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38 逆戻り
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そんな私の祝福の能力がとても気になるところで、私は気を失ってしまったらしい。
らしいっていうか、私が祝福の能力を使いすぎてしまって色々と終わった安心感で気が抜けて……そのまま意識を失ってしまったからだ。
唐突に気がついたのは、どこかの豪華な部屋だった。
「……ここは……」
「由真……気がつきました?」
「ジュリアス! あ。戻ってる……?」
そうなのだ。すぐ傍に居たジュリアスは、イケオジに戻っていた。精悍な顔は渋さを増して……今この人と恋仲にあると思うと、なんだか照れくさい。
「そうなんです。回復して眠っている間に祝福の能力を使ってしまうと、どうなるのかわからなくて……というか、僕が由真と早く話したかっただけなんですけどね」
ジュリアスは私に近づいておでこにキスをくれたので、お礼とばかりに唇にキスをしたら、すぐに若返った。彼はびっくりした表情になったけど、苦笑して離れた。
「やっぱり……こっちが好きだな。年齢経ても、もちろん素敵だけど……」
ジュリアスは本当に素敵。別に顔が整っているとか、鍛えられた身体素敵とか、それは素敵すぎる中身に付く付加価値ではあるんだけど……同じ世代である方が嬉しいと思う気持ちがあるのも確か。
「ええ。見る目が全然違うので、僕もなんだか……複雑ではありますが」
そんな彼の醸し出す甘い空気に、ずっと酔いしれていたい。
けど、やっぱり気になってしまう。
私に与えられた聖女の祝福について。
「あの……ジュリアス。私の祝福って、なんだったの? キスした物の時間を戻すって訳ではないって、どういうことなの?」
私はなんだか不思議だった。だって、さっきキスしたら、ジュリアスが若返っているのは確かなんだし。
「ああ……そうですね。由真はそれを話す前に倒れてしまったんでした」
「ん? ちょっと待って。私ってどのくらい寝ていたの?」
というか、この場所はよくよく考えたら王都にあるお城のような気がする! 私も救世の旅に出る前に滞在したから、なんとなく覚えている。
「二ヶ月半ですね……聖剣を元通りに戻したのですから、もっと長く眠ってしまうのではないかと僕は思っていましたが……」
「……え?」
う、嘘でしょう! だって、私……帰って来る道中、ずっと眠っていたってこと?
「そうなんです。由真の祝福は聖なる力をキスした対象に宿す能力だったんです」
「聖なる力? けど」
「僕がこうして若返っている理由は、これが僕の体力や能力の全盛期の姿だからです。あの花もそうです。現に二回目キスしても蕾にはならなかったでしょう? 怪我が治ってしまうもそうです。力が注がれるので、その副作用とでも言いますか」
「……あ。確かに、あの枯れた花はそうだった」
私は真面目な顔で語るジュリアスの言葉に何度も頷いた。
確かにそうだ。だって、もしこの祝福の能力が何かの時間を戻すというのなら、蕾やはたまた種になってしまってもおかしくないもの。
「あの小箱は、きっと悪しき力に封印されていたのでしょう。だから、由真は昏睡しているかのように眠ってしまったんです」
「聖なる力で……かき消したから?」
あの小箱は今思うと、黒く薄汚れていたようだった。けど、封印を解けば真新しい生木の小箱になっていた。もしかしたら、あの汚れが悪しき封印?
「そうです。そして、折れた聖剣が綺麗に修復されたことから、僕は確信を得ました。聖剣は普通なら折れるはずがないんですが、由真が僕にくれた指輪の守護者がとても強いようでして……」
聖剣が折れてしまった顛末について、ジュリアスは言葉を濁した。彼だってあんなにまで世話をした王子様にあんな風に背中から狙われるだなんて、思ってもいなかったと思う。
「……あの、ごめんなさい。私もあんなことになるって思ってなくて」
ジュリアスは最前線に行くしかないなら、少しでも護ってあげたくて……まさか聖剣が折れるだなんて、思ってなかった。
「いいえ。良いんですよ。こうして全部上手くいきました。ありがとう……由真」
ジュリアスがこれでもかと甘い空気を出して来るので、私は嬉しいけど照れてしまって恥ずかしかった。
この人と結婚出来るならこの世界に残りたいと言ったし、なんならプロポースだってしているのに、顔が良すぎて破壊力が凄い。
嬉しいけど恥ずかしい。嬉しいけど逃げ出したい。けど、彼の近くに居たい。
そんな不思議な気持ちがない交ぜになって、どうしようもない。
らしいっていうか、私が祝福の能力を使いすぎてしまって色々と終わった安心感で気が抜けて……そのまま意識を失ってしまったからだ。
唐突に気がついたのは、どこかの豪華な部屋だった。
「……ここは……」
「由真……気がつきました?」
「ジュリアス! あ。戻ってる……?」
そうなのだ。すぐ傍に居たジュリアスは、イケオジに戻っていた。精悍な顔は渋さを増して……今この人と恋仲にあると思うと、なんだか照れくさい。
「そうなんです。回復して眠っている間に祝福の能力を使ってしまうと、どうなるのかわからなくて……というか、僕が由真と早く話したかっただけなんですけどね」
ジュリアスは私に近づいておでこにキスをくれたので、お礼とばかりに唇にキスをしたら、すぐに若返った。彼はびっくりした表情になったけど、苦笑して離れた。
「やっぱり……こっちが好きだな。年齢経ても、もちろん素敵だけど……」
ジュリアスは本当に素敵。別に顔が整っているとか、鍛えられた身体素敵とか、それは素敵すぎる中身に付く付加価値ではあるんだけど……同じ世代である方が嬉しいと思う気持ちがあるのも確か。
「ええ。見る目が全然違うので、僕もなんだか……複雑ではありますが」
そんな彼の醸し出す甘い空気に、ずっと酔いしれていたい。
けど、やっぱり気になってしまう。
私に与えられた聖女の祝福について。
「あの……ジュリアス。私の祝福って、なんだったの? キスした物の時間を戻すって訳ではないって、どういうことなの?」
私はなんだか不思議だった。だって、さっきキスしたら、ジュリアスが若返っているのは確かなんだし。
「ああ……そうですね。由真はそれを話す前に倒れてしまったんでした」
「ん? ちょっと待って。私ってどのくらい寝ていたの?」
というか、この場所はよくよく考えたら王都にあるお城のような気がする! 私も救世の旅に出る前に滞在したから、なんとなく覚えている。
「二ヶ月半ですね……聖剣を元通りに戻したのですから、もっと長く眠ってしまうのではないかと僕は思っていましたが……」
「……え?」
う、嘘でしょう! だって、私……帰って来る道中、ずっと眠っていたってこと?
「そうなんです。由真の祝福は聖なる力をキスした対象に宿す能力だったんです」
「聖なる力? けど」
「僕がこうして若返っている理由は、これが僕の体力や能力の全盛期の姿だからです。あの花もそうです。現に二回目キスしても蕾にはならなかったでしょう? 怪我が治ってしまうもそうです。力が注がれるので、その副作用とでも言いますか」
「……あ。確かに、あの枯れた花はそうだった」
私は真面目な顔で語るジュリアスの言葉に何度も頷いた。
確かにそうだ。だって、もしこの祝福の能力が何かの時間を戻すというのなら、蕾やはたまた種になってしまってもおかしくないもの。
「あの小箱は、きっと悪しき力に封印されていたのでしょう。だから、由真は昏睡しているかのように眠ってしまったんです」
「聖なる力で……かき消したから?」
あの小箱は今思うと、黒く薄汚れていたようだった。けど、封印を解けば真新しい生木の小箱になっていた。もしかしたら、あの汚れが悪しき封印?
「そうです。そして、折れた聖剣が綺麗に修復されたことから、僕は確信を得ました。聖剣は普通なら折れるはずがないんですが、由真が僕にくれた指輪の守護者がとても強いようでして……」
聖剣が折れてしまった顛末について、ジュリアスは言葉を濁した。彼だってあんなにまで世話をした王子様にあんな風に背中から狙われるだなんて、思ってもいなかったと思う。
「……あの、ごめんなさい。私もあんなことになるって思ってなくて」
ジュリアスは最前線に行くしかないなら、少しでも護ってあげたくて……まさか聖剣が折れるだなんて、思ってなかった。
「いいえ。良いんですよ。こうして全部上手くいきました。ありがとう……由真」
ジュリアスがこれでもかと甘い空気を出して来るので、私は嬉しいけど照れてしまって恥ずかしかった。
この人と結婚出来るならこの世界に残りたいと言ったし、なんならプロポースだってしているのに、顔が良すぎて破壊力が凄い。
嬉しいけど恥ずかしい。嬉しいけど逃げ出したい。けど、彼の近くに居たい。
そんな不思議な気持ちがない交ぜになって、どうしようもない。
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