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廃洋館
#27
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「何…これ…。」
私が、そう言った時だった。階段の方から足音が、聞こえてきた。誰かが、上がって来るらしい。
「隠れるぞ…。」
寺井さんのその言葉に、私たち3人は、部屋の隅の方にあった、机の陰に身を潜めた。
足音は、次第に近づき、この牢屋に入り、例の奥の方にある、牢屋の前で立ち止まった。
「気分はどうだい?ナツミ。」
「…うぅ…。」
すると、先ほどまで、誰も居なかった、牢屋の中に、何かが居るのが見えた。だが、この暗がりと、距離では、それが何なのか、分からなかった。だが、声の質から、女性の様だった。
「兄さん…。最悪よ…。だけど、もう、痛みもない…。血も出ない…。次は、誰を殺れば良いの?」
唸る様な、女性の声が、響いた。
「お前の“恨み”の、赴くままでいい…。」
「…仰せのままに…。」
すると、牢屋の中の人物が、立ち上がり、そして、閉まっている筈の檻を、すり抜ける様にし、外に出た。
「まさしく、これこそ、完璧な存在だ…。いや、既にこの世には存在していないか…。」
「フフ…。じゃぁ、行こう…。兄さん…。」
その言葉を最後に、二つの足音が、部屋を出て行った。
「追うぞ…。」
寺井さんが、そう言い、立ち上がった時だった。
“待って!”
「え?」
私はその声に驚き、振り返り、部屋の中を見渡した。
「陣内さん?」
「今、声が…。」
「え?」
大谷が、聞き返した時だった。
『待って下さい…。』
今度は、はっきりと、声が聞こえた。それは、私だけでなく、大谷や、寺井さんにも…。
「さっきの女の声と同じだな…。」
「もしかして、ナツミさん…。ですか?」
『ええ…。私は、ナツミです。少しで良いので、お話、聞いて貰えませんか?さっきの牢の隣の牢に居ります。』
その言葉に、促されて、再度、例の奥の牢屋とは、別の牢を見た。すると、そこに、可愛らしい女性が、ベッドの上に座っていた。
「ナツミ…さん…?」
『はい…。直接お会いするのは、初めてですね…。』
「直接お会いする?」
寺井さんが、聞き返した。
『はい。貴方達がここに、来た時から全てを、見させて頂いておりました。
私は、もう、役目を終え、この館の守り人をしております。身体はここにありますが、意識や魂は、この館の敷地内だったら、何処にでも飛ばせます。だから、ずっと、貴方達の行動を、見させて頂きました。』
「あの謎の視線や、見られている感覚は、貴女の物だったんですか?」
そう言うと、彼女は、こくりと頷いた。
『もし、怖がらせていたのだとしたら、申し訳ないことをしました…。』
私が、そう言った時だった。階段の方から足音が、聞こえてきた。誰かが、上がって来るらしい。
「隠れるぞ…。」
寺井さんのその言葉に、私たち3人は、部屋の隅の方にあった、机の陰に身を潜めた。
足音は、次第に近づき、この牢屋に入り、例の奥の方にある、牢屋の前で立ち止まった。
「気分はどうだい?ナツミ。」
「…うぅ…。」
すると、先ほどまで、誰も居なかった、牢屋の中に、何かが居るのが見えた。だが、この暗がりと、距離では、それが何なのか、分からなかった。だが、声の質から、女性の様だった。
「兄さん…。最悪よ…。だけど、もう、痛みもない…。血も出ない…。次は、誰を殺れば良いの?」
唸る様な、女性の声が、響いた。
「お前の“恨み”の、赴くままでいい…。」
「…仰せのままに…。」
すると、牢屋の中の人物が、立ち上がり、そして、閉まっている筈の檻を、すり抜ける様にし、外に出た。
「まさしく、これこそ、完璧な存在だ…。いや、既にこの世には存在していないか…。」
「フフ…。じゃぁ、行こう…。兄さん…。」
その言葉を最後に、二つの足音が、部屋を出て行った。
「追うぞ…。」
寺井さんが、そう言い、立ち上がった時だった。
“待って!”
「え?」
私はその声に驚き、振り返り、部屋の中を見渡した。
「陣内さん?」
「今、声が…。」
「え?」
大谷が、聞き返した時だった。
『待って下さい…。』
今度は、はっきりと、声が聞こえた。それは、私だけでなく、大谷や、寺井さんにも…。
「さっきの女の声と同じだな…。」
「もしかして、ナツミさん…。ですか?」
『ええ…。私は、ナツミです。少しで良いので、お話、聞いて貰えませんか?さっきの牢の隣の牢に居ります。』
その言葉に、促されて、再度、例の奥の牢屋とは、別の牢を見た。すると、そこに、可愛らしい女性が、ベッドの上に座っていた。
「ナツミ…さん…?」
『はい…。直接お会いするのは、初めてですね…。』
「直接お会いする?」
寺井さんが、聞き返した。
『はい。貴方達がここに、来た時から全てを、見させて頂いておりました。
私は、もう、役目を終え、この館の守り人をしております。身体はここにありますが、意識や魂は、この館の敷地内だったら、何処にでも飛ばせます。だから、ずっと、貴方達の行動を、見させて頂きました。』
「あの謎の視線や、見られている感覚は、貴女の物だったんですか?」
そう言うと、彼女は、こくりと頷いた。
『もし、怖がらせていたのだとしたら、申し訳ないことをしました…。』
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