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マーサは悩みに悩んでいた。
このままでは一線を越えてしまいそうだと危惧していた。
抱き締めることから始まった戯れはキスに続き、最近はお尻や胸をやわやわと触れられることがある。
マーサはなにも知らないなどという、うら若き令嬢ではない。
もうすぐ二十六になるマーサは夜の営みにについてもちろん知識がある。経験はないが。
自惚れてはいない、いけないはずだったが......とっくに好きになっていた。
シルヴァンとのキスを思い出しては夢心地になる。
抗えない自分がいるのだ。
あの素晴らしい殿下に好きだと言われて。
ただの軽口だとしても、その瞬間は本気かもしれないと思い込んでしまう。
だが、軽々しくお付き合いしたいなどと言える訳がない。
なぜなら殿下の結婚相手として全く相応しくない。
政治的に考えて良縁でもなんでもない。
実家は田舎の子爵家だ。
あと少し歳が若ければ可能性があったかもしれないが、さすがに選り取りみどりの殿下が年上のただの子爵令嬢の私を選ぶことはないだろう。
もうすでに遅い気もするが、殿下の軽口に私だけが本気になって取り返しのつかない傷を負う未来が見える。
自分に落ちないマーサが物珍しくて、躍起になっている可能性は多いにある。
この過ちがばれてしまった時に殿下を誘惑したと断罪される気しかしない。
「マーサ、キスしたい」
「な、なにを仰いますか!今日は駄目ですよ!」
「先日も嫌そうじゃないと思ったんだけど......俺はマーサを抱き締めるために毎日頑張ってるのに」
「ぐっ......」
今日こそは断ろうと毎回意気込んで来るが、シルヴァンを目の前にして断りきれた試しがない。
マーサは耳心地の良いことを言われて抗いきれない自分の弱さを痛感する。
「キスしていい...?」
抱き締めながらさんざん耳にキスをされたあと、耳元で囁かれると脳内がしびれだす。
シルヴァンの声にあぶない成分でも含まれているのかもしれない。
とろんと蕩けた目でマーサに見つめられたシルヴァンは返事を待たずにマーサの口にかぶりついた。
「んっ」
「今日もマーサは可愛すぎるよ......」
国民からの人気は高く、女性であれば誰もが羨むようなシルヴァンが自分とのキスに夢中になっている様子にたまらなく興奮する。
あまりに気持ちのいいキスにマーサはむずむずとしてくる。
身体を触られるようになってから、もうキスだけでいやらしい気持ちになってしまう。
はしたないのにどうしても気持ちがいい。
シルヴァンの両手が腰を伝ってお尻を包み込む。
腰がゾワゾワと感じ始め、次の快楽を待つ。
「んうっ......ん」
ちゅう、ちゅっとリップ音がマーサの耳を犯すが、尻に置かれた手は動かない。
断らなければいけないのに、もっとシて欲しい。
相反する気持ちがマーサのなかでせめぎあっていた。
マーサが太股を擦り合わせる動きに気づいたシルヴァンはキスを中断するとマーサの耳元で囁く。
「触ってほしい......?」
「いえっ......大丈夫ですっ」
「ほんとに?マーサの身体は触ってほしいって言ってるよ、ほら」
「あんっ」
マーサの尻に添えられていた手が力強く揉み込んだ。
マーサの細い腰が仰け反る。
「んっ......んん」
「マーサのお尻可愛い、柔らかい......」
「くう......んっ」
快感に耐えるようにシルヴァンの胸元で強く目を瞑るマーサ。
シルヴァンはマーサの顎に手をかけて上に向かせると唇に吸い付く。
「今日は最後までしちゃおっか......」
「ん!駄目です......!」
「俺のこと好きじゃない?」
「そういう訳では......!」
「好きだよね?ね?」
「シルヴァン殿下、落ち着いて、落ち着いてください......!」
「......ごめん、がっつきすぎた」
するりと腕が離れて、シルヴァンは髪をかきあげる。
「ふう......ごめん、ちょっと顔を洗ってくる」
その場に残されたマーサは突然解放された身体が、物足りなさに疼いていることに気がついていた。
このままでは一線を越えてしまいそうだと危惧していた。
抱き締めることから始まった戯れはキスに続き、最近はお尻や胸をやわやわと触れられることがある。
マーサはなにも知らないなどという、うら若き令嬢ではない。
もうすぐ二十六になるマーサは夜の営みにについてもちろん知識がある。経験はないが。
自惚れてはいない、いけないはずだったが......とっくに好きになっていた。
シルヴァンとのキスを思い出しては夢心地になる。
抗えない自分がいるのだ。
あの素晴らしい殿下に好きだと言われて。
ただの軽口だとしても、その瞬間は本気かもしれないと思い込んでしまう。
だが、軽々しくお付き合いしたいなどと言える訳がない。
なぜなら殿下の結婚相手として全く相応しくない。
政治的に考えて良縁でもなんでもない。
実家は田舎の子爵家だ。
あと少し歳が若ければ可能性があったかもしれないが、さすがに選り取りみどりの殿下が年上のただの子爵令嬢の私を選ぶことはないだろう。
もうすでに遅い気もするが、殿下の軽口に私だけが本気になって取り返しのつかない傷を負う未来が見える。
自分に落ちないマーサが物珍しくて、躍起になっている可能性は多いにある。
この過ちがばれてしまった時に殿下を誘惑したと断罪される気しかしない。
「マーサ、キスしたい」
「な、なにを仰いますか!今日は駄目ですよ!」
「先日も嫌そうじゃないと思ったんだけど......俺はマーサを抱き締めるために毎日頑張ってるのに」
「ぐっ......」
今日こそは断ろうと毎回意気込んで来るが、シルヴァンを目の前にして断りきれた試しがない。
マーサは耳心地の良いことを言われて抗いきれない自分の弱さを痛感する。
「キスしていい...?」
抱き締めながらさんざん耳にキスをされたあと、耳元で囁かれると脳内がしびれだす。
シルヴァンの声にあぶない成分でも含まれているのかもしれない。
とろんと蕩けた目でマーサに見つめられたシルヴァンは返事を待たずにマーサの口にかぶりついた。
「んっ」
「今日もマーサは可愛すぎるよ......」
国民からの人気は高く、女性であれば誰もが羨むようなシルヴァンが自分とのキスに夢中になっている様子にたまらなく興奮する。
あまりに気持ちのいいキスにマーサはむずむずとしてくる。
身体を触られるようになってから、もうキスだけでいやらしい気持ちになってしまう。
はしたないのにどうしても気持ちがいい。
シルヴァンの両手が腰を伝ってお尻を包み込む。
腰がゾワゾワと感じ始め、次の快楽を待つ。
「んうっ......ん」
ちゅう、ちゅっとリップ音がマーサの耳を犯すが、尻に置かれた手は動かない。
断らなければいけないのに、もっとシて欲しい。
相反する気持ちがマーサのなかでせめぎあっていた。
マーサが太股を擦り合わせる動きに気づいたシルヴァンはキスを中断するとマーサの耳元で囁く。
「触ってほしい......?」
「いえっ......大丈夫ですっ」
「ほんとに?マーサの身体は触ってほしいって言ってるよ、ほら」
「あんっ」
マーサの尻に添えられていた手が力強く揉み込んだ。
マーサの細い腰が仰け反る。
「んっ......んん」
「マーサのお尻可愛い、柔らかい......」
「くう......んっ」
快感に耐えるようにシルヴァンの胸元で強く目を瞑るマーサ。
シルヴァンはマーサの顎に手をかけて上に向かせると唇に吸い付く。
「今日は最後までしちゃおっか......」
「ん!駄目です......!」
「俺のこと好きじゃない?」
「そういう訳では......!」
「好きだよね?ね?」
「シルヴァン殿下、落ち着いて、落ち着いてください......!」
「......ごめん、がっつきすぎた」
するりと腕が離れて、シルヴァンは髪をかきあげる。
「ふう......ごめん、ちょっと顔を洗ってくる」
その場に残されたマーサは突然解放された身体が、物足りなさに疼いていることに気がついていた。
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