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1442 理解した恐れ
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「・・・ッ!?」
「ふぅ・・・危ねぇ危ねぇ、だが一度見た攻撃だからな、来ると分かっていればどうってことはねぇな」
迅雷の一撃を受けて沼から弾き出されたアルバレスは、ゆっくりと上半身を起こすと、コキコキと首を鳴らしながら立ち上がった。
ヴァージニアは言葉を発せなかった。
迅雷の一発目は深紅の鎧を破壊し、胸に大きな傷跡を付ける程のダメージを与えていた。
ならば鎧を砕いた今、生身にぶつけた二発目は、その肉体を斬り裂けるはずだと確信していた。
アルバレスを沼にはまらせて動きを止め、長剣迅雷の刃を飛ばしてぶつける。
その作戦は見事に成功した。
そう成功したのだ。
しかしヴァージニアの描いたイメージとは、まるで正反対の結果となった。
アルバレスの首を刎ね飛ばすはずだった刃はまたしても弾かれ、ヴァージニアの後ろの樹に突き刺さった。しかもアルバレスはほとんど無傷なのだ。
迅雷の刃は狙い通りアルバレスの首に当たった。その衝撃は沼にはまったアルバレスを弾き出す程だった。しかし十数メートルも飛ばした一発目に比べ、今度はせいぜい2~3メートル程度であり、アルバレスを沼から引き出しただけのようなものだった。
そして繰り返しになるが、アルバレスの首には僅かに刃を受けた跡はあるが、胸に残る一発目の大きな傷跡とは、比べるまでもない小さく薄いものだった。
「そ、そんな・・・なんで・・・」
想定外どころではない。さっきと今とで何が違うのか?なぜ一発目はあれだけダメージを与える事が出来て、二発目はまるで効いていないのか?
混乱した頭では深く考える事もできず、ヴァージニアは無意識に一歩二歩と後ずさってしまった。
そしてそれは、ヴァージニアがアルバレスを恐れてしまった事を意味する。
「ふはははは、さっきは不意を突かれたけどよ、二度は通用しねぇよ。てめぇが首に狙いをつけたんなら、首に力を集中させる。あの程度の攻撃はそれで十分に防げるってもんだぜ」
「ま、まさか・・・それだけで私の迅雷を防いだというのか!?」
「そうだと言っている。俺は力を集中させる事で、部分的に硬度を引き上げる事ができる。てめぇの攻撃は見切った。もう俺には通用しねぇよ。そもそも、もう刃がねぇんだもんな?攻撃以前の問題か」
アルバレスの言う通りだった。
迅雷の刃は弾かれて後方の樹に刺さっている。今ヴァージニアが右手に握っている物は、刃の無くなった柄だけだ。これで戦う事などできるはずもない。
アルバレスは屈むように上半身を曲げると、はずみをつけて地面を蹴って跳び上がった。
そしてさっきまで自分がはまっていた沼を越えると、ドシンと大きな音を立てて、ヴァージニアの目の前に降り立った。
湿地帯のぬかるんだ足場では、アルバレスの巨体を受け止めきれずに地面に亀裂が走る。
撥ね跳んだ泥がヴァージニアの顔にもかかった。しかしそんなものを拭う余裕も、今の彼女には無かった。
ただ、目の前に立つ大男には何をやっても通用しない。
それを理解してしまったために、体を震わせながら立っている事だけしかできなかった。
「さぁ、どうする?まだ何か手が残ってるなら、遠慮なく出せよ」
「ふぅ・・・危ねぇ危ねぇ、だが一度見た攻撃だからな、来ると分かっていればどうってことはねぇな」
迅雷の一撃を受けて沼から弾き出されたアルバレスは、ゆっくりと上半身を起こすと、コキコキと首を鳴らしながら立ち上がった。
ヴァージニアは言葉を発せなかった。
迅雷の一発目は深紅の鎧を破壊し、胸に大きな傷跡を付ける程のダメージを与えていた。
ならば鎧を砕いた今、生身にぶつけた二発目は、その肉体を斬り裂けるはずだと確信していた。
アルバレスを沼にはまらせて動きを止め、長剣迅雷の刃を飛ばしてぶつける。
その作戦は見事に成功した。
そう成功したのだ。
しかしヴァージニアの描いたイメージとは、まるで正反対の結果となった。
アルバレスの首を刎ね飛ばすはずだった刃はまたしても弾かれ、ヴァージニアの後ろの樹に突き刺さった。しかもアルバレスはほとんど無傷なのだ。
迅雷の刃は狙い通りアルバレスの首に当たった。その衝撃は沼にはまったアルバレスを弾き出す程だった。しかし十数メートルも飛ばした一発目に比べ、今度はせいぜい2~3メートル程度であり、アルバレスを沼から引き出しただけのようなものだった。
そして繰り返しになるが、アルバレスの首には僅かに刃を受けた跡はあるが、胸に残る一発目の大きな傷跡とは、比べるまでもない小さく薄いものだった。
「そ、そんな・・・なんで・・・」
想定外どころではない。さっきと今とで何が違うのか?なぜ一発目はあれだけダメージを与える事が出来て、二発目はまるで効いていないのか?
混乱した頭では深く考える事もできず、ヴァージニアは無意識に一歩二歩と後ずさってしまった。
そしてそれは、ヴァージニアがアルバレスを恐れてしまった事を意味する。
「ふはははは、さっきは不意を突かれたけどよ、二度は通用しねぇよ。てめぇが首に狙いをつけたんなら、首に力を集中させる。あの程度の攻撃はそれで十分に防げるってもんだぜ」
「ま、まさか・・・それだけで私の迅雷を防いだというのか!?」
「そうだと言っている。俺は力を集中させる事で、部分的に硬度を引き上げる事ができる。てめぇの攻撃は見切った。もう俺には通用しねぇよ。そもそも、もう刃がねぇんだもんな?攻撃以前の問題か」
アルバレスの言う通りだった。
迅雷の刃は弾かれて後方の樹に刺さっている。今ヴァージニアが右手に握っている物は、刃の無くなった柄だけだ。これで戦う事などできるはずもない。
アルバレスは屈むように上半身を曲げると、はずみをつけて地面を蹴って跳び上がった。
そしてさっきまで自分がはまっていた沼を越えると、ドシンと大きな音を立てて、ヴァージニアの目の前に降り立った。
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撥ね跳んだ泥がヴァージニアの顔にもかかった。しかしそんなものを拭う余裕も、今の彼女には無かった。
ただ、目の前に立つ大男には何をやっても通用しない。
それを理解してしまったために、体を震わせながら立っている事だけしかできなかった。
「さぁ、どうする?まだ何か手が残ってるなら、遠慮なく出せよ」
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