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7話
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正妃候補としての宣言がなされてから、エリュシオンの生活は一変した。
だが、それは厳しい教育などではなく、ゼノスによる「過剰なまでの甘やかし」という名の軟禁に近いものだった。
「ゼノス……あの、そろそろ離してくれないと、公務に差し支えるのでは……」
離宮の寝室、昼を過ぎてもエリュシオンはゼノスの腕の中に閉じ込められていた。
薄い絹の寝衣は乱れ、はだけた胸元には昨日ゼノスがつけた赤い痕が、痛々しくも色っぽく残っている。
「公務など、お前を愛でる時間に比べれば些事だ。それよりも、身体の奥がまだ熱いのだろう?」
ゼノスがエリュシオンの項に唇を寄せ、低い声で囁く。
その言葉通り、エリュシオンの身体は数日前から奇妙な「渇き」を覚えていた。
聖子としての魔力が目覚めたことで、それを安定させるためのゼノスの魔力を、身体が本能的に求めてしまうのだ。
「……っ、ん……あ……」
ゼノスの大きな手がエリュシオンの腰を撫で上げると、それだけで背筋に甘い電流が走る。
自分から縋り付きたいという衝動を必死に抑えるが、潤んだ瞳は隠せない。
「正直に言え、エリュシオン。俺の魔力が……俺の熱が欲しいと」
「……ほしい、です……ゼノスの、熱……もっと、ください……」
恥じらいに顔を染めながらも、エリュシオンは自分からゼノスの首に腕を回した。
地下牢で孤独に震えていた頃には想像もできなかった、溺れるような快楽への執着。
ゼノスは満足げに目を細め、エリュシオンの唇を深く、深く奪い去った。
交わされる吐息と共に、ゼノスの強大な魔力が再びエリュシオンの中へと流れ込む。
氷の魔力がゼノスの熱に溶かされ、エリュシオンの肌が微かに青白く発光する。
それは、二人の魂が混じり合っているような、背徳的で神聖な光景だった。
「……いい子だ。お前はもう、俺がいなければ魔力を制御することすらできない。一生、俺の檻の中で愛されるだけの小鳥になれ」
「あ、ぁ……っ、ゼノス、ゼノス……!」
エリュシオンは、ゼノスが自分を支配しようとしていることに恐怖を感じるどころか、その支配に身を委ねることに至上の悦びを感じ始めていた。
自分を「無能」と呼んだ世界から自分を奪い、唯一無二の価値を与えてくれた男。
その男に染め上げられることが、今の彼にとって唯一の救いだった。
だが、その甘い蜜月を、冷ややかな影が外から伺っていた。
皇帝の異例の寵愛を快く思わない貴族派の重鎮たちが、旧王国の「聖子」という力を帝国への脅威として利用しようと画策を始めていたのだ。
「陛下は、あの『氷の呪い』に魅入られている。手遅れになる前に、あの男を排除せねば……」
そんな陰謀を知る由もなく、エリュシオンはゼノスの熱い腕の中で、生まれて初めての幸福な眠りについていた。
だが、それは厳しい教育などではなく、ゼノスによる「過剰なまでの甘やかし」という名の軟禁に近いものだった。
「ゼノス……あの、そろそろ離してくれないと、公務に差し支えるのでは……」
離宮の寝室、昼を過ぎてもエリュシオンはゼノスの腕の中に閉じ込められていた。
薄い絹の寝衣は乱れ、はだけた胸元には昨日ゼノスがつけた赤い痕が、痛々しくも色っぽく残っている。
「公務など、お前を愛でる時間に比べれば些事だ。それよりも、身体の奥がまだ熱いのだろう?」
ゼノスがエリュシオンの項に唇を寄せ、低い声で囁く。
その言葉通り、エリュシオンの身体は数日前から奇妙な「渇き」を覚えていた。
聖子としての魔力が目覚めたことで、それを安定させるためのゼノスの魔力を、身体が本能的に求めてしまうのだ。
「……っ、ん……あ……」
ゼノスの大きな手がエリュシオンの腰を撫で上げると、それだけで背筋に甘い電流が走る。
自分から縋り付きたいという衝動を必死に抑えるが、潤んだ瞳は隠せない。
「正直に言え、エリュシオン。俺の魔力が……俺の熱が欲しいと」
「……ほしい、です……ゼノスの、熱……もっと、ください……」
恥じらいに顔を染めながらも、エリュシオンは自分からゼノスの首に腕を回した。
地下牢で孤独に震えていた頃には想像もできなかった、溺れるような快楽への執着。
ゼノスは満足げに目を細め、エリュシオンの唇を深く、深く奪い去った。
交わされる吐息と共に、ゼノスの強大な魔力が再びエリュシオンの中へと流れ込む。
氷の魔力がゼノスの熱に溶かされ、エリュシオンの肌が微かに青白く発光する。
それは、二人の魂が混じり合っているような、背徳的で神聖な光景だった。
「……いい子だ。お前はもう、俺がいなければ魔力を制御することすらできない。一生、俺の檻の中で愛されるだけの小鳥になれ」
「あ、ぁ……っ、ゼノス、ゼノス……!」
エリュシオンは、ゼノスが自分を支配しようとしていることに恐怖を感じるどころか、その支配に身を委ねることに至上の悦びを感じ始めていた。
自分を「無能」と呼んだ世界から自分を奪い、唯一無二の価値を与えてくれた男。
その男に染め上げられることが、今の彼にとって唯一の救いだった。
だが、その甘い蜜月を、冷ややかな影が外から伺っていた。
皇帝の異例の寵愛を快く思わない貴族派の重鎮たちが、旧王国の「聖子」という力を帝国への脅威として利用しようと画策を始めていたのだ。
「陛下は、あの『氷の呪い』に魅入られている。手遅れになる前に、あの男を排除せねば……」
そんな陰謀を知る由もなく、エリュシオンはゼノスの熱い腕の中で、生まれて初めての幸福な眠りについていた。
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