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問題発生② 想定外の事態のようです
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再び困惑した様子で私以外の3人が顔を寄せ合っている。
「おい、本当に嫌がってるじゃないか!番契約を終えてるのにどういうことだ?」
「陛下、これは由々しき事態ですぞ!」
「カナ様、私からひとついいでしょうか?」
美人の女官、瑛仙さんが口を開いた。
「カナ様は、先ほどまでずっと黎明様に抱き上げられていましたが・・お嫌ではなかったですか?」
その質問にキョトンとしてしまった。
嫌?何で?
「好意を感じている相手でなければ、普通あれほど密着されれば嫌悪感が出るのではないかと。いかがでした?」
・・嫌悪感?
んー、と考えて首を振った。
動きや視界を邪魔されて、煩わしくはあったけれど、嫌だとは思わなかった。
「それはなかった、かな。」
でも確かに、神獣とはいえ、会ったばかりなのに、あれだけベタベタされて嫌悪感が芽生えないのは不思議だ。
阿王の顔が期待に輝く。
「嫌がってない、ということはつまり‥神獣に好意を持っていると!そういうことか?」
「いえ、好意は好意なのかもしれませんが…」
瑛仙さんは言いにくそうに言葉を切った。
「どちらかというと‥カナ様は恐らく、神獣様のことを、飼い猫や飼い犬のように認識されているのではないでしょうか?」
・・あ、確かに!
「そうそう!ペットだ!動物にじゃれつかれてる感じ!」
すごくしっくり来た!
阿王が天を仰ぐ。
「・・!だからさっき、飼い猫みたいな名を付けようとしてたのか!」
◇
「飼い猫認識はわかったとして、だ。なんで番契約を結んだのに、その認識のままなんだ?そういうのも含めて諸々、番契約で解決するはずだろう?」
なんか聞き捨てならないことが聞こえなかった?
訝しむ私の向かいで、宰相が青い顔をして頷く。
「ええ、ええ、そのはずです!神獣を怖がったり、番となることに消極的な女人でも、番契約さえ結べば、その後は喜んで番となり、神獣様から片時も離れなくなる!と、聞いていたのですが・・」
「・・なにそれ怖っ」
それって、契約したら何かの力が働いて、神獣に好意を持つってことでは?
「番契約の時に、何か不備があったんじゃないか?」
「名の交換さえ済めば、それで契約は完了すると学者からは聞いておりましたが・・もしや!対面したその場で名の交換をしなかったのがまずかったとか?」
「いやでも猿轡をすぐに取らなかったのは神獣側だろう?」
深刻そうにコソコソ話し出した阿王と宰相に私も参戦する。
「で、でもさ!雨は降ったわけだし、黎明にお願いしたかった事は叶ったんでしょう?だったら私も番にならずにこのままお払い箱でいいんじゃ・・ってわけにはいかないですよね。はいすみません。」
2人からの非難めいた視線に加えて、背後の壇上からものすごい圧を感じて、発言を速やかに撤回した。
うーん、やっぱり黎明、聞き耳立ててるな。
「別の世界から来た番様、という事ももしかして影響してるのでは?」
「確かにこいつはこれまでの番像とはかけ離れてるからな。番契約の効果が効きにくいのかもしれん」
「ここで話しても埒があきませんわ。まずは学者様を呼んで確認した方が・・」
ハァー、と阿王がため息をつく。
「よし、急ぎ学者に聞いてみるとして、だ。ひとまず・・お前、今日は宮へ行け。」
「はぁー!?他人事だと思って・・!」
「いやだってもうこれ以上ここで話すの無理だろ。コッチはさっきから、お前と話す度にすごい睨まれてるんだよ。もう”待て”は無理だぞ、あれ」
確かに、さっきからタシン!タシン!と黎明が尻尾で床を叩く音が響いている。
「とりあえず宮に行け。お前が本当に嫌がるなら、神獣だって手は出せないはずだ。瑛仙も付いていく。」
瑛仙さんが深く頷く。
「で、でも・・」
「ここで宮に行くのを拒否したら、まず間違いなく洞穴に連れてかれるぞ。それに、このまま神獣の意向を無視したら俺たちは元より、いくらお前が番でも無事に済むとは思えん。」
「そうですぞ番様!唯一無二のあなた様から番になることを拒まれた神獣様が、次どんな行動に出るか・・あれほどの力をお持ちなだけに、計り知れませぬ!」
「今日はここで解散して、明日また考える。いいな?」
私が頷く前に、阿王が「黎明様!終わりました!」と声を上げた。
「カナ!」
あっという間に黎明に抱きこまれて、床から足が遠ざかっていく。
尻尾が私の足に巻き付くのはデフォルトらしい。
最初は怖かったはずなのに、こうされて安心するようになっている。
これは番契約の効果なんだろうか。
「カナ、共に我が宮に行ってくれるか」
綺麗な紫眼に懇願するように見つめられて、私は仕方なく頷いた。
「おい、本当に嫌がってるじゃないか!番契約を終えてるのにどういうことだ?」
「陛下、これは由々しき事態ですぞ!」
「カナ様、私からひとついいでしょうか?」
美人の女官、瑛仙さんが口を開いた。
「カナ様は、先ほどまでずっと黎明様に抱き上げられていましたが・・お嫌ではなかったですか?」
その質問にキョトンとしてしまった。
嫌?何で?
「好意を感じている相手でなければ、普通あれほど密着されれば嫌悪感が出るのではないかと。いかがでした?」
・・嫌悪感?
んー、と考えて首を振った。
動きや視界を邪魔されて、煩わしくはあったけれど、嫌だとは思わなかった。
「それはなかった、かな。」
でも確かに、神獣とはいえ、会ったばかりなのに、あれだけベタベタされて嫌悪感が芽生えないのは不思議だ。
阿王の顔が期待に輝く。
「嫌がってない、ということはつまり‥神獣に好意を持っていると!そういうことか?」
「いえ、好意は好意なのかもしれませんが…」
瑛仙さんは言いにくそうに言葉を切った。
「どちらかというと‥カナ様は恐らく、神獣様のことを、飼い猫や飼い犬のように認識されているのではないでしょうか?」
・・あ、確かに!
「そうそう!ペットだ!動物にじゃれつかれてる感じ!」
すごくしっくり来た!
阿王が天を仰ぐ。
「・・!だからさっき、飼い猫みたいな名を付けようとしてたのか!」
◇
「飼い猫認識はわかったとして、だ。なんで番契約を結んだのに、その認識のままなんだ?そういうのも含めて諸々、番契約で解決するはずだろう?」
なんか聞き捨てならないことが聞こえなかった?
訝しむ私の向かいで、宰相が青い顔をして頷く。
「ええ、ええ、そのはずです!神獣を怖がったり、番となることに消極的な女人でも、番契約さえ結べば、その後は喜んで番となり、神獣様から片時も離れなくなる!と、聞いていたのですが・・」
「・・なにそれ怖っ」
それって、契約したら何かの力が働いて、神獣に好意を持つってことでは?
「番契約の時に、何か不備があったんじゃないか?」
「名の交換さえ済めば、それで契約は完了すると学者からは聞いておりましたが・・もしや!対面したその場で名の交換をしなかったのがまずかったとか?」
「いやでも猿轡をすぐに取らなかったのは神獣側だろう?」
深刻そうにコソコソ話し出した阿王と宰相に私も参戦する。
「で、でもさ!雨は降ったわけだし、黎明にお願いしたかった事は叶ったんでしょう?だったら私も番にならずにこのままお払い箱でいいんじゃ・・ってわけにはいかないですよね。はいすみません。」
2人からの非難めいた視線に加えて、背後の壇上からものすごい圧を感じて、発言を速やかに撤回した。
うーん、やっぱり黎明、聞き耳立ててるな。
「別の世界から来た番様、という事ももしかして影響してるのでは?」
「確かにこいつはこれまでの番像とはかけ離れてるからな。番契約の効果が効きにくいのかもしれん」
「ここで話しても埒があきませんわ。まずは学者様を呼んで確認した方が・・」
ハァー、と阿王がため息をつく。
「よし、急ぎ学者に聞いてみるとして、だ。ひとまず・・お前、今日は宮へ行け。」
「はぁー!?他人事だと思って・・!」
「いやだってもうこれ以上ここで話すの無理だろ。コッチはさっきから、お前と話す度にすごい睨まれてるんだよ。もう”待て”は無理だぞ、あれ」
確かに、さっきからタシン!タシン!と黎明が尻尾で床を叩く音が響いている。
「とりあえず宮に行け。お前が本当に嫌がるなら、神獣だって手は出せないはずだ。瑛仙も付いていく。」
瑛仙さんが深く頷く。
「で、でも・・」
「ここで宮に行くのを拒否したら、まず間違いなく洞穴に連れてかれるぞ。それに、このまま神獣の意向を無視したら俺たちは元より、いくらお前が番でも無事に済むとは思えん。」
「そうですぞ番様!唯一無二のあなた様から番になることを拒まれた神獣様が、次どんな行動に出るか・・あれほどの力をお持ちなだけに、計り知れませぬ!」
「今日はここで解散して、明日また考える。いいな?」
私が頷く前に、阿王が「黎明様!終わりました!」と声を上げた。
「カナ!」
あっという間に黎明に抱きこまれて、床から足が遠ざかっていく。
尻尾が私の足に巻き付くのはデフォルトらしい。
最初は怖かったはずなのに、こうされて安心するようになっている。
これは番契約の効果なんだろうか。
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綺麗な紫眼に懇願するように見つめられて、私は仕方なく頷いた。
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