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46 サイラス
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目を覚ますとそこには見知らぬ天井が見えた。
どうやらまた何処かに転移させられたようだ。
私はもぞもぞと身体を動かしてみたが、幸いどこも縛られてはおらず、普通に寝かされているだけだと分かった。
寝かされているベッドから起き上がるとそこは部屋の中に設えた檻の中だった。
周りは頑丈な鉄格子でぐるりと囲まれていて、その鉄格子は床に埋め込まれている。
まるで床から鉄格子が生えているようだ。
一体どうやってこんな物を作ったのかしら?
試しに鉄格子を掴んで揺すってみたがビクともしない。
諦めてベッドの上に座り込んでいると、何処からか足音が近付いて来て、ガチャリと扉が開いた。
「目が覚めたか」
先程の黒いローブの人物が姿を現して、鉄格子の近くに寄ってくる。
身構えたところで逃げ場がないのはわかっているけれど、それでも警戒をせずにはいられない。
「あなたは誰? 私をどうするの?」
ベッドの上で身体を固くすると、その人物は目深に被ったフードを外して素顔を晒した。
短髪の黑い髪の壮年の男性でどことなくグレンダさんの面影が見える。
…この人が、サイラス?
男性は目をすがめて私を見るとニヤリと口元を歪めた。
「泣き喚くかと思いきや随分と肝が据わったお姫様だな。まあ、異世界から帰って来たんだから当然か?」
私が異世界から帰って来た事を知っていると言う事はやはりこの男がサイラスなのだろう。
「あなたが私を異世界に飛ばしたサイラスね。私をどうするつもりなの?」
なおもニヤニヤとしているサイラスに問いかけると、彼は手近にあった椅子に腰掛けるとこちらに向き直った。
「苦労して異世界に飛ばした娘が突然戻って来たんだ。どうしてそうなったのか知りたいと思うのは当たり前だろう? おまけにお前が戻って来た事で、グレンダは死んでしまうし…。あの魂の入れ替えにも苦労したのになぁ」
淡々と語られるサイラスの言葉に私はゾッとした。
サイラスはグレンダさんが死んだ事に一欠片の悲しみも感じていない。
それどころか玩具を無くしてがっかりしているような印象を受ける。
「あなた、自分の娘の魂を他の人の身体に移し替えて処刑させたんでしょ。どうしてそんな酷い事が出来るの?」
私の非難にサイラスはピクリと眉を上げて私を見据える。
「酷い事? 俺はただ魔術師としていろんな術を試したいだけだ。それにコーデリアの処刑を決めたのは俺ではなくて国王だ。あいつがコーデリアを処刑しなければ、もう一回魂の入れ替えが試せたのに…」
…残念がるのはそこなの?
やはりこのサイラスはまともな人間ではない。
そんな男が私に何をするつもりなのだろうか?
「あなた、今度は私に何をするの?」
サイラスは立ち上がると机の上に無造作に広げられた本を取り上げ、そこに書かれている魔法陣を私に見せた。
「これが以前、お前に使った魔法陣だよ。物は簡単に飛ばせるんだが、命のある物は失敗が多いんだ。特に体が大きくなるほど失敗しやすい。お前は唯一生きている物で異世界に飛んだ希少価値のあるものだ。しかも生きてまたこの世界に戻って来た。今度はその身体の大きさで異世界に飛ばせるかどうか試してみたいね」
…やはりこの男はまともじゃない。
逃げようにも周りを鉄格子に囲まれていては身体を隠すような場所もない。
サイラスは本を机の上に戻すと鉄格子に向かってジリジリと近寄ってくる。
鉄格子の前まで来るとサイラスは鉄格子の間に手を入れると私に向かって手のひらをかざした。
サイラスの手のひらから魔力が放たれたかと思うと、私の意思とは関係なく私の体がベッドから立ち上がった。
「なっ!」
驚いている私を尻目にサイラスはなおも私に手のひらをかざしている。
やがて何処からかスルスルと紐が現れて私の両腕を後ろ手に縛った。
…もう、これまでなのかしら…
…今度は何処の世界に飛ばされるのかしら?
…出来れば元いた世界に飛ばされるといいんだけど…
諦めて目を閉じた途端、物凄い地響きが私達を襲った。
どうやらまた何処かに転移させられたようだ。
私はもぞもぞと身体を動かしてみたが、幸いどこも縛られてはおらず、普通に寝かされているだけだと分かった。
寝かされているベッドから起き上がるとそこは部屋の中に設えた檻の中だった。
周りは頑丈な鉄格子でぐるりと囲まれていて、その鉄格子は床に埋め込まれている。
まるで床から鉄格子が生えているようだ。
一体どうやってこんな物を作ったのかしら?
試しに鉄格子を掴んで揺すってみたがビクともしない。
諦めてベッドの上に座り込んでいると、何処からか足音が近付いて来て、ガチャリと扉が開いた。
「目が覚めたか」
先程の黒いローブの人物が姿を現して、鉄格子の近くに寄ってくる。
身構えたところで逃げ場がないのはわかっているけれど、それでも警戒をせずにはいられない。
「あなたは誰? 私をどうするの?」
ベッドの上で身体を固くすると、その人物は目深に被ったフードを外して素顔を晒した。
短髪の黑い髪の壮年の男性でどことなくグレンダさんの面影が見える。
…この人が、サイラス?
男性は目をすがめて私を見るとニヤリと口元を歪めた。
「泣き喚くかと思いきや随分と肝が据わったお姫様だな。まあ、異世界から帰って来たんだから当然か?」
私が異世界から帰って来た事を知っていると言う事はやはりこの男がサイラスなのだろう。
「あなたが私を異世界に飛ばしたサイラスね。私をどうするつもりなの?」
なおもニヤニヤとしているサイラスに問いかけると、彼は手近にあった椅子に腰掛けるとこちらに向き直った。
「苦労して異世界に飛ばした娘が突然戻って来たんだ。どうしてそうなったのか知りたいと思うのは当たり前だろう? おまけにお前が戻って来た事で、グレンダは死んでしまうし…。あの魂の入れ替えにも苦労したのになぁ」
淡々と語られるサイラスの言葉に私はゾッとした。
サイラスはグレンダさんが死んだ事に一欠片の悲しみも感じていない。
それどころか玩具を無くしてがっかりしているような印象を受ける。
「あなた、自分の娘の魂を他の人の身体に移し替えて処刑させたんでしょ。どうしてそんな酷い事が出来るの?」
私の非難にサイラスはピクリと眉を上げて私を見据える。
「酷い事? 俺はただ魔術師としていろんな術を試したいだけだ。それにコーデリアの処刑を決めたのは俺ではなくて国王だ。あいつがコーデリアを処刑しなければ、もう一回魂の入れ替えが試せたのに…」
…残念がるのはそこなの?
やはりこのサイラスはまともな人間ではない。
そんな男が私に何をするつもりなのだろうか?
「あなた、今度は私に何をするの?」
サイラスは立ち上がると机の上に無造作に広げられた本を取り上げ、そこに書かれている魔法陣を私に見せた。
「これが以前、お前に使った魔法陣だよ。物は簡単に飛ばせるんだが、命のある物は失敗が多いんだ。特に体が大きくなるほど失敗しやすい。お前は唯一生きている物で異世界に飛んだ希少価値のあるものだ。しかも生きてまたこの世界に戻って来た。今度はその身体の大きさで異世界に飛ばせるかどうか試してみたいね」
…やはりこの男はまともじゃない。
逃げようにも周りを鉄格子に囲まれていては身体を隠すような場所もない。
サイラスは本を机の上に戻すと鉄格子に向かってジリジリと近寄ってくる。
鉄格子の前まで来るとサイラスは鉄格子の間に手を入れると私に向かって手のひらをかざした。
サイラスの手のひらから魔力が放たれたかと思うと、私の意思とは関係なく私の体がベッドから立ち上がった。
「なっ!」
驚いている私を尻目にサイラスはなおも私に手のひらをかざしている。
やがて何処からかスルスルと紐が現れて私の両腕を後ろ手に縛った。
…もう、これまでなのかしら…
…今度は何処の世界に飛ばされるのかしら?
…出来れば元いた世界に飛ばされるといいんだけど…
諦めて目を閉じた途端、物凄い地響きが私達を襲った。
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