41 / 45
41.
心の整理と……
しおりを挟む
詩奈の病室を出た3人は、昨日の事も有り、エレベーターから降りるまでは、無言だったが、降りた途端、若菜が沈黙を破った。
「 詩奈、いつも通りで良かった~!」
「全然いつも通りじゃね~よ! マジで無理してた」
「 瑞輝も感じたか……妙によそよそしさが有ったような感じだった」
2人の発言に、目が点になる若葉。
「えっ、2人して、何ヘンな事言ってるの? そんな事無いって、いつもの 詩奈でしょ? それより、お祭りの打ち合わせしよっ! 私、浴衣だし、あまり長距離歩きたくないから、 瑞輝も 凌空も、私を迎えに来てね! 時間、何時にする?」
詩奈の事より、お祭りの事で若葉の頭の中は 溢れていた。
浴衣の話になると、ふと一緒に来るはずだった 詩奈の浴衣姿を同時に想像していた 瑞輝と 凌空。
いつもより遅く戻った母は、 詩奈に早く知らせようと急ぎ、息切れがしばらく続いていた。
「お父さんと話したの! 詩奈がそう言うなら、北海道に家族で転居しようって事になったわ!」
「本当? 良かった~! ありがとう、お母さん」
良かったと思う気持ちと、ここに残りたい気持ちが半々くらいの 詩奈。
「退院と同時に引っ越しなんてね! これから忙しくなるわ! 私は、引っ越し準備に取り掛かるから、お昼前からずっと家に戻っているけど、 詩奈、大丈夫?」
「大丈夫よ。今回は早くて、もう松葉杖も1本になったし、引っ越しまでにはロフストランド杖かT字杖になると思う。リハビリも勉強も遅れないように頑張るから!」
母に、ここを去る切なさに気付かれないよう、やる気をアピールした 詩奈。
友達との面会後、また泣いているのではと心配したが、いつもの 詩奈のようでホッとした母。
翌日のリハビリ後、 真香の姿を見かけ、北海道に移る報告だけはしようと思った 詩奈。
カウンセリング室の空き時間を尋ねると、今20分くらいなら話せるという事で、すぐに入らせてもらった。
「そうですか、ご家族で転居する事になったのですね。そう決まって、 詩奈さんの今のお気持ちはいかがですか?」
「色々あったから整理つけたいんですが、大好きな友達の元を去るのは、やっぱり辛くて……辛いけど、前に進まなきゃですよね!」
ポジティブにと心がけつつも言葉にならない思いが募ってそうな 詩奈を見て、心が痛みつつ激励しようとする 真香。
「転居前で、まだ心配事は尽きない時期なのに、 詩奈さん、強くなりましたね! もう、本当に私のカウンセリングなんて必要無いくらい」
「 真香さんが今までアドバイスを色々してくれたおかげなんです! 私1人じゃあ大きな決断は出来なかったと思います」
真香を頼りつつも、今後の為にも距離を置こうとする 詩奈。
「私は少しの助言だけで、その大きな決断は、 詩奈さん自身の意思なんです。 詩奈さんくらいの年なら、まだ周りに甘えていたい気持ちの方が強くて当然なのに、敢えて大海に飛び込もうとしている 詩奈さんを私は尊敬します!」
「そんな~、まだ分かんないです! また北海道でも、上手く行かなくて、ヘタレになるかも知れないので」
真香に 褒められ、気恥ずかしくなる 詩奈。
「他の同年代の女子よりも色んな経験を積んだ今の 詩奈さんなら、きっと大丈夫です! でも、もし、きつくて落ち込んだりした時には、いつでも連絡して下さいね!」
メールアドレスや電話番号の入った名刺を手渡した 真香。
「ありがとうございます! お守りと思って、 真香さんの名刺を大事にします! まだ寂しさと不安でいっぱいなんですが、なぜかリハビリしたり、北海道での新生活の事や2~3年後、自由に動ける足でここに戻った時の事を考えると、それが紛れるんです」
そう語った 詩奈の瞳がキラキラと輝いている様子を見て、手渡した名刺など不要だったようにさえ思えた 真香。
「 詩奈、いつも通りで良かった~!」
「全然いつも通りじゃね~よ! マジで無理してた」
「 瑞輝も感じたか……妙によそよそしさが有ったような感じだった」
2人の発言に、目が点になる若葉。
「えっ、2人して、何ヘンな事言ってるの? そんな事無いって、いつもの 詩奈でしょ? それより、お祭りの打ち合わせしよっ! 私、浴衣だし、あまり長距離歩きたくないから、 瑞輝も 凌空も、私を迎えに来てね! 時間、何時にする?」
詩奈の事より、お祭りの事で若葉の頭の中は 溢れていた。
浴衣の話になると、ふと一緒に来るはずだった 詩奈の浴衣姿を同時に想像していた 瑞輝と 凌空。
いつもより遅く戻った母は、 詩奈に早く知らせようと急ぎ、息切れがしばらく続いていた。
「お父さんと話したの! 詩奈がそう言うなら、北海道に家族で転居しようって事になったわ!」
「本当? 良かった~! ありがとう、お母さん」
良かったと思う気持ちと、ここに残りたい気持ちが半々くらいの 詩奈。
「退院と同時に引っ越しなんてね! これから忙しくなるわ! 私は、引っ越し準備に取り掛かるから、お昼前からずっと家に戻っているけど、 詩奈、大丈夫?」
「大丈夫よ。今回は早くて、もう松葉杖も1本になったし、引っ越しまでにはロフストランド杖かT字杖になると思う。リハビリも勉強も遅れないように頑張るから!」
母に、ここを去る切なさに気付かれないよう、やる気をアピールした 詩奈。
友達との面会後、また泣いているのではと心配したが、いつもの 詩奈のようでホッとした母。
翌日のリハビリ後、 真香の姿を見かけ、北海道に移る報告だけはしようと思った 詩奈。
カウンセリング室の空き時間を尋ねると、今20分くらいなら話せるという事で、すぐに入らせてもらった。
「そうですか、ご家族で転居する事になったのですね。そう決まって、 詩奈さんの今のお気持ちはいかがですか?」
「色々あったから整理つけたいんですが、大好きな友達の元を去るのは、やっぱり辛くて……辛いけど、前に進まなきゃですよね!」
ポジティブにと心がけつつも言葉にならない思いが募ってそうな 詩奈を見て、心が痛みつつ激励しようとする 真香。
「転居前で、まだ心配事は尽きない時期なのに、 詩奈さん、強くなりましたね! もう、本当に私のカウンセリングなんて必要無いくらい」
「 真香さんが今までアドバイスを色々してくれたおかげなんです! 私1人じゃあ大きな決断は出来なかったと思います」
真香を頼りつつも、今後の為にも距離を置こうとする 詩奈。
「私は少しの助言だけで、その大きな決断は、 詩奈さん自身の意思なんです。 詩奈さんくらいの年なら、まだ周りに甘えていたい気持ちの方が強くて当然なのに、敢えて大海に飛び込もうとしている 詩奈さんを私は尊敬します!」
「そんな~、まだ分かんないです! また北海道でも、上手く行かなくて、ヘタレになるかも知れないので」
真香に 褒められ、気恥ずかしくなる 詩奈。
「他の同年代の女子よりも色んな経験を積んだ今の 詩奈さんなら、きっと大丈夫です! でも、もし、きつくて落ち込んだりした時には、いつでも連絡して下さいね!」
メールアドレスや電話番号の入った名刺を手渡した 真香。
「ありがとうございます! お守りと思って、 真香さんの名刺を大事にします! まだ寂しさと不安でいっぱいなんですが、なぜかリハビリしたり、北海道での新生活の事や2~3年後、自由に動ける足でここに戻った時の事を考えると、それが紛れるんです」
そう語った 詩奈の瞳がキラキラと輝いている様子を見て、手渡した名刺など不要だったようにさえ思えた 真香。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる