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1392 陽の当たる世界へ連れ出してくれた恩人
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地面の冷たさを頬に感じる・・・・・
辺り一帯が火の海なのに、なぜ冷たいんだ?
そんな疑問が脳裏に浮かび、マレスは微かに口の端を持ち上げた。
何をこんな時に・・・・・
最後の時というものは、案外どうでもいい事を考えてしまうものなのかもしれない。
「グ・・・・・ゴフッ・・・・・・」
吐き出した血が目の前の地面に赤い染みを作る。
噛み千切られた首からも血が噴き出し、視界に映るものはほとんどが真っ赤に染まっていた。
ああ・・・そうか、俺か、俺の血か。これだけ血を失っているのだから・・・体も冷えるわけだ。
冷たいのは地面ではなく、俺だったのか・・・・・
薄れゆく意識の中、マレスの目に映ったのは、すぐそばで倒れている焼け焦げた男だった。
その男は帝国軍第五師団長にして、青魔法兵団団長ジェリメール・カシレロ。
炎で赤黒く焼かれたその体からは、ブスブスと黒い煙が立ち昇っている。元の姿など見る影も無くなっていた。
大きく開かれた口周りは、マレスの首に噛みついた時に付着した血で、べったりと赤く染まっていた。
カッと見開かれた両の眼、その眼球も炎で焼かれ、炭のように黒く焼け焦げていた。
一目で息絶えている事は分かる。生きたまま炎で焼かれるなど、想像を絶する苦痛だったはずだ。
しかし死してなおその顔は、不敵に笑っているようにも見えた。
ただでは死なねぇ・・・・・てめぇは道連れだ・・・・・・・
執念・・・・・
何が何でもマレスだけは連れて行く。師団長カシレロの恐ろしいまでの執念が、マレスを食い殺したのだ。
「・・・お、じょう・・・さ・・・ま・・・・・」
申し訳ありません
どうやら、私はここまでです
ですが・・・師団長カシレロは倒しました
あとは仲間達が、きっと・・・
シャノンお嬢様・・・
あなたにお仕えできて、私は幸せでした・・・・・・・
アブエル・マレスが最後に思い浮かべたのは、自分を陽の当たる世界へ連れ出してくれた恩人、シャノン・アラルコンだった。
「カ、カシレロ様ァァァァァーーーーーーーーーーッツ!」
ここまでの戦いを見ていたカシレロの異母兄弟、シーサケット・ヴァサイは耐えきれずに声を上げた。
焼け落ちる兄、カシレロはもう助からない。考えたくもないが、あれではどうしようもない。
近づきたくても、肌を焼く熱波に足を進める事ができない。
援護しようにも魔法を撃てばカシレロも巻き添えにしてしまうため、何もできなかった。
シーサケットは何もできない無力さに耐えがたい苦痛を感じていた。
無力故に兄を失う事になってしまったのだ。ただひたすらに自分が許せなかった。
色が白くなる程強く握りしめた拳からは爪が食い込み血が流れ、どれほどキツク噛み締めたのか、ギリギリと音を立てた奥歯はひび割れた。
「く、くそ!くそォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーッツ!」
怒りと憎しみの塊となったシーサケットの絶叫が、暗い空へぶつけられた。
辺り一帯が火の海なのに、なぜ冷たいんだ?
そんな疑問が脳裏に浮かび、マレスは微かに口の端を持ち上げた。
何をこんな時に・・・・・
最後の時というものは、案外どうでもいい事を考えてしまうものなのかもしれない。
「グ・・・・・ゴフッ・・・・・・」
吐き出した血が目の前の地面に赤い染みを作る。
噛み千切られた首からも血が噴き出し、視界に映るものはほとんどが真っ赤に染まっていた。
ああ・・・そうか、俺か、俺の血か。これだけ血を失っているのだから・・・体も冷えるわけだ。
冷たいのは地面ではなく、俺だったのか・・・・・
薄れゆく意識の中、マレスの目に映ったのは、すぐそばで倒れている焼け焦げた男だった。
その男は帝国軍第五師団長にして、青魔法兵団団長ジェリメール・カシレロ。
炎で赤黒く焼かれたその体からは、ブスブスと黒い煙が立ち昇っている。元の姿など見る影も無くなっていた。
大きく開かれた口周りは、マレスの首に噛みついた時に付着した血で、べったりと赤く染まっていた。
カッと見開かれた両の眼、その眼球も炎で焼かれ、炭のように黒く焼け焦げていた。
一目で息絶えている事は分かる。生きたまま炎で焼かれるなど、想像を絶する苦痛だったはずだ。
しかし死してなおその顔は、不敵に笑っているようにも見えた。
ただでは死なねぇ・・・・・てめぇは道連れだ・・・・・・・
執念・・・・・
何が何でもマレスだけは連れて行く。師団長カシレロの恐ろしいまでの執念が、マレスを食い殺したのだ。
「・・・お、じょう・・・さ・・・ま・・・・・」
申し訳ありません
どうやら、私はここまでです
ですが・・・師団長カシレロは倒しました
あとは仲間達が、きっと・・・
シャノンお嬢様・・・
あなたにお仕えできて、私は幸せでした・・・・・・・
アブエル・マレスが最後に思い浮かべたのは、自分を陽の当たる世界へ連れ出してくれた恩人、シャノン・アラルコンだった。
「カ、カシレロ様ァァァァァーーーーーーーーーーッツ!」
ここまでの戦いを見ていたカシレロの異母兄弟、シーサケット・ヴァサイは耐えきれずに声を上げた。
焼け落ちる兄、カシレロはもう助からない。考えたくもないが、あれではどうしようもない。
近づきたくても、肌を焼く熱波に足を進める事ができない。
援護しようにも魔法を撃てばカシレロも巻き添えにしてしまうため、何もできなかった。
シーサケットは何もできない無力さに耐えがたい苦痛を感じていた。
無力故に兄を失う事になってしまったのだ。ただひたすらに自分が許せなかった。
色が白くなる程強く握りしめた拳からは爪が食い込み血が流れ、どれほどキツク噛み締めたのか、ギリギリと音を立てた奥歯はひび割れた。
「く、くそ!くそォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーッツ!」
怒りと憎しみの塊となったシーサケットの絶叫が、暗い空へぶつけられた。
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