藤堂正道と伊藤ほのかのおしゃべり

Keitetsu003

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52:勤労感謝の日

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「秋気いよいよ深く肌寒い季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか? 今回は仕事に追われ、人肌恋しいこの季節にこそ読んで欲しい本『いばらの聖域 ー朦朧ー』を紹介いたします」
「おい、やめろ、ドアホ」
 バシュ!
「あ痛ぃあ! 何をするんですか、先輩!」
「おい、本気で尋ねているのなら、風紀委員として容赦しないぞ」
「も、もう、冗談じゃないですか~。先輩のい・け・ず!」
「そうか。だよな。委員会の活動中にBL本の紹介をするなんてナメてるよな? もし、本気なら伊藤にお仕置きをするところだった」
「お、お仕置き……ってどんな事をするつもりだったんですか?」
「正座三時間」
「地味に辛い! まあ、おしゃべりはここまでにして、勤労感謝の日について語りましょうか」
「……勤労感謝の日とは、1948年に制定された祝日で、勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日だ」
「でも、この日に昔は全然違う祭があったんですよね?」
「ああっ。元々11月23日は新嘗祭にいなめさいと呼ばれている祭りがあった。その年の稲の収穫を祝い,天地自然の神々に感謝し、翌年の豊穣を祈願する国民的な祭典だ。飛鳥時代、皇極天皇自ら祭儀していたが、なぜ、新嘗祭の日に勤労感謝の日が制定されたのか? 1948年に制定された祝日から、勘のいい読者様は気づいているかもしれないが、天皇陛下自ら祭儀を行っていた事から戦後のGHQの占領政策によって、決まった祝日だ。日本国の象徴である天皇陛下の威光を弱体化させておきたかったのだろう」
「そういうの多いですよね。敗戦国だから仕方ありませんけど」
「とにかく、そういった歴史的背景があって勤労感謝の日が制定されたわけだが、勤労感謝の日に送られるプレゼントは何か分かるか?」
「パパンにはお酒かネクタイ。ママンはフラワーかバスソルト、エプロン等。男女共通でマッサージ器やお食事券ってネットに書かれていましたけど、男の人って本人に確認せずに、店ですすめられたものをそのまま送りますから、困りますよね」
「確かに。エプロンは使い慣れた物やお気に入りがあるから、新たに送られたり、色やデザインが気に入らないってことはあるかもな。バスソルトはモロに好みが出そうだ。リサーチは必須というわけか」
「ですね。けど、女の子も感性でネクタイとか選んでますし、どっちもどっちって気もしますけど」
「定番にとらわれず、本人がもらって嬉しい物を送れたらいいな。ちなみに俺は勤労感謝の日には、家事を代行して一日ゆっくりとしてもらうつもりだ」
「いいですね。先輩のママンも喜びますよ」
「……」
「先輩?」
「いや……そうだな。伊藤はどうするつもりだ?」
「私は……そうですね……いい機会ですし、『いばらの聖域 ー朦朧ー』を贈呈することにします」
「お前はチャレンジャーか! 親御さん、そんなものもらったら、反応に困るだろうが」
「サプライズってことで。案外、家族みんなで読めるかもしれませんし」
「読めねえよ……どんなカオスだ……」
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