『使い捨てられた補助スキル持ち、迷宮の主になって制服妖怪と学園祭を始める』

葉月奈津・男

文字の大きさ
42 / 327
全年齢対応・表現マイルドバージョン

第41話 妖怪制作⑤ 鶴女房 ~風を選ぶ者~

しおりを挟む
 


 (満島小夜視点)


 そこに立つことは少しばかり気が重かった。
 『誰』が『居た』かを知っているからだ。
 全体を俯瞰する上空からの映像であってさえ、彼女の存在は目を惹きつけるものだった。

「確実に『ネームド』案件なんだよな」
 能力・実力ともに、群を抜く人物だった。

「完全主義が痛かったけどね」
 思い出して、微苦笑が出た。
『妖怪』たちも「あー、わかる—」って顔をしている。


    ◆42階層の追憶◆


「目に入るだけで、いやなのに!」
 大きな戦闘の後、魔力の補充のため引きずられて行った先。
 出合い頭の罵声が飛んできた。
 不機嫌のオーラが、現実の圧となって吹き寄せてくる。

「なんで、こんな半端者に頼らないといけないのよ! ポーションで充分。いいえ、それすらいらないわ」
 喚いても、叫んでもいないが、はっきりとした拒絶が冷気のように足元へ溜まっていく気がする。

「今すぐ、同程度の戦闘になったとしても、魔力切れなんて起こさせやしないもの! アンタたちとは違うんだから!」
 数を頼るほど弱い能力ではないし、数発で力尽きるような魔力量でもない。
 まして、戦闘で無駄玉を撃つような無能もないのだ。
 そう言っている。

 事実ではあるだろう。
 誰一人、それは否定できない。

 しかし、場の雰囲気は沈んでいく。
『あなたたちとは違う』。その発現はカルマのみならず、カルマをイヤイヤながら連れてきた者たちにも向けられているからだ。

 自分と並びたてるものなどいない!
 そんな傲慢さがありありと突きつけられていた。

「そうなんだとしても、学校側が決めたルールよ。従いなさい!」
「くっ、さっさと済ませなさい!」
 レイド全体のサブリーダーに一喝され彼女も折れた。

 ガシッ!

「ぐッ」
 無造作に動かされた足が、カルマの体を強く圧した。
 蹴ったわけではないはずだ。

「あら、ごめんあそばせ」
 ちっとも悪いとは思っていない口調で、一応の謝罪が来た。
 顔はそっぽを向き、カルマのことは眼中にないという態度である。

 その後は、足の動きがゆっくりとしたものになるのだが、カルマはもとより本人も気付くことはなかった。
 周囲には誰もいなかったし。

「私も、魔力量だけはアンタに勝てないわね」
 他のことは負けないけど!
 比較にもならないけど!
 言外の声が痛かった。
    

 ◆比翼連理◆


「詠唱、あと三秒!」
 彼女の声が震える。

 仲間の盾役が、巨大なダンゴムシの突進を受け止めるが、甲殻の重みで地面が軋む。
 カマキリの鎌が、魔法使いの杖を弾き飛ばし、蜂の群れが空を覆う。
 カナブンの羽音が、耳を裂くように響く。
 それは、敗北の合図だった。

 彼女は風を呼ぶ。

「鶴よ、舞って・・・!」
 だが、風は乱れ、羽根は散る。
 詠唱が完了する前に、蜂の針が胸を貫いた。

 仲間の叫びが遠ざかる。
 彼女の視界は、空に舞う白い羽根だけを映していた。
 それは、彼女の魔法スキル——銀鶴が、彼女の命を守ろうと暴走した証。

 そして、静寂。
 虫たちは去り、仲間たちは倒れ、彼女の遺体の上に、羽根が円を描いていた。

 細い息の下、まだわずかに響く鼓動。
 彼女は、ほんの十数時間前のことを思い出していた。

 仲間、同じ目的で行動していたはずの者を死地に行かせた。
 本人にはそうと知らせずに。
 生きて帰れぬことは、本人以外の全員が知っていた。
 
 そして、『彼』は消えた。
 結果だけを残して。

 
 あの結果を、彼女は選んだ。
 知っていたのだから、できることはあったはず。
 だけど、何もしなかった。
 目を逸らし、考えを閉ざしたのだ。

「生きるために仕方なかったのよ」
 そう言い聞かせながら、風の中に閉じこもった。
 言い訳にもなっていないことを、聡明と言われた彼女は知っていたのに。

 生きていたい。
 それが望みであるなら、挑戦をやめればいい。
「ムリでした」、そう言って帰ればいいだけだ。

 なのに挑んだのは、何のため?
 全体の利益のため。
 なんのことはない。
 私欲に過ぎなかった。

 私欲で、仲間を死に追いやったのだ。
 初のダンジョン制覇という栄誉。
 それがもたらす富。
 輝かしい未来のためだった。

 全部、風は知っていた。
 彼女の魔法は、真実を理解していた。
 詠唱のたびに、『自分』の欺瞞と向き合っていた。


 そして、最後の戦い。
 彼女はここでも生に執着した。

「今度だって、死なない。生き延びて見せる」
 そう願った瞬間、蜂の針が胸を貫いた。

 あっけなかった。
 逃げた意味も、裏切った理由も、風にさらわれて消えた。
 栄誉も、富も、未来さえも。
 彼女の体は倒れ、風だけが残った。

 その優雅さから、誰かが『銀色の鶴』と呼んだ彼女の魔法。
 鋭いくちばしと細い首が敵を貫き。
 左右に張った翼が敵を斬り裂いた。
 彼女の代名詞ともなった魔法『銀鶴』。

『銀鶴』は、彼女の執着の残響。
 生きたかった少女の魔法が、死を拒んで形になった。
 でもその羽根は、どこか重く、どこか濁っていた。

「お願い。風で、やつらを止めて!」
 仲間の声が届く。

 カマキリの鎌が振り下ろされる寸前、彼女は風を巻き起こす。
 だが、それは仲間の盾ではなく、自分を脅威から遠ざけるためだった。
 
「助けて!」
 魔法使いが叫ぶ。

 蜂の群れが迫る。
 彼女は風を放つ。
 だが、風は仲間の周囲を避け、彼女の背後に渦を巻いた。

「なぜ!」
 盾役が振り返る。

 その目に映るのは、風に包まれた彼女の姿。
 仲間の命より、自分の生を選んだ少女。

 彼女はわかっていた。
 風は、彼女の心を映す。
 だからこそ、風は誰も守らなかった。
 彼女の恐怖と自己保身だけが、風を動かしていた。

 仲間は倒れた。
 彼女は生き残った。
 だが、風は重くなった。
 羽根は濁り、詠唱は鈍り、空気は彼女を拒み始めた。

 そして、最後の瞬間。
 カナブンの羽音が迫る。
 彼女は風を呼ぶ。

「お願い。今度こそ、守って!」
 風は吹いた。
 だが、それは彼女の命を守るには足りなかった。

 風は止まった。
 風が止まった瞬間、影が胸を貫いた。
 羽根は散り、命は沈んだ。

 そして、静かに羽根を広げた。
 彼女の魔法『銀鶴』が、彼女の悔いと執着を抱いて形を持った。

 それで、終幕。
 すべて終わったはずだった。
 命の終わり、未来の終わり。

 なのに、続きがある。
 終わらせてもらえなかった。
 呼び戻された。

 未だ形を与えられない朧な存在。
 なのに、記憶はしっかりしていた。
 自分のしてきたことを見せつけられる。

「やめて! わたしは、そんなふうに生きたかったんじゃない!」
 呼び出された魂は、まだ死の痛みを覚えている。

 仲間を見捨てた記憶。
 風を盾にした罪。
 それでも生きたかったという執着。

 その魂に、鶴が語りかける。

「あなたは、風が吹く方向を選んだ。わたしは、その選択の形」
 鶴は、彼女の魔法スキルの具現。

 感情はない。
 知性も、本来はない。
 けれど、彼女のすべてを記憶している。
 彼女の意志を、汲み取るためだ。

 戦場での動き。
 常に思考を働かせていては間に合わなくなる場面。
 細かな動きの調整を魔法スキルが、彼女の意思を記憶したスキルが代行していた。

 彼女の望みを誰よりも知る存在。
 彼女自身よりも知る存在。

「わたしは間違ってた。助けるべきだった!」
「それでも、風を操ったのはあなた。わたしは、あなたの『願い』そのもの」
 魂は震える。
 鶴は静かに羽根を広げる。
 その羽根は、仲間の声をなぞるように風を揺らす。

 失っていた『体』が再構築される。
 目的が明確になっていく。
 自分が何になろうとしているのかを自覚する。

「この体を、『妖怪』にする? 誰が? なんのため?」
「あなたは、誰かに愛されたかった。だから、吹かせる風を選んだ。選ばれた者が、そうとは気が付かないほど、弱かったけれど」
 否定できず、魂は泣く。
 肯定するように、鶴は寄り添う。

「私は、そこまでして『生きたい』の?」
『妖怪』になることを受け入れてまで?
 魂は問う。

「もう一度選んで。誰かのために舞うか、自分のために沈むかを」
 強い言葉で鶴が迫る。

「選べるの?」
「・・・・・・」
 問いに鶴は答えない。
 別のモノが答えた。


    ◇転換◇


「お前は、あの時。オレを見捨てた」
 その声は、聞き覚えがあった。

 小夜は、かつて『誰か』を見送った。
 その人は、風に舞う羽のように消えた。
 彼女の魔法が届かなかった、届けなかった。
 最初の後悔。

『みんな』の総意で選ばれた犠牲。
『爆弾』となった仲間。
 始まりの裏切り、その人の声。
 自分が、『誰』によって呼び戻されたかを理解した。

 魂は震える。
 銀鶴が、静かに羽根を閉じる。
 空気が重くなる。
 風が、彼女の罪をなぞるように沈黙する。

「お前は自分の利益のために、人を殺せる女だ」
 魂は言葉を失う。
 その存在——かつての仲間——は、死を越えて、妖怪を作る者になった。
 そして今、彼女を『妖怪』にしようとしている。

「お前は生きたかったのだろう? 生かしてやろう。お前を作り直す。それはお前が望んだこと。『わたしの隣に立つがいい』、だろ?」
 かつて自分が口にした言葉がなぞられた。

 空気を切り裂いて、魂は叫ぶ。
「それは違う! それは、わたしじゃない!」

 銀鶴がささやく。
「でも、それはあなたの『願い』だった。誰かに必要とされること。誰かに愛されること」

 魂は泣く。
 それは後悔か、赦しを求める涙か。
 羽は、彼女の涙を包むように、静かに舞った。

「お前は、自分に優しすぎた。だから死んだ」
 彼女の魂は、風の中で震えていた。

 助けたかった。
 でも、生きたかった。
 その矛盾が、羽根を濁らせ、仲間を殺し、自分も死に至らせた。

「だから、作り直して完成させる」
 かつての仲間——今は妖怪を作る者——は、彼女の遺体に手を伸ばす。

 羽根を裂き、銀鶴を縫い合わせ、魂を引きずり出す。

「お前は、踏みつけられることを恐れていた。でも、風は選ぶ。誰を守り、誰を切り捨てるか。その選択に迷いは要らない」
 彼女の目が開く。
 銀鶴が静かに舞う。

 その羽根は、かつての仲間の声をなぞらない。
 代わりに、命令を待つように空気を裂く。

「わたしは、誰かのために生きたかった。」
「なら、誰かを踏みつけてでも、生きろ。それが、お前の『完成』だ」

 彼女は、風を呼ぶ。
 その風は、もう優しくない。
 鋭く、冷たく、選別する風。
 そして、彼女は笑う。

「わたしは、完璧になる。誰かのために、誰かを捨てることを、恐れない」
 風は、彼女のことを忘れたように吹き抜けた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】 『み、見えるの?』 「見えるかと言われると……ギリ見えない……」 『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』  ◆◆◆  仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。  劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。  ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。  後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。  尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。    また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。  尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……    霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。  3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。  愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー! ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...