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問題発生① 嘘偽りのない正直な気持ちを伝えます
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広間に戻ってきた阿王達は、皆一様に興奮で顔を赤らめていた。
「黎明様、雨をありがとうございます!この国の王として多大なる感謝を申し上げる」
阿王に続いて、皆がそこに跪く。
「番に出会えた喜びで思わず力が入りすぎてしまったが、雨の勢いもじきに弱まる。三日三晩は降り続くと心得よ。」
感謝の言葉と拍手喝采が巻き起こり、黎明はそれを満足げに眺めた後、私を抱いたまま立ち上がった。
「さてそれでは義理も果たしたところで、我はカナと共に我が宮へ行き番ってくる。宮はどこだ?」
げ。
「え、やだ!」
そう言うと黎明はやたら嬉しそうにする。
「カナ、宮が嫌なら、あの洞穴に戻るか?あの奥には、我が丹精込めて作った巣があるぞ。」
違う、そうじゃない。
番うって・・番うってそういうことだよね・・!?
いやいや無理でしょう。
確かにすごい美形ではある。
でも元は虎だよ?
「私は番になることを了承した覚えはありません!」
ピシッと黎明の顔が固まり、阿王が焦った声を出した。
「ちょっ・・おい、おま!何言って・・あ、あーっと、黎明様。番様が少し混乱されているようですので、隅の方で、少し番様と話すお許しを・・ええ、2人きりにならないように、もちろん女官を同席させますし、黎明様の視界の範囲内で・・はい、はい。ありがとうございます。なるべく短時間で済ませますので、はい。では・・ちょっとコッチ来い!ほら早くっ!集合!集合だっ!」
阿王が手招きしながら小走りで広間の奥に向かっていく。
いや、私も早く行きたいんだけれども。
黎明は床に下ろしてくれたけれど、足に巻きついた尻尾がなかなか離れなくてですね。
「ほら、黎明。いい加減、早く離して。」
尻尾をペンペン叩いているとようやく離れた。
見上げた黎明の虎耳がペタンと折れて悲しげで、ちょっと可哀想な気がしてくる。
◇
広間の奥の隅っこで、阿王と宰相と、女官の4人で円陣になった。
女官はキリッとした一重の美人で、初めてみる顔だ。
宰相が、この女官は今後私の側付きになる瑛仙だと紹介してくれる。
王家に縁のある由緒正しい家の出で、元は優秀な官吏らしい。
口火を切ったのは阿王だ。
「おい、お前、晴れて番になったんだろ?何のつもりだ?嫌がらせなのか?」
「晴れても何も、私は最初っから、番になんてなりたくないって言ってたし。」
私以外の3人が、困惑したように顔を見合わせる。
‥何?
怪訝な顔をする私に、阿王が語りかけた。
「照れ隠しとかじゃなくて、本当に嫌なのか?もう一度あの顔をよく見てみろ。女だったら10人が10人、揃いも揃って一目惚れしそうな顔だぞ?俺に無理強いされたのが癪で、それで番になりたくないなんて、心にもないことを言ってるだけじゃないのか?」
壇上の黎明に目を向けると、こっちを見ていたらしくバッチリ視線が合う。
さっきとは打って変わって、虎耳がピンっと立っているところを見るに、こちらの話に聞き耳を立てているに違いない。
「な?な?急にこの国に連れてこられて、意に反することをされて蟠りもあるだろうが、そこに関しては謝る。悪かった。国情に追い詰められていたとはいえ、そこは俺たちが悪かった。何なら正式な謝罪の場を設ける。謝るから、な?それと神獣に対する本当の気持ちを捻じ曲げて話すのは違うだろ?それはそれ、これはこれだ。我が国に対する不満はまずは置いといて、置いといて、だぞ?」
話しの合間、しきりに両手で見えない箱を持ち、横に置く仕草をする阿王。
「わかったな?よし、さあ!安心して、黎明様に対する本当の、正直な気持ちを話してみろ。」
私は頷いた。阿王も頷く。
一応ではあるが謝ってくれたし、ジェスチャー付きで、非常にわかりやすく話してくれた阿王に、私も報わねば。
スゥーと息を吸って、声を張る。
「嫌なものは嫌だし黎明と番うなんて絶対無」
「バカバカ言葉を選べ!お前国を滅ぼす気か!皆まで言うな!」
壇上の方から急激に紫色の発光が強まったのと、焦った阿王が私の言葉を遮ったのはほぼ同時だった。
正直にって言われたから言ったのに!
「黎明様、雨をありがとうございます!この国の王として多大なる感謝を申し上げる」
阿王に続いて、皆がそこに跪く。
「番に出会えた喜びで思わず力が入りすぎてしまったが、雨の勢いもじきに弱まる。三日三晩は降り続くと心得よ。」
感謝の言葉と拍手喝采が巻き起こり、黎明はそれを満足げに眺めた後、私を抱いたまま立ち上がった。
「さてそれでは義理も果たしたところで、我はカナと共に我が宮へ行き番ってくる。宮はどこだ?」
げ。
「え、やだ!」
そう言うと黎明はやたら嬉しそうにする。
「カナ、宮が嫌なら、あの洞穴に戻るか?あの奥には、我が丹精込めて作った巣があるぞ。」
違う、そうじゃない。
番うって・・番うってそういうことだよね・・!?
いやいや無理でしょう。
確かにすごい美形ではある。
でも元は虎だよ?
「私は番になることを了承した覚えはありません!」
ピシッと黎明の顔が固まり、阿王が焦った声を出した。
「ちょっ・・おい、おま!何言って・・あ、あーっと、黎明様。番様が少し混乱されているようですので、隅の方で、少し番様と話すお許しを・・ええ、2人きりにならないように、もちろん女官を同席させますし、黎明様の視界の範囲内で・・はい、はい。ありがとうございます。なるべく短時間で済ませますので、はい。では・・ちょっとコッチ来い!ほら早くっ!集合!集合だっ!」
阿王が手招きしながら小走りで広間の奥に向かっていく。
いや、私も早く行きたいんだけれども。
黎明は床に下ろしてくれたけれど、足に巻きついた尻尾がなかなか離れなくてですね。
「ほら、黎明。いい加減、早く離して。」
尻尾をペンペン叩いているとようやく離れた。
見上げた黎明の虎耳がペタンと折れて悲しげで、ちょっと可哀想な気がしてくる。
◇
広間の奥の隅っこで、阿王と宰相と、女官の4人で円陣になった。
女官はキリッとした一重の美人で、初めてみる顔だ。
宰相が、この女官は今後私の側付きになる瑛仙だと紹介してくれる。
王家に縁のある由緒正しい家の出で、元は優秀な官吏らしい。
口火を切ったのは阿王だ。
「おい、お前、晴れて番になったんだろ?何のつもりだ?嫌がらせなのか?」
「晴れても何も、私は最初っから、番になんてなりたくないって言ってたし。」
私以外の3人が、困惑したように顔を見合わせる。
‥何?
怪訝な顔をする私に、阿王が語りかけた。
「照れ隠しとかじゃなくて、本当に嫌なのか?もう一度あの顔をよく見てみろ。女だったら10人が10人、揃いも揃って一目惚れしそうな顔だぞ?俺に無理強いされたのが癪で、それで番になりたくないなんて、心にもないことを言ってるだけじゃないのか?」
壇上の黎明に目を向けると、こっちを見ていたらしくバッチリ視線が合う。
さっきとは打って変わって、虎耳がピンっと立っているところを見るに、こちらの話に聞き耳を立てているに違いない。
「な?な?急にこの国に連れてこられて、意に反することをされて蟠りもあるだろうが、そこに関しては謝る。悪かった。国情に追い詰められていたとはいえ、そこは俺たちが悪かった。何なら正式な謝罪の場を設ける。謝るから、な?それと神獣に対する本当の気持ちを捻じ曲げて話すのは違うだろ?それはそれ、これはこれだ。我が国に対する不満はまずは置いといて、置いといて、だぞ?」
話しの合間、しきりに両手で見えない箱を持ち、横に置く仕草をする阿王。
「わかったな?よし、さあ!安心して、黎明様に対する本当の、正直な気持ちを話してみろ。」
私は頷いた。阿王も頷く。
一応ではあるが謝ってくれたし、ジェスチャー付きで、非常にわかりやすく話してくれた阿王に、私も報わねば。
スゥーと息を吸って、声を張る。
「嫌なものは嫌だし黎明と番うなんて絶対無」
「バカバカ言葉を選べ!お前国を滅ぼす気か!皆まで言うな!」
壇上の方から急激に紫色の発光が強まったのと、焦った阿王が私の言葉を遮ったのはほぼ同時だった。
正直にって言われたから言ったのに!
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