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生きていて良かった
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(リリィ視点)
目が覚めると、そこは病院だった。手足は包帯でぐるぐる巻きにされ、顔まで絆創膏だらけだった。
グレイス様が、ベッドの横の椅子にお座りになって心配そうに私を覗きこんでいらっしゃった。
「リリィ、大丈夫? 目が冷めて・・・・・・本当に良かった・・・・・・ごめんね・・・・・・私が、迂闊だったわ。まさか、あのフェルナンデスがあそこまで危険な男だとは思わなくて・・・・・・こんなことをするとは思っていなかったのよ。リリィの怪我は私のせいだわ」
グレイス様が、大泣きされているので、私は、グレイス様に微笑んだ。笑おうとすると、顔の腫れ上がった部分や傷がひきつれて痛い。
「グレイス様のせいではないですよ。頼まれた用事だけしてすぐに、帰ってくれば良かったのです。でも、天気も良くて、気持ちのいい日だったので、寄り道をしてしまいました。最近、評判のチョコレートのお店を覗きに行ったのです。グレイス様や、フェルゼール様(グレイスとアレクサンダーの子供)、ベッツィも大好きなチョコレートをちょっとだけ買っていき、お渡ししようと思ったのです。行く時は、迷うことなくたどり着けたのですが、帰り道で迷ってしまって、うっかり人気の少ない路地に入ってしまったのです・・・・・・そこで・・・・・・」
グレイス様は、子供のように泣きじゃくり、私の言う言葉をお聞きにはなっていないようだ。
「私が、用事など頼まなければ・・・・・・リリィに障害が残ったらどうしよう・・・・・・こんなに殴られて・・・・・・命の危険だってあったのに・・・・・・リリィ、痛くない? 心の傷は? 男性恐怖症とか、外出恐怖症とか・・・・・・そんなことになったら、やっぱり、私のせいだわ。貴女はね、私の大事な特別な侍女ですよ。誰も、貴女の代わりになれる侍女はいません」
あぁ、こんな嬉しい言葉を聞けたなら、いつ死んだって構わない! お優しいグレイス様のお役にたてる侍女になれて、それだけでも嬉しかったのに、『代わりになれる侍女はいない』とまで、おっしゃってくださった。
「グレイス様、こんな怪我など、どうってことはないです。体の傷は、いずれ回復しますよ。心の傷なんて、微塵もないです。男性恐怖症になることも、外出恐怖症になることもありませんよ? だって、アティカス候爵家のコック達は皆、男性ですがいい人達ばかりですよ? 侍従達だって、皆、男ですけれどいい仲間です。外出も大好きなままです。元気になったら、市場や商店街に行きますとも! こんな事件ぐらいで、リリィは何も、変わりませんよ?」
グレイス様は、私をそっと抱きしめた。優しい香りがふんわりとかおり、私の心はほっこりと暖められている。
グレイス様の為にも、早く元気にならなければ! 誰かに、心底、心配されて大事にされるって、なんて嬉しいことなんだろう・・・・・・私は、生きていて、本当に良かった・・・・・・
グレイス様の香りに包まれて、私は目を閉じ、眠りに落ちる。
病室に入ってきたアレクサンダー様の声が、夢のなかで霞がかかったように、うっすらと聞こえた。
「リリィ、可哀想に・・・・・・仇は取るからな。・・・・・・第一王子と王妃、王家の総騎士団長ルシファーが結託して、王を人質にして謀反を起こした。第一王子は、王族の力が分散しているのが気に入らないらしい。全権を掌握して大帝国を築き上げ、無用な王族は切り捨てると宣言した。マイロ女公爵(アレクサンダーの母で、アイザックを担当「影」の女主人)とアレクサ女公爵(アレクサンダーの叔母様)とオータム女公爵(王妃様の姉上で前レイラ男爵担当)、それに私の爵位を奪い、国外追放したいそうだ。要するに、私と私の母の派閥を潰したいんだ」
なんだろう・・・・・・よくわからない・・・・・・国外追放? 私には、王家の方々のもめ事はわからない。でも、グレイス様のいらっしゃるところが、私の居場所だから、どこに行こうと絶対についていこう・・・・・・
目が覚めると、そこは病院だった。手足は包帯でぐるぐる巻きにされ、顔まで絆創膏だらけだった。
グレイス様が、ベッドの横の椅子にお座りになって心配そうに私を覗きこんでいらっしゃった。
「リリィ、大丈夫? 目が冷めて・・・・・・本当に良かった・・・・・・ごめんね・・・・・・私が、迂闊だったわ。まさか、あのフェルナンデスがあそこまで危険な男だとは思わなくて・・・・・・こんなことをするとは思っていなかったのよ。リリィの怪我は私のせいだわ」
グレイス様が、大泣きされているので、私は、グレイス様に微笑んだ。笑おうとすると、顔の腫れ上がった部分や傷がひきつれて痛い。
「グレイス様のせいではないですよ。頼まれた用事だけしてすぐに、帰ってくれば良かったのです。でも、天気も良くて、気持ちのいい日だったので、寄り道をしてしまいました。最近、評判のチョコレートのお店を覗きに行ったのです。グレイス様や、フェルゼール様(グレイスとアレクサンダーの子供)、ベッツィも大好きなチョコレートをちょっとだけ買っていき、お渡ししようと思ったのです。行く時は、迷うことなくたどり着けたのですが、帰り道で迷ってしまって、うっかり人気の少ない路地に入ってしまったのです・・・・・・そこで・・・・・・」
グレイス様は、子供のように泣きじゃくり、私の言う言葉をお聞きにはなっていないようだ。
「私が、用事など頼まなければ・・・・・・リリィに障害が残ったらどうしよう・・・・・・こんなに殴られて・・・・・・命の危険だってあったのに・・・・・・リリィ、痛くない? 心の傷は? 男性恐怖症とか、外出恐怖症とか・・・・・・そんなことになったら、やっぱり、私のせいだわ。貴女はね、私の大事な特別な侍女ですよ。誰も、貴女の代わりになれる侍女はいません」
あぁ、こんな嬉しい言葉を聞けたなら、いつ死んだって構わない! お優しいグレイス様のお役にたてる侍女になれて、それだけでも嬉しかったのに、『代わりになれる侍女はいない』とまで、おっしゃってくださった。
「グレイス様、こんな怪我など、どうってことはないです。体の傷は、いずれ回復しますよ。心の傷なんて、微塵もないです。男性恐怖症になることも、外出恐怖症になることもありませんよ? だって、アティカス候爵家のコック達は皆、男性ですがいい人達ばかりですよ? 侍従達だって、皆、男ですけれどいい仲間です。外出も大好きなままです。元気になったら、市場や商店街に行きますとも! こんな事件ぐらいで、リリィは何も、変わりませんよ?」
グレイス様は、私をそっと抱きしめた。優しい香りがふんわりとかおり、私の心はほっこりと暖められている。
グレイス様の為にも、早く元気にならなければ! 誰かに、心底、心配されて大事にされるって、なんて嬉しいことなんだろう・・・・・・私は、生きていて、本当に良かった・・・・・・
グレイス様の香りに包まれて、私は目を閉じ、眠りに落ちる。
病室に入ってきたアレクサンダー様の声が、夢のなかで霞がかかったように、うっすらと聞こえた。
「リリィ、可哀想に・・・・・・仇は取るからな。・・・・・・第一王子と王妃、王家の総騎士団長ルシファーが結託して、王を人質にして謀反を起こした。第一王子は、王族の力が分散しているのが気に入らないらしい。全権を掌握して大帝国を築き上げ、無用な王族は切り捨てると宣言した。マイロ女公爵(アレクサンダーの母で、アイザックを担当「影」の女主人)とアレクサ女公爵(アレクサンダーの叔母様)とオータム女公爵(王妃様の姉上で前レイラ男爵担当)、それに私の爵位を奪い、国外追放したいそうだ。要するに、私と私の母の派閥を潰したいんだ」
なんだろう・・・・・・よくわからない・・・・・・国外追放? 私には、王家の方々のもめ事はわからない。でも、グレイス様のいらっしゃるところが、私の居場所だから、どこに行こうと絶対についていこう・・・・・・
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