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1391 最後に選んだ行動
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「フハハハハハハハ!死ね!死ね!死んじまえェェェェェーーーーーーーーッツ!」
高熱を発する煉極刃が突き刺さり、カシレロの右手が焼け始めた。
並の精神では到底耐えられない痛みが脳天に突き刺さるが、それすら怒りと勝利への執念で抑え込んだ。
ジェリメール・カシレロは今、己の全てを懸けて目の前の男に勝とうとしていた。
それは帝国への忠誠心、師団長としての使命、いいや・・・男の意地だ。
「ぐ、うぅぅぅ・・・うぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーッツ!」
アブエル・マレスは腹の底から声を絞り出した。
全身を噛み千切られる激しい痛み、失血による虚脱感、汗は冷たく呼吸は乱れ視界もぼやけて来た。
いつ倒れてもおかしくない。立っている事がおかしいと思えるような状態だ。
だがマレスは戦いを諦めていない。
左拳!
煉極刃を握る右手は掴まれている。体中には鮮血の蟲が取り付き、マレスの肉に噛みついている。
剣を手放して逃げる事もできない。
この状態できる事は少ない。限られた選択肢の中でマレスが選んだものは、左の拳だった。
「あぁッ!?」
横殴りに振るわれたマレスの左の拳!カシレロの顔面を狙った一撃だったが、その拳は重症の魔法使いが目で見て躱せるくらい遅かった。
カシレロは一瞬怪訝そうな目を見せたが、すぐに憐れむように口元を歪めて身を反らした。
「カスが!そんなのろい拳があたると・・・ッ!?」
しかしマレスの左拳はカシレロの顔の前を通り過ぎず、カシレロの胸倉を掴みグイッと引き寄せた!
「なっ!?」
カシレロ・・・この体じゃ俺にはもう戦う力なんて残っていない。そう思ってんだろ?
その通りだ、確かにもう素早い動きも、力の入った拳も打てない。だがな、この煉極刃は俺の心の強さによってその熱を高め発する剣だ。
いくら体がボロボロでも、てめぇを倒す気持ちだけは高ぶってんだよ!
「焼け死ね」
息も絶え絶えのマレスだったが、カシレロと顔を突き合わせ、低く冷たい声でハッキリそう告げる。
その瞬間カシレロの右手を貫く刃が、先刻と同じように、いやそれ以上に超高温を発して燃え上がった!
「なぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃッツ!て、てめェェェまさかぁッッッツ!」
瞬時にマレスの意図を理解したカシレロは、マレスから離れようと右手を剣から引き抜こうとするが、マレスは左腕をカシレロの頭部の後ろに回し、首を締め上げるように己の体に押し付けた。
使い手の精神によって高温を発する煉極刃だが、その熱は使い手には害を及ぼさない。
しかしゼロ距離でこれを浴びせられるカシレロには、逃れる術がなかった。
「どうだ?剣で手を貫いた事が仇になったな?これでは結界は使えまい?」
そう、結界の範囲は狭くしようと思えば、体に密着させるほど小さくする事も可能である。
しかし刃に手を貫かれ、その刃が熱を発しているのならばどうしようもない。
「うがぁぁぁぁぁーーーーーーーーッツ!こ、このカス野郎がぁぁぁぁぁーーーーーーーッツ!」
己の右手を焼く熱がある一定の温度を越えた時、カシレロの右手に火が付いた。
人体の油が燃え始めたのだ。それは衣服に飛び火して、一瞬にしてカシレロの体を炎で包み込んだ。
喉が張り裂けんばかりの絶叫だった。怒り、憎しみ、苦痛、あらゆる負の感情を込めてカシレロは叫び声を上げた。
「ガァァァァァァァァーーーーーーーーーーッツ!!デメェェェェェェガァァァァァーーーーーーーーッツ!」
マレスの体に取りついていた鮮血の蟲達は、先刻と同様に熱波によって焼き払われ、カシレロ自身も煉極刃の炎に全身を焼かれている。もはやカシレロに助かる術はなかった。
あと数秒のうちにカシレロは絶命する。
だが命の灯が消えゆく中で、カシレロが最後にとった行動は、残された帝国軍に想いを託す事でもなく、弟のシーサケットの身を案じる事でもなかった。
噛みつき
「なッ!?うぐぁぁぁぁぁッツ!」
首を後ろから押さえ付けられているカシレロは、自然と顔がマレスの首筋にあった。
死の直前にあったとしても、口を開き噛みつく事くらいはできる。
カシレロの上顎と下顎はマレスの首に深く食い込んだ。肉は引き裂かれ、真っ赤な鮮血が噴き出した。
「カッ・・・カ、カシレ、ロ・・・き、ざま・・・・・ゴフッ・・・! 」
「た、だ、ジャ、死なねェ・・・で、でめェば・・・み、みぢ・・・ヅレ、だ・・・・・・・・・」
血を吐き出し、苦痛に顔を歪めるマレスをその目に焼き付けると、カシレロはニヤリと笑い倒れた。
高熱を発する煉極刃が突き刺さり、カシレロの右手が焼け始めた。
並の精神では到底耐えられない痛みが脳天に突き刺さるが、それすら怒りと勝利への執念で抑え込んだ。
ジェリメール・カシレロは今、己の全てを懸けて目の前の男に勝とうとしていた。
それは帝国への忠誠心、師団長としての使命、いいや・・・男の意地だ。
「ぐ、うぅぅぅ・・・うぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーッツ!」
アブエル・マレスは腹の底から声を絞り出した。
全身を噛み千切られる激しい痛み、失血による虚脱感、汗は冷たく呼吸は乱れ視界もぼやけて来た。
いつ倒れてもおかしくない。立っている事がおかしいと思えるような状態だ。
だがマレスは戦いを諦めていない。
左拳!
煉極刃を握る右手は掴まれている。体中には鮮血の蟲が取り付き、マレスの肉に噛みついている。
剣を手放して逃げる事もできない。
この状態できる事は少ない。限られた選択肢の中でマレスが選んだものは、左の拳だった。
「あぁッ!?」
横殴りに振るわれたマレスの左の拳!カシレロの顔面を狙った一撃だったが、その拳は重症の魔法使いが目で見て躱せるくらい遅かった。
カシレロは一瞬怪訝そうな目を見せたが、すぐに憐れむように口元を歪めて身を反らした。
「カスが!そんなのろい拳があたると・・・ッ!?」
しかしマレスの左拳はカシレロの顔の前を通り過ぎず、カシレロの胸倉を掴みグイッと引き寄せた!
「なっ!?」
カシレロ・・・この体じゃ俺にはもう戦う力なんて残っていない。そう思ってんだろ?
その通りだ、確かにもう素早い動きも、力の入った拳も打てない。だがな、この煉極刃は俺の心の強さによってその熱を高め発する剣だ。
いくら体がボロボロでも、てめぇを倒す気持ちだけは高ぶってんだよ!
「焼け死ね」
息も絶え絶えのマレスだったが、カシレロと顔を突き合わせ、低く冷たい声でハッキリそう告げる。
その瞬間カシレロの右手を貫く刃が、先刻と同じように、いやそれ以上に超高温を発して燃え上がった!
「なぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃッツ!て、てめェェェまさかぁッッッツ!」
瞬時にマレスの意図を理解したカシレロは、マレスから離れようと右手を剣から引き抜こうとするが、マレスは左腕をカシレロの頭部の後ろに回し、首を締め上げるように己の体に押し付けた。
使い手の精神によって高温を発する煉極刃だが、その熱は使い手には害を及ぼさない。
しかしゼロ距離でこれを浴びせられるカシレロには、逃れる術がなかった。
「どうだ?剣で手を貫いた事が仇になったな?これでは結界は使えまい?」
そう、結界の範囲は狭くしようと思えば、体に密着させるほど小さくする事も可能である。
しかし刃に手を貫かれ、その刃が熱を発しているのならばどうしようもない。
「うがぁぁぁぁぁーーーーーーーーッツ!こ、このカス野郎がぁぁぁぁぁーーーーーーーッツ!」
己の右手を焼く熱がある一定の温度を越えた時、カシレロの右手に火が付いた。
人体の油が燃え始めたのだ。それは衣服に飛び火して、一瞬にしてカシレロの体を炎で包み込んだ。
喉が張り裂けんばかりの絶叫だった。怒り、憎しみ、苦痛、あらゆる負の感情を込めてカシレロは叫び声を上げた。
「ガァァァァァァァァーーーーーーーーーーッツ!!デメェェェェェェガァァァァァーーーーーーーーッツ!」
マレスの体に取りついていた鮮血の蟲達は、先刻と同様に熱波によって焼き払われ、カシレロ自身も煉極刃の炎に全身を焼かれている。もはやカシレロに助かる術はなかった。
あと数秒のうちにカシレロは絶命する。
だが命の灯が消えゆく中で、カシレロが最後にとった行動は、残された帝国軍に想いを託す事でもなく、弟のシーサケットの身を案じる事でもなかった。
噛みつき
「なッ!?うぐぁぁぁぁぁッツ!」
首を後ろから押さえ付けられているカシレロは、自然と顔がマレスの首筋にあった。
死の直前にあったとしても、口を開き噛みつく事くらいはできる。
カシレロの上顎と下顎はマレスの首に深く食い込んだ。肉は引き裂かれ、真っ赤な鮮血が噴き出した。
「カッ・・・カ、カシレ、ロ・・・き、ざま・・・・・ゴフッ・・・! 」
「た、だ、ジャ、死なねェ・・・で、でめェば・・・み、みぢ・・・ヅレ、だ・・・・・・・・・」
血を吐き出し、苦痛に顔を歪めるマレスをその目に焼き付けると、カシレロはニヤリと笑い倒れた。
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