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もう一人の転生者は主人公だと主張する
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昨夜教授の手伝いをさせられたおかげで、すっかり寝不足だ。
うちの学園は大学みたいな感覚で、夜間も研究したり剣術に励んだりと時間も個人にお任せ、寮に門限などもない。
授業は終わったので寮に帰っても良いが、この調合室の方が私の部屋みたいな感覚になっている。
「ふわあああ」
あくびをしながら調合室のソファーに転がる。ハーブを煮込むだけの時間が眠たくてしょうがない。魔法具で火力は調節しているので、火災になる心配もない。
そのままぐっすり眠りこけてしまう。
どれくらい時間がたっただろうか。
暖かい布を身体にかけられた。その布からはよい香りがする。心地よい。
「一応お前も女だろうが」
私の長い髪をいじっているのだろうか?それが気持ちよくて、まだ目を開けたくなかった。
このまま心地よい香りに包まれて眠りたい。
ふわりと唇に温かいものが降りてくる。
やがてゆっくりと、離れていった。
これは…。
本当は、何となく気づいている。
まだ、気づかないフリ。
まだ一歩、踏み出せない。
彼から何も告げられていないから。
頬をツンツンとされた。
「んー…」
ツンツンがだんだんムニムニという動きをみせる。
「ほら、起きろ。鍵も開けっぱなしで寝るな」
「んー…」
「お前ホント、俺以外に襲われたらどうするんだ」
目を開けると、アストリアが私の至近距離にいた。
ほっぺたをつねっているのはコイツか。
あと今、さらっと何か言ったような。
「昨日教授のレポート手伝ってて…それより今、何時?」
「夜の7時だ。夕飯買ってきたぞ」
「やったね!さっすがアストリア様」
がばりと立ち上がる。私にかけられていたのは、毛布ではなくアストリアの制服のジャケットだった。良い香りがすると思った。
お土産のイエロードラゴンの鱗も置いてある。そしてサンドイッチ!
「今コーヒーいれるね」
「ああ」
お湯を沸かしている間に、アストリアから討伐の話を聞いた。
イエロードラゴンは、体は小さいが群れで動く。3名ほどのパーティーで、20体くらい倒したんだとか。すごいとしかいえない。
「メンバーが怪我したので回復薬をやった。使った後に、是非お前を紹介してくれって」
「学園内でお店開いちゃおうかな」
「店は無理だろうが、俺のように物々交換で回復薬が欲しいという学生はいるだろうな」
「そう?嬉しいなぁ!」
「…」
アストリアが微妙な顔をする。
「なに?」
「いや、だんだん俺専用じゃなくなるな、って」
アストリアはヤレヤレと肩をすくめた。
俺専用。
何その言葉、キュンとくる。
「アストリアのために今、ちょっと実験してて」
「俺?」
「そう、ギルドの仕事も増えてきたし。アストリアは魔法剣使いでしょ?魔力の回復薬を美味しく出来ないかなーって」
「それは…助かる」
「子ども用のお薬とか、美味しくできるといいよね。無味無臭って意外とキツいからさ」
「なるほどな…」
「やっぱりぶどう味が一番いいかな~」
「なぜぶどう?」
前世で子ども向けのお薬はぶどう味が多かったから、とは言えないがサンドイッチを頬張りながら、夢が膨らんでいく。
アストリアはすでに食べ終わっていて、コーヒーを味わっていた。
「楽しそうだな」
「そう?アストリアが私のコーヒーを飲んでくれるのを見て、自信がついちゃった。それにアストリアが色々獲ってきてくれるから、やりたい事もいっぱいだよ」
ドラゴンの鱗を手に取り、照明にかざす。
「そうか。そんなに喜ぶならまた仕入れてきてやるよ」
「うん、頼りにしてる」
その時、ガチャリとドアが開いた。
「まるで夫婦だな」
教授が入ってきた。不精ヒゲだらけの40代、白衣もヨロヨロで、大荷物を抱えている。
「教授!」
「お邪魔してます」
私とアストリアは立ち上がり、教授の大荷物を受け取った。
「なんですか?これ」
「豆だよ、まーめ。お前の、コーヒーの原料」
「ええっ!どうしたんですか?」
「昨夜のレポートのお礼。ほれ、これでしばらくはコーヒーに困らないだろ。俺にもいれてくれよ」
「はいっ」
私は喜んでお湯を沸かした。
「アストリア、お前王翼騎士団に誘われてるそうじゃないか」
教授がドカッと椅子に座った。
「はい」
アストリアは教授の前では許可なく座らない。きちんと礼儀を弁えている。
「グーデルト領の跡継ぎも大変だな。自治領へ戻るのか?騎士団に入るのか決めたのか?」
「まだです。」
知らなかった。アストリアが王翼騎士団に誘われてるなんて、エリートコースだ。
「まぁ、親父さんとよく相談するんだな。グーデルト領はモンスターも多い。お前が帰ってくるのを、皆待っているだろう」
「はい。」
教授は私がいれたアイスコーヒーをごくごくと飲んで、「しっかり寝ろよ~」と言いながら去って行った。
「豆、たくさんあるな」
「うん、夜中まで手伝って良かった」
「どこに仕舞うんだ?」
「うーん、保管庫?」
「手伝う」
「ありがとう!」
保管庫に豆を入れて、その日はそのまま2人とも寮へ戻った。おやすみ、また明日、の挨拶が少し照れ臭い。
翌日、調合室でまたハーブをコトコト煮込んでいると、ドアを叩く音がした。
親しい人なら無断で入ってくる。それはそれでどうかと思うが。
誰だろう?
「どうぞ?」
扉を開けると女生徒が立っていた。知らない子だ。しかも鬼の形相だ。
「イームさん、アストリア様とどういう関係なんですか?」
「ストレートだね!」
普通に驚いた。名乗りもせず、いきなり怒りをぶつけられた。
「モブのくせに…」
ん?モブって言った?
「私に関わってこないでよ!」
「あなたに関わったことはないけど」
「…るっさい!」
女生徒は片手を私にかざす。光がほとばしる。
攻撃魔法か!
私はとっさに植物の実を投げた。
その実は衝撃と共に弾けて、中から小さなトゲを放つ。トゲは飛散し、女生徒を襲った。
「キャアアアアッ」
女生徒が悲鳴を上げる。
魔法陣から不安定な氷の魔法が放たれた。ツララのようなものが部屋全体に飛び散る。
照明や窓ガラスが割れ、実験器具が大きな音を立てて地面へと落ちる。
ガシャンガシャンとモノが壊れていく音がする。
私も両手を女生徒にかざした。
「薬草ばかりいじってるわけじゃないんでね!」
女生徒から再び放たれた氷の魔法を、繰り出した防御壁で防いだ。
ガガガガガっと防御壁に氷が突き刺さる。
「アンタのせいでアストリアのルートが!」
女生徒が別の魔法陣を描き出した。
「ストーリーに無関係な人間は、消えてよ!」
彼女に話しあうという選択肢は無さそうだ。
「この狭い部屋でなにやってんだか」
私は両手を地面に向けて拘束の魔法陣を描く。
女生徒が私よりレベルが高いと拘束できない。女生徒が巨大な魔法を放つ前に、イチかバチか。
「きゃあああっ!」
女生徒は足元から出た光の鎖に全身を繋がれた。ガクリと膝をついて、頭を下げる。
「何…なんなの…モブのくせに…チートだなんて」
ぶつぶつと独り言を言っている。どうやら私と同じ転生者のようだ。でも随分頭がおかしい。
私は彼女の前に立ち塞がり、その顔を見下ろして言った。
「チートではないよ。平凡な平民が努力した結果だよ」
「なんで…主人公は…私なのに…」
あくまで自分はヒロイン気取りらしい。
「ああ~部屋が無茶苦茶だ…」
壁に刺さったツララを引き抜くと、それらはボロボロになって崩れ落ちた。あまりレベルの高い攻撃魔法ではないようだ。
すでに大きな騒ぎになっていたようで、他にも生徒が集まってきた。
「イーム!!!」
人混みをかき分けて、抜刀したアストリアが部屋に入ってきた。女生徒が光の鎖に繋がれているのを見て、ハッと息を飲む。
「何事だ!学園内での私闘はご法度だぞ!」
教授も飛んできた。
すぐに女生徒は連行された。
私も騎士団から事情聴取されたが、アストリアと教授が私には全く非がないことを現場から証明してくれたのですぐに解放された。
アストリアと共に、ボロボロになった調合室のソファーに座る。
「俺のせいだな」
「違うでしょ、アストリアへのストーカー行為も私への攻撃も、全部あの子の仕業。私達は被害者だよ」
「すまなかった」
「もう、アストリアが謝る事じゃないってば」
バーンとアストリアの背中を叩く。でも無反応だ。
「お前が優秀な魔法使いで良かった…」
アストリアは眉をひそめてつぶやいた。
「一応これでも推薦なしで一般入試を突破した平民ですからね!」
推薦のない者がこの王立学園に入るには、難関の入試に合格しなければならない。
バーンと胸を叩き、アストリアを安心させたくて自慢してみた。
だが帰ってきたのは温かい抱擁だった。
「態度をハッキリさせていたつもりだったが…周囲にはまだ分かりづらかったんだな…きっと」
「ん?ドユコト?」
アストリアの言っている事が理解できない。
「いやいや、充分分かりやすいよお前さん」
教授が開けっぱなしのドアから、頭をかきながら入ってきた。
「さっきの子、即退学になった。今頃牢屋だな。まぁ、イームが無事でよかった」
「そうですか」
アストリアは私を抱きしめたまま答えた。
「お前さん達、そういうのは人のいないとこでやれ。この部屋はしばらく立ち入り禁止!」
「分かりました、イーム、行こう」
「え?え?」
アストリアは私の手を掴んだまま、調合室を出た。
教授がボロボロの調合室で、『しっしっ』という仕草で、私達を追い払っている姿が見えた。
うちの学園は大学みたいな感覚で、夜間も研究したり剣術に励んだりと時間も個人にお任せ、寮に門限などもない。
授業は終わったので寮に帰っても良いが、この調合室の方が私の部屋みたいな感覚になっている。
「ふわあああ」
あくびをしながら調合室のソファーに転がる。ハーブを煮込むだけの時間が眠たくてしょうがない。魔法具で火力は調節しているので、火災になる心配もない。
そのままぐっすり眠りこけてしまう。
どれくらい時間がたっただろうか。
暖かい布を身体にかけられた。その布からはよい香りがする。心地よい。
「一応お前も女だろうが」
私の長い髪をいじっているのだろうか?それが気持ちよくて、まだ目を開けたくなかった。
このまま心地よい香りに包まれて眠りたい。
ふわりと唇に温かいものが降りてくる。
やがてゆっくりと、離れていった。
これは…。
本当は、何となく気づいている。
まだ、気づかないフリ。
まだ一歩、踏み出せない。
彼から何も告げられていないから。
頬をツンツンとされた。
「んー…」
ツンツンがだんだんムニムニという動きをみせる。
「ほら、起きろ。鍵も開けっぱなしで寝るな」
「んー…」
「お前ホント、俺以外に襲われたらどうするんだ」
目を開けると、アストリアが私の至近距離にいた。
ほっぺたをつねっているのはコイツか。
あと今、さらっと何か言ったような。
「昨日教授のレポート手伝ってて…それより今、何時?」
「夜の7時だ。夕飯買ってきたぞ」
「やったね!さっすがアストリア様」
がばりと立ち上がる。私にかけられていたのは、毛布ではなくアストリアの制服のジャケットだった。良い香りがすると思った。
お土産のイエロードラゴンの鱗も置いてある。そしてサンドイッチ!
「今コーヒーいれるね」
「ああ」
お湯を沸かしている間に、アストリアから討伐の話を聞いた。
イエロードラゴンは、体は小さいが群れで動く。3名ほどのパーティーで、20体くらい倒したんだとか。すごいとしかいえない。
「メンバーが怪我したので回復薬をやった。使った後に、是非お前を紹介してくれって」
「学園内でお店開いちゃおうかな」
「店は無理だろうが、俺のように物々交換で回復薬が欲しいという学生はいるだろうな」
「そう?嬉しいなぁ!」
「…」
アストリアが微妙な顔をする。
「なに?」
「いや、だんだん俺専用じゃなくなるな、って」
アストリアはヤレヤレと肩をすくめた。
俺専用。
何その言葉、キュンとくる。
「アストリアのために今、ちょっと実験してて」
「俺?」
「そう、ギルドの仕事も増えてきたし。アストリアは魔法剣使いでしょ?魔力の回復薬を美味しく出来ないかなーって」
「それは…助かる」
「子ども用のお薬とか、美味しくできるといいよね。無味無臭って意外とキツいからさ」
「なるほどな…」
「やっぱりぶどう味が一番いいかな~」
「なぜぶどう?」
前世で子ども向けのお薬はぶどう味が多かったから、とは言えないがサンドイッチを頬張りながら、夢が膨らんでいく。
アストリアはすでに食べ終わっていて、コーヒーを味わっていた。
「楽しそうだな」
「そう?アストリアが私のコーヒーを飲んでくれるのを見て、自信がついちゃった。それにアストリアが色々獲ってきてくれるから、やりたい事もいっぱいだよ」
ドラゴンの鱗を手に取り、照明にかざす。
「そうか。そんなに喜ぶならまた仕入れてきてやるよ」
「うん、頼りにしてる」
その時、ガチャリとドアが開いた。
「まるで夫婦だな」
教授が入ってきた。不精ヒゲだらけの40代、白衣もヨロヨロで、大荷物を抱えている。
「教授!」
「お邪魔してます」
私とアストリアは立ち上がり、教授の大荷物を受け取った。
「なんですか?これ」
「豆だよ、まーめ。お前の、コーヒーの原料」
「ええっ!どうしたんですか?」
「昨夜のレポートのお礼。ほれ、これでしばらくはコーヒーに困らないだろ。俺にもいれてくれよ」
「はいっ」
私は喜んでお湯を沸かした。
「アストリア、お前王翼騎士団に誘われてるそうじゃないか」
教授がドカッと椅子に座った。
「はい」
アストリアは教授の前では許可なく座らない。きちんと礼儀を弁えている。
「グーデルト領の跡継ぎも大変だな。自治領へ戻るのか?騎士団に入るのか決めたのか?」
「まだです。」
知らなかった。アストリアが王翼騎士団に誘われてるなんて、エリートコースだ。
「まぁ、親父さんとよく相談するんだな。グーデルト領はモンスターも多い。お前が帰ってくるのを、皆待っているだろう」
「はい。」
教授は私がいれたアイスコーヒーをごくごくと飲んで、「しっかり寝ろよ~」と言いながら去って行った。
「豆、たくさんあるな」
「うん、夜中まで手伝って良かった」
「どこに仕舞うんだ?」
「うーん、保管庫?」
「手伝う」
「ありがとう!」
保管庫に豆を入れて、その日はそのまま2人とも寮へ戻った。おやすみ、また明日、の挨拶が少し照れ臭い。
翌日、調合室でまたハーブをコトコト煮込んでいると、ドアを叩く音がした。
親しい人なら無断で入ってくる。それはそれでどうかと思うが。
誰だろう?
「どうぞ?」
扉を開けると女生徒が立っていた。知らない子だ。しかも鬼の形相だ。
「イームさん、アストリア様とどういう関係なんですか?」
「ストレートだね!」
普通に驚いた。名乗りもせず、いきなり怒りをぶつけられた。
「モブのくせに…」
ん?モブって言った?
「私に関わってこないでよ!」
「あなたに関わったことはないけど」
「…るっさい!」
女生徒は片手を私にかざす。光がほとばしる。
攻撃魔法か!
私はとっさに植物の実を投げた。
その実は衝撃と共に弾けて、中から小さなトゲを放つ。トゲは飛散し、女生徒を襲った。
「キャアアアアッ」
女生徒が悲鳴を上げる。
魔法陣から不安定な氷の魔法が放たれた。ツララのようなものが部屋全体に飛び散る。
照明や窓ガラスが割れ、実験器具が大きな音を立てて地面へと落ちる。
ガシャンガシャンとモノが壊れていく音がする。
私も両手を女生徒にかざした。
「薬草ばかりいじってるわけじゃないんでね!」
女生徒から再び放たれた氷の魔法を、繰り出した防御壁で防いだ。
ガガガガガっと防御壁に氷が突き刺さる。
「アンタのせいでアストリアのルートが!」
女生徒が別の魔法陣を描き出した。
「ストーリーに無関係な人間は、消えてよ!」
彼女に話しあうという選択肢は無さそうだ。
「この狭い部屋でなにやってんだか」
私は両手を地面に向けて拘束の魔法陣を描く。
女生徒が私よりレベルが高いと拘束できない。女生徒が巨大な魔法を放つ前に、イチかバチか。
「きゃあああっ!」
女生徒は足元から出た光の鎖に全身を繋がれた。ガクリと膝をついて、頭を下げる。
「何…なんなの…モブのくせに…チートだなんて」
ぶつぶつと独り言を言っている。どうやら私と同じ転生者のようだ。でも随分頭がおかしい。
私は彼女の前に立ち塞がり、その顔を見下ろして言った。
「チートではないよ。平凡な平民が努力した結果だよ」
「なんで…主人公は…私なのに…」
あくまで自分はヒロイン気取りらしい。
「ああ~部屋が無茶苦茶だ…」
壁に刺さったツララを引き抜くと、それらはボロボロになって崩れ落ちた。あまりレベルの高い攻撃魔法ではないようだ。
すでに大きな騒ぎになっていたようで、他にも生徒が集まってきた。
「イーム!!!」
人混みをかき分けて、抜刀したアストリアが部屋に入ってきた。女生徒が光の鎖に繋がれているのを見て、ハッと息を飲む。
「何事だ!学園内での私闘はご法度だぞ!」
教授も飛んできた。
すぐに女生徒は連行された。
私も騎士団から事情聴取されたが、アストリアと教授が私には全く非がないことを現場から証明してくれたのですぐに解放された。
アストリアと共に、ボロボロになった調合室のソファーに座る。
「俺のせいだな」
「違うでしょ、アストリアへのストーカー行為も私への攻撃も、全部あの子の仕業。私達は被害者だよ」
「すまなかった」
「もう、アストリアが謝る事じゃないってば」
バーンとアストリアの背中を叩く。でも無反応だ。
「お前が優秀な魔法使いで良かった…」
アストリアは眉をひそめてつぶやいた。
「一応これでも推薦なしで一般入試を突破した平民ですからね!」
推薦のない者がこの王立学園に入るには、難関の入試に合格しなければならない。
バーンと胸を叩き、アストリアを安心させたくて自慢してみた。
だが帰ってきたのは温かい抱擁だった。
「態度をハッキリさせていたつもりだったが…周囲にはまだ分かりづらかったんだな…きっと」
「ん?ドユコト?」
アストリアの言っている事が理解できない。
「いやいや、充分分かりやすいよお前さん」
教授が開けっぱなしのドアから、頭をかきながら入ってきた。
「さっきの子、即退学になった。今頃牢屋だな。まぁ、イームが無事でよかった」
「そうですか」
アストリアは私を抱きしめたまま答えた。
「お前さん達、そういうのは人のいないとこでやれ。この部屋はしばらく立ち入り禁止!」
「分かりました、イーム、行こう」
「え?え?」
アストリアは私の手を掴んだまま、調合室を出た。
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