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いきなり先輩(3人目の攻略対象)と遭遇してしまったんだが?
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何とか正気に戻った俺は、先生から貰ったチョコを大事に鞄に詰め込んだ。
なんというか、色んな意味で濃い一日だったな……今日は。帰ったらすぐにでも、ベッドにダイブしたい気分だ。
でも、せっかくだし……やっぱり帰る前に運動部を少し覗いてから帰ろうかな?
先輩が鍛錬してる屋外の練習場は、確か寮の近くだしな。ちょっと覗くだけだから、そんなに時間はかからないはずだ。
……運が良ければ、推しの軍服姿見れるかもだし。善は急げだ。早速一階に向かうとしよう。
足早に廊下を行き、階段を降りて辿りついた下駄箱。さっさと靴を履き替え、昇降口から外に出る。
手前の練習場では、魔術部の学生達が鍛錬しているみたいだな。白い光の弾が、ペアを組んでる術者の間を交互に飛び交っている。
流石魔術部だけあって皆ガタイがいい。というか……光の弾を素手で弾き返してるんだが。本当に設定通り、筋力=魔力なんだな。
先輩は剣術部の筈だから、奥の練習場かな?
魔術部の練習を眺めつつ、さらに奥の練習場を目指す。少し歩くと軍服を着た生徒達が、互いに練習用に刃が潰された剣を持ち相対していた。打ち合う度に、鈍い金属音が周囲に響き渡っている。
やっぱり格好いいな! あたりまえだが、ゲームで見るのと実際見るのとじゃ臨場感が段違いだ。ずっと眺めてても飽きないな。
「もしかして君は、新入生かい? 良かったら、見学していかないか?」
打ち合いに見入っていた俺の肩に突然、大きな手が乗せられた。驚いて振り向くと明るい黄色の髪をオールバックになでつけた、ガッシリとした体つきの青年が爽やかな笑顔を浮かべていた。彼の服装も相まって、まるで物語に出てくる騎士そのものだ。
「驚かせてごめんな。俺は三年生のサルファーだ。君は?」
「……い、一年のシュン、です」
「シュンか。いい名前だな! よろしくな」
柔らかい笑みを浮かべながら、薄革のグローブに包まれた手が俺の前に差し出される。逡巡しながらも手を出すと、優しく手を取られ、握られた。
俺、今、握手してる! 先輩と!! 先輩に名前を褒められただけでも幸せ過ぎるのに!
何を隠そう俺の最推しは先輩だ。パッケージで見た瞬間一目惚れし、ゲームをプレイしてますます好きになった。ダンやグレイ先生は攻略中に好きになったが、一目惚れしたのはサルファー先輩だけだ。
……本当に見た目が好み過ぎる。
髪の色と同じ綺麗な黄色の瞳で見つめられるだけで、顔の中心にどんどん熱が集まっていくのが分かってしまう。
「緊張してるのか? 可愛いな……時間が有るなら少し体験していかないか? こっちのは初心者用だから、軽くて扱いやすいぞ」
先輩の持っている剣より大分小振りな剣が、俺の前に差し出された。促されるままに受け取ると、金属らしい重みを感じる。けれどもこの程度ならば、俺でも振るう位は何とか出来そうだ。
「ちゃんと俺が手取り足取り教えてあげるから、大船に乗ったつもりでいていいからな」
俺の背中を優しく叩き、安心させるようにふわりとほほ笑む先輩。眩し過ぎるその笑顔に思わず魂が抜けかかる。
……今すぐ写真に納めて永久保存にしたい。家宝どころか国宝級の笑顔だぞこれは。心の中で拝んでおこう。
なんというか、色んな意味で濃い一日だったな……今日は。帰ったらすぐにでも、ベッドにダイブしたい気分だ。
でも、せっかくだし……やっぱり帰る前に運動部を少し覗いてから帰ろうかな?
先輩が鍛錬してる屋外の練習場は、確か寮の近くだしな。ちょっと覗くだけだから、そんなに時間はかからないはずだ。
……運が良ければ、推しの軍服姿見れるかもだし。善は急げだ。早速一階に向かうとしよう。
足早に廊下を行き、階段を降りて辿りついた下駄箱。さっさと靴を履き替え、昇降口から外に出る。
手前の練習場では、魔術部の学生達が鍛錬しているみたいだな。白い光の弾が、ペアを組んでる術者の間を交互に飛び交っている。
流石魔術部だけあって皆ガタイがいい。というか……光の弾を素手で弾き返してるんだが。本当に設定通り、筋力=魔力なんだな。
先輩は剣術部の筈だから、奥の練習場かな?
魔術部の練習を眺めつつ、さらに奥の練習場を目指す。少し歩くと軍服を着た生徒達が、互いに練習用に刃が潰された剣を持ち相対していた。打ち合う度に、鈍い金属音が周囲に響き渡っている。
やっぱり格好いいな! あたりまえだが、ゲームで見るのと実際見るのとじゃ臨場感が段違いだ。ずっと眺めてても飽きないな。
「もしかして君は、新入生かい? 良かったら、見学していかないか?」
打ち合いに見入っていた俺の肩に突然、大きな手が乗せられた。驚いて振り向くと明るい黄色の髪をオールバックになでつけた、ガッシリとした体つきの青年が爽やかな笑顔を浮かべていた。彼の服装も相まって、まるで物語に出てくる騎士そのものだ。
「驚かせてごめんな。俺は三年生のサルファーだ。君は?」
「……い、一年のシュン、です」
「シュンか。いい名前だな! よろしくな」
柔らかい笑みを浮かべながら、薄革のグローブに包まれた手が俺の前に差し出される。逡巡しながらも手を出すと、優しく手を取られ、握られた。
俺、今、握手してる! 先輩と!! 先輩に名前を褒められただけでも幸せ過ぎるのに!
何を隠そう俺の最推しは先輩だ。パッケージで見た瞬間一目惚れし、ゲームをプレイしてますます好きになった。ダンやグレイ先生は攻略中に好きになったが、一目惚れしたのはサルファー先輩だけだ。
……本当に見た目が好み過ぎる。
髪の色と同じ綺麗な黄色の瞳で見つめられるだけで、顔の中心にどんどん熱が集まっていくのが分かってしまう。
「緊張してるのか? 可愛いな……時間が有るなら少し体験していかないか? こっちのは初心者用だから、軽くて扱いやすいぞ」
先輩の持っている剣より大分小振りな剣が、俺の前に差し出された。促されるままに受け取ると、金属らしい重みを感じる。けれどもこの程度ならば、俺でも振るう位は何とか出来そうだ。
「ちゃんと俺が手取り足取り教えてあげるから、大船に乗ったつもりでいていいからな」
俺の背中を優しく叩き、安心させるようにふわりとほほ笑む先輩。眩し過ぎるその笑顔に思わず魂が抜けかかる。
……今すぐ写真に納めて永久保存にしたい。家宝どころか国宝級の笑顔だぞこれは。心の中で拝んでおこう。
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