"番様"認定された私の複雑な宮ライフについて。

airria

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神獣が番ハイで制御不能です

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輿は祝福モードの行列と共に、ゆっくりと宮へ戻っていく。

私は相変わらず神獣に横抱きにされていた。

「会いたかった‥我が番。」

「ふんふんふーふん、ふん、ふっふん。ふふふん!」
(そんなんいいから、これ、とって。口の!)

「ようやく会えた‥ああ、いい匂いだ」

「ふふっふん、ふふふんふふん?ふふふんふん!」
(ていうか離れてくれる?嗅ぐんじゃない!)

「ずっと探していたのに、どこに隠れていたの?」

「ふふふんふふーん!(話を聴けー!)」

だめだこの虎。

つがいハイでテンションが上がりまくっているのか、話が通じない。

「我が愛しき番、名は何と言う?名を教えておくれ」

「ふふふふんふふふん、ふふふふふーん!」
(猿轡されたまましゃべれるかー!)

顎をクイックイッと上げて、猿轡をアピールする。

「ん?これは‥もしかして口に枷をされているのか?」

やっと気づいてもらえた!

ウンウンと頷いていると、後方から「神獣様、神獣様!」と宰相の声がした。

「実は番様は別の世界にいらしたのです。それを突き止めた我々が昨日召喚いたしまして。」

「そうだったのか‥!別の世界から!」

「急なことで番様も戸惑われてしまい、実際逃げようとされましたので、まずは神獣様にお会い頂くのが先決と、致し方なく縛らせていただきました。」

「なるほど、礼を言う。」

その理由で納得するんじゃない。

続いて阿王の声が聞こえた。

「神獣様、我が国は水に餓えております。神獣様が番様と出会えたこのめでたき日を祝して、我が国に雨のお恵みを頂けませんでしょうか」

「ふむ」

神獣が私に視線を戻す。

私の髪をゆっくりと撫でながら、少し思案しているようだ。

紫の瞳がゆったりと弧を描いた。

「そうだな。番からの願いでない限り、本来叶える義理はないが‥よかろう、今回は我が番を呼び寄せた功績に報いよう。」

「ありがとうございます!」

「陛下、やりましたな!」「よかった・・!」「これで我が国は安泰だ!」

周囲が喜びの声で盛り上がる中、私は必死で神獣に呼びかけていた。

「ふふふんふーふん、ふふんふんふっふんふふん!」
(そんなんいいから早くこれ取ってってば!)

「ああ、声を出せぬこの番も何とかわいらしいことか。必死に我を見つめて・・!口の枷をいつ取るか迷ってしまうな」

「ふふふんふ(こりゃだめだ)」

動けないし、しゃべれない。

これまでの緊張で、疲労もピークを迎えていた。

とりあえず、神獣に食べられる心配もなくなったし、いっか。

何もかも諦めた私は、神獣に抱かれたまま寝落ちした。
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