2,819 / 3,215
モスクワ侵攻作戦
しおりを挟む
11月の下旬。
俺はまたルイーサの城に行っていた。
定期的に月に一度は来ているのだが、毎回美味い料理が楽しみになってきている。
何しろ、あのルイーサが認める料理人なのだ。
仕方のないことではあるが、やはり人間とは圧倒的に違う。
人間よりも遙かに長命の故に、積み上げたものが断然高いのだ。
そのために俺が知っている料理であっても、唸る程の美味さになるし、また知らない料理も結構多い。
一つだけ難を言えば、出て来る料理の中で食材が不明なものが時々あるだけだ。
瞳が三つある目玉のようなものがスープに浮かんでいた時には、流石に驚いた。
しかし、ルイーサの前なので勇気を奮って口に入れると、得も言われぬほどの味わいがあった。
だから、それが何なのかは聞かなかった。
知りたくねぇー。
今日も晩餐が豪華で、美しいレジーナと一緒に味わった。
食事中のワインとは別に、食事の後で酒が振る舞われる。
今日は「Henri IV Dudognon Heritage Cognac Grande Champagne」という幻のコニャックだ。
えーと、1億6500万円……
まあ、双子に頼めば飲めないということもないが、別にそこまでして飲みたくもねぇ。
アラスカの「ほんとの虎の穴」にはディーヴァという数億円のウォッカも置いているが、俺の提供したレッドダイヤモンドとブルーダイヤモンドで蒸留したものだ。
飲むためではなく、レイとの思い出で購入した。
「純金のラベルに6500個のダイヤモンドが散りばめられている」
「へぇ」
「万能薬が入れられており、飲めば不老不死になるぞ」
「じゃあいらねえ」
ルイーサが大笑いした。
ルイーサは少し前から日本語で話してくれる。
ルイーサにとっては、言語の習得など何のこともないようだ。
「まあ飲め。こんなもので不老不死になるはずもない。珍しいものなので美獣に飲ませたかっただけだ」
「お前が出すものなら何でもいいけどな」
本当にとんでもないものを贈って来る奴だ。
フィリピンの顕さんはあの「ナゾ馬車」で訪問されただけで卒倒したそうだ。
俺の大事な兄貴なのだと紹介したせいなのだが。
その後で、確かとんでもない絵を頂いたと聞いている。
一つはレンブラントの真作で、もう一つ別な肖像画。
俺が知らない高貴な貴族を描いた人物画で、それを掛けた(ルイーサがその場で指示して壁に掛けた)だけで、家の中の波動が変わり以前にも増して健康になったと。
その上、なんでも相当な妖魔まで寄せ付けないと言われた。
まあ、とんでもなく良いものなのだろうが。
顕さんたちは時々、肖像が動くのでコワイとも言っていた。
「ところで美獣に頼みがある」
「何でも言えよ。俺が必ず叶える」
ルイーサが嬉しそうに微笑んだ。
およそ人間離れした美しさだが、笑顔は最高だ。
六花は人類最高と俺は思っているが、ルイーサは「存在」最高だ。
俺はどちらも好きで、優劣は無い。
もちろん、ルイーサの前では彼女が上だと言う。
それに、気位が超高いルイーサが「頼む」などと言うのは俺だけだ。
「「グレイプニル」の戦力も十分に高まった」
「そうか」
「グレイプニル」は石神家の剣聖を訓練教官に招き、徹底的に鍛え上げた。
豪虎さんが半年に亘って付ききりで教練し、ルイーサさえも驚くほどに仕上がった。
今では恐らく石神家本家に並ぶ戦闘力を持っている。
ノスフェラトゥは「血刀」の技が使え、そこに石神家の剣技が加わったためだ。
「魔方陣」は教えていないが、それを除けば石神家本家と並ぶ。
数は「グレイプニル」二万に対し、石神家一万五千(また増えたなー)。
「グレイプニル」は不死に近い再生力を持ち、石神家の剣聖は「魔方陣」を使う。
そういうことで、一師団規模の戦力としては「虎」の軍の双璧となった。
ちなみにアラスカのソルジャーは100万を超え、上級ソルジャーはそのうち20万、「魔方陣」を使える者は300名だ。
「グレイプニル」には「魔方陣」は無いが、その代わりにルイーサの「異界魔導」がある。
直訳をすれば「外道魔法」なのだが、俺が「異界魔導」と翻訳して名付けた。
どういうものかは俺もよくは理解していないが、存在の実存を破壊するという感じか。
見た目には何らかの攻撃に見えるのだが、物理的な実態は無い。
技の発動と同時に、相手の存在が破壊される。
ルイーサが中央アフリカの《ハイヴ》で見せた技なのだが、200名の「グレイプニル」の上級貴族(という位階)が使える。
そのうち100名の伯爵級以上になれば、あの時にルイーサの見せた規模に遜色無い威力だ。
もちろんの話だが、ルイーサは中央アフリカの《ハイヴ》では全力を出してはいなかった。
だからルイーサの実力がどれほどの規模なのかは俺も知らない。
「美獣、一度ロシアの首都を襲撃したい」
「なんだと?」
「モスクワに精鋭100名を送り、都市ごと破壊する」
「そりゃ無茶だろう」
無茶というのは、破壊のことではない。
俺たちは「業」と戦争をしているが、ロシアが敵なのではないのだ。
だから「業」に関わらないロシア人は出来るだけ救いたいとは思っており、殺す対象ではない。
一部のロシア軍のように、「業」に降った奴らや寝返った連中は別だ。
「そうでもない。既にモスクワは「業」の手に堕ちている。まともな人間はもうほとんどいない」
「本当か!」
その事実よりも、俺はその情報を掴んだ手腕に驚いた。
ロシア国内の情報は既に途絶えて久しい。
潜入していた各国の諜報員やそれに繋がる組織が壊滅したためだ。
半分ほどは何とか国外へ逃がしたのだが、多くの者が殺された。
新たに送り込むことも、もう不可能だった。
ロシア国内では徹底した諜報に対するカウンター措置が施され、新たに潜入したスパイはすべて殺され、拠点は潰された。
敵の中に心が読める奴がいる、それが俺たちの結論だ。
「ローテスラント」もロシアの中枢に枝を伸ばしていたが、全て遮断されていた。
「業」の手足である「ボルーチ・バロータ」によって、「業」に忠誠を誓わない政治家や官僚たちが粛清(恐らくは殺害)され、一切の情報が入って来なくなった。
最初は徐々にだったが、この1年の間に急速に進み、ロシア情勢は一切外に漏れなくなっている。
俺たちは偵察衛星でロシア全土を観測し、そのデータを超量子コンピューターで解析はしているが、内部情報の詳細は掴めないでいた。
妖魔やライカンスロープたち、そして《ハイヴ》の情報は捉えられるが、実際にロシア国内で何が起きているのかは分からない。
超量子コンピューターによって多少のことは解析している。
観測した妖魔やライカンスロープたちの配備や動きによって、ある程度の解析はしている。
多分、ロシアからの軍事行動を起こせば必ず俺たちが掴めるはずだ。
そうなのだが、情報としては完全に不足している。
だから「業」が送り込む「ゲート」は全く予測出来ないでいるのだ。
しかし、ルイーサたちは何らかの方法でロシアの実態の一部とはいえ、把握しているようだった。
俺も、モスクワが完全に陥落していようとは、夢にも思っていなかった。
まだ「業」の多大な影響を受けてはいても、国家として存続していると考えていた。
改めて、ルイーサたち「ノスフェラトゥ」の力を実感した。
俺はまたルイーサの城に行っていた。
定期的に月に一度は来ているのだが、毎回美味い料理が楽しみになってきている。
何しろ、あのルイーサが認める料理人なのだ。
仕方のないことではあるが、やはり人間とは圧倒的に違う。
人間よりも遙かに長命の故に、積み上げたものが断然高いのだ。
そのために俺が知っている料理であっても、唸る程の美味さになるし、また知らない料理も結構多い。
一つだけ難を言えば、出て来る料理の中で食材が不明なものが時々あるだけだ。
瞳が三つある目玉のようなものがスープに浮かんでいた時には、流石に驚いた。
しかし、ルイーサの前なので勇気を奮って口に入れると、得も言われぬほどの味わいがあった。
だから、それが何なのかは聞かなかった。
知りたくねぇー。
今日も晩餐が豪華で、美しいレジーナと一緒に味わった。
食事中のワインとは別に、食事の後で酒が振る舞われる。
今日は「Henri IV Dudognon Heritage Cognac Grande Champagne」という幻のコニャックだ。
えーと、1億6500万円……
まあ、双子に頼めば飲めないということもないが、別にそこまでして飲みたくもねぇ。
アラスカの「ほんとの虎の穴」にはディーヴァという数億円のウォッカも置いているが、俺の提供したレッドダイヤモンドとブルーダイヤモンドで蒸留したものだ。
飲むためではなく、レイとの思い出で購入した。
「純金のラベルに6500個のダイヤモンドが散りばめられている」
「へぇ」
「万能薬が入れられており、飲めば不老不死になるぞ」
「じゃあいらねえ」
ルイーサが大笑いした。
ルイーサは少し前から日本語で話してくれる。
ルイーサにとっては、言語の習得など何のこともないようだ。
「まあ飲め。こんなもので不老不死になるはずもない。珍しいものなので美獣に飲ませたかっただけだ」
「お前が出すものなら何でもいいけどな」
本当にとんでもないものを贈って来る奴だ。
フィリピンの顕さんはあの「ナゾ馬車」で訪問されただけで卒倒したそうだ。
俺の大事な兄貴なのだと紹介したせいなのだが。
その後で、確かとんでもない絵を頂いたと聞いている。
一つはレンブラントの真作で、もう一つ別な肖像画。
俺が知らない高貴な貴族を描いた人物画で、それを掛けた(ルイーサがその場で指示して壁に掛けた)だけで、家の中の波動が変わり以前にも増して健康になったと。
その上、なんでも相当な妖魔まで寄せ付けないと言われた。
まあ、とんでもなく良いものなのだろうが。
顕さんたちは時々、肖像が動くのでコワイとも言っていた。
「ところで美獣に頼みがある」
「何でも言えよ。俺が必ず叶える」
ルイーサが嬉しそうに微笑んだ。
およそ人間離れした美しさだが、笑顔は最高だ。
六花は人類最高と俺は思っているが、ルイーサは「存在」最高だ。
俺はどちらも好きで、優劣は無い。
もちろん、ルイーサの前では彼女が上だと言う。
それに、気位が超高いルイーサが「頼む」などと言うのは俺だけだ。
「「グレイプニル」の戦力も十分に高まった」
「そうか」
「グレイプニル」は石神家の剣聖を訓練教官に招き、徹底的に鍛え上げた。
豪虎さんが半年に亘って付ききりで教練し、ルイーサさえも驚くほどに仕上がった。
今では恐らく石神家本家に並ぶ戦闘力を持っている。
ノスフェラトゥは「血刀」の技が使え、そこに石神家の剣技が加わったためだ。
「魔方陣」は教えていないが、それを除けば石神家本家と並ぶ。
数は「グレイプニル」二万に対し、石神家一万五千(また増えたなー)。
「グレイプニル」は不死に近い再生力を持ち、石神家の剣聖は「魔方陣」を使う。
そういうことで、一師団規模の戦力としては「虎」の軍の双璧となった。
ちなみにアラスカのソルジャーは100万を超え、上級ソルジャーはそのうち20万、「魔方陣」を使える者は300名だ。
「グレイプニル」には「魔方陣」は無いが、その代わりにルイーサの「異界魔導」がある。
直訳をすれば「外道魔法」なのだが、俺が「異界魔導」と翻訳して名付けた。
どういうものかは俺もよくは理解していないが、存在の実存を破壊するという感じか。
見た目には何らかの攻撃に見えるのだが、物理的な実態は無い。
技の発動と同時に、相手の存在が破壊される。
ルイーサが中央アフリカの《ハイヴ》で見せた技なのだが、200名の「グレイプニル」の上級貴族(という位階)が使える。
そのうち100名の伯爵級以上になれば、あの時にルイーサの見せた規模に遜色無い威力だ。
もちろんの話だが、ルイーサは中央アフリカの《ハイヴ》では全力を出してはいなかった。
だからルイーサの実力がどれほどの規模なのかは俺も知らない。
「美獣、一度ロシアの首都を襲撃したい」
「なんだと?」
「モスクワに精鋭100名を送り、都市ごと破壊する」
「そりゃ無茶だろう」
無茶というのは、破壊のことではない。
俺たちは「業」と戦争をしているが、ロシアが敵なのではないのだ。
だから「業」に関わらないロシア人は出来るだけ救いたいとは思っており、殺す対象ではない。
一部のロシア軍のように、「業」に降った奴らや寝返った連中は別だ。
「そうでもない。既にモスクワは「業」の手に堕ちている。まともな人間はもうほとんどいない」
「本当か!」
その事実よりも、俺はその情報を掴んだ手腕に驚いた。
ロシア国内の情報は既に途絶えて久しい。
潜入していた各国の諜報員やそれに繋がる組織が壊滅したためだ。
半分ほどは何とか国外へ逃がしたのだが、多くの者が殺された。
新たに送り込むことも、もう不可能だった。
ロシア国内では徹底した諜報に対するカウンター措置が施され、新たに潜入したスパイはすべて殺され、拠点は潰された。
敵の中に心が読める奴がいる、それが俺たちの結論だ。
「ローテスラント」もロシアの中枢に枝を伸ばしていたが、全て遮断されていた。
「業」の手足である「ボルーチ・バロータ」によって、「業」に忠誠を誓わない政治家や官僚たちが粛清(恐らくは殺害)され、一切の情報が入って来なくなった。
最初は徐々にだったが、この1年の間に急速に進み、ロシア情勢は一切外に漏れなくなっている。
俺たちは偵察衛星でロシア全土を観測し、そのデータを超量子コンピューターで解析はしているが、内部情報の詳細は掴めないでいた。
妖魔やライカンスロープたち、そして《ハイヴ》の情報は捉えられるが、実際にロシア国内で何が起きているのかは分からない。
超量子コンピューターによって多少のことは解析している。
観測した妖魔やライカンスロープたちの配備や動きによって、ある程度の解析はしている。
多分、ロシアからの軍事行動を起こせば必ず俺たちが掴めるはずだ。
そうなのだが、情報としては完全に不足している。
だから「業」が送り込む「ゲート」は全く予測出来ないでいるのだ。
しかし、ルイーサたちは何らかの方法でロシアの実態の一部とはいえ、把握しているようだった。
俺も、モスクワが完全に陥落していようとは、夢にも思っていなかった。
まだ「業」の多大な影響を受けてはいても、国家として存続していると考えていた。
改めて、ルイーサたち「ノスフェラトゥ」の力を実感した。
2
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
Lucia(ルシア)変容者たち
おまつり
恋愛
人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。
それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。
カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。
二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。
誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。
愛が深まるほど、境界は曖昧になる。
身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。
一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。
彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。
これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、
それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。
※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる