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親友
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「俺がいない時はグレンの側を離れないでくれ。頼む」
アレクシスは私の瞳を真っ直ぐ真剣に見つめてくる。
いつ見ても澄んだ美しい瞳ね。歪んだ怪しい光を灯すリティシアの瞳とは…本当に大違い。
そして私はすぐに視線を逸らすと、腕を組み素っ気なく言葉を返す。
「…言われなくても分かってるわ。彼を護衛騎士にしたのは私の意思なんだから。」
皇后が私を嫌ってる…なるほどね。
そりゃ可愛い可愛いアレクシスを悪役令嬢わたしなんかに渡したくないでしょう…。皇后の気持ちがよく分かるわ。
王様もあんまり優しくはなさそうだし…両方共私を嫌っていると考えた方が自然ね。
…私を心配してくれてるのにごめんね、アレク。それは私の…狙い通りだわ。
悪目立ちをできる限り避けておけば…殺されずに婚約破棄に一役かってもらえそうだから。
どうか安心して下さい陛下、皇后。
私は大切な息子さんを奪うつもりは一切ございません。必ず彼を幸せに導いてみせましょう。
間違っても…私を殺さないで下さいね。
「あぁ、そうだよな。分かってくれてありがとう。それからグレン…お前ばかりに頼んで申し訳ないけど…改めてお願いをさせてくれ。俺の代わりに…リティシアを護ってほしい」
アレクシスが次にアーグレンの瞳を見つめると彼の瞳が不思議そうに揺らぐ。
「…アレク。そういう時に命令を使うべきだろう。お前は王子なんだから。…それに、お前に言われなくても私は初めからそうするつもりだ。安心してくれ」
「…ありがとう。命令…ではなくやっぱりお願いだ。だって命令なんてしなくてもグレンは俺の意志を誰よりも理解してくれる人だから…できれば命令はしたくないんだ。結局言ってることは何も変わらないんだけど…ただの俺の我儘だな」
その言葉にアーグレンはふっと微笑む。まるで初めからその答えが分かっていたかのように。
「…お前らしいな。分かった。お前の親友として…その言葉、確かに聞き入れた。友達っていうのは対等だから…命令、じゃなくお願いをな。」
二人の親友はかつての思い出を振り返りながら互いに笑みを浮かべた。彼らは今後もとても良い関係を築いていくのだろう。
「それじゃぁ…もう帰るか。リティシアとアーグレンも俺の馬車に乗っていくか?」
「馬車ね…ずっと考えていたんだけど貴方の竜に乗って帰れば良いじゃない。どうしてわざわざ馬車を使うの?」
私の言葉が予想外であったらしく、アレクシスは目を丸くして驚いている。その隣を見てみればアーグレンも同様に驚いていた。
え?私そんなにおかしいこと言ったかしら?
「…リティシア…急に竜が町中を飛び回ったら皆びっくりしちゃうだろ?そもそもこの魔法を知ってる人すら少ないし…知っていて更に使える人なんて数える程しかいない。無闇に使ったら町がパニックになっちゃうんだよ」
あぁ、なるほどね…そういうことを気にして使っていなかったのね。
白馬に乗ってる王子様ならきっとすぐに受け入れられるけど、竜に乗ってる王子様なんて下手したら侵略者かと思われかねないものね。
「へぇ…確かに急に竜が飛び回ってたら驚くわね。私だったらそんなこと考えないで普通に飛んでたわ。流石は町の人のことまで考える素晴らしい王子様ね。貴方らしいわ」
皮肉めいた言い方をしたのだが彼はそれに気づいているのかいないのか、屈託のない笑みを浮かべる。
これはちゃんと本心なんだけど…普通に褒めちゃうとリティシアっぽくないから…こうやって伝えるしかないの。ごめんね。
でも貴方は全然気にしてないようで良かったわ。私の言葉に傷ついて落ち込んだりされたら流石に悲しいもの…。
軽く受け流すという悪役令嬢対抗スキルがアレクにちゃんと備わっていて良かったわ。
…嫌われる路線はもうほぼ不可能に思えてきたからとりあえずこれ以上好かれないようにしないとね…。
「ありがとう。それで…どうする?二人も一緒に乗るか?」
「貴方なんかと一緒にいたくない…と言いたいところだけど王族の馬車は乗り心地が最高なのよね…。ねぇ、私が乗るならアーグレンも乗るわよね?」
「…公女様、私は今度こそ馬に乗って護衛しますよ」
私から視線を逸らすようにして彼はそう呟く。私はその言葉に微笑むと、すぐに真顔に戻す。
「アーグレンも乗りたくて仕方ないって言ってるわ。アレクシス、早く用意して」
急に話を振られたアレクシスは戸惑いながらもなんとか声を発する。
「いや全然言ってなかったけど…」
「何度も言わせないで。私に文句を言うのは百億年早いのよ」
「また年数が増えてるような…まぁいいや。俺も二人と一緒に帰りたいし。良いよな?グレン」
「…あぁ」
全てを諦めたアーグレンが絶望の眼差しをアレクシスに向ける。その瞳を見たアレクシスが思わず吹き出し、大声で笑い始める。
「なんか面白いな。グレンがリティシアに振り回されてるとか…凄く新鮮だ」
「貴方も私に振り回されてるくせによく言うわよ」
即座に言葉を返すと彼は「確かに…でも」と言葉を漏らす。そしてまたあの優しい笑顔を浮かべた。
「リティシアにならどれだけ振り回されてもいいよ」
「またそんな事言って…バカじゃないの?」
なんてね。本当にバカなのはアレクじゃない。
嬉しいなんて思ってる私が…一番バカだわ。
アレクシスは私の瞳を真っ直ぐ真剣に見つめてくる。
いつ見ても澄んだ美しい瞳ね。歪んだ怪しい光を灯すリティシアの瞳とは…本当に大違い。
そして私はすぐに視線を逸らすと、腕を組み素っ気なく言葉を返す。
「…言われなくても分かってるわ。彼を護衛騎士にしたのは私の意思なんだから。」
皇后が私を嫌ってる…なるほどね。
そりゃ可愛い可愛いアレクシスを悪役令嬢わたしなんかに渡したくないでしょう…。皇后の気持ちがよく分かるわ。
王様もあんまり優しくはなさそうだし…両方共私を嫌っていると考えた方が自然ね。
…私を心配してくれてるのにごめんね、アレク。それは私の…狙い通りだわ。
悪目立ちをできる限り避けておけば…殺されずに婚約破棄に一役かってもらえそうだから。
どうか安心して下さい陛下、皇后。
私は大切な息子さんを奪うつもりは一切ございません。必ず彼を幸せに導いてみせましょう。
間違っても…私を殺さないで下さいね。
「あぁ、そうだよな。分かってくれてありがとう。それからグレン…お前ばかりに頼んで申し訳ないけど…改めてお願いをさせてくれ。俺の代わりに…リティシアを護ってほしい」
アレクシスが次にアーグレンの瞳を見つめると彼の瞳が不思議そうに揺らぐ。
「…アレク。そういう時に命令を使うべきだろう。お前は王子なんだから。…それに、お前に言われなくても私は初めからそうするつもりだ。安心してくれ」
「…ありがとう。命令…ではなくやっぱりお願いだ。だって命令なんてしなくてもグレンは俺の意志を誰よりも理解してくれる人だから…できれば命令はしたくないんだ。結局言ってることは何も変わらないんだけど…ただの俺の我儘だな」
その言葉にアーグレンはふっと微笑む。まるで初めからその答えが分かっていたかのように。
「…お前らしいな。分かった。お前の親友として…その言葉、確かに聞き入れた。友達っていうのは対等だから…命令、じゃなくお願いをな。」
二人の親友はかつての思い出を振り返りながら互いに笑みを浮かべた。彼らは今後もとても良い関係を築いていくのだろう。
「それじゃぁ…もう帰るか。リティシアとアーグレンも俺の馬車に乗っていくか?」
「馬車ね…ずっと考えていたんだけど貴方の竜に乗って帰れば良いじゃない。どうしてわざわざ馬車を使うの?」
私の言葉が予想外であったらしく、アレクシスは目を丸くして驚いている。その隣を見てみればアーグレンも同様に驚いていた。
え?私そんなにおかしいこと言ったかしら?
「…リティシア…急に竜が町中を飛び回ったら皆びっくりしちゃうだろ?そもそもこの魔法を知ってる人すら少ないし…知っていて更に使える人なんて数える程しかいない。無闇に使ったら町がパニックになっちゃうんだよ」
あぁ、なるほどね…そういうことを気にして使っていなかったのね。
白馬に乗ってる王子様ならきっとすぐに受け入れられるけど、竜に乗ってる王子様なんて下手したら侵略者かと思われかねないものね。
「へぇ…確かに急に竜が飛び回ってたら驚くわね。私だったらそんなこと考えないで普通に飛んでたわ。流石は町の人のことまで考える素晴らしい王子様ね。貴方らしいわ」
皮肉めいた言い方をしたのだが彼はそれに気づいているのかいないのか、屈託のない笑みを浮かべる。
これはちゃんと本心なんだけど…普通に褒めちゃうとリティシアっぽくないから…こうやって伝えるしかないの。ごめんね。
でも貴方は全然気にしてないようで良かったわ。私の言葉に傷ついて落ち込んだりされたら流石に悲しいもの…。
軽く受け流すという悪役令嬢対抗スキルがアレクにちゃんと備わっていて良かったわ。
…嫌われる路線はもうほぼ不可能に思えてきたからとりあえずこれ以上好かれないようにしないとね…。
「ありがとう。それで…どうする?二人も一緒に乗るか?」
「貴方なんかと一緒にいたくない…と言いたいところだけど王族の馬車は乗り心地が最高なのよね…。ねぇ、私が乗るならアーグレンも乗るわよね?」
「…公女様、私は今度こそ馬に乗って護衛しますよ」
私から視線を逸らすようにして彼はそう呟く。私はその言葉に微笑むと、すぐに真顔に戻す。
「アーグレンも乗りたくて仕方ないって言ってるわ。アレクシス、早く用意して」
急に話を振られたアレクシスは戸惑いながらもなんとか声を発する。
「いや全然言ってなかったけど…」
「何度も言わせないで。私に文句を言うのは百億年早いのよ」
「また年数が増えてるような…まぁいいや。俺も二人と一緒に帰りたいし。良いよな?グレン」
「…あぁ」
全てを諦めたアーグレンが絶望の眼差しをアレクシスに向ける。その瞳を見たアレクシスが思わず吹き出し、大声で笑い始める。
「なんか面白いな。グレンがリティシアに振り回されてるとか…凄く新鮮だ」
「貴方も私に振り回されてるくせによく言うわよ」
即座に言葉を返すと彼は「確かに…でも」と言葉を漏らす。そしてまたあの優しい笑顔を浮かべた。
「リティシアにならどれだけ振り回されてもいいよ」
「またそんな事言って…バカじゃないの?」
なんてね。本当にバカなのはアレクじゃない。
嬉しいなんて思ってる私が…一番バカだわ。
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