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「ふぅむ・・・これは白兵戦になるな」
水上を走るように向かって来る巨大な氷の竜を見据え、アーロン・カカーチェは独り言のように呟いた。
自軍に向けて撃ち放たれた竜氷縛に気づき、クインズベリー軍を攻撃していた黒魔法使いの一部を撃墜に向けた。
しかし何十発、何百発と撃っているのに、氷の竜は一向に勢いを落とすことなく、一直線に向って来るのだ。
遠目に見ても分かった。どうやらあの氷の竜の背に何人か乗っていて、こっちの攻撃魔法を叩き落しているらしい。
もちろん全てを防げているわけではないようだが、着弾しても氷の竜には目立ったダメージは与えられていない。
いや、正確には多少の破損はあるように見えるが、どうやら修復している者がいるようだ。
相当な使い手達だ・・・たった数人しかいないが、クインズベリーは逆境を打破するため、こいつらならやり遂げると判断して送ってきたという事か。
「総員に告ぐ!まもなくクインズベリーの竜氷縛が着弾する!白兵戦に備えよ!」
カカーチェの呟きが聞こえていたのか、同じ見解だったガルバンが叫んだ。
水源に乏しいブロートン帝国は、川に大きなダメージを与えかねない上級魔法を使用する事は避けたかった。
竜氷縛やトルネード・バーストならば、深く考えなくてもいいかもしれないが、すでに帝国はクインズベリーの接近を許していた。この距離で上級魔法を使おうものなら、自軍にまで被害が及びかねない。
今こっちに向かっている者達が、かなりの使い手という事は分かる。しかしそれでもたった数人だ。
ならば正面から迎え撃ち叩き潰してやろう。
カカーチェもガルバンも同じ判断を下した。
そして帝国軍が体勢を整え終えた時、竜氷縛が両軍の岸を繋いだ。
氷の竜が帝国側にたどりついた時、初動をどうするかは決めていた。
いったん地面に降りて、敵の様子をうかがってから行動に移すか?
それとも問答無用で攻撃を仕掛けるか?
この二案が候補に上がり、突撃部隊のメンバーで話しあった。
しかし話しあいはものの一分もかからず終了した。なぜならメンバー五人が全員同じ意見だったからだ。
そして彼らの選択は・・・・・
「オォォォォォォォォーーーーーーーーッツ!」
氷の竜の背中から最初に飛び出したのは、この部隊を率いるリーダーのヴァン・エストラーダだった。
右手に握ったナイフで、正面に立っていた帝国兵の首を切り裂いた!
「フッ!」
続いて氷の竜の背を蹴ったのは、治安部隊隊長補佐のモルグ・フェンテス。
着地と同時に右手に握ったナイフで目の前の帝国兵の腹を切り裂くと、倒れてくる帝国兵の体を飛び越え、その後ろに並び立つ帝国兵達に突っ込んで行った。
「じゃまだぁぁぁぁぁーーーーーーーッツ!」
「うぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーッツ!」
ジャレットとアラタもほとんど同じタイミングで飛び出した。
ジャレットのオーラブレードは、注ぐ気の量でより大きく形作る事ができる。突破口を作るために多くの気を注いだ闘気の剣は、たった一振りで目の前に立ち並ぶ、屈強な帝国兵達を薙ぎ払った。
しかし大量のオーラを放出した闘気の剣は、振るった後に隙ができる。
そこを突いて剣を掲げた帝国兵が襲い掛かって来ると、アラタがジャレットの前に飛び出した。
目線の高さから真っすぐに突き出した左拳は、およそ人の目では追いきれない最速の技ジャブ。
真正面から顔面を打たれた帝国兵の顔が跳ねると、次の瞬間右の拳が帝国兵の顔面を打ち抜いた。
後方へ殴り飛ばされた帝国兵は、そのまま背中から地面に倒れた落ち、そのまま起き上がる事はなかった。
「よし!アラやんこのまま行くぞ!」
「はいっ!」
男四人が氷の竜の背中から飛び降りた事を確認すると、最後に金色の髪の魔道剣士が音も立てずに飛び降りた。
ラクエル・エンリケスは、腰に差した白いナイフを抜き取ると、顔を上げて周囲の帝国兵を見回した。
ヴァン達から問答無用の奇襲を受け、最初こそ隙を突かれてしまったが、そこは大陸一の軍事国家ブロートン帝国。すぐに立て直し、何人もの帝国兵達が剣を構えてラクエルを取り囲んでいる。
「ぶっ殺してやる!」
「斬れッ!」
「うぉぉぉぉぉーーーーーっ!」
ラクエルを取り囲む帝国兵達が、一斉に剣を掲げて襲い掛かって来た!
「・・・ふぅ・・・遅いよ」
その小さな呟きが帝国兵達に聞こえていたかは分からない。
しかし次の瞬間ラクエルは自分を囲む帝国兵達の前から消えていた。そう、彼らの後ろを取っていたのだ。
一瞬遅れて、背後の帝国兵達がバタバタと倒れていった。
彼らの喉は切り裂かれている。しかし血は噴き出す事がなく、代わりに喉の傷口が凍り始めた。
氷は喉から顔にまで広がっていき、やがて彼らの頭を丸ごと凍り付かせた。
その様子を見ていた帝国兵達に動揺が広がった。
ラクエルの持つ白いナイフの能力も恐ろしいものだが、それ以上に驚異的だったのはそのスピードだ。
誰一人目で追う事のできなかった恐ろしいスピードに、彼らは恐怖を感じていた。
「あれ?誰もかかってこないの?もしかしてビビってる?うわぁ~、ダサ!って、まぁいいか。別にあんたらと話す事なんてないしね。ここでこのまま全員ぶっ殺してあげる!」
そう言うなりラクエルは地面を蹴った。
わざわざ名乗り合って戦う必要などない。目的を聞く必要もない。こいつらはここで止める。
問答無用だ!
水上を走るように向かって来る巨大な氷の竜を見据え、アーロン・カカーチェは独り言のように呟いた。
自軍に向けて撃ち放たれた竜氷縛に気づき、クインズベリー軍を攻撃していた黒魔法使いの一部を撃墜に向けた。
しかし何十発、何百発と撃っているのに、氷の竜は一向に勢いを落とすことなく、一直線に向って来るのだ。
遠目に見ても分かった。どうやらあの氷の竜の背に何人か乗っていて、こっちの攻撃魔法を叩き落しているらしい。
もちろん全てを防げているわけではないようだが、着弾しても氷の竜には目立ったダメージは与えられていない。
いや、正確には多少の破損はあるように見えるが、どうやら修復している者がいるようだ。
相当な使い手達だ・・・たった数人しかいないが、クインズベリーは逆境を打破するため、こいつらならやり遂げると判断して送ってきたという事か。
「総員に告ぐ!まもなくクインズベリーの竜氷縛が着弾する!白兵戦に備えよ!」
カカーチェの呟きが聞こえていたのか、同じ見解だったガルバンが叫んだ。
水源に乏しいブロートン帝国は、川に大きなダメージを与えかねない上級魔法を使用する事は避けたかった。
竜氷縛やトルネード・バーストならば、深く考えなくてもいいかもしれないが、すでに帝国はクインズベリーの接近を許していた。この距離で上級魔法を使おうものなら、自軍にまで被害が及びかねない。
今こっちに向かっている者達が、かなりの使い手という事は分かる。しかしそれでもたった数人だ。
ならば正面から迎え撃ち叩き潰してやろう。
カカーチェもガルバンも同じ判断を下した。
そして帝国軍が体勢を整え終えた時、竜氷縛が両軍の岸を繋いだ。
氷の竜が帝国側にたどりついた時、初動をどうするかは決めていた。
いったん地面に降りて、敵の様子をうかがってから行動に移すか?
それとも問答無用で攻撃を仕掛けるか?
この二案が候補に上がり、突撃部隊のメンバーで話しあった。
しかし話しあいはものの一分もかからず終了した。なぜならメンバー五人が全員同じ意見だったからだ。
そして彼らの選択は・・・・・
「オォォォォォォォォーーーーーーーーッツ!」
氷の竜の背中から最初に飛び出したのは、この部隊を率いるリーダーのヴァン・エストラーダだった。
右手に握ったナイフで、正面に立っていた帝国兵の首を切り裂いた!
「フッ!」
続いて氷の竜の背を蹴ったのは、治安部隊隊長補佐のモルグ・フェンテス。
着地と同時に右手に握ったナイフで目の前の帝国兵の腹を切り裂くと、倒れてくる帝国兵の体を飛び越え、その後ろに並び立つ帝国兵達に突っ込んで行った。
「じゃまだぁぁぁぁぁーーーーーーーッツ!」
「うぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーッツ!」
ジャレットとアラタもほとんど同じタイミングで飛び出した。
ジャレットのオーラブレードは、注ぐ気の量でより大きく形作る事ができる。突破口を作るために多くの気を注いだ闘気の剣は、たった一振りで目の前に立ち並ぶ、屈強な帝国兵達を薙ぎ払った。
しかし大量のオーラを放出した闘気の剣は、振るった後に隙ができる。
そこを突いて剣を掲げた帝国兵が襲い掛かって来ると、アラタがジャレットの前に飛び出した。
目線の高さから真っすぐに突き出した左拳は、およそ人の目では追いきれない最速の技ジャブ。
真正面から顔面を打たれた帝国兵の顔が跳ねると、次の瞬間右の拳が帝国兵の顔面を打ち抜いた。
後方へ殴り飛ばされた帝国兵は、そのまま背中から地面に倒れた落ち、そのまま起き上がる事はなかった。
「よし!アラやんこのまま行くぞ!」
「はいっ!」
男四人が氷の竜の背中から飛び降りた事を確認すると、最後に金色の髪の魔道剣士が音も立てずに飛び降りた。
ラクエル・エンリケスは、腰に差した白いナイフを抜き取ると、顔を上げて周囲の帝国兵を見回した。
ヴァン達から問答無用の奇襲を受け、最初こそ隙を突かれてしまったが、そこは大陸一の軍事国家ブロートン帝国。すぐに立て直し、何人もの帝国兵達が剣を構えてラクエルを取り囲んでいる。
「ぶっ殺してやる!」
「斬れッ!」
「うぉぉぉぉぉーーーーーっ!」
ラクエルを取り囲む帝国兵達が、一斉に剣を掲げて襲い掛かって来た!
「・・・ふぅ・・・遅いよ」
その小さな呟きが帝国兵達に聞こえていたかは分からない。
しかし次の瞬間ラクエルは自分を囲む帝国兵達の前から消えていた。そう、彼らの後ろを取っていたのだ。
一瞬遅れて、背後の帝国兵達がバタバタと倒れていった。
彼らの喉は切り裂かれている。しかし血は噴き出す事がなく、代わりに喉の傷口が凍り始めた。
氷は喉から顔にまで広がっていき、やがて彼らの頭を丸ごと凍り付かせた。
その様子を見ていた帝国兵達に動揺が広がった。
ラクエルの持つ白いナイフの能力も恐ろしいものだが、それ以上に驚異的だったのはそのスピードだ。
誰一人目で追う事のできなかった恐ろしいスピードに、彼らは恐怖を感じていた。
「あれ?誰もかかってこないの?もしかしてビビってる?うわぁ~、ダサ!って、まぁいいか。別にあんたらと話す事なんてないしね。ここでこのまま全員ぶっ殺してあげる!」
そう言うなりラクエルは地面を蹴った。
わざわざ名乗り合って戦う必要などない。目的を聞く必要もない。こいつらはここで止める。
問答無用だ!
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