ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁

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1~10話

こうかはばつぐんだ!【下】

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 たまたま症状の緩和したタイミングで触れただけかとも思ったけれど、二度三度と繰り返すうち、やはり『手当て』自体に効果があるのだという結論に至った。

 人の役に立てているのだという実感。
 目に見える回復の様子が嬉しくて、ブラックな職場にはなかったを感じる。
 こうなれば乗りかかった船、もうとことん付き合う構えだ。

 あんな様子で、家主はちゃんと夜寝られているのだろうか……。


 二階の窓から家主がいないことを確認して、玄関に向かう。
 だというのにおかしいけれど、ちょっと身体がなまってきた気がするので、今日は館の外周をランニングしようと思う。

 ガパッ

「……ん? 何これ?」

 玄関扉を出ると、目の前に綺麗な包みが置かれていた。
 ひと抱えほどもある大きな立方体は淡い水色の包装紙にくるまれ、ご丁寧にリボンまでかかっている。

「プレゼント……?」

 誰が? 誰に?

 最初に聞こえてきた会話を信じるならば、この『部屋』に入れるのは家主だけのはず。
 それならこれは、私が寝ている間に家主が置いていった物ということになる。

 家主と私しかいない部屋で、家主がプレゼントを――

「………………私に??」

 なんで????
 頭の中がハテナで埋まった。

 家主に姿を見られたことはないはずだ。
 さすがにあの至近距離、どんなに薄くだろうと目が開いていれば気付く。

 そもそも、家主は私のことをだと思っているのではなかったのだろうか?
 普通、ネズミ相手にラッピングしたプレゼントなんて…………いや、動物のぬいぐるみが大好きな家主なら、案外やりかねないかも……?

 近づいてみれば、箱の中からはふんわりと美味しそうな香りが漂ってきた。
 香ばしい焼き菓子と、チーズと、……なんだろう?
 昨日からフルーツしか食べられていない私にとって、この誘惑は毒だ。

「……いっ、いいよね? いいんだよねっ? 私用だよね!?」

 同意を求めるようにきょろきょろと周囲を窺うと、おもむろにリボンを掴んでしゅるりと解いた。
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