富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

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ダーティ玻璃 Ⅳ4

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 柳ちゃんが途中で何度もパニックになり、宥めるのが大変だった。
 大泣きするので、車を止めて助手席の柳ちゃんを宥めた。
 後ろの亜紀ちゃんにも手伝ってもらいたかったけど、亜紀ちゃんは知らんぷり。
 こいつぅー。
 1時間以上かかってウンちゃんのいる浄化施設に着いた。
 後ろから出て来ない亜紀ちゃんを蹴り出して、ウンちゃんのマンホールのふたを開けさせる。
 臭い感じは全然ない。
 ウンちゃんが綺麗に浄化しているためだ。
 
 「ウンちゃーん!」
 「はーい! あ、ハーさんを連れて来たんですね!」
 「うん!」

 ウンちゃんにはすぐに分かったようだ。
 私と亜紀ちゃんでアルファードのルーフからハーを降ろし、ブルーシートごとマンホールに投げ入れた。
 亜紀ちゃんの腕にちょっとはみ出たウンコが付いた。

 「ギャァァァァァァァァァーーーーーー」

 ざまぁ。

 ハーは自分でブルーシートから出て来た。
 うっわー、すごいウンコだらけだー。
 私たちは上から見てる。
 ウンちゃんがすぐにハーの全身のウンコを真水に変えていく。
 でもどんどんハーからウンコが湧き出て来る。

 「これはしばらくかかりますねー」
 「ウンちゃん、何日くらい?」
 「相当なエネルギー変換ですから、1週間ほどかと」
 「分かった!」

 ハーが慌てた。

 「ちょっとー! 私ずっとここにいるの!」
 「そうだよ、仕方ないじゃん」
 「ルー! あんたねぇ!」
 「家じゃ無理だよ!」
 「食事はどうすんの!」
 「ちゃんと運んであげる」
 「今すぐ! お腹空いたよ!」
 「分かったー」

 ウンコがあれだけ出てるんだから、お腹も空くのかなー。
 ウンちゃんにアルファードのウンコも綺麗にしてもらい、食事を手配しに行った。
 柳ちゃんは放心状態だ。
 また私が運転した。

 「ルー、どこに行く?」
 「あそこがいいよ! ハー、パレボレのバイト先が好きだったし」
 「そっか!」

 東大の近くのカレー屋だ。
 急いでテイクアウトして戻った。
 10人前だ。

 「ハー! 買って来たよ!」
 「……」

 ハーの大好物だ。
 何か、スッゴイ睨まれた・
 でも、ハーはガンガン食べた。
 食べながらもウンコが湧いてくるので、物凄い光景だった。
 ウンコ、カレー、ウンコ、カレー……

 「ねえ、飲み物も欲しい!」
 「綺麗な水が一杯あるじゃん?」

 ハーがウンコを投げて来た。
 亜紀ちゃんが「震花」で霧散させる。
 ものすごい臭さが拡がってみんなで叫んだ。

 「分かったよ!」

 コンビニで大量の飲み物を買い、ついでに弁当もどっさり買い込んだ。
 
 「今日はまた夕方に来るから」
 「うん、お願い」
 「じゃーね」

 とっとと家に帰った。





 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■





 私たちが家に戻ると、丁度タカさんが玄関にいた。

 「「タカさーん!」」

 タカさんが振り返る。

 「よう、出掛けてたのか?」
 
 タカさんに抱き着いた。
 柳ちゃんはまだ放心してる。
 私が担いでタカさんに抱き着かせた。

 「おい、どうしたんだよ!」

 タカさんは言いながらも柳ちゃんを抱き締めてくれた。

 「い、いしがみさぁーん!」

 柳ちゃんが大泣きだ。

 「おい、ほんとにどうしたんだ! 柳、大丈夫か?」
 「いしがみさぁーーん!」

 タカさんが困っている。
 柳ちゃんの頭を撫でている。

 「ハーはどうしたんだ?」
 「ウンコ病です」
 
 「はい?」

 とにかく中へ入ってもらう。
 玄関にロボが駆け降りて来て、タカさんにジャンプして抱き着き、「ニャーニャー」叫んでる。
 多分文句をタカさんに言っているのだろうけど、生憎誰もネコ語は分からん。
 リヴィングに上がり、タカさんにコーヒーを淹れた。
 柳ちゃんとロボはタカさんに抱き着いたままだ。
 亜紀ちゃんと二人で説明した。

 「そうか、そんなことが」
 「タカさん! やっぱり「ヒモダンス」ですよ!」
 「はい?」
 「あの「ヒモダンス」にはやっぱり何かあるんです!」
 「おい、何言ってんだよ!}

 亜紀ちゃん、今はやめて。
 タカさんは柳ちゃんを抱き締めながら慰めて言った。

 「柳、しっかりしろ。ハーが大変じゃねぇか」
 「!」
 「よし、これからハーに会いに行こう。何とかしないとな」
 「「「はい!」」」

 ハマーに乗ってみんなでウンちゃんの浄化施設に戻った。

 「ハー!」
 「あ、タカさん!」

 ハーはコンビニの弁当を食べていた。
 ウンコにまみれながら。

 「……」
 「タカさん、来てくれたの!」
 「ぉ、ぉぅ」
 「ありがとー!」
 「まあ、ガンバレな」
 「え?」

 亜紀ちゃんがマンホールのフタを締めた。
 ハーの叫び声が聞こえたが、みんなで無視した。
 しょうがないじゃんか。

 「まずは食事をどうにかしてやらねぇとなぁ」
 
 タカさんが言った。

 「さっきカレーを10人前食べたばかりなんですけど、もうコンビニの弁当を食べてましたね」
 「カレー……」
 「タカさん、今日は「カレー大会」だよ!」
 「あれを見てもやるのかよ?」
 「カレーは別腹だよ!」
 「そういう意味じゃねぇだろう!」

 まあ、ちょっと分かるけど。
 でも、石神家はカレーをこよなく愛するファミリーだ。

 「まあ、俺たちはいいとして、ハーにもあそこでカレーを喰わせるつもりか?」
 「さっきも食べてましたけど?」
 「うーん……」

 考えても分からないので、ハーにもカレーを持ってってあげることにした。
 特別に「石神家カレー」を寸胴で一つとご飯一升。
 それから、日に三度食事を運ぶことにした。
 メニューを亜紀ちゃんを中心に、私たちで考えた。

 「ウンコの中でも食べられるものを持ってってあげよう!」
 「そうだね!」

 『……』

 誰も思いつかなかった。
 この世にそんなものはねぇ。

 朝と昼はステーキを5キロとコンビニ弁当10人前。
 夜はちょっと豪華にしてあげる。
 ステーキを10キロとうちの夕飯と同じもの。
 着替えはいらない。
 だってマッパだもん。
 それと、ヒマだろうから音声対応のPCでも持ってってやるかー。
 スマホはどうなんだろう。
 とにかく持ってこう。
 あ、あそこでどうやって寝るのかな。
 お布団はダメだよなー。
 まあ、ハーと話しながら決めてくかー。
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