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8章
てか男らしくなりたかったらもっと太れ
しおりを挟むカウントダウン花火は10分もしない内に終わって、人混みもそれぞれ散って行った。
幸い泰志はまだ使用人でいてくれているらしく、近くまで俺達を迎えに来てくれた。
桃山は帰るらしく、電車ももう走ってないのでタクシーを呼んでいた。俺はあれから桃山を避けるようにずっと双葉の横にいた。
「桃~、また学校でね~」
「おう。餅食い過ぎんなよ~」
紘夢とそんな挨拶を交わす桃山がタクシーに乗る前に一度俺を見た。目が合ってギクっとすると、ニコッとだけ笑ってそのまま帰って行った。
今度からあいつと会ったら気を付けなくちゃだな。
「さて俺達も帰ろうか~♪パーティーしよー♪」
「ああ、行こう」
茜の様子も普通そうに見える。さっきの桃山との事はバレてないみたいだな。
いや、隠すつもりはないけど、何となくな。
茜の前でもだけど、絶対に空の前ではやらせないようにしないとな。
俺達は紘夢の家に帰って来て、パーティーの準備を始める事にした。とその前に風呂だ。体が冷え切っちまったからあらかじめ泰志が用意してくれてた風呂を借りる事にした。
「貴ちゃん、一緒に入るー?」
「入る訳ねぇだろ。俺一番な~」
「せっかくだしみんなで入らない?そうすればみんなと同じタイミングでパーティー始められるでしょ?」
「みんなでだぁ?やだよ。狭くなるじゃん」
「余裕で四人入れるって♡はい決定~!俺二人に声掛けて来る~」
ったく、紘夢の奴勝手な事を言いやがる。
俺はさっさと一人で入って暖まろうと、先に風呂に入ってる事にした。
何で男四人で入らなきゃなんねぇんだよ。てか茜とか普通に嫌がりそうだし。紘夢とか変な事して来そうだしな。一応見えるとこのは消えたけど、楓に付けられたキスマークが残ってないかチェックしとくか。
服を脱いで先に髪と体を洗ってから広い湯船に浸かる。あー気持ち良いなぁ♪紘夢んちの風呂って足を伸ばしてもまだ余裕のある広さで、ついゆっくりしちまうよな。
「貴ちゃんお待たせ~♪」
「どわっ!?待ってねぇよ!何入って来てんだよ!!」
なかなか来なかったから諦めたんだと思って油断した頃に紘夢が裸で浴室に入って来た。こいつマジで入って来やがった!
俺の声を聞こえないフリをしてるのか、普通にシャワーを浴び始めた。
そして脱衣所からもう一人現れて俺は自然と目で追ってしまった。自身の前を隠して入って来たのは茜だった。細くて華奢。紘夢に比べたら筋肉なんて無くて、まるで少年のような体。少し恥じらうその姿……え、ちょっと可愛いんだけど♡笑
「茜~♪何隠してんだよぉ♪男同士なんだから照れんなよ~」
「いや、照れるだろ。どうして二人は堂々としていられるんだ?」
「どうしてって隠すような物なんて無くない?」
「そうだよ。そんな風にしてっと逆に気になるわ」
「そうか!裸の付き合いってのは初めてだから分からなかった!」
茜はそう言いながらも下半身を隠したままで、見せようとはしなかった。初々しくて面白いからいいけど。
「なぁ双葉はー?」
「誘ったんだけど、辞めとくって言われたよ」
「あ?あいつも恥ずかしがってんの?」
「何か少し考えてから辞めときますって。理由までは聞かなかったけど」
洗い終わった紘夢は全身を洗い流しながら言った。空いたシャワーを茜に手渡しながら髪をかき上げて、ニッコリ笑った。おお、水も滴るなんとかってやつ~。
「紘夢、お前もなかなかな男前だよな。ちゃんとしてればな」
「わー♡貴ちゃんに言われると嬉しいな~♡」
「二人はいいよな、体も男らしくて」
シャワーを体にかけながら茜がポツリと言った。
いや、茜はそれだからいいんだって。
「茜ちゃんもスポーツやってたから締まってていい体じゃん♪」
「いや、これでも部活を辞めてから太ったんだ……」
「全然太ってねぇから安心しろって。てか男らしくなりたかったらもっと太れ」
「貴ちゃんと遊ぶようになって太ったって事?そりゃ貴ちゃんみたいな生活送ってたらだらしない体にもなるだろ。食べて寝て食べて寝ての繰り返しだろ?」
「お前失礼だぞ!風呂掃除はしてる!」
「食べる事は増えたな。その分運動する機会がなくなったから。一条は何かしてるのか?大分鍛えられているように見えるが」
シャンプーをしながら喋る茜。俺はここで茜の下半身を覗き見る。なんだ、普通じゃん。隠すからとんでもねぇモノ持ってるかとんでもねぇぐらい小せぇのかと思ったけど、俺のと大差ねぇじゃん。どこまでも茜は茜だなと思った。
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