相当根回ししたようだよ」
三人で笑った。
「でも、医学部でも高虎を欲しかったんでしょ?」
「まあね。優秀だし立派な人間だからね」
「立派かなー」
「ほら、木村君の彼女を助けたじゃない」
「あー!」
「あの時、医学部の教授たちの間で随分と話題になったらしいよ。一学生が自分の経歴を捨ててまで学部外の人間を助けようとしたって」
「うんうん!」
紺野さんが嬉しそうに笑う。
普段は石神を否定するような発言も多いが、本当は誰よりも石神を好きで尊敬している。
だから誰かが石神のことを褒めると、途端に嬉しそうな顔になるのだ。
「石神のことは、みんなが好きになるよ」
「そうかな!」
紺野さんがニコニコして生ビールを飲み始めた。
あまりお酒の強い人ではないので、最後までソフトドリンクということもある。
今日は上機嫌でビールを飲んでいた。
紺野さんにしては、少し飲みすぎだったかもしれない。
「ねえ、栞も高虎のことが好きでしょう?」
「え、何言ってんの」
「私分かるもん。時々高虎のことをジッと見てるし。高虎が喧嘩してるって聞くと、走って見に行くよね?」
「それは石神君の喧嘩が素敵だから」
「ふーん」
僕は話題を変えようかと思ったが、紺野さんが続けて言った。
「私、栞だったら別にいいけどな」
「え?」
「あ、今はダメだよ!」
「何よ!」
「私がいるうちはダメ。でも、もしもいなくなったら、高虎をお願いね?」
「奈津江、何言ってんの!」
「じゃー、そういうことで!」
紺野さんがビールのジョッキを前に押して、そのままテーブルに突っ伏して寝てしまった。
やはり飲みすぎだったのだ。
「もう、奈津江ったら! 酔ってたのね」
「寝ちゃったね」
花岡さんがタオルを出して、紺野さんの顔の下に敷いてあげた。
丁度石神が店に入って来た。
目立つ男なので、すぐに分かる。
店の人間や客たちがざわめくからだ。
僕が手を振って合図した。
石神はすぐに見つけてくる。
「ありゃ、なんだ、奈津江は潰れてんのか?」
「つい、さっきまで起きてたよ。今急にね」
「なんだよ。じゃあ、少し寝かせてから送って行くな」
「うん」
「花岡さん、奈津江、どんだけ飲んだ?」
「そのジョッキだけだよ」
まだ半分以上残っている。
中生ジョッキだった。
「奈津江にしては呑んだなぁ。まあ、しょうがない。何か気分が良かったのかな?」
「そうだね」
花岡さんと一緒に笑った。
石神はテーブルを離れて、店員に注文を入れに行った。
「御堂君、今の話は石神君にはしないでね」
「ああ、分かってるよ」
「奈津江はただ酔っぱらっただけだから」
「うん、そうだね」
石神から、また高橋教授に誘われたという話を聞いた。
「今日はさ、お弟子さんたちが勢ぞろいしてて、みんなで俺を説得すんだよ! まいったぜぇ」
「大変だね」
「ああ。俺は医者になるんだって言っても全然聞いてくれねぇ。だから「10億円くれたら考える」って言ったんだよ」
「アハハハハハ!」
「そしたらさ。みんなで相談始めちゃって。どこの誰に頼めばこのくらいは集まるとか。なんか実現しそうになったんで慌てたよ!」
花岡さんと一緒に笑った。
「前にも話したんだけどさ。お袋との約束なんだって話をもう一度して。そうしたらみんな黙り込んじゃってさ」
「そうなのかい?」
「俺もはっきり言わなかったけどさ。なんか、「死んだお袋との約束」みたいにみんな思っちゃって! まあ、面倒だからそのままにしてきた」
花岡さんと爆笑した。
その騒ぎで、紺野さんが目を覚ました。
「おう、起きたか!」
「タカトラ!」
「ちょっとトイレに行って来いよ。戻ったら送って行くから」
「うん」
花岡さんが一緒に行ってくれた。
「俺が来る前に何かあったか?」
「いや、別に。普通に話していたよ」
「そうか」
石神は何かを感じていたようだが、僕がそういうと安心していた。
花岡さんが紺野さんを連れて戻って来た。
紺野さんの後ろで首を横に振っている。
トイレで戻したということなのだろう。
「奈津江、送って行くけど帰れるか?」
「うん」
少し顔色が青い。
「少し休んでからにするか」
「うん」
「じゃあ、座って寝てろよ」
「うん」
酔いが回ったようだが、紺野さんは微笑んで言った。
「栞、まだダメだからね」
「わ、分かってるよ!」
さっきの話を蒸し返したようだ。
紺野さんはすぐにまた眠った。
「もう!」
「花岡さん、何の話?」
「な、なんでもないよ。でも、いつか譲ってもらうかも」
「何を?」
「!」
「ん?」
「し、知らない!」
30分ほどすると、奈津江さんが起きた。
石神が水を飲ませてから送って行った。
僕と花岡さんも帰った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
御堂の話が終わった。
俺がまったく知らなかった話だ。
「石神と花岡さんは、仲良くなって結ばれたしね。今更、僕が話すようなことじゃないんだけど」
「いや、聞けて良かったよ」
栞は絶対に話さないだろう。
自分が奈津江から託されたなどとは思いたくもない。
栞は奈津江に生きていて欲しかったのだ。
自分の恋が実らなくても構わない。
親友の奈津江を喪いたくなかった。
「よく最近思うことなんだけどな」
「なんだ、石神」
「奈津江と栞はどうして親友になったのかってことなんだ」
「どういうことだい?」
みんなが不思議そうな顔をしている。
考えてみたことも無かったのだろう。
「奈津江はずっと親しい友達を作らなかったんだ」
「あ、私も不思議に思ってました!」
「嘘つけ!」
亜紀ちゃんが俺の頭に噛り付いて「オロチ呑み」だと言った。
俺も「オロチ呑み返し」と言って亜紀ちゃんの頭に噛り付いた。
「イタイイタイイタイ!」
オロチがでかい頭を動かしたので、二人で「辞めろ!」と言った。
亜紀ちゃんの頭を引っぱたいた。
「自分もやったくせに」と文句を言った。
「多分、顕さんを思っていたんだ」
「顕さん?」
「顕さんは、奈津江のために恋人と別れ、ずっと友達とも付き合わずにいた。まあ、奈津江が成長してからは、多少会社の方々と食事や飲みにいくこともあったようだけどな」
「そうだったか」
「そういう顕さんを見ていて、自分が友達と楽しく、なんて思えなかったんだろうよ」
「そうか……」
俺は栞から聞いた話をした。
「大学で同じ講義に出て一緒になったらしいけどな。講義が終わったら、奈津江が栞に話しかけたそうだ。「あまりにも綺麗は人なので友達になりたい」って。栞もまあ、特殊な家だったからな。上京して奈津江からそんなことを言われて嬉しかったようだよ」
「そういう出会いだったんだね」
「ああ。生まれも全然違うし、性格も違う。片や引きこもりのような生活だったし、もう一方は恐ろしい暗殺拳の家系だ」
「アハハハハハ!」
みんなが笑った。
「もちろん、奈津江も大学生になって、デビューじゃないけど、いろいろと自分を変えたいとも思っていたんだろうよ。特に顕さんに負担を掛けない人間になりたいってな。だから友達も恋人も欲しかった。それを手に入れた」
「うん、そうだね」
「まあ、俺と栞と御堂と、あとはちょっとだけな。奈津江にしては頑張ったんじゃないのか?」
みんながまた笑った。
「それで充分だったんだよ。石神と栞さんがいればな」
「そうだな。栞のことは本当に大事にして信頼していた。でも、まるで自分の運命を知っていたかのような話だったな」
「うん、僕もそう思うよ」
正巳さんが言った。
「長く生きているとな。そういう不思議な出会いがあるよ。わしも何人もそういう人間を知っている」
「そうですか」
「わしの兄貴もそうだった。わしにいつも、御堂家を護れと言っておった」
「正克伯父さんが?」
「ああ。自分が後継ぎだったのにな。何度もわしにそう言っていたよ。そして突然逝ってしまった」
「そうだったのか」
人間に運命が分かるのかどうかは知らない。
しかし、そうだったと思える人間の話は多い。
ニジンスキーたちがまた身体を上って来て、ヘビだらけになった。
「おい、俺は今ちょっとカッチョイイポーズを決めてるんだ」
みんなが大笑いした。
「ニジンスキー!」
俺の頭でとぐろを巻いているのが身体を動かした。
「お前、そこでウンコになってんじゃねぇ!」
みんなが爆笑した。
オロチも楽しそうに舌を出し入れした。
「タカさん、ギター弾いて下さいよ!」
「おう!」
ニジンスキーたちが自然に離れた。
覚えたのだろうか。
俺の足元に集まって、俺のギターを聴いていた。
暗く広い大地に、ギターの音が拡がって行った。
僕は、花岡さん、紺野さんの3人で居酒屋にいた。
石神は英文学の高橋教授の飲み会に顔を出してから来ることになっていた。
「高橋教授って、高虎のことが大好きだよねー」
紺野さんが言った。
ちょっと怒っている。
「そうだね。教養学部が終わる頃から、相当しつこく誘われたそうだよ」
「うん、聞いてる。医学部なんかやめて、こっちに来なさいってね」
「試験もいらないって言われたそうだ。学長とかに、相当根回ししたようだよ」
三人で笑った。
「でも、医学部でも高虎を欲しかったんでしょ?」
「まあね。優秀だし立派な人間だからね」
「立派かなー」
「ほら、木村君の彼女を助けたじゃない」
「あー!」
「あの時、医学部の教授たちの間で随分と話題になったらしいよ。一学生が自分の経歴を捨ててまで学部外の人間を助けようとしたって」
「うんうん!」
紺野さんが嬉しそうに笑う。
普段は石神を否定するような発言も多いが、本当は誰よりも石神を好きで尊敬している。
だから誰かが石神のことを褒めると、途端に嬉しそうな顔になるのだ。
「石神のことは、みんなが好きになるよ」
「そうかな!」
紺野さんがニコニコして生ビールを飲み始めた。
あまりお酒の強い人ではないので、最後までソフトドリンクということもある。
今日は上機嫌でビールを飲んでいた。
紺野さんにしては、少し飲みすぎだったかもしれない。
「ねえ、栞も高虎のことが好きでしょう?」
「え、何言ってんの」
「私分かるもん。時々高虎のことをジッと見てるし。高虎が喧嘩してるって聞くと、走って見に行くよね?」
「それは石神君の喧嘩が素敵だから」
「ふーん」
僕は話題を変えようかと思ったが、紺野さんが続けて言った。
「私、栞だったら別にいいけどな」
「え?」
「あ、今はダメだよ!」
「何よ!」
「私がいるうちはダメ。でも、もしもいなくなったら、高虎をお願いね?」
「奈津江、何言ってんの!」
「じゃー、そういうことで!」
紺野さんがビールのジョッキを前に押して、そのままテーブルに突っ伏して寝てしまった。
やはり飲みすぎだったのだ。
「もう、奈津江ったら! 酔ってたのね」
「寝ちゃったね」
花岡さんがタオルを出して、紺野さんの顔の下に敷いてあげた。
丁度石神が店に入って来た。
目立つ男なので、すぐに分かる。
店の人間や客たちがざわめくからだ。
僕が手を振って合図した。
石神はすぐに見つけてくる。
「ありゃ、なんだ、奈津江は潰れてんのか?」
「つい、さっきまで起きてたよ。今急にね」
「なんだよ。じゃあ、少し寝かせてから送って行くな」
「うん」
「花岡さん、奈津江、どんだけ飲んだ?」
「そのジョッキだけだよ」
まだ半分以上残っている。
中生ジョッキだった。
「奈津江にしては呑んだなぁ。まあ、しょうがない。何か気分が良かったのかな?」
「そうだね」
花岡さんと一緒に笑った。
石神はテーブルを離れて、店員に注文を入れに行った。
「御堂君、今の話は石神君にはしないでね」
「ああ、分かってるよ」
「奈津江はただ酔っぱらっただけだから」
「うん、そうだね」
石神から、また高橋教授に誘われたという話を聞いた。
「今日はさ、お弟子さんたちが勢ぞろいしてて、みんなで俺を説得すんだよ! まいったぜぇ」
「大変だね」
「ああ。俺は医者になるんだって言っても全然聞いてくれねぇ。だから「10億円くれたら考える」って言ったんだよ」
「アハハハハハ!」
「そしたらさ。みんなで相談始めちゃって。どこの誰に頼めばこのくらいは集まるとか。なんか実現しそうになったんで慌てたよ!」
花岡さんと一緒に笑った。
「前にも話したんだけどさ。お袋との約束なんだって話をもう一度して。そうしたらみんな黙り込んじゃってさ」
「そうなのかい?」
「俺もはっきり言わなかったけどさ。なんか、「死んだお袋との約束」みたいにみんな思っちゃって! まあ、面倒だからそのままにしてきた」
花岡さんと爆笑した。
その騒ぎで、紺野さんが目を覚ました。
「おう、起きたか!」
「タカトラ!」
「ちょっとトイレに行って来いよ。戻ったら送って行くから」
「うん」
花岡さんが一緒に行ってくれた。
「俺が来る前に何かあったか?」
「いや、別に。普通に話していたよ」
「そうか」
石神は何かを感じていたようだが、僕がそういうと安心していた。
花岡さんが紺野さんを連れて戻って来た。
紺野さんの後ろで首を横に振っている。
トイレで戻したということなのだろう。
「奈津江、送って行くけど帰れるか?」
「うん」
少し顔色が青い。
「少し休んでからにするか」
「うん」
「じゃあ、座って寝てろよ」
「うん」
酔いが回ったようだが、紺野さんは微笑んで言った。
「栞、まだダメだからね」
「わ、分かってるよ!」
さっきの話を蒸し返したようだ。
紺野さんはすぐにまた眠った。
「もう!」
「花岡さん、何の話?」
「な、なんでもないよ。でも、いつか譲ってもらうかも」
「何を?」
「!」
「ん?」
「し、知らない!」
30分ほどすると、奈津江さんが起きた。
石神が水を飲ませてから送って行った。
僕と花岡さんも帰った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
御堂の話が終わった。
俺がまったく知らなかった話だ。
「石神と花岡さんは、仲良くなって結ばれたしね。今更、僕が話すようなことじゃないんだけど」
「いや、聞けて良かったよ」
栞は絶対に話さないだろう。
自分が奈津江から託されたなどとは思いたくもない。
栞は奈津江に生きていて欲しかったのだ。
自分の恋が実らなくても構わない。
親友の奈津江を喪いたくなかった。
「よく最近思うことなんだけどな」
「なんだ、石神」
「奈津江と栞はどうして親友になったのかってことなんだ」
「どういうことだい?」
みんなが不思議そうな顔をしている。
考えてみたことも無かったのだろう。
「奈津江はずっと親しい友達を作らなかったんだ」
「あ、私も不思議に思ってました!」
「嘘つけ!」
亜紀ちゃんが俺の頭に噛り付いて「オロチ呑み」だと言った。
俺も「オロチ呑み返し」と言って亜紀ちゃんの頭に噛り付いた。
「イタイイタイイタイ!」
オロチがでかい頭を動かしたので、二人で「辞めろ!」と言った。
亜紀ちゃんの頭を引っぱたいた。
「自分もやったくせに」と文句を言った。
「多分、顕さんを思っていたんだ」
「顕さん?」
「顕さんは、奈津江のために恋人と別れ、ずっと友達とも付き合わずにいた。まあ、奈津江が成長してからは、多少会社の方々と食事や飲みにいくこともあったようだけどな」
「そうだったか」
「そういう顕さんを見ていて、自分が友達と楽しく、なんて思えなかったんだろうよ」
「そうか……」
俺は栞から聞いた話をした。
「大学で同じ講義に出て一緒になったらしいけどな。講義が終わったら、奈津江が栞に話しかけたそうだ。「あまりにも綺麗は人なので友達になりたい」って。栞もまあ、特殊な家だったからな。上京して奈津江からそんなことを言われて嬉しかったようだよ」
「そういう出会いだったんだね」
「ああ。生まれも全然違うし、性格も違う。片や引きこもりのような生活だったし、もう一方は恐ろしい暗殺拳の家系だ」
「アハハハハハ!」
みんなが笑った。
「もちろん、奈津江も大学生になって、デビューじゃないけど、いろいろと自分を変えたいとも思っていたんだろうよ。特に顕さんに負担を掛けない人間になりたいってな。だから友達も恋人も欲しかった。それを手に入れた」
「うん、そうだね」
「まあ、俺と栞と御堂と、あとはちょっとだけな。奈津江にしては頑張ったんじゃないのか?」
みんながまた笑った。
「それで充分だったんだよ。石神と栞さんがいればな」
「そうだな。栞のことは本当に大事にして信頼していた。でも、まるで自分の運命を知っていたかのような話だったな」
「うん、僕もそう思うよ」
正巳さんが言った。
「長く生きているとな。そういう不思議な出会いがあるよ。わしも何人もそういう人間を知っている」
「そうですか」
「わしの兄貴もそうだった。わしにいつも、御堂家を護れと言っておった」
「正克伯父さんが?」
「ああ。自分が後継ぎだったのにな。何度もわしにそう言っていたよ。そして突然逝ってしまった」
「そうだったのか」
人間に運命が分かるのかどうかは知らない。
しかし、そうだったと思える人間の話は多い。
ニジンスキーたちがまた身体を上って来て、ヘビだらけになった。
「おい、俺は今ちょっとカッチョイイポーズを決めてるんだ」
みんなが大笑いした。
「ニジンスキー!」
俺の頭でとぐろを巻いているのが身体を動かした。
「お前、そこでウンコになってんじゃねぇ!」
みんなが爆笑した。
オロチも楽しそうに舌を出し入れした。
「タカさん、ギター弾いて下さいよ!」
「おう!」
ニジンスキーたちが自然に離れた。
覚えたのだろうか。
俺の足元に集まって、俺のギターを聴いていた。
暗く広い大地に、ギターの音が拡がって行った。
2
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
Lucia(ルシア)変容者たち
おまつり
恋愛
人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。
それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。
カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。
二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。
誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。
愛が深まるほど、境界は曖昧になる。
身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。
一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。
彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。
これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、
それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。
※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる