24 / 37
24 護衛侍女たちの戦い (俯瞰視点)
しおりを挟む
「忍び込む前にこの薬を飲め。じゃないと、私達3人とも寝ちゃうからな」
ゾーイは言いながら、エマとラナに『眠り玉で寝ない液体』を渡した。
「以前の『眠り玉で寝ない液体』とやらは効き過ぎて、三日間も寝られなかったことがありましたが、今回は大丈夫でしょうね?」
エマが液体の匂いを嗅ぎながら、ゾーイに確認する。飲むのをかなりためらっている。
「そうそう、あの時は眠りたいのに寝られなくて、ホントに困ったわよぉーー」
ラナはなんの迷いもなく一気に飲んだ後に、「すっごく、美味しいぃーー!」と叫んだ。
「ふふっ、かなりうまく改良できただろ? なんと、イチゴ味。効き目は24時間だ!」
ゾーイは胸をそらすような体勢で自慢した。イチゴ味にできたことが、よほど嬉しかったようだ。ちなみに、イチゴはゾーイの好物だった。
「無駄にすばらしく美味しいですね! ほら、さっさと行きますよ」
エマはかけ声をかけながら、先頭をきって走り出したのだった。
門を守っていた兵士達は全て眠り込んでいたから、そのまま通り抜けることができた。中庭には武器を持った騎士たちが50人ほどいた。エマは闘志に燃え、手にした剣を火魔法の力で灼熱の刃へと変えた。敵の騎士たちが集団で勢いよく襲いかかってくる中、エマはひるむことなく果敢に突進していく。
最初の騎士が勇ましく剣を振りかざすと、エマは剣を一閃させ火花を散らす。炎の刃が相手の剣を軽々と受け流し、炎の精霊が輪を描きながら敵の周りに舞い散った。次の瞬間、敵の騎士は炎に包まれて叫び声をあげる。
続く敵も次々とエマに立ち向かってくるが、彼女の火魔法の剣は無敵であるかのように敵を次々となぎ倒していった。燃えるような剣舞が夜の中で輝き、その美しさはまるで炎の精霊が踊るようであった。
「あら、ちょっと火加減を間違えて焼けちゃった人がいるみたいですね。でも、だいたい生きていらっしゃいますね? だったら、良しとしましょう」
エマの言い方は、まるで料理を失敗したコックのような口ぶりだった。
風魔法を操るラナは、腰に掛かるベルトにいくつもの小さなスローイングナイフを装備していた。大勢の敵が迫ってくる中、ラナは落ち着いた表情で手に持ったスローイングナイフを風魔法で包み込み、的確に投げる準備を整えた。
まず最初の一投。ラナが手元で小さな旋風を起こすと、その力がスローイングナイフに伝わり、矢じりが速く回転しながら風を切り裂いた。見事に敵の首筋に命中し、敵は倒れる。同時に、ラナの手元では次のナイフが風の力によって舞い上がっていた。
「あら、まずいぃぃーー。ひとりやっつけちゃったみたい。私としたことが手加減するのを忘れていたわぁーー」
続けてラナは高速で迫る敵の群れに向けてナイフを次々と放っていく。彼女の風魔法はナイフを正確に目標に向かわせ、そして風の力でそれらのナイフは一瞬のうちに敵に命中していった。風に乗せられたスローイングナイフは敵の周りを舞い、その美しい軌跡はまるで芸術のようだった。
ラナの周りは小さな竜巻のような風が渦巻き、彼女の制御する風魔法が敵を一掃していく。数多くのスローイングナイフが空を舞い、倒れる敵の姿が風に揺らめいていた。風魔法とナイフの完璧な連携によって、ラナはその場を縦横無尽に舞い踊り、大勢の敵を圧倒的なスピードと正確さで倒し続けたのだった。
「ちょっと、ナイフの切れ味が良すぎたかもぉーー。でも、だいたい足を怪我させただけだし、致命傷じゃないからいいわよねぇーー」
ゾーイは植物魔法を操る。手に持った小さな玉には特別な植物から抽出されたエキスが込められていて、涙やくしゃみを引き起こす成分が凝縮されていた。大勢の敵が迫ってくる中、ゾーイは深呼吸をしてその玉をほうり投げた。
玉が空中で舞い踊り、地面に触れると一瞬で植物魔法の力が発動した。周囲に花が咲き誇り、草木が勢いよく成長し、敵の足元を絡みつかせて足止めする。それだけでなく敵の視界を遮り、彼らを混乱させる植物たちが姿を現した。
ゾーイ自身も涙がこぼれ、くしゃみが止まらなくなっていた。しかし、それが彼女の計算ずくの策略だった。彼女はくしゃみと涙に特別な意味を持たせていた。玉が地面に触れた瞬間、ゾーイは大きなくしゃみをすると同時に、涙を流した。
敵は驚きと混乱の中、ゾーイの周りに迫ってくる。そして、ゾーイが涙を流した場所に触れると、玉の成分が相手の鼻や目に触れ、くしゃみを引き起こし、同時に涙を止まらなくさせ視界を奪った。ゾーイは植物たちが生い茂る中、くしゃみと涙を利用して敵を巧みに翻弄し、一人ずつ倒していった。
「うーーん。くしゃみと涙の玉は失敗作だな。自分がくしゃみをして涙を流す理由がわからん。今度から敵だけにくしゃみをさせよう。涙は目が乾きやすいからいいかもしれないぞ」
ゾーイが倒した騎士たちは植物の蔓で手足を縛られ身動きができなくなっていた。
屋敷内ではアンドリュー・プレイデン侯爵とクロエがサロンで優雅にお茶を飲んでいた。まさかあの数の騎士たちが簡単に倒されるとは思っていなかったのだろう。
「オリビア様を襲わせたのはあなたたちですね?」
あっという間に屋敷内に侵入しサロンまでやって来たエマが、凍りつくような低音の声で問いただした。
「お前達、プレイデン侯爵家によくも侵入してきたな! 私には王家の血が流れているのだぞ! こんな真似をしてあとで後悔するぞ!」
アンドリューは膝をガタガタ震わせていた。
「それは四代前の話ですよね? 今の国王陛下はそんなこと気にもとめないでしょうね」
エマが吐き捨てるように言うと、アンドリューが今度は猫なで声を出した。
「金なら腐るほどある。ダイヤもだ。お前達に好きなだけやろう! あぁ、いい考えだ。お前達をプレイデン侯爵家の傭兵に雇ってやろう。私とクロエを守ってくれ」
「なに寝ぼけたことを言っているのよぉーー? このぼけなすがぁ!」
ラナはスローイングナイフでアンドリューの頬をさすった。頬の皮膚がほんの少し傷ついて血がにじむ。
「痛い! わぁーー、血が出ている。なんてことだ。死んでしまう、医者を呼べ、包帯を巻け、死ぬのは嫌だぁ」
「そんなかすり傷で死ぬわけないでしょう? うるさいわねぇーー」
大騒ぎしているアンドリューに、ラナはハンカチを口に詰め黙らせたのだった。
ゾーイは言いながら、エマとラナに『眠り玉で寝ない液体』を渡した。
「以前の『眠り玉で寝ない液体』とやらは効き過ぎて、三日間も寝られなかったことがありましたが、今回は大丈夫でしょうね?」
エマが液体の匂いを嗅ぎながら、ゾーイに確認する。飲むのをかなりためらっている。
「そうそう、あの時は眠りたいのに寝られなくて、ホントに困ったわよぉーー」
ラナはなんの迷いもなく一気に飲んだ後に、「すっごく、美味しいぃーー!」と叫んだ。
「ふふっ、かなりうまく改良できただろ? なんと、イチゴ味。効き目は24時間だ!」
ゾーイは胸をそらすような体勢で自慢した。イチゴ味にできたことが、よほど嬉しかったようだ。ちなみに、イチゴはゾーイの好物だった。
「無駄にすばらしく美味しいですね! ほら、さっさと行きますよ」
エマはかけ声をかけながら、先頭をきって走り出したのだった。
門を守っていた兵士達は全て眠り込んでいたから、そのまま通り抜けることができた。中庭には武器を持った騎士たちが50人ほどいた。エマは闘志に燃え、手にした剣を火魔法の力で灼熱の刃へと変えた。敵の騎士たちが集団で勢いよく襲いかかってくる中、エマはひるむことなく果敢に突進していく。
最初の騎士が勇ましく剣を振りかざすと、エマは剣を一閃させ火花を散らす。炎の刃が相手の剣を軽々と受け流し、炎の精霊が輪を描きながら敵の周りに舞い散った。次の瞬間、敵の騎士は炎に包まれて叫び声をあげる。
続く敵も次々とエマに立ち向かってくるが、彼女の火魔法の剣は無敵であるかのように敵を次々となぎ倒していった。燃えるような剣舞が夜の中で輝き、その美しさはまるで炎の精霊が踊るようであった。
「あら、ちょっと火加減を間違えて焼けちゃった人がいるみたいですね。でも、だいたい生きていらっしゃいますね? だったら、良しとしましょう」
エマの言い方は、まるで料理を失敗したコックのような口ぶりだった。
風魔法を操るラナは、腰に掛かるベルトにいくつもの小さなスローイングナイフを装備していた。大勢の敵が迫ってくる中、ラナは落ち着いた表情で手に持ったスローイングナイフを風魔法で包み込み、的確に投げる準備を整えた。
まず最初の一投。ラナが手元で小さな旋風を起こすと、その力がスローイングナイフに伝わり、矢じりが速く回転しながら風を切り裂いた。見事に敵の首筋に命中し、敵は倒れる。同時に、ラナの手元では次のナイフが風の力によって舞い上がっていた。
「あら、まずいぃぃーー。ひとりやっつけちゃったみたい。私としたことが手加減するのを忘れていたわぁーー」
続けてラナは高速で迫る敵の群れに向けてナイフを次々と放っていく。彼女の風魔法はナイフを正確に目標に向かわせ、そして風の力でそれらのナイフは一瞬のうちに敵に命中していった。風に乗せられたスローイングナイフは敵の周りを舞い、その美しい軌跡はまるで芸術のようだった。
ラナの周りは小さな竜巻のような風が渦巻き、彼女の制御する風魔法が敵を一掃していく。数多くのスローイングナイフが空を舞い、倒れる敵の姿が風に揺らめいていた。風魔法とナイフの完璧な連携によって、ラナはその場を縦横無尽に舞い踊り、大勢の敵を圧倒的なスピードと正確さで倒し続けたのだった。
「ちょっと、ナイフの切れ味が良すぎたかもぉーー。でも、だいたい足を怪我させただけだし、致命傷じゃないからいいわよねぇーー」
ゾーイは植物魔法を操る。手に持った小さな玉には特別な植物から抽出されたエキスが込められていて、涙やくしゃみを引き起こす成分が凝縮されていた。大勢の敵が迫ってくる中、ゾーイは深呼吸をしてその玉をほうり投げた。
玉が空中で舞い踊り、地面に触れると一瞬で植物魔法の力が発動した。周囲に花が咲き誇り、草木が勢いよく成長し、敵の足元を絡みつかせて足止めする。それだけでなく敵の視界を遮り、彼らを混乱させる植物たちが姿を現した。
ゾーイ自身も涙がこぼれ、くしゃみが止まらなくなっていた。しかし、それが彼女の計算ずくの策略だった。彼女はくしゃみと涙に特別な意味を持たせていた。玉が地面に触れた瞬間、ゾーイは大きなくしゃみをすると同時に、涙を流した。
敵は驚きと混乱の中、ゾーイの周りに迫ってくる。そして、ゾーイが涙を流した場所に触れると、玉の成分が相手の鼻や目に触れ、くしゃみを引き起こし、同時に涙を止まらなくさせ視界を奪った。ゾーイは植物たちが生い茂る中、くしゃみと涙を利用して敵を巧みに翻弄し、一人ずつ倒していった。
「うーーん。くしゃみと涙の玉は失敗作だな。自分がくしゃみをして涙を流す理由がわからん。今度から敵だけにくしゃみをさせよう。涙は目が乾きやすいからいいかもしれないぞ」
ゾーイが倒した騎士たちは植物の蔓で手足を縛られ身動きができなくなっていた。
屋敷内ではアンドリュー・プレイデン侯爵とクロエがサロンで優雅にお茶を飲んでいた。まさかあの数の騎士たちが簡単に倒されるとは思っていなかったのだろう。
「オリビア様を襲わせたのはあなたたちですね?」
あっという間に屋敷内に侵入しサロンまでやって来たエマが、凍りつくような低音の声で問いただした。
「お前達、プレイデン侯爵家によくも侵入してきたな! 私には王家の血が流れているのだぞ! こんな真似をしてあとで後悔するぞ!」
アンドリューは膝をガタガタ震わせていた。
「それは四代前の話ですよね? 今の国王陛下はそんなこと気にもとめないでしょうね」
エマが吐き捨てるように言うと、アンドリューが今度は猫なで声を出した。
「金なら腐るほどある。ダイヤもだ。お前達に好きなだけやろう! あぁ、いい考えだ。お前達をプレイデン侯爵家の傭兵に雇ってやろう。私とクロエを守ってくれ」
「なに寝ぼけたことを言っているのよぉーー? このぼけなすがぁ!」
ラナはスローイングナイフでアンドリューの頬をさすった。頬の皮膚がほんの少し傷ついて血がにじむ。
「痛い! わぁーー、血が出ている。なんてことだ。死んでしまう、医者を呼べ、包帯を巻け、死ぬのは嫌だぁ」
「そんなかすり傷で死ぬわけないでしょう? うるさいわねぇーー」
大騒ぎしているアンドリューに、ラナはハンカチを口に詰め黙らせたのだった。
228
あなたにおすすめの小説
あなたの愛が正しいわ
来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~
夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。
一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。
「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
ただ誰かにとって必要な存在になりたかった
風見ゆうみ
恋愛
19歳になった伯爵令嬢の私、ラノア・ナンルーは同じく伯爵家の当主ビューホ・トライトと結婚した。
その日の夜、ビューホ様はこう言った。
「俺には小さい頃から思い合っている平民のフィナという人がいる。俺とフィナの間に君が入る隙はない。彼女の事は母上も気に入っているんだ。だから君はお飾りの妻だ。特に何もしなくていい。それから、フィナを君の侍女にするから」
家族に疎まれて育った私には、酷い仕打ちを受けるのは当たり前になりすぎていて、どう反応する事が正しいのかわからなかった。
結婚した初日から私は自分が望んでいた様な妻ではなく、お飾りの妻になった。
お飾りの妻でいい。
私を必要としてくれるなら…。
一度はそう思った私だったけれど、とあるきっかけで、公爵令息と知り合う事になり、状況は一変!
こんな人に必要とされても意味がないと感じた私は離縁を決意する。
※「ただ誰かに必要とされたかった」から、タイトルを変更致しました。
※クズが多いです。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※独特の世界観です。
※中世〜近世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
【完結】聖女は国を救わないと決めていた~「みんなで一緒に死にましょうよ!」と厄災の日、聖女は言った
ノエル
恋愛
「来たりくる厄災から、王国を救う娘が生まれる。娘の左手甲には星印が刻まれている」
――女神の神託により、王国は「星印の聖女」を待ち望んでいた。
完璧な星印を持つ子爵令嬢アニエスと、不完全な星印しか持たない公爵令嬢レティーナ。
人々はこぞってアニエスを“救いの聖女”と讃え、レティーナを虐げた。
だが、本当に王国を救うのは、誰なのか。
そして、誰にも愛されずに生きてきたレティーナの心を誰が救うのか。
殿下に寵愛されてませんが別にかまいません!!!!!
さら
恋愛
王太子アルベルト殿下の婚約者であった令嬢リリアナ。けれど、ある日突然「裏切り者」の汚名を着せられ、殿下の寵愛を失い、婚約を破棄されてしまう。
――でも、リリアナは泣き崩れなかった。
「殿下に愛されなくても、私には花と薬草がある。健気? 別に演じてないですけど?」
庶民の村で暮らし始めた彼女は、花畑を育て、子どもたちに薬草茶を振る舞い、村人から慕われていく。だが、そんな彼女を放っておけないのが、執着心に囚われた殿下。噂を流し、畑を焼き払い、ついには刺客を放ち……。
「どこまで私を追い詰めたいのですか、殿下」
絶望の淵に立たされたリリアナを守ろうとするのは、騎士団長セドリック。冷徹で寡黙な男は、彼女の誠実さに心を動かされ、やがて命を懸けて庇う。
「俺は、君を守るために剣を振るう」
寵愛などなくても構わない。けれど、守ってくれる人がいる――。
灰の大地に芽吹く新しい絆が、彼女を強く、美しく咲かせていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる